平成4787日目
2002/02/15
この日のできごと(何の日)
【政府】東ティモールPKO決定
政府は15日午前の安全保障会議と閣議で、東ティモール国連平和維持活動(PKO)への自衛隊参加を了承し、実施計画を決定した。680人と過去最大の部隊派遣となり女性自衛官7人も初参加する。中谷元・防衛庁長官は同日、陸上自衛隊などに派遣を命令。部隊は3月初旬から4月にかけて順次出発する。
実施計画によると、当面は8月20日までの半年間、1992−93年のカンボジアPKO(600人)を上回る規模の施設部隊が北海道の北部方面施設隊で編成され、道路や橋の維持・補修を担う。女性自衛官は医療や通訳要員。その後交代し、2年をめどに順次延長措置を取る方針だ。《共同通信》
2月15日、小泉首相は官邸で東ティモール国際平和協力隊の代表から出国報告を受けた。
今回派遣される隊員は約700名であり、UNTAET(国際連合東ティモール暫定行政機構)のもとで、PKOの活動に必要な道路、橋等の維持補修、給水所の維持・管理などを行うことになっている。5月20日に予定されている東ティモールの独立後には、UNTAETに代わり設立される国連PKOに引き続き参加することを予定している。
小泉首相は、出国する隊員の代表から任務等の報告を受け、それに対して隊員を激励した。《首相官邸》
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【経済財政諮問会議】
政府は15日、経済財政諮問会議を開き、月内をめどにまとめるデフレ総合対策を集中的に議論した。主眼である不良債権処理と金融安定化について、対策を通じて「不良債権問題を終結に向かわせる」ことを確認。
竹中平蔵経済財政担当相は記者会見で「結果として(銀行の)資本不足が生じた場合は、それに基づいた監督行政を行う」と明言し、政府として公的資金による資本再注入も視野に、金融安定化に当たる方針を明らかにした。《共同通信》
【衆院予算委員会】田中、鈴木氏の招致決定
衆院予算委員会は15日夜の理事会で、アフガニスタン復興支援会議への一部非政府組織(NGO)参加拒否など外務省問題に関する20日の集中審議に、田中真紀子前外相、鈴木宗男前衆院議運委員長の2人を参考人として招致することを決めた。
2002年度予算案審議に支障が出ることを懸念した与党側が、野党の要求を受け入れた。田中氏は先月24日の予算委で、NGO参加拒否に鈴木氏の圧力があったと答弁したのに対し、鈴木氏や外務省事務方がこれを否定。田中氏は国会が混乱した責任を問われて更迭に追い込まれており、真相解明が進むか注目される。
20日は午前、まず田中氏、この後鈴木氏という順で委員会に出席してNGO参加拒否問題などに関する質疑を行い、午後からは小泉純一郎首相らが出席して外務省改革など外交・安保全般の質疑を行う。野党は野上義二外務事務次官や参加拒否されたNGO代表らの招致も求めていたが、竹内行夫次期事務次官が午後の質疑に出席することで折り合った。《共同通信》
【ソルトレイクシティー五輪】仏審判員が不正採点
ソルトレイクシティー冬季五輪フィギュアスケートのペア自由演技で、審判員に不正な採点があったとの疑惑が出ていた問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は15日に理事会を招集し、銀メダルだったカナダのペアにも金メダルを与える決定をした。
優勝したロシア組の金メダルはそのままとし、銀メダルはなしとした。この問題は冬季五輪史上最大の不正疑惑として発展していた。審判団の不正が原因で、いったん確定したメダルが覆るのは五輪史上初めて。
11日に行われたペア自由の採点では、フランスのマリレーヌ・ルグーニュ審判員がロシアを支持したが、フランスがペアでロシアに高得点を与える見返りに、アイスダンスではロシアがフランスに高得点を出すとの“密約”があったとの、うわさもある。
フランス・フィギュアスケート連盟のガヤゲ会長はこれを認める形で「彼女は特定の行動をとるよう圧力を受けていた。採は少し操作された」とAP通信に対して語っていた。
IOCのメダル変更決定に先立って国際スケート連盟(ISU)は14日夜に緊急理事会を開き、ペアの採点をした9人の審判員のうち、ルグーニュ審判員に不正行為が認められたとし、当分の間資格停止処分にすることを決めた。《共同通信》
【この日の民主党】
木下議員、大学改革、帝京大疑惑を質す
15日、衆議院予算委員会で民主党の木下厚議員が質問に立ち、大学改革および帝京大学不正入試疑惑問題について質した。
木下議員はまず、学力の低下、不祥事の多発など大学生を取り巻く多くの問題が指摘されるなか、大学の構造改革に対する政府の考えを質した。遠山文相は「大学の役割は大きく、各大学努力している。教育と研究が大学の役割。特にこれからは研究の成果を地域に発信していくことが大切」と答えた。
木下議員は特に医学部、医科大学の現状について質したが、坂口厚労相は「技術に片寄りすぎている。バランスのとれたリーダーの養成に欠ける。地域のリーダーになれるよう人格の涵養をしっかりやれなければならない」と答弁した。
次に不正入試疑惑が報道されている帝京大学の問題を取り上げ、大学側からの聞き取り調査の結果を質した。遠山文相は「合否判定前の寄付金の受け渡しは関知していない、理事長の親族は大学とは無関係、選抜の合否判定は厳正に行っている、と報告を受けている」と答えた。この答弁に木下議員は納得せず、さらに厳しく追及した。
河村議員、鈴木宗男氏と外務官僚の黒い癒着を追及
15日、衆議院予算委員会で質問に立った民主党の河村たかし議員は、一昨日に続いて、1月24日の外務省官僚と鈴木宗男議員との料亭密会問題について事実関係を質した。
1月24日は、予算委員会の質疑においてアフガニスタン復興支援国際会議でのNGO排除問題が焦点となり、当時の田中外相が鈴木議員の関与を認めた日。河村議員は、この日の夜に問題となる2つの会合があったことを明らかにし、それぞれについて事実関係を追及した。
まず、東京・赤坂のステーキ店において開かれた、鈴木議員主催のアフガニスタン支援会議慰労会については、外務省から上村南東アジア第2課長(当時は総合政策局企画官)および総務課職員らが出席し、支払いは鈴木議員が行ったことが判明した。
河村議員は、「鈴木議員が当時の田中外相を“嘘つき”と言ったその当日に、呼び出されてノコノコ出ていったのか。結局、国会答弁の口裏合わせをやったのではないか」と追及。外務省側は否定したが、河村議員は「特定議員と官僚がこんなズブズブの関係になっていて、外務省改革などできるのか」と指弾した。川口外相は「信頼回復が必要な時期に、遺憾だ」と述べたものの、関係者の処分は考えていないとした。
また、この“慰労会”の後に赤坂の料亭で行われた会合は、自民党の松岡利勝衆院議員が主催(支払いも)し、同党の吉田六左エ門議員、シリア駐日臨時代理大使と関係者、外務省からは小町官房長、重家中東アフリカ局長が出席。ここに遅れて鈴木議員らが合流した。
外務省側は、会合の趣旨はシリア大使館の土地・建物をめぐる裁判問題の協議だったとしたが、そうした外交案件について外務省とは関係のない一議員が会合を主催し、外務高官が参加すること自体が不自然であり、会合そのものの性格について不透明さが残った。
また、2人の外務官僚は「鈴木議員とはまったく言葉を交わさなかった」と言い張ったが、河村議員は「信用できない」と一蹴。「特定議員との関係が問題になった日の夜に、一緒に酒を飲んでおごってもらう。こういう人間たちが引き続き職務に就いていて、省改革などできるのか」と再度川口外相に詰め寄った。外相は「すでに厳重に注意した」として2人の処分の必要を認めなかったが、河村議員はさらに「いつ、どこで両者に厳重注意をしたのか」と追及。外相は明確に答えられなかった。河村議員は「そんなことで外務官僚機構に切り込めるわけがない」と厳しく批判した。
野党の反転攻勢だ」菅幹事長が会見
民主党の菅直人幹事長は、15日の定例会見で、衆院予算委員会での民主党の追及により、1月24日の鈴木宗男氏と外務省幹部との密会が判明するなど、両者の癒着が次々に明らかにされていることに触れ、「民主党を中心とする野党の反転攻勢が実現されつつある」と語った。
菅幹事長はまた、小泉首相のデフレ対策指示について、構造改革との関係を整理しないままで、方向性が定まらないと指摘。「(政府の経済政策は)方向感覚を失い、空中分解しかねない」と痛烈に批判した。
4野党、あっせん利得処罰強化法案提出へ
15日、4野党(民主・自由・共産・社民)は政策責任者会議を開催し、あっせん利得処罰強化法案及び2002年度予算の共同組替要求等について協議。会議後、民主党の岡田克也政策調査会長は、あっせん利得処罰強化法案について、「4党で合意に到り、早急に提出することを確認した」と明らかにした。
あっせん利得処罰強化法案のポイントは、(1)処罰対象に私設秘書や親族等も含む、(2)「その権限に基づく影響力を行使して」との文言を削除する、(3)犯罪の構成要件から「請託」をはずす、(4)第3者供賄について明記する、(5)「契約の締結、行政処分」に限定せず、「職務に関する行為」全般に拡大する、(6)「要求」「約束」「申込」も対象に、(7)「報酬」の範囲を拡大する、というもの。
また、2002年度予算の共同組替要求については、4党実務者からの中間報告を受け、来週半ばまでにとりまとめる方針だとした。《民主党ニュース》