平成4776日目

2002/02/04

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】施政方針演説

小泉純一郎首相は4日午後、衆院本会議で就任後初の施政方針演説を行い、深刻化する景気低迷を受け、日銀と協力してデフレ(物価下落)を阻止する強い決意を表明、今年を「経済再生の基盤を築く年」と位置付け、金融危機を起こさないために「あらゆる手段を講じる」との考えを強調した。日銀による金融緩和策の一層の推進、公的資金再投入などが念頭にあるとみられる。

税制の抜本改正については、6月ごろに基本的方針、年内に具体案を取りまとめ、2003年度から順次実施する方針を明示。金融機関の不良債権問題は04年度に正常化させ、同年度以降の経済成長実現を目指す考えを示した。

特殊法人改革で焦点の政府系金融機関の見直しは、年内に結論を出す方針を明言。有事法制の整備では今国会に関連法案を提出する意向を強調した。

外務省の混乱に関しては「改革を強力にすすめる」と述べるにとどめた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【川口順子外相】外務省改革に決意

川口順子外相は4日午後、衆参両院本会議で外交演説し、「外交が国民に理解され、支持されなくてはならない。外務省改革を力強く実施していく」と外務省改革への強い決意を披瀝した。

アフガニスタン復興支援会議への非政府組織(NGO)拒否問題で「外交への特定の圧力を排除する」と強調。「外務省の体質・仕事ぶりが国民の期待に沿うようにしていく」と約束した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・社民党の土井たか子党首は4日の小泉純一郎首相の施政方針演説での有事法制の言及部分について「どういう手順、どういう中身かさっぱりわからない」と批判した。「『備えあれば憂いなし』とばかり言っているが、スローガンはもういい。この国会で、と考えるのならば、責任あるところを聞かせてもらいたい」と要求。「有事、有事と騒ぎ立てているときに、無責任な言質でやるのは慎むべきだ。憂いなきどころか憂いをつくるようなものだ」。有事法制整備や改憲には明確に反対な土井氏だけに、姿勢がはっきりしない施政方針演説にはイライラが募る。《共同通信》

【皇太子殿下】オランダから帰国

オランダ皇太子の結婚式出席のため、オランダを訪問していた皇太子さまは4日午後、成田空港着の定期便で帰国、雅子さま、愛子さまが待つ東京・元赤坂の東宮御所に戻られた。

玄関で出迎えた雅子さまは黄色いスーツ姿で、到着した専用車に向かってお辞儀。車から降りた皇太子さまとしばらく談笑した。

皇太子さまは1月30日に出発、2日にアムステルダムの教会での結婚式に参列したほか、市内の運河を視察。ナールデンの古城やハーグの美術館も訪問した。《共同通信》

【H2A・2号機】打ち上げ成功

宇宙開発事業団の国産主力ロケットH2Aの2号機が4日午前11時45分、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。搭載した高速再突入実験機(DASH)と民生部品・コンポーネント実証衛星(MDS1)を放出し、打ち上げは成功した。

先代のH2は1998、99年に連続失敗したが、H2Aは昨年8月に続き連続して成功。今回までは試験飛行だが、3号機以降は実用衛星の搭載が決まっており、本格運用に向け大きく前進した。

7日深夜には、DASHから小型カプセルを切り離し、大気圏に再突入させる実験を行う。《共同通信》

【雪印食品】パートら1000人解雇

雪印食品の偽装牛肉事件で、同社が全国の統括支店や工場、事業所などで働く正社員以外のほとんどの嘱託職員とパート従業員ら約1000人に対し、3月10日付で解雇すると通告していたことが4日、分かった。正社員約950人の処遇について広報室は、現時点では何も決めていないとしている。

全国の生協やスーパーなどの店頭から次々に同社製品が撤去され、売り上げが落ち込んでいるためで、まずは契約社員から雇用調整に踏み切る。

同社の子会社で、加工肉の製造などを受託している日本食肉加工(北海道余市町)はこの日、全従業員のほぼ3人に1人に解雇を通告。親会社に当たる雪印乳業も週内に、人員削減や工場閉鎖などを含む追加リストラ策の概要を打ち出すとみられ、雪印グループの再編の動きが加速するのは避けられない見通しだ。

関係者によると、雪印食品は今月2日から4日にかけて順次、嘱託とパート従業員らに解雇を実施せざる得ない同社の窮状などを説明したという。同社は1月26日、偽装事件を非難する声が高まったのを受け牛肉加工品の製造、販売を自粛。同29日には、農水省の指導で鳥肉や豚肉を含む食肉事業からの撤退を決めるとともに、前社長が引責辞任するなど経営陣の大幅刷新人事を発表した。《共同通信》

【この日の民主党】

原口議員、外務省の無反省を追及

4日、衆議院予算委員会の質疑において、民主党の原口一博議員が質問に立ち、NGO排除をめぐる外務省問題と首相の政治責任を中心に政府を追及した。

冒頭、原口議員は、元札幌国税局長が脱税容疑で逮捕された事件、および多くの投資家の被害を生んだ大和都市管財詐欺事件を財務当局が見逃してきた問題を取り上げ、「国民を詐欺から守る、脱税を摘発するべき人が、逆のことをやっていてどうする」と厳しく批判した。

次に原口議員は、NGO排除をめぐる外務省の問題を追及。鈴木議員の意見を外務省が気にしすぎたという小泉首相の見解は、「特定の議員の主張に従ったことはない」とする先の「政府見解」と食い違うではないか、と質した。首相は「最終的な判断は外務省自らが下した」としながらも、「変な議員の変な声を気にしすぎた」と改めて発言。これに対して、外務省の重家中東アフリカ局長は「特定の政治家の影響を受けたということはない」と答弁するなど、再び政府内の見解の混乱が露呈した。

原口議員は、「こんなことではしっかりした外交は進められない」と指摘し、事実と問題点を明確にするために、田中元外相、野上外務次官、鈴木議員、ピースウィンズの大西代表の4名を招致して同委員会で集中審議を開催するよう要求した。

野田議員、農水相に辞職迫る

衆院予算委の補充質疑が行われた4日、原口一博議員に次いで質問に立った民主党の野田佳彦議員は、40分間の持ち時間すべてをBSE問題で失政を続ける武部農水相の責任問題追及に充て、農水相の辞任を強く迫った。

野田議員は「武部農水相は大臣就任後、とても失言が多かった。なぜそんなに失言が多いのか」と切り出した。武部農水相は「そういう印象を与えたとしたら不徳の致すところ。反省したい」と殊勝らしい答弁でかわそうとしたが、野田議員は「印象を与えたどころの話ではない。これまでのBSEをめぐる国会論戦のほとんどは武部農水相の失言をめぐるものだったといってよい。これほどの失言は失政に他ならない。これからも失言を続けるのか」「閣僚としての資質を欠いている」「風評被害の陰にあなたの存在がある。牛肉をおいしそうに頬張るあの非科学的パフォーマンス以来、農水省の科学的知見はまったく信頼されなくなった」「農水省の組織としての後手後手の対応、危機感のなさ、不手際の多さ、不適切発言の多さなど、農水相の任にあらずだ」と次々に容赦なく責めた。

野田議員はまた、小泉首相に「田中前外相はやめさせられたが、武部農水相はなぜ解任しないのか」と質した。首相は「農水相の場合には今までのことを反省して省庁とよく連携して一丸となってやっている。田中前外相の場合には、一省内の問題にとどまらなくなった」と苦しい答弁を行った。

4野党、農水相の不信任決議案を共同で提出

4日、衆議院本会議終了後、民主党の佐藤謙一郎議員、鮫島宗明議員ら9名の野党議員は、BSE(牛海綿状脳症)対策の責任を問うため、武部農水相に対する4党共同の不信任決議案を衆院へ提出した。賛成者は179名で、4会派の所属議員のほか、無所属の川田悦子議員が賛同した。

提出後の会見で鮫島議員は、「本日行われた予算委員会での答弁、そして施政方針演説でも、首相・農水相は現状を乗り切るには認識が不十分であることを改めて確認した」とし、不信任決議案提出に踏み切った経緯を語った。

[農林水産大臣武部勤君不信任決議案 提案理由]

昨年九月、千葉県でわが国初の「BSE」感染牛が確認されたことは、わが国畜産業界のみならず、国民にとってまさに衝撃的な事態であった。その後、北海道、群馬と相次いで「BSE」感染牛が確認されるに及んで、わが国の牛肉を中心とした食の安全性に対する不信は大きく広がり、生産者、流通・加工業者、小売店や飲食業者、そして消費者に甚大な影響をもたらしている。

この事態は、政府及び農林水産省の重大な失態によってもたらされたものである。農林水産省はこれまで一貫して、わが国における「BSE」感染牛の発生の危険性を否定しつづけ、昨年六月にはEUから日本は「BSE」感染牛の発生の恐れが高いと指摘されながら、これを全面的に否定し、そのような評価を受けることさえ拒否した。

さかのぼれば、一九九六年四月に肉骨粉使用禁止のWHO勧告を受けたにもかかわらず、行政指導にとどめたことが、今日の事態を招来させる原因となった。WHO勧告を受けて設けられた農林水産省の「検討会」で、専門家から相次いだ法的禁止措置の提起を無視した結果であるが、その対応に重大な責任をもつ当時の農林水産省幹部をかばい、真相究明に蓋をしたのが武部農林水産大臣である。

いわんや、その農林水産大臣が「感染源の究明はそんなに大きな問題か」などと暴言を吐き、さらに、「雪印食品問題」では、不正の温床を放置し、そのチェックに頬かむりしてきた。このような無責任な大臣が、その職にとどまるべきではないとの声が国民の間から澎湃として起こったのは当然である。

最早、農林水産省に問題を克服する能力があるとは到底考えられない。武部農林水産大臣の罷免こそが、わが国の農林水産行政への信頼回復と「BSE」問題解決に向けて、最低限必要な措置であり、事態打開への端緒である。

よって、ここに武部農林水産大臣の罷免を強く求め、不信任決議案を提出する。

言葉だけが踊り具体性なし~羽田特別代表が施政方針演説批判

民主党の羽田孜特別代表は、4日、小泉首相の初めての施政方針演説に対して、「言葉だけが踊り、新鮮味、具体性に欠け、今の厳しい状況にどう対処するのかがない」と厳しく批判した。

この日、首相の施政方針演説の後に定例会見に臨んだ羽田特別代表は、「首相は本当に厳しい経済指標を感じているのか、疑う」と指摘。さらに、内閣支持率の急低下について「国民が冷静になり、結局小泉内閣も森内閣と同じ密室性にあることに気付きつつあるのではないか」と捉えた上で、「早晩この内閣は行き詰まる。解散・総選挙もそう遠くない」と分析した。《民主党ニュース》



2月4日 その日のできごと(何の日)