平成4770日目

2002/01/29

この日のできごと(何の日)

【小泉純一郎首相】田中真紀子外相を更迭

小泉純一郎首相は29日夜、アフガニスタン復興支援会議への一部非政府組織(NGO)参加拒否問題をめぐって国会が混乱した責任を取らせる形で、田中真紀子外相と野上義二外務次官を更迭した。首相は同日深夜、首相官邸に田中外相を呼び、更迭を通告した。鈴木宗男衆院議運委員長も引責辞任する。

首相は外相と外務官僚との度重なる確執で外交が停滞している現状を打開し、山積する外交課題処理に当たる態勢を整える必要があると判断した。同時に、この問題を放置すれば2012年度第2次補正予算案審議だけではなく、02年度予算案審議にも重大な影響を及ぼす、との危機感も背景にあった。

NGO参加拒否問題の当事者3人に責任を取らせる「けんか両成敗」の決着となったが、野党は首相の任命責任を追及する構えで、首相の政権運営は発足以来、重大な局面を迎えた。

田中外相は小泉政権の目玉閣僚として入閣したが、在任わずか9カ月で異例の「更迭」に追い込まれた。首相にとっては国民の人気が高い田中外相を更迭したことで内閣支持率と今後の政権運営にも大きな影響を及ぼすのは確実だ。

田中外相は首相との会談後、首相官邸で記者団に「本会議で自宅に戻る途中、車に電話があり、呼ばれた。首相にはあなたと次官の身柄を預けてほしいと言われた。(首相には)お世話になりました、と言った」と語った。《共同通信》

「わたしは更迭ですか」「そうです」。小泉純一郎首相はついに「政権の生みの親」田中真紀子外相の更迭を決断した。午後11時50分、田中外相は本会議を終えて帰宅する途中、電話で官邸に呼び戻された。

外相は小泉首相に「事務次官の人事をわたしにしっかりさせていただきたい」と切り出した。だが首相は逆に「あなたも含めて身柄を預けてくれ」と通告したという。

更迭を告げられた外相は「お世話になりました」と言ったという。

わずか5分で執務室から出てきた外相に、集まった約50人の報道陣は騒然。一斉にカメラのフラッシュがたかれる中、田中外相は少し赤い目で「お話申し上げます」と自身の更迭を話し始めた。

田中外相から約30分遅れて出てきた野上義二事務次官は、報道陣にもみくちゃにされながらも「結果としてこういう混乱を招いた事務方の責任」と、淡々とした表情で言った。「外相がいろいろやろうとしていた成果をどう思うか」と問われると「ご質問の意味が分かりませんね」と吐き捨てるように言った。《共同通信》

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【WBAミニマム級タイトル戦】星野敬太郎選手が王座返り咲き

世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級王座決定戦12回戦は29日、パシフィコ横浜で行われ、同級2位の星野敬太郎(金沢)が、同級3位のガンボア小泉(フィリピン)を3-0の判定で下し、昨年4月に失った王座の奪回に成功した。

32歳5カ月の星野は、輪島功一の32歳9ヶ月に次ぐ、日本選手史上2位となる高齢での世界王座獲得となった。星野の戦績は30戦23勝(6KO)7敗。《共同通信》

【衆院本会議】与党、補正も採決を強行

アフガニスタン復興支援会議への一部非政府組織(NGO)参加拒否問題の政府見解をめぐる与野党の折衝は29日、決裂した。与党3党は同日夜に衆院本会議を強行、野党欠席の中で2001年度第2次補正予算などが可決、通過した。

与党は29日、野上次官が24日朝の外務省勉強会でNGO問題に関して鈴木宗男衆院議院運営委員長の名前を挙げていないとする政府作成の外務省幹部聴取結果を野党に提示、本会議開会に向けた環境整備を進めた。

これに対し、野党側は(1)衆院議運委である鈴木氏への質疑(2)衆院予算委を採決前に差し戻し質疑続行ーを要求したが、与党側が拒否した。《共同通信》

【民主党・大橋巨泉参院議員】議員辞職願を提出

タレントで民主党所属の大橋巨泉参院議員は29日午後、井上裕参院議長に議員辞職願を提出した。大橋氏は記者会見で、有事法制に批判的な集会への出席を党執行部から注意されたことなどを指摘、「これ以上議員を続けても(有権者に)」約束したことを遂行できない」と、党運営に対する不満を辞職の理由に挙げた。

民主党執行部は「熟慮の結果であり意思を尊重せざるを得ない」として辞職を認める方針。昨年の参院選で担ぎ出した看板議員の辞職だけに党のマイナスイメージを懸念する声もある。辞職は近く開かれる参院本会議で認められる見通し。大橋恩氏は今後、文筆活動などで政治的見解を表明する活動を続ける考えだ。

これに伴い、フィンランド出身の元神奈川県湯河原町議ツルネン・マルテイ氏が繰り上げ当選となる。

記者会見で大橋氏は、外務省をめぐる国会の混乱に関し「(だれに責任があるか)判断を下さなかった小泉純一郎首相に責任がある」として政治全体への不信感を表明、自らの考えをアピールするためにも議員辞職に踏み切ったことを明らかにした。

大橋氏は昨年7月の参院選挙で民主党比例代表から立候補、41万票余りを獲得してトップで初当選した。《共同通信》

「これ以上議員を続けても有権者に約束したことを遂行できない」。参院議員の辞職願を出した大橋巨泉氏は29日午後、国会近くのホテルで、せきを切ったように話し始めた。

当選からわずか半年。一貫して「反戦」を掲げる大橋氏は、執行部に自重を求められながら有事法制の反対集会に参加するなど「造反」。昨年7月の参院選で党の“顔”として41万余票を獲得した。人気議員ながら、党との確執が深まっていた。

会見場には民主党だけでなく、有事法制にともに反対している社民党議員らが駆けつけ「辞めないで」。涙声の説得に、大橋氏は「辞めても一緒に戦いますよ」と淡々と答えた。

「今日辞めるつもりではなかったが、昨日の予算委員会はひどかった」。辞職に踏み切る直接のきっかけは田中真紀子外相と外務省の「言った」「言わない」論争だったという。「民主党も自民党と同じ体質。力が抜けました」。

「今月19日の党大会から、眠れずに体重が7キロも減った」と大橋氏。「参院選で少なくとも100万票は取れると思っていた。敗北感は大きかった」最後は「疲れた。少し休ませて」と目を閉じた。《共同通信》

【雪印食品】本社でも偽装

雪印食品(東京)が外国産の牛肉を国産と偽装した問題で、同社の吉田升三社長(58)らは29日夜、東京・日本橋の本社で記者会見し、輸入牛肉の詰め替えが関東ミートセンター(埼玉県春日部市)と本社営業調達部でも行われていたことを明らかにした。

偽装牛肉は、計約30トンに上る。輸入豚肉を国産と偽って販売した可能性もあるという。

吉田社長はこの日、桜田弘巳専務とともに引責辞任し、後任社長には岩瀬弘士郎取締役が就任した。他の役員はすべて6月の株主総会後に退任する。同社は、一連の偽装に関する社内の調査報告書を農水省に提出。組織的関与については「協議した事実はない」とした。

同省は偽装工作にかかわった関係者を詐欺などの疑いで兵庫県警に告発し、同県警も本格捜査に着手する。

武部勤農相はこの日、記者団に対し、既に買い取った国産牛肉計92万箱、約1万3000トンすべての点検を検討するよう指示したことを明らかにした。

雪印食品は食肉事業からの撤退と全国4カ所のミートセンターを2月上旬から順次閉め、2月末までにすべて閉鎖する。《共同通信》

【小泉純一郎首相】名大・野依良治教授に感謝状


https://www.kantei.go.jp/

1月29日、官邸において小泉首相から野依良治名古屋大学教授に対し、内閣総理大臣感謝状の授与及び賜杯の伝達が行われた。

野依教授は、有機化学の研究に従事し、触媒による不斉合成の研究に関し優れた業績を挙げたことにより、2001年「ノーベル化学賞」を授与された。今回の授与は学術文化及び科学技術の発展に多大の貢献をしたことに対して感謝の意を表したもの。《首相官邸》

【韓国】8閣僚交代

韓国の金大中大統領は29日、李相周・大統領秘書室長を副首相兼教育人的資源相に、丁世鉉・国家情報院長統一特別補佐役を統一相に起用するなど8閣僚と閣僚級ポストを入れ替える中規模の内閣改造を行った。李漢東首相は留任した。

また大統領秘書室長と計8人の首席秘書官については、ベンチャー企業をめぐる金融不正事件に絡み検察が参考人聴取の方針を固めた李起浩・経済首席秘書官ら7人を交代。大統領側近の朴智元・前政策企画首席秘書官を閣僚級の政策特別補佐役に充てた。

内閣改造は昨年9月以来。金大統領は、親族にまで及んだ事件捜査で生まれた国民の不信感を払しょくし、残り一年余りの任期を経済安定やサッカーのワールドカップ(W杯)の成功、年末の大統領選挙の管理などに取り組む。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】「悪の枢軸(axis of evil)」発言


https://www.youtube.com/

ブッシュ米大統領は29日夜、議会の上下両院合同会議で初の一般教書演説を行い、大量破壊兵器の開発、獲得によって米国と同盟国に脅威を与えている国家として朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とイラン、イラクを名指しして警告、今後も世界規模でテロとの戦いを推進していくことを宣言した。

昨年9月11日の米中枢同時テロ以来、戦争を遂行する大統領として国民の絶大な支持を集めてきたブッシュ大統領は演説で(1)テロとの戦いの継続と勝利(2)国土防衛強化(3)景気回復ーを政策の3つの柱とする政治姿勢を明確に打ち出し、国民の協力と忍耐を呼び掛けた。

大統領は、演説会場に招待したアフガニスタン暫定行政機構のカルザイ議長(首相)を前に「われわれはアフガンを圧政から解放した。カブールの米大使館に再び星条旗が翻った」と述べ、軍事作戦の「第一幕」となったアフガンで目標をほぼ達成したと、事実上の勝利宣言を行った。

しかしアフガンで数万人がウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイルダのテロ訓練を受けたことを明らかにした上で「テロとの戦いは始まったばかりだ」と述べ、今後もテロとの戦いを世界規模で続行していく方針を強調。既に米国がテロとの戦いに取り組んでいる場所として、フィリピン、ソマリアに言及した。

北朝鮮に対しては「中枢テロ以降沈黙しているが、われわれは彼らの本性を知っている。国民を飢えにさらす一方で、ミサイルと大量破壊兵器で武装しようとしている」と手厳しく批判した。《共同通信》

【ソルトレークシティー五輪】選手村オープン

ソルトレークシティー冬季五輪(2月8日開幕)の選手村が開幕まであと10日と迫った29日に正式オープンし、スピードスケートの三宮恵利子、岡崎朋美(ともに富士急)らが日本選手のトップを切って入村した。

選手村は、市東部の高台にあるユタ大の学生寮を使用。国際ゾーンで行われた開村式では、スペンサー・エクルズ村長と、最初の「一日村長」となった娘のリサさんが約1メートルの巨大なはさみで赤いテープをカット。関係者の大きな拍手に包まれた。

選手村には五輪期間中、約3500人の選手、役員が生活する。《共同通信》

【この日の民主党】

鳩山代表、ホームレス問題で新宿・戸山公園を視察

29日、民主党の鳩山由紀夫代表が、ホームレスの人々が居住している新宿区の戸山公園を視察した。同公園では、約140名の人々がテント小屋をつくって生活している。視察には、岡田克也政調会長、鍵田節哉衆議院議員、山井和則衆議院議員が同行した。

鳩山代表はテントの間を歩きながら、住人たちに声をかけ、生活の状況などを聞いて回った。住人たちからは、
「病気になったのをきっかけに夫が失業してしまって、こんなとこに来ることになった」
「今日も日雇いの仕事を探しに行ったがなかった。最近は週に1、2日しか仕事がない。本当はこんなところに住みたくないが、アパートに住む金がない」
「見ず知らずの男性にいきなり棒で殴られて、今も肩が痛む」
などの話があった。

また、行政への要望として、
「毎日働けるように、職を増やしてほしい」
「夫婦そろって入れる施設を」
などの声が寄せられた。

この日の視察では、住人の多くが就労を希望しながら職がなく、週に2、3日の日雇い仕事の収入で生活していること、生活環境は悪く、暴力行為を受ける危険から身を守る手だてがないこと、不況によるリストラなどでホームレスになる人が増えていることなどが明らかになった。

民主党では、ホームレス対策への国の責任と自治体への財政援助を明記した「ホームレスの自立支援臨時措置法案」を今国会に議員立法で提出し、成立をめざすことにしている。

鳩山代表と山井議員、DVシェルターを視察

29日、民主党の鳩山由紀夫代表と山井和則衆議院議員がDV(ドメスティック・バイオレンス)シェルターを視察し、昨年のDV防止法以降の状況を調査した。

DVシェルターは、夫から暴力を受けた女性らが一時的に避難できるよう設けられた施設。通常は男子禁制で、鳩山代表と山井議員は男性国会議員として初めてシェルターを訪問した。

視察では、夫のリストラによる生活苦を契機にして暴力が始まるケースが増加しているほか、リストラにあった女性がホームレスになって避難してくるケースも目立ってきているなど、現在の不況がDVの増加の背景になっている実態が明らかになった。

シェルターの女性スタッフからは、DV防止法に対して、民間シェルターへの委託費制度の整備、妻への半年間の接近禁止規定の延長、子どもへの接近禁止規定の創設などの要望が寄せられた。

大和都市管財被害者の会が請願署名を提出

抵当証券などの販売を装った詐欺事件で1100億円もの被害を出した旧大和都市管財被害者らが作る「大和都市管財被害者の会」の会員約200名が、29日、国会前でデモ行進を行い、被害者の救済と抵当証券業規制法の改正などを求める請願署名を提出した。

衆議院議員面会所では大谷信盛議員、原口一博議員、肥田美代子議員、平野博文議員、藤村修議員が署名簿を預かり、同会員を激励。挨拶した原口議員は、「なぜこういう悪辣な詐欺会社を国が放置してきたのか」と国の無策を厳しく批判した。

参議院議員面会所では江田五月、谷博之両議員が応対。江田議員は「やはり抵当証券業規制法に問題がある」と、改正への取り組みを約束した。

菅幹事長、大橋議員辞職問題で緊急会見

29日、民主党の大橋巨泉参議院議員が参議院議長に議員辞職願を提出したことを受け、菅直人幹事長が緊急会見を行った。

菅幹事長は、まず「大変残念だ」と感想を述べ、小泉政権に対するスタンスをめぐって大橋氏と執行部との間で意見の相違があったことは認めつつも「先の党大会で小泉政権打倒を確認し合って間もないことだったので、ビックリした」と語った。

その上で幹事長は、この件についてまだ大橋氏と直接話ができていないとしながらも、「話によれば熟慮を重ねて決断されたとのことで、最終的には本人の意志を尊重せざるをえないと思う」という見通しを示し、「大橋さんは自らの自由な意志で行動する自由人だったため、一定のルールの中で物事を決めて動く党組織のあり方の中に収まりきらなかったのだろう」という見方を示した。

そして最後に、「先の参議院選挙で投票用紙に『大橋巨泉』『民主党』と書いてくださった有権者の皆さんに深くお詫びしたい」と述べるとともに、「大橋さんも広い意味では民主党が自民党に対抗して政権を目指していくことを支援してくれると思う」と語った。

小泉内閣打倒へ「最善の戦い」を進める~鳩山代表が表明

鳩山由紀夫代表は、0時10分すぎからの民主党代議士会で「事実は世の中に一つしかない。この一つしかない事実が政府見解で明らかにならなかったことは信じられない。鈴木宗男氏が議院運営委員長を務めていることは日本の恥であり、その鈴木氏の言葉に唯々諾々と従わなければならない外務省とはどういうところなのか。小泉首相が腹をくくりさえすれば事実は明らかにできたはずだ」と厳しく指摘。小泉内閣に対し「最善の戦い」を進めると決意表明した。

道路工事凍結撤回にからんで談合疑惑浮上

民主党道路公団問題解明チームは、29日、島根県に現地調査団(主査・木下厚衆議院議員、団員・山田敏雅衆議院議員)を派遣し、実態調査を行った。今回の調査は、島根県の宍道から出雲までの間の仏経山トンネル工事(年内に道路公団が発注予定)で、すでに落札業者が談合で決まっているとの文書が民主党本部に送られてきたことを受けて行ったもの。

この文書にある会社を現地調査したところ、トンネル工事の実績が少ない、他の地元大手企業が公募に参加していない、会社社長が青木幹雄自民党参議院幹事長の地元後援会の有力幹部である、年間売上が80億円の企業にもかかわらず他の企業より多い献金を青木氏の自民党支部に献金しているなど、数々の疑惑が明らかになった。木下議員、山田議員とも、この国会で、道路公団の発注再開問題とあわせ、追及していくとしている。

田中外相ら更迭で鳩山代表が談話

29日深夜、小泉首相が国会審議の混乱を打開するために田中外相および野上事務次官の更迭を発表したのに対して、民主党の鳩山由紀夫代表は直ちに談話を発表した。

鳩山代表は談話で、「問題の真相は何一つ明らかになっていない」として、アフガン支援会議へのNGOの参加を拒否した根拠、特定の議員からの圧力の有無などを政府の責任において明らかにすることを要求。 同時に、ここまで問題を傍観し続けた首相の姿勢と責任を厳しく追及する意向を表明した。《民主党ニュース》



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