平成4758日目
2002/01/17
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】課税対象拡大を指示
小泉純一郎首相が構造改革の柱として取り組む「税制の抜本改革」論議が17日、首相の諮問機関である政府税制調査会総会で始まった。
首相は総会で「だれもが負担し、だれもが報われる税制改革を」と述べ、所得税の課税最低限引き下げや企業向け税優遇措置の削減を通じて課税対象を拡大、国民が「広く公平に」負担する税制作りを指示した。
政府税調の石弘光会長も総会後の会見で、懸案である消費税率の引き上げについて「国民的に護論しなくてはいけないテーマだ」として中長期的課題として取り上げる方針を表明した。
深刻な税収不足や少子・高齢化の進展をにらみ、増税方向の議論が先行する形だが、小泉首相は「経済活性化のため、どういう税制が必要か検討してほしい」とも指示、投資優遇税制など減税案の検討も含め、景気への配慮を示した。
また同日夜の公明党の神崎武法代表、保守党の野田毅党首との会談でも、短期的には景気刺激を考慮し、2003年度予算に反映させる方針を確認した。
小泉首相は全体の増減税のバランスは「財政や経済状況などすべて勘案して判断する」と述べるにとどまり、デフレ下で税制改革を進める難しさをにじませた。《共同通信》
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【阪神大震災】発生から7年
6432人の命が奪われた阪神大震災から丸7年を迎えた17日、被災地の市民らは犠牲者のめい福を祈り、さらなる復興への思いを新たにした。
昨年、被災した10市10町の人口が初めて震災前を上回り、神戸市の人口も当時の約99%までに回復。震災復興の陣頭指揮を執った貝原俊民・前兵庫県知事と笹山幸俊・前神戸市長は復興に一定のめどがついたとして一線を退いた。
しかし、家も仕事も失った被災者の多くは、いまだ職を得られないまま。深刻な不況が追い打ちをかけ、生活再建の道は険しい。市街地は復興を遂げたものの、記憶の風化は確実に進み、震災を忘れてはならないと、行政や市民は体験の継承に取り組む。《共同通信》
【大相撲初場所】5日目
大相撲初場所5日目(17日・両国国技館)大関陣は全員安泰。初日から土つかずの5連勝は大関の千代大海と栃東、関脇琴光喜の3人となった。かど番の千代大海は玉乃島を力強く押し倒した。琴光喜は全勝同士の対戦で貴ノ浪を寄り切った。残る大関は武双山は小結旭天鵬を寄り切り、魁皇は安芸乃島を上手投げで退け、ともに3勝2敗とした。旭天鵬は5連敗。関脇朝青龍は闘牙を下して3勝目。小結若の里は4勝目を挙げた。《共同通信》
【マリナーズ・イチロー外野手】始動
米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手が17日、神戸市西区にあるオリックスの室内練習場で自主トレーニングを行い、大リーグ2年目に向け、始動した。
阪神大震災からちょうど7年が経過した。当時はオリックスに在籍し「あの朝のことは今でも思い出す」とイチロー選手は言う。
「僕にとって神戸はふるさとと同じ。この日にスタートしたかった」と、特別な日に合わせて今季第一歩を踏み出した。正午から1分間の黙とうをささげて犠牲者のめい福を祈った後、キャッチボールやトスバッティングで汗を流した。
今季の目標を問われると、個人の目標には触れずにチームの勝利を優先。ワールドシリーズ出場へ強い意欲を示した。「昨年はリーグチャンピオンシップで負けたのだから、その壁をうち破らないといけない」と話した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・社民党の保坂展人総合企画室長は17日、党本部で記者団に、衆院の新議院運営委員長に自民党の鈴木宗男氏が内定したことについて「大変象徴的な国会人事。疑惑追及しない自民党に最もふさわしい人物」と嫌みたっぷりに指摘した。国会議員秘書らによる一連の疑惑で特別委員会を設置したい社民党にとっては手ごわい相手のようで「(疑惑解明の)センスに程遠い言動がある。まだ何もやっていないが、席に着く前から疑問が大きい」とまくし立て、先制ジャブを繰り出していた。《共同通信》
【自民党】全国幹事長会議
小泉純一郎首相(自民党総裁)は17日午後、党本部で開かれた全国幹事長会議であいさつし、今後の政局について「災害は忘れたころにやってくるが、選挙は忘れないうちにやってくるかもしれない。常在戦場の気持ちが必要だ」と述べ、衆院解散・総選挙も想定し、党活動を一層強化するよう呼び掛けた。
首相はまた「改革本番はこれからだ。今年は新たな改革にまい進したい」と述べ、引き続き聖域なき構造改革を推進する強い決意を表明した。
幹事長会議では、党総裁任期を現行の2年から3年(2期まで)に延長することなどを盛り込んだ新たな総裁公選規程の改正案を了承。18日の党大会で正式決定し、次期総裁選から適用する。《共同通信》
【自民党・加藤紘一元幹一事長】秘書脱税疑惑で陳謝
自民党の加藤紘一元幹事長は17日、事務所代表のS秘書が脱税疑惑で東京地検特捜部から事情聴取を受けていることについて、加藤派総会で「S氏個人のこととはいえ責任を感じている。宏池会(加藤派)のメンバーにはつらい思いをさせて申し訳なく思う」と陳謝、同派はこれを受けて結束を確認した。
同派は「苦しいことがあっても、しっかり団結しよう」(小里貞利会長代行)との立場だが、疑惑の進展が不透明なだけに動揺は隠せない。どこまで結束を保つことができるか、加藤氏や加藤派にとって苦しい日々が続きそうだ。
加藤氏はあいさつでS秘書が「誤解されている」と連絡してきたことを明かし「しっかり説明するように」と指示したことを強調。その上で「成り行きを見守りたい」と表明した。総会後、自らの責任の取り方について、「調査の推移を見ながら考えていきたい」と述べるにとどまった。
総会では「団結が必要だ。さらに開かれた(派閥)運営を志したい」などの声が出がり、加藤氏の姿勢に異論を唱える意見は出なかったという。ただ出席議員は言葉少なで、谷垣禎一事務総長は、「うみを出しながら前に進んでいくしかない」と、徹底究明は避けられないとの考えを示した。《共同通信》
【民主党】「横路グループ」本格始動
民主党の横路孝弘前副代表を会長とする政策グループ「新政局懇談会」が17日午後、都内のホテルで設立総会を開き「代表選に向けて党員、サポーターの獲得運動を行う」など派閥色を前面に出した活動計画を決め、本格的に活動を始めた。副会長には知名度の高い大橋巨泉参院議員を選び、党外にもアピールしていく姿勢を鮮明にしている。
この日は衆参両院計37人のメンバー中、15人が出席。あいさつした横路氏は「厳しい経済状況で小泉政権が倒れたとき、民主党が『挙国一致内閣』に乗ることがないよう(政権の)受け皿をつくる必要がある」と述べ、小泉政権に対峙する野党共闘の必要性を強調した。人事では、このほか赤松広隆会長代行、斎藤勁事務局長などを決定した。《共同通信》
【米・パウエル国務長官】カルザイ氏と会談
南アジア歴訪中のパウエル米国務長官は17日、アフガニスタンの首都カブールを訪問し、大統領官邸で暫定行政機構のカルザイ議長(首相)と会談した。
パウエル長官は、復興に向けて重大局面を迎えているアフガニスタンに対し、米国が将来にわたって支援をしていくことを表明した。
会談後、記者会見した長官は「復興のために、米国は多大な貢献をする」と言明。タリバン政権時代に凍結した米国内のアフガニスタンの資産について凍結解除措置を「数日中に行う」と述べた。また、タリバンやテロ組織アルカイダを一掃するため、米軍のアフガニスタンでの活動継続を表明した。《共同通信》
【イスラエル】銃乱射テロ
イスラエル北部ハデラの多目的ホールのパーティー会場で17日午後11時前、銃を乱射する無差別テロ事件があり、警察によると、イスラエル人6人が死亡、約30人が負傷した。犯人のパレスチナ人も射殺された。
イスラエル放送によると、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの武装グループ「アルアクサの殉教者旅団」が、14日のイスラエル軍による同グループ幹部爆殺事件に対する報復とする、犯行声明を出した。
ロイター通信によると、イスラエル軍報道官は18日、報復としてヨルダン川西岸トルカレムにある自治政府の治安当局の施設を空爆したと語った。病院関係者によると、警官1人が死亡、18人が負傷した。
国内での新たなテロ発生にイスラエル政府が強硬措置をとったことで、パレスチナ情勢は再び深刻な事態を迎えた。
ホールでは、女性が12歳を祝うユダヤ教の儀式の後に続くパーティーが行われており、乱入した犯人は客に向けて自動小銃を乱射した。目撃者によると、ホールには悲鳴が響き渡り、犯人は客に取り押さえられた後、駆け付けた警察に射殺された。複数の手りゅう弾も体に巻き付けていた。
同グループは幹部爆殺に伴い、アラファト・バレスチナ自治政府議長が指示した停戦を放棄すると言明していた。犯行声明によると、犯人はヨルダン川西岸ナブルス近郊の出身の同グループメンバー(27)。《共同通信》