平成4661日目

2001/10/12

この日のできごと(何の日)

【衆院テロ対策特別委員会】

衆院テロ対策特別委員会は12日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席し、テロ対策特別措置法案などの審議を続行した。

福田康夫官房長官は米英軍のアフガニスタン報復攻撃に関連し「テロ絶滅の目的のために何でもやっていいというわけにはいかない」と指摘。その上で「この法案の目的を逸脱する時には中止することもあり得る」と述べ、法案が成立しても、一般市民に多大な被害が出るなど正当な自衛権行使を超える攻撃が行われた場合は協力を見合わせる考えを示した。

政情が不安定なパキスタンへの自衛隊派遣はやめるべきだとの指摘に対し、中谷元・防衛庁長官は「十分情報を収集し判断する」とし、パキスタン政府の同意に加え(1)治安状況(2)難民の状況(3)各国の動向−を判断基準にすると発表した。

小泉純一郎首相は12日の衆院テロ対策特別委員会で、アフガニスタンを攻撃している米海軍が展開する海域が、米政府により「コンバットゾーン(戦闘区域)」に指定された場合、自衛隊は派遣できないのではないかとの指摘に対し、「米軍が設定するコンバットゾーンと、法案で(活動できない地域として)指定している戦場は定義が違う」と述べ、自衛隊の活動範囲が米軍の「戦闘区域」に及ぶ可能性があるとの認識を示した。

ウズベキスタンやタジキスタンが米軍に基地を提供していることに関連し、首相は「どこの地域に派遣するかは状況を見て判断する。可能性としてはどこの地域も要請があれば検討する」とし、両国などパキスタン以外のアフガニスタン周辺国への自衛隊派遣もあり得るとの見解を表明した。《共同通信》

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【巨人・松井秀喜外野手】初の首位打者獲得

4年ぶりにヤクルトが優勝したセ・リーグは12日、ヤクルトー広島最終戦(神宮)で全日程を終了した。 2連覇を逃した巨人が2位、横浜が3年連続3位で、広島は最終戦に敗れたため4位、阪神は球団ワースト記録を更新する4年連続最下位となった。

個人タイトルは巨人の松井が自身最高打率の3割3分3厘をマークして初の首位打者。ヤクルトのペタジーニは2年ぶりの本塁打王と最高出塁率に輝き、打点でも巨人の清原を抑えた。《共同通信》

【東京ゲームショウ2001秋】開幕

国内最大のゲームソフト展示会「東京ゲームショウ2001秋」が12日、千葉市の幕張メッセで開幕した。11回目の今回は、国内外の53社が参加。約400種類のソフトを展示している。年末のクリスマス商戦に向け、停滞するゲーム市場の盛り上げを図る。

来年2月に日本で家庭用ゲーム機「Xbox」を発売する米マイクロソフトは、一企業としてはこれまでで最大の展示場(約1400平方メートル)を設置。他社製を含む専用ソフト約20種を、初めて実際に遊べる形で公開している。 会期は14日までの3日間。入場料は中学生以上が1200円で、小学生以下は無料。会期中に15万人の入場を見込む。《共同通信》

【富山県警】「捜査」と偽りヌードを現像

富山県警は12日、私的に撮影した女性のヌード写真の現像を富山市内のカメラ店に頼む際に警察手帳を示し「捜査目的の写真だ」と偽り、職権を乱用したとして、公務員職権乱用容疑で魚津署の巡査部長(51)を書類送検し、同日付で停職1カ月の懲戒処分にした。

同県警では9月、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で、1995年に逮捕した捜査協力者の男を県警幹部の指示で翌日した疑惑が発覚したばかり。

西垣信夫監察課長は巡査部長の不祥事について「公私混同であり、警察官としてあるまじき行為。関係者や県民におわびしたい」と陳謝した。

調べでは、巡査部長は9月2日夕、私的に撮影した知り合いの女性のヌード写真十数コマの移ったレンズ付きフィルム1本を富山市内のカメラ店に持ち込み現像を依頼。この際、撮影内容から現像を拒否される可能性があったため、警察手帳を示してフィルムを現像させようとし、職権を乱用した疑い。《共同通信》

【小泉純一郎首相】国債「30兆円超え」容認

小泉純一郎首相は12日夜、首相官邸で行われた与党3党の党首会談で、国債発行額の「30兆円枠」について「補正は税収見通しを精査し、柔軟に対応する」と述べ、税収の大幅減が確定すれば「30兆円枠」を超えることも決断せざるを得ないとの考えを表明した。

会談後、首相は記者団に対し「30兆円の原則は大事にしなくてはいけないが(首相就任時の)4月との状況の変化は認識している。経済指標も落ち込んでおり、30兆円の枠は大胆かつ柔軟にやりたい」と、方針転換の可能性を強く示唆した。《共同通信》

【ノーベル平和賞】国連とアナン総長に

ノルウェーのノーベル賞委員会は12日、2001年のノーベル平和賞を国際連合(本部=ニューヨーク)とコフィ・アナン国連事務総長(63)=ガーナ出身=に贈ると発表した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR、1954、81年)など国連関連の機関が平和賞を受賞したことはあるが、国連の受賞は初めて。事務総長個人の受賞も、61年のダグ・ハマーショルド氏に次いで二例目だが、現役の事務総長としては初めて。

米同時テロ発生後、アナン事務総長は「国連の下に団結して、国際テロとの戦いを」と訴え、国連を核にしたテロリズム対策に主体的な意思を表明した。今回のノーベル賞委員会の決定には、世界各国に向けて国際的な「テロ包囲網」の構築を促す強いメッセージも読み取れる。《読売新聞》

【米・炭疽菌感染事件】NYでも感染者

米大手ネットワークNBCテレビは12日、ニューヨークの同社本社従業員から炭疽菌の感染者が見つかったことを明らかにした。 感染者は女性で、手当を受けているが、快方に向かっているという。炭疽菌感染者は同時テロ事件以降で4人目。連邦捜査局(FBI)と疫病予防センター(CDC)は感染源や菌の特定に向けて捜査を開始した。

ロイター通信によると、トンプソン厚生長官は同日、新たな感染者について、テロとの関連を示す証拠はないと述べた。

これまでに、フロリダ州のタブロイド紙の従業員ら3人が感染し、うち1人が死亡している。

ニューヨークの米NBCテレビ本社社員が炭疽菌に感染した事件で、連邦捜査局(FBI)は12日、送付された不審な封書に菌が同封されていたとみて本格的な捜査を始めた。 また、米ネバダ州リノのマイクロソフト関連会社にも不審な物質が入った手紙が届き、同州のグィン知事が12日、炭疽菌の可能性があると発表した。《共同通信》

【この日の民主党】

国際的安全保障の観点から政府案の修正を要求~岡田克也政調会長

衆院テロ対策特別委員会は12日、前日に続き、小泉首相以下全閣僚が出席した総括質疑を行い、民主党・無所属クラブから枝野幸男政調会長代理、岡田克也政調会長が質問に立った。

岡田克也政調会長は、政府法案をめぐる論点を整理しながら問題点を具体的に追及した。

岡田議員はまず、テロ犯人の特定をめぐって質問。小泉首相がこの日の委員会の冒頭に行った犯人特定の根拠に関する説明は状況証拠を並べただけで説得力がないとし、それ以外に米政府から受けている情報についても可能な限り説明すべきだと求めた。しかし、小泉首相は「説得力がないとは思わない。見解の相違だ」と突っぱねた。これに対して岡田議員は、「自分の判断を信じろと言うなら、もしビンラディンが犯人でなかった場合には政治家として責任をとるか」と追及。首相は「当然だ」と答えた。

次に岡田議員は、米国の個別的自衛権行使に対する支援の範囲について取り上げ、「米軍などの攻撃がアフガニスタン以外の国にも拡大した場合、すべて支持するのか」と質した。福田官房長官は「先のことを予測すべきでない。その場で主体的に判断すること」と逃げたが、岡田議員は、9月11日のテロに対する正当な自衛権行使以外は支援できないという内容を法律上明確にすべきだ、と要求した。

また、支援活動に関する基本方針の国会承認についても追及。自衛隊を動かすときにはシビリアン・コントロールの観点から国会の承認をかみ合わせるのが従来の日本の基本姿勢ではないかと岡田議員が質したのに対して、小泉首相は、法律による限定の中での基本方針策定だから政府の行政裁量権に属するとし、国会承認を盛り込むことを拒否した。

自衛隊派遣の対象地域をめぐっては、現在のパキスタン国内の不安定な状況を指摘し、当面の実施計画においてはパキスタンを含めるべきでないと要求した。これに対して中谷防衛庁長官は、「まだ派遣すると決めたわけではないので何とも言えない」などと議論を避けた。

支援協力活動における武器・弾薬の輸送をめぐっては、一般物資との区別が困難とする政府の主張に対して、岡田議員は「従来の政府見解によれば区分は可能だ」と指摘。「求められてもいない武器・弾薬の輸送をうたうことで、中東諸国との間に築いてきている良好な関係を壊すことがあってはならない」として法案の修正を求めた。しかし福田官房長官は、「武器・弾薬を除外すれば日本が行う輸送業務全体への信頼度が失われる」として修正を拒否した。

武器使用基準の緩和をめぐっては、岡田議員は難民を攻撃から守るための武器使用を自己防衛と同じく「自然権的権利の行使」として基礎づけるのは無理があると指摘。自衛隊の護衛以外に自己を守る手段を持たない者の防衛などといった形で、ヒューマニズムの視点から基礎づけられないかと問題提起し、明確な見解をまとめるよう要求した。

また、岡田議員は国連を中心とした国際安全保障の位置付けをめぐっては、ひたすら米国などの自衛権行使に支持を与えるというのではなく、むしろ自衛権の無制限の行使は危険をはらむという認識に基づく国連憲章の理念に立って考えるべきだと指摘。むしろ、米国に対して、過度の武力行使を抑制し、今回のテロ事件に直接関連する問題以外は国連の枠組みによる解決をめざすよう働きかけるべきだ、と要求した。

「自衛隊は守れても隣の民間施設は守れない?」枝野幸男議員が追及

衆院テロ対策特別委員会は12日、前日に続き、小泉首相以下全閣僚が出席した総括質疑を行い、民主党・無所属クラブから枝野幸男政調会長代理、岡田克也政調会長が質問に立った。

枝野議員は、自衛隊法改正案を中心に質問した。 冒頭、枝野議員は、小泉首相が中国訪問時に記者団との懇談で、民主党に対して「反対のための反対という今までのような態度ではなく、超党派的な対応ができればいい」と述べたことについて、「民主党は結党以来、反対のための反対などしたことはない」と強調し、首相に発言を撤回して謝罪するよう迫った。

これに対し、小泉首相は、「議員同士の自由な議論だ。言葉尻をとらえたらきりがない。そのくらいは政治家として許容範囲だ」と開き直るだけだった。 本題に入り、枝野議員は自衛隊法81条に第2項として加えられた「自衛隊の施設等の警護出動」を取り上げ、「自衛隊施設と米軍施設を守れることになっているが、隣接する民間施設は守れないことになっている」と問題視。政府の見解を質した。

小泉首相は、「自衛隊の駐屯地ぐらいは自衛隊自身が守れるようにするのは当たり前だ。他の不穏の情勢があれが治安出動すればいいので、心配はあたらない」と答えたが、枝野議員は「テロが行われる恐れがある場合に、自衛隊基地とその外側の地域とで、自衛隊基地だけが襲われるという蓋然性はあり得ない」と反論した。

また、中谷防衛庁長官は、「テロ攻撃を考えると、当然民間も危機に瀕するが、国民を守る施設として、特殊な能力のある施設を警護するという意味がある」と答弁。枝野議員はすかさず「そういう理屈なら、より守る必要のあるのは自衛隊を指揮する総理大臣や首相官邸ではないのか」と切り込んだが、中谷長官は「そういう場合は治安出動で守る」と繰り返すだけで、議論は平行線のままだった。

枝野議員は、さらに「大規模テロが同時多発的に起きて、一方が自衛隊基地が狙われ、一方で民間施設が攻撃されても、この法律では前者には反撃できるが、隣の民間施設では治安出動を求める時間がなくて、自衛隊は動けないということにならないのか」と重ねて追及したが、小泉首相は、「どういうテロが起こるかわからない。仮定ですから、具体的な状況を見ないとわからない」と心許ない答弁。

枝野議員は無責任な首相の言い逃れに半ばあきれながら、「何が起こるかわからないから法律を整備するために今やっている。ありとあらゆるケースを想定して、法的、物理的な準備をするのが首相の仕事じゃないのか」と突っ込んだが、最後まで政府側から的を得た答弁は得られなかった。《民主党ニュース》



10月12日 その日のできごと(何の日)