平成4639日目

2001/09/20

この日のできごと(何の日)

【米・ブッシュ大統領】テロとの総力戦宣言

ブッシュ米大統領は米東部時間20日午後9時(日本時間21日午前10時)すぎから、上下両院の合同本会議で演説し、アフガニスタンのタリバン政権を非難、同政権に対し米中枢同時テロの「最重要容疑者」であるウサマ・ビンラディン氏らの身柄引渡しなど6項目を求めると同時に、長期間にわたって国際テロ組織との総力戦を行っていく強い決意を内外に表明した。

大統領は捜査で集まった証拠はビンラディン氏の組織「アルカイダ」がテロを実行したことを示していると指摘。タリバン政権に対し、アルカイダの幹部全員やテロリストの即時引き渡し、国内のテロリスト養成キャンプの閉鎖などの要求を示した。

テロの影響で景気後退が懸念されている米国経済については、その強さはテロで揺るがないと強調したものの、景気刺激の具体策などには言及しなかった。

米国土が攻撃されたことを受けての大統領の本格的議会演説は、1941年の旧日本軍による真珠湾攻撃直後に行われたフランクリン・ルーズベルト大統領の演説以来。演説は全米にテレビ中継された。《共同通信》

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【ホンダ・CR-V】フルモデルチェンジ


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ホンダは20日、スポーツタイプ多目的車(SUV)「CR−V」(排気量2000cc)をフルモデルチェンジし発売した。低燃費を実現し、車内空間を拡大した。四輪駆動の「フルマークiL」は219万8000円。《共同通信》

【大相撲秋場所】12日目

大相撲秋場所12日目(20日・両国国技館)平幕琴光喜が旭天鵬を力強く寄り切って11勝1敗と首位を堅持。13日目に琴光喜が勝ち、3敗で追う大関武双山と関脇栃東が敗れると、初優勝が決まる。横綱武蔵丸は、平幕旭鷲山を寄り切り7勝目。武双山は栃乃洋を、栃東は闘牙をそれぞれ押し出し、ともに9勝目を挙げた。関脇出島は時津海に敗れ、負け越しが決まった。小結玉乃島は6勝6敗の五分とした。小結若の里は海鵬に敗れ7敗目。海鵬は朝青龍とともに勝ち越した。十両は蒼樹山と霜鳥が2敗を守りトップ。《共同通信》

【小泉純一郎首相】野党に対米支援で協力要請

小泉純一郎首相は20日午前、首相官邸で民主、共産、社民の3野党党首らと会談し、米中枢同時テロに対する米国の報復行動を後方支援するため、自衛隊を派遣する政府方針について説明。27日召集の臨時国会で必要な新法や自衛隊改正案を提出、成立させる考えを伝え、野党に協力を要請した。

民主党の鳩山由紀夫代表は新たな法整備に理解を示したものの、後方支援での武器・弾薬の輸送に反対する考えを表明・共産党の志位和夫委員長と社民党の土井たか子党首は武力報復自体に反対することを重ねて表明した。自由党の小沢一郎党首は「国会軽視も甚だしい」として会談を拒否した。

鳩山代表はテロ撲滅への国際協力を基本的に支持する考えを表明。その上で(1)自衛隊が何を目的に行動するのか、作戦の明確化(2)テロ容疑者の特定(3)具体的な制裁内容を規定した新たな国連決議が必要−などの考えを示した。首相は国会の意思を尊重する姿勢を示したものの、武器・弾薬の輸送については言及しなかった。

志位委員長は「軍事報復は泥沼に陥る。国際法上の根拠もない」とし、自衛隊の海外派遣は憲法違反だと指摘した。土井党首は「報復が報復へとエスカレートする可能性がある。慌ただしい便乗は禍根を残す」と述べた。

会談拒否の自由党は現在の安保理決議を自衛隊の派遣根拠とするには不十分として、国連の具体的な制裁決議を求める姿勢だ。

会談には民主党の菅直人幹事長ら野党3党の幹事長らと福田康夫官房長官、自民党の山崎拓幹事長が同席した。《共同通信》

【自由党・小沢一郎党首】小泉首相のテロ対応を批判

自由党の小沢党首は20日、党本部での記者会見で、小泉首相が打ち出した米国の同時多発テロ事件への対応策について、「無原則に、状況に押されて決めたものだ。憲法解釈も示しておらず、首相としての資格はない」と強く批判した。

そのうえで、自衛隊の派遣について(1)武力行使を容認する新たな国連安保理決議が必要(2)それがない場合には、集団的自衛権の行使を認める以外にない–とする党の見解を発表した。与野党党首会談を欠席したことについては、「あまり意義のない会談で、形式的な処理で間に合わす問題ではない」と語った。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・社民党の辻元清美政審会長は20日、国会内で開かれた米中枢同時テロに関する集会で発言を求められ「小泉純一郎首相は、ドラえもんの中ののび太君のようだ」と、気弱な漫画の主人公を引き合いに出し、首相が米国に追従しているとユーモア交じりに批判。ところが続いて発言した田嶋陽子参院議員は「首相の態度は歯がゆい。憲法を愛するならば米国とアラブを仲介すべきなのに情けない」とばっさり。これには国会で「総理、総理」と連呼して答弁を迫り勇名をはせた辻元氏も苦笑するばかり。《共同通信》

【アフガニスタン・タリバン評議会】ビンラディン氏に出国勧告

アフガニスタン・タリバン政権の国家意思決定機関、評議会(シューラ)は20日、宗教令(ファトワ)を出し、米国に中枢同時テロの最重要容疑者と名指しされたウサマ・ビンラディン氏がアフガニスタン国外へ自主的に退去することを促すよう同政権に勧告した。アフガン・イスラム通信が伝えた。

フライシャー米大統領報道官は20日、この勧告について「米国の要求を満たしていない」と拒否する考えを明言。タリバン政権の最高指導者オマル師がビンラディン氏引き渡しを決断しないかぎり、米国の報復攻撃は不可避の情勢となった。

ホワイト米陸軍長官は20日、軍事報復に向け陸軍地上部隊にも展開命令が出たことを明らかにした。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手は20日、サンフランシスコで行われたアストロズ戦の五回に64号2ランを放ち、大リーグ記録の年間70本塁打まであと6本と迫った。ジャイアンツの残り試合は15。試合はジャイアンツが4−5で敗れた。

ボンズは147試合目での64本で、1998年にカージナルスのマーク・マグワイア内野手が大リーグ記録を樹立した時より8試合速いペース。マグワイアは147試合では62本だった。

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は20日、シアトルで行われたエンゼルス戦の九回、先頭打者として代打出場し、左飛に終わった。打率は3割4分9厘と変わらず。マリナーズが19日に地区優勝を決めたため、イチローら一部の主力選手は先発メンバーから外れた。

七回から登板したエンゼルスの長谷川投手は、2回を無安打4奪三振で5勝目を挙げ、大リーグ通算30勝となった。試合はエンゼルスが6−3で勝ち、マリナーズの連勝は7で止まった。

エクスポズの大家友和投手はモントリオールで行われたロッキーズ戦に先発し、6回を4安打無四球の2失点(自責点1)と好投し、2−2の同点のまま降板した。試合はエクスポズが8−3で勝った。《時事通信》

【この日の民主党】

「テロ関連の対米支援は時限立法で。武力行使の国連決議も求めるべき」岡田政調会長が会見

民主党の岡田克也政策調査会長が20日、定例記者会見で、テロ関連の対米支援は時限立法で対処すべきとの考えを示した。

岡田政調会長は、「日本がどこまで国際協力、支援活動をしていくべきかは、かなりしっかりとした議論が必要。今回は時間がないのであれば、(協力のための)法律は一般法ではなく、今回の事件に限定するか、時限法にすべき」との見解を示し、党内にもその点では異論はないと説明した。

また、今回のテロに対する米国の報復措置の対象が国ではなく、ひとつのグループであるため、「グループをかくまったり、属している国を攻撃して一般住民を巻き込むことになれば、行き過ぎだ」と指摘。「犯人特定の問題などをクリアするためには、日本自身が判断するだけの材料を持っていない以上、国連の安保理で決議されることが客観性を持たせるために重要である」と指摘した。

さらに、岡田政調会長は「個別的もしくは集団的自衛権の行使をしたとしても、国際紛争は基本的には国連の枠組みで解決していくべき。国連が世界の平和を維持するための重要な枠組みであるという認識に立てば、もう1歩踏み込んだ国連決議を求めるべき」と主張。今回の事件に特定し、武力行使を認める決議を国連が認めることが条件だとし、「アメリカは決議を求めないかも知れないが、それを説得するのが同盟国である日本の役割だ。それをできる立場にいるはずだ」と主張した。

また、日本の対米支援について「周辺事態法の拡大解釈で対応すべき」との意見があることについて、岡田政調会長は「非常に問題がある」と懸念を表明。その問題点として、(1)「周辺地域」とは地理的概念ではないと説明されているが、国会答弁ではインド洋や中東は含まれないと言っている。そこまで自衛隊が出動することは立法趣旨を全く損ねる(2)「日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす事態」という発動要件は、今回のケースには適用することは論理的には難しい–の2点を指摘し、周辺事態法を今回の事件に適用することには反対だとした。ただし、「憲法上制約されている武力行使との線引きについては、周辺事態法の考え方が準用できる」と述べた。

また、与党3党の選挙制度改革協議会が一部大都市部での中選挙区導入の方針を打ち出したことについて、岡田政調会長は「党利党略で選挙制度をいじる愚かさを懸念している。民主主義の基盤を崩す行為だ。自分たちの都合のいいように選挙制度を変えることは、民主主義の信頼感を損ねる」と強く批判した。

その上で、この問題に対しては、民主党は従来あった政治改革推進調査会を「政治改革推進本部」に格上げして、党をあげて取り組み、国民的議論を起こしていく方針を示した。

さらに、小泉首相が自ら「中選挙区制度復活はあり得ない」としながらも、この問題を与党に丸投げして、自ら発言していないことを岡田政調会長は問題視。「小泉さん自身にも議会制民主主義とその基盤をなす選挙制度をどう考えているのか、是非一度問うてみたい」と述べた。

「狂牛病問題対策本部」第1回会合開く

千葉県白井市で狂牛病(牛海綿状脳症)の疑いのある北海道産の乳牛が見つかった問題に関連して、民主党は羽田孜特別代表を本部長とする「狂牛病問題対策本部」を立ち上げ、20日、第1回会合を開いた。

対策本部副本部長の金田誠一議員、事務局長の筒井信隆議員、対策本部メンバーの石毛えい子議員、鎌田さゆり議員、郡司彰議員、鮫島宗明議員、城島正光議員、永田寿康議員、広中和歌子議員のほか、玄葉光一郎議員、榛葉賀津也議員、谷林正昭議員、津川祥吾議員らが参加。厚生労働省・農林水産省からヒアリングを行った。

厚生労働省・農林水産省のこれまでの対応を見てみると、狂牛病の疑いがある乳牛が見つかったと発表したのが10日で、牛は焼却処分したとした。しかし14日に農水省は焼却処分ではなく、肉骨粉にされていたと訂正。徳島県と茨城県で保管されていたのを焼却処分するよう指示したとした。そして15日、その肉骨粉の流通経路の一部が不明だと発表。16日に出荷されていないことを確認したと発表したが、17日、別工場に出荷されていたことが判明。とにかく混乱を極めている。

問題の乳牛を生産した北海道の酪農家では、廃業までの間に72頭を出荷。飼料には肉骨粉は混ぜていないとの調査結果が出ている。18日には厚生労働省は、狂牛病が深刻化しているEUと同様、食肉用として処理場に持ち込まれる生後30カ月以上の健康牛を対象に、感染の有無を調べる検査を実施する方針を決めた。狂牛病は潜伏期間が2~8年とされ、健康な牛でも感染している可能性を考慮した。農水省は19日、「問題の牛が見つかった白井市の農場で飼育されていた牛46頭」と「問題の牛を生産した北海道の農家から出荷された牛」について、国が買い上げ、焼却処分する方針を決めた。ただし強制ではなく、あくまでも酪農家の協力による。

質疑では広中議員がまず、豚・鶏・魚には飼料として与えても問題ないとする点について「直接的には発症しないとしても、固体に蓄積され、それを人間が食べた場合についてまで問題ないと言い切れるのか」と追及。筒井議員は「狂牛病の原因は肉骨粉だとされているにもかかわらず、問題の牛には与えていないという。聞き取り調査を行っても明らかにならないことこそ、おそろしい」と指摘。肉骨粉が原因であるとするデータそのものを疑う必要が出てくるのかと問題提起した。「いずれにしてもすべてが明らかになるまで、豚・鶏・魚も含めて肉骨粉の飼料利用を全面禁止すべきではないか」と筒井議員が提案したのに対して、農水省側は「禁止を決定する科学的根拠がない」とした。

鮫島議員からはイギリス・EUのデータに基づき行動するのではなく、日本独自の検証が必要だと指摘。また、最初に発見された牛が狂牛病だとの確定がいまだに出ていない点を指摘し「そうなると、今後厚生労働省が実施しようとしている検査の信憑性も疑わしい」と言及した。玄葉議員は発表が二転三転したことで国民の信頼を失墜させた農水省・厚生労働省の責任は大きいと指摘。「情報を的確に把握し、国民に正確に伝えることは危機管理の“いろはのい”だ」とした。永田議員は農家やメーカーへの教育が不十分だと指摘し、拡充を要請。現在輸入されている肉骨粉への品質評価の洗い直しも必要とした。

さらには中津川議員が「新たな検査を経たものが市場に出回るのはいつか」と質問。10月下旬になる予定との回答を得た。対策本部では今後、原因の究明と肉骨粉の飼料利用の全面禁止を検討していく予定だ。《民主党ニュース》



9月20日 その日のできごと(何の日)