平成4521日目
2001/05/25
この日のできごと(何の日)
【ハンセン病訴訟】政府、控訴断念を閣議決定
政府は25日の閣議で、国に賠償を命じたハンセン病訴訟の熊本地裁の判決への控訴を断念し、全面解決への決意を示した小泉純一郎首相の「首相談話」を決めた。同時に、同判決の法律上の問題点を挙げて反論した「政府声明」も決定した。
首相談話では、国の隔離政策によりハンセン病患者・元患者が強いられた苦痛に対し、「深く反省し、率直におわびを申し上げる」と陳謝。判決に重大な問題点があり、本来ならば控訴せざるを得ないとしながらも、ハンセン病問題の早期、全面的な解決が必要とし、患者・元患者の「幾多の苦痛と苦難に思いを致し、異例の判断」で控訴を見送ったことを強調した。
すべてのハンセン病患者・元患者を対象とした損失補償や年金創設など支援策もあらためて打ち出した。政府、与党は、補償措置を行うための法案を今国会中に成立させる方針だ。
首相談話ではこのほか、患者・元患者が抱えている問題の解決に向け、厚生労働省と協議の場を設けることを明記。「ハンセン病問題の解決に向けて全力を尽くす決意」を表明するとともに、「国民一人ひとりがこの問題を真剣に受け止め、過去の歴史に目を向け、将来に向けて努力していくことが必要」と訴えた。
一方、政府声明では、地裁判決で(1)国会の立法不作為責任(2)民法で消滅されると規定している10年以上前の権利―を認めていることを、「国家賠償法、民法の解釈の根幹にかかわる問題点」と指摘し、政府の立場から反論した。《共同通信》
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【天皇陛下】皇居で田植え
天皇陛下は25日午後、皇居の生物学御研究所わきの水田で、恒例の田植えをされた。
当初23日に予定されていた田植えは、雨のため二度順延されたが、この日は汗ばむほどの好天。陛下は薄い緑のシャツにグレーのズボン姿で、うるち米のニホンマサリともち米のマンゲツモチの苗計100株を植えた。
皇居の水田での稲作は、昭和天皇から引き継いだ行事。宮内庁によると、収穫した米は通常、11月の新嘗祭など皇室の神事の供物に使われるが、今回は香淳皇后の大喪儀期間中に育てられるため、供物としては使われないという。《共同通信》
【大相撲夏場所】13日目
大相撲夏場所13日目(25日・両国国技館)横綱貴乃花が、ただ一人1敗で追っていた大関千代大海を寄り切り、土つかずの13連勝とした。貴乃花は14日目に大関武双山に勝つと、千秋楽を待たずに2場所ぶり22度目の優勝が決まる。横綱武蔵丸は関脇栃東をきめ出し、2敗を守った。大関陣は武双山が栃栄を押し出して勝ち越しを決めた。雅山は追風海を押し出して9勝目、出島は初の連勝で4勝目を挙げた。小結琴光喜は肥後ノ海を下して勝ち越し、小結朝青龍は7勝目を挙げた。貴乃花と2敗の武蔵丸、千代大海に優勝の可能性がある。《共同通信》
【小泉純一郎首相】「毎日、仕事一筋」
小泉純一郎首相は25日昼、首相公邸の中庭に首相番記者を招き入れ、就任1カ月の感想などを語った。「初めてじゃないの。首相になって庭に出たのは」と切り出した首相は、この1カ月を「毎日、毎日、仕事一筋ですよ。(感想を話す)そんな余裕ない。仕事に追われて」と振り返った。ただ、あまりに多忙な日々に「がむしゃらに仕事に追われるっていうのもあんまりいいことじゃないな。ゆとりが出てくればいいんだけど」とも。
改革断行内閣の成果を聞かれ「1カ月じゃ。これからですよね。批判は何やっても出てくるから耐えていく、重圧にめげない、一生懸命やる。もうこれだけ」と強調。カメラ撮影が終わると「噴水が出ているうちはいいけど、いずれ水をぶっかけられるよ」と気持ちを引き締めていた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】道路公団民営化も検討
小泉純一郎首相が、政府の進めている特殊法人改革をめぐり、日本道路公団、住宅金融公庫、年金資金運用基金、本州四国連絡橋公団など複数の具体名を挙げ、民営化など事業形態の見直し作業を急ぐよう石原伸晃行革担当相に指示していたことが、25日分かった。
この指示について小泉首相は同日昼「特定の団体の指示ではない」としながらも「道路公団も民営化できるんだったら、民営化するもは当たり前だ。ともかくゼロベースで見直す。民営化できるところは全部民営化。統廃合できるところは統廃合。廃止できるところは廃止」と強調し、道路公団の民営化も視野に入れ検討することを明らかにした。《共同通信》
【小泉純一郎首相】産業構造改革・雇用対策本部会議に出席
25日、国会内で産業構造改革・雇用対策本部の会議が開催された。会議では、(1)新市場、新産業の育成による雇用創出 (2)人材育成・能力開発の推進 (3)安心して働ける就業環境の整備 (4)労働市場の構造改革に適した雇用面のセーフティネットの整備 について検討していくことを決定した。
小泉首相は、会議の最後に「米百俵精神を形に表していただく上で非常に重要な会議です。各大臣にはよろしく検討・議論をお願いします」と述べ、関係者に積極的な取り組みを指示した。《首相官邸》
【ASEM・外相会合】開幕
アジアと欧州が共有する国際問題について意見交換するアジア欧州会議(ASEM)の第3回外相会合が25日午前、北京のホテルで開幕した。
主催国・中国の江沢民国家主席が開会式で演説、「ASEMは文明の交流を発展させる新しいシルクロードを築き上げるべきだ」と述べ、ASEMが新しい国際的な政治・経済秩序を創造する重要な役割を果たすよう強い期待を表明した。
会議筋によると、24日までの事務レベル協議で温暖化防止のための「京都議定書」を予定通り発効するよう国際協調を呼び掛ける文言が議長声明に明記される見通しとなった。アジアと欧州が足並みをそろえれば、最大の二酸化炭素(CS)排出国でありながら離脱を表明した米国への包囲網が形成されそうだ。外相会合は午前と午後の全体会合後、25日タに議長声明を採択して、開幕する。《共同通信》
【田中真紀子外相】江主席を表敬
北京訪問中の田中真紀子外相は25日午前、アジア欧州会議(ASEM)外相会合に出席している各国外相とともに、江沢民・中国国家主席を市内のホテルに表敬訪問した。
関係者によると、田中外相は出迎えた江主席に「私が田中真紀子です。お会いできて大変うれしいです」と中国語であいさつ。記念撮影の際も、江主席の斜め後ろの位置だったこともあり、日本語に堪能な唐家璇中国外相を交えて談笑した。
田中外相は米国のハイスクールに留学経験があり、英会話は不自由なくこなせるが、中国語は「ちょっと話せる程度」(外務省筋)。「カタカナ書きの発言要領を事務方でつくり、事前に練習して臨んだ」(同)という。《共同通信》
【東京都・石原慎太郎知事】小泉政権にエール
石原慎太郎東京都知事は25日の記者会見で、高い支持率を保っている小泉政権について「森喜朗前総理のおかげもあるが、既存のフレームワーク(枠組み)を壊すところから日本を再生するんだという強い意思表示に、国民が期待しているからだろう」と評した。
石原知事は首相公邸で23日に小泉純一郎首相と会食した際に「役人と国が遅れている。総理は最大の権限者。どんどん壊してくれと言った。その先に何ができるかへの期待で選挙をやったらいい」と進言したことを明らかにし、さらに「小泉政権に期待している。姿勢だって良いし、東京のために大いに働いてもらいたい」とエールを送った。
衆参同日選挙については「僕がやれと言った。政権の基盤を固めるのに、一番良いじゃない。(小泉首相は)僕に、その気があるとは言わなかったところを見るとやるんじゃないか」とけむに巻いた。
田中真紀子外相については「もっと言うべきことを言って徹底的にやってもらいたい。中国の国定教科書には、どんなにでたらめな資料が入っていることか。(外務省改革などが)腰砕けになったら、彼女の名声にもかかわる」と激励の言葉を送った。《共同通信》
【警視庁】そごう前会長を逮捕
大手百貨店「そごう」の破たんに絡む資産隠し事件で警視庁捜査二課は25日夜、強制執行妨害容疑で、前会長の水島広雄容疑者(89)を逮捕した。東京都中央区の入院先の担当医に健康状態について詳しい説明を求めるなどし、身柄拘束に耐えられると判断した。最近の事件では異例の高齢者逮捕となった。
捜査二課は同日午後9時半ごろ、入院先で逮捕状を執行。身柄は警視庁を経て26日午前0時40分すぎ、千代田区の東京警察病院に移された。
水島容疑者は昨年末からの任意の調べで、債権者の差し押さえを逃れるため預金など計約1億5000万円を引き出したとの容疑を全面否認。世田谷区の自宅の家宅捜索を目前にした23日未明、狭心症の症状を訴え入院した。
捜査二課は在宅調べを念頭に捜査していたが、入院に先立ち数日間、水島容疑者が所在不明になるなど証拠隠滅の恐れが強まり、逮捕に踏み切った。
調べによると、水島容疑者は1994年の錦糸町そごうの出店に際し、日本興業銀行からそごうグループへの融資のうち110億円について個人で債務保証。
グループ各社が東京地裁に民事再生法適用を申請した直後の昨年7月14日に自宅近くの横浜銀行下北沢支店から普通預金5500万円を引き出したほか、投資信託1億円分を解約、同月25日に現金を受け取り、差し押さえを逃れた疑い。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、レッドソックスの野茂投手は25日、ボストンのブルージェイズ戦で先発し、被安打1、奪三振14という快投で完封、今季5勝目(3敗)を継げた。野茂はノーヒットノーランを達成した4月4日以来、今季2度目の完封。
野茂は四回、先頭のスチュワートに二塁打を許したほかは、四球もゼロという完ぺきな内容。六回から八回まで計7人の打者を連続三振に仕留めた。試合はレッドソックスが4−0で勝った。
◇
メッツ一の新庄外野手は25日、ニューヨークのマーリンズ戦で前日に続いて「五番・中堅」でフル出場し、3打数1安打1得点だった。新庄の打率は2割9分5厘。
新庄は第1打席が遊ゴロ併殺打、第2打席が右前打。七回一死一塁の第3打席は死球で出塁し、九回の第4打席は三振だった。試合は延長十回、メッツが4−3で勝った。
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マリナーズのイチロー外野手は25日、カンザスシティーのロイヤルズ戦で5打数2安打1打点だった。打率は3割6分3厘。イチローは第1打席で空振り三振に倒れたが、第2打席に中前打、第4打席は右前へ過時打した。試合は9−6でマリナーズが勝ち、九回を抑えた佐々木が19セーブ目(2敗)をマークした。《共同通信》