平成4342日目

2000/11/27

この日のできごと(何の日)

【松浪健四郎衆院議員】登院停止25日に

衆院懲罰委員会(西村眞悟委員長)は27日午後、本会議場の演壇から野党席にコップの水をまいた保守党の松浪健四郎議員に対し、院の秩序を乱したとして国会法により25日間の登院停止を命じることを議決した。28日午後の衆院本会議で確定する。

衆院議員の登院停止は戦後53人めで、昭和48年に共産党の小林政子氏が田中金脈問題を追及した際の発言をめぐって20日間の登院停止を受けて以来、27年ぶり。参院では51年前に4人が登院停止処分となっている。

国会内で待機していた松浪氏は懲罰決定後、記者団に「謙虚に処分を受け止めて、政治家として新たなる出発をさせていただきたい」と反省の弁を語った。

国会は12月1日で会期末となるが、松浪氏は登院停止に伴い、衆院文教、安保、青少年問題特別の各委員も今月28日付で解任。閉会中の委員会出席を含めて12月22日までは、衆院敷地内への立ち入りも拒否される。

「ちょんまげを切っただけで済む問題とは思わない」−。衆院本会議場の演壇から水をまいて25日間の登院停止処分が決まった保守党の松浪健四郎衆院議員は27日午後、「国民の皆さまに心からおわび申し上げたい」と陳謝しながらも、トレードマークのちょんまげは切らないことを明らかにした。

自民党の野中広務幹事長からも断髪を迫られていたが、松浪氏は「(処分中は)死物狂いで勉強し、国民や有権者におわびして回る」と神妙な表情で頭を下げる一方、まげは残すと宣言した。《共同通信》

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【名古屋南部公害訴訟】排ガス差し止め認める

車の排ガスと工場排煙で健康を害したとして名古屋南部の公害病認定患者と遺族計145人が、国道を管理する国と企業10車に計42億円の損害賠償と環境基準を超える有害物質の差し止めを求めた名古屋南部公害訴訟判決で、名古屋地裁の北沢章功裁判長は27日、「道路の公共性を考慮しても、原告の損害は生命、身体にかかわり回復困難」と述べ、環境基準の1.59倍を超える浮遊粒子状物質(SPM)の排出差し止めを命じた。国に約1800万円(対象の原告3人)を、企業に約2億8900万円(同110人)を賠償するよう命じた。

排ガス差し止めを認めたのは1月の尼崎訴訟判決に続いて2例目。実効性のあるディーゼル車対策を早期に実現するよう行政側に迫ったと言える。患者側の全面的な勝訴判決で、係争中の東京大気汚染訴訟に弾みをつけそうだ。《共同通信》

【日立製作所】バレー部廃部へ

日立製作所は27日午前、多くの日本代表選手を生んできた女子バレーボール界の名門、Vリーグの日立ベルフィーユを来年3月限りで廃部すると発表した。

女子バレー部は同社のシンボル的な存在である一方、年間数億円ともいわれる運営費などの問題を抱え、経営合理化の一環として、以前から廃部を含め検討されてきた。このほど、最終的な決断が下され、選手にはバレー部の河西晋二郎部長から26日夜に伝えられた。

女子バレー界では、7月に同じく名門で元ニチボー貝塚のユニチカ・フェニックスが廃部となり、チームごと東レに移籍して、再起を図っている。日立もこの形でのチーム全面移籍を目指す方向。今季の女子のVリーグは12月8日から来年3月まで行われるが、開幕を前に関係者に衝撃が走った。《共同通信》

【ボクシング・リック吉村選手】22連続防衛

ボクシング日本ライト級タイトルマッチ10回戦(27日・後楽園ホール)–チャンピオンのリック吉村(35)(石川)が同級1位の嶋田雄大(29)(ヨネクラ)を3-0の判定で下し、日本タイトルの連続防衛記録を「22」に伸ばした。

リックは現在世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)でともに4位。6月に米国に転勤したため、この一戦を最後に日本王座は返上し、WBA同級王者の畑山隆則(横浜光)を標的に世界戦のチャンスをうかがう。リックの王座返上後、暫定王者の湯場忠志(都城レオスポーツ)が正王者に昇格する。《読売新聞》

【敦賀気比高・内海哲也投手】巨人入りを熱望

オリックスがドラフト会議で1位指名した敦賀気比高の内海哲也投手(18)=183センチ、76キロ、左投げ左打ち=とオリックスの入団交渉が27日、敦賀市内のホテルで行われ、内海は「好きな球団でやってみたいというのが今の心境」と、あらためて巨人入りを熱望した。

内海は巨人以外の球団が交渉権を得た場合は、社会人野球に進む希望をドラフト会議前にオリックス側へ伝えている。しかし「一生のことなのでもう一回考えたい。焦らずじっくり考えて決めたい」と態度を保留した。内海は東京ガスへの入社が内定している。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の羽田孜特別代表は27日午後の記者会見で、自民党の野中広務幹事長が内閣不信任案否決について、決して森喜朗首相が信任されたものではないと述べていることに対して「公明党も似た発言をしており、首相の権威は失墜している」と批判。加藤紘一幹事長に対しても「腰砕けぶりに自民党内から失望の声が聞かれる。国民は変化を求めている」と指摘した。その上で「変化のきっかけはできたが失望感がある。民主党に大きな責任が生まれている」といささか強引に我田引水。《共同通信》

【自民党・加藤紘一元幹事長】ネットに心境

自民党の加藤紘一元幹事長は27日までに、インターネットの自らのホームページ(HP)に長文のメッセージを掲載した。この中で加藤氏は、失敗に終わった先の「加藤政局」を振り返り、「『敗れても、国民の支持があれば次の局面が開けたはずだ』という意見は心にずしんと響く」などと心境を吐露。一方で、「大胆な経済政策や日本独自の外交政策を訴えていく」と再起に向け、近く活動を再開する構えも見せている。

加藤氏は、森内閣不信任決議案に「欠席」し、世論の厳しい批判を浴びていることについて、「議場に乗り込んで賛成票を投じたいという気持ちに何度も駆り立てられた。でも惨めさに耐え、変革の芽を残すことこそ私に課せられた使命だと考えた」と釈明。今後の行動については、「十字架を背負って出発する私たちに、どうかこれからも励ましと提言を」と訴えている。

党の公式行事への出席やメディアの取材を控えるなど謹慎中の加藤氏。先の政局の最中、インターネットで積極的に国民世論の喚起に努めた経緯も踏まえ、釈明も「まずはネットで」ということのようだ。《共同通信》

【森喜朗首相】「解散覚悟していた」

「内閣不信任決議案可決ならば、経緯から当然解散を覚悟していた。(衆院)解散断行ということで腹をくくっていたので、動揺はなかった」。森喜朗首相は27日夜、政治評論家の内田健三氏や報道各社の論説委員ら9人と都内で会食し、加藤紘一元幹事長の首相退陣要求から始まった政局を振り返った。

首相は内閣不信任案を否決で乗り切ったことから「もうここまで来たら決心してやるだけやる」などと今後の政権運営に強い意欲を表明。来月上旬に内閣改造を行い、新体制で政策課題に取り組んでいいく考えを強調した。《共同通信》

【カナダ】クレティエン政権「信任」

27日投開票のカナダ総選挙(下院、定数301)はクレティエン首相率いる中道左派の与党、自由党が地盤とするオンタリオ州を中心に圧倒的な強さを見せ、第一党として3期連続での政権担当を決めた。

1993年11月から7年にわたるクレティエン長期政権は、好調な経済を背景に公民の信任を再び獲得。第二次大戦後、3期にわたって政権を担う首相は初めてで、自由党支持者は沸き返った。

有力紙グローブ・アンド・メールのインターネット版によると、自由党は前301の小選挙区のうち173選挙区で勝利。単独過半数(151議席)を確保したばかりか、現議席161を大きく上回り、圧勝した。自由党はケベック州でも同州の分離独立を目指すケベック連合の支持者を切り崩した。《共同通信》



11月27日 その日のできごと(何の日)