平成4193日目
2000/07/01
この日のできごと(何の日)
【東京都・神津島】震度6弱
1日午後4時1分ごろ、伊豆諸島で強い地震があり、東京都の神津島で震度6弱、新島でも震度5弱を記録した。気象庁によると、震源地は神津島の東側近海で震源の深さは約15キロ。マグニチュード(M)は6.4と推定される。千葉、神奈川、静岡県でも震度3を、長野、山梨など関東から愛知、兵庫県まで広範囲に揺れを観測した。
警視庁によると、神津島の西側で土砂崩れが発生。村役場に近い前浜海岸の都道で車が土砂崩れに巻き込まれ、漁業Aさん(32) が間もなく死亡。ほかに神社の本殿が全壊するなどした。島内の土砂崩れは約10カ所に及んだ。
新島村役場などによると、新島と式根島で計十数カ所の土砂崩れが確認され、家屋7棟が半壊した。新島の海岸近くでタクシー運転手が土砂崩れに巻き込まれたが、自力で脱出した。
気象庁によると、阪神大震災(震度7)以降、震度6弱の地震は、平成9年5月に鹿児島県北西部で、10年9月に岩手県内陸部で発生。三宅島の火山活動を引き起こしたマグマが地殻を刺激し、今回の地震を誘発したとみている。
伊豆諸島では余震が続き、午後6時39分ごろ、新島と神津島で震度4の地震があった。同庁は「引き続きM5程度の地震が続く恐れがある」と警戒した。
神津島は人口約2250人。村役場によると、約30世帯に村内の福祉センターへの避難を呼び掛けたほか、一部住民は自主的に避難した。土砂崩れで送電線が切断され全島で停電したが、停電は午後10時までにほぼ復旧した。火災はなかった。
政府は同日午後4時8分、首相官邸別館の危機管理センターに「官邸対策室」を設置。東京都知事も陸上自衛隊に災害派遣を要請。三宅島に派遣中の護衛艦が神津島に到着し、陸自隊員の一部もヘリコプターで現地入りした。東京消防庁は特別救助隊員や救急救命士らをヘリで派遣。警視庁も警察官約80人を海上自衛隊の輸送艦で派遣した。
神津島村役場によると、「ドスン」という大きな音がし、激しい横揺れが続いたという。海岸沿いでは崩れた土砂が道路を埋め、海岸まで押し寄せた。
政府は1日午後10時、官邸対策室を規模縮小し官邸連絡室に改組。地震予知連絡会と政府の地震調査委員会が2日に会合を開く。
また東海道、山陽新幹線が一時運転を見合わせ、約1万1000人に影響が出た。《共同通信》
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政府は1日、伊豆諸島・神津島での地震発生に伴い、首相官邸別館の危機管理センターに「官邸対策室」を設置、関係省庁からの情報収集や東京都などと協力して災害対策に当たった。
また地震発生直後から国土庁、警察庁など関係省庁の担当局長らを緊急招集。森喜朗首相は「全力を挙げて人命を第一に、東京都と連携して被害の拡大防止に努めてほしい」と指示した。会議には青木幹雄官房長官、額賀福志郎副長官のほか第二次森内閣で官房長官に就任予定の中川秀直前自民党幹事長代理も同席した。
会議後、記者会見した安藤忠夫内閣危機管理監は「今後、大きな被害の可能性は少ない」との見通しを表明。非常災害対策本部や関係閣僚会議などは開かれず、官邸対策室も午後10時には規模を縮小した連絡室に改組した。《共同通信》
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【J1】第2ステージ第2節
Jリーグ1部(J1)第2ステージ第2節(1日・国立競技場ほか= 8試合)横浜F・マリノスと清水エスパルスの実力派同士の一戦は清水が1−0で勝ち、第2ステージ初白星。第1ステージ覇者の横浜は2連敗となった。
巻き返しを期す鹿島アントラーズは4−0で川崎フロンターレを圧倒。ステージ初制覇を狙うセレッソ大阪は京都サンガを2−0、ガンバ大阪はヴィッセル神戸を3−1で破り、2連勝をマークした。FC東京は延長の末、2勝目をあげた。このほか、ジュビロ磐田は名古屋グランパスに5−1で圧勝。精彩を欠く名古屋は2連敗。ヴェルディ川崎は柏レイソルを1−0で破った。《共同通信》
【雪印集団食中毒事件】製造ラインに黄色ブドウ球菌
近畿地方を中心に雪印乳業(東京)の低脂肪乳を飲んだ人が下痢などを訴えた問題で、同社の石川哲郎社長は1日、西日本支社(大阪市)で記者会見し、大阪工場の低脂肪乳製造ラインのバルブで黄色ブドウ球菌を発見したと発表した。
和歌山市衛生研究所が6月30日、黄色ブドウ球菌の毒素産出遺伝子を検出しており、一連の被害は同菌による食中毒との見方がさらに強まった。
バルブは週一回、中性洗剤で手洗いする規定だったが、6月2日から同23日まで3週間洗われていなかった。
被害は同23日以降製造の低脂肪乳で発生。発症者は近畿などの8府県で6000人を超えた。
会見によると、同社は製造ラインの95カ所で、管の内側などをぬぐって微生物などの検査を実施。余った低脂肪乳を予備タンクに戻す仮説のチューブをつなぐバルブ内の1カ所で黄色ブドウ球菌を検出した。同社は「あまり使うバルブではないので、担当者が洗浄しなかったのでは」としている。
立ち入り検査した厚生省と大阪市の係官によると、問題のバルブなどは同工場が認定を受けているHACCP(ハサップ=総合衛生管理製造過程)の申請書類には記載されていない。
手洗い洗浄後のチェックは目視で確認するだけだったという。被害発生後の29日、バルブを分解したところ、内部から十円玉大の乳固形分が見つかった。同社はこれらが黄色ブドウ球菌の繁殖につながったとみてさらに調べる。
石川社長は「黄色ブドウ球菌の由来は分からない。洗浄の確認が甘いと言われれば、ミスと言わざるを得ない」と話し、治療費は全額、補償については個々のケースに応じ支払う方針を明らかにして陳謝した。
発症者は、共同通信の午後8時半までの集計で、大阪府4118人、和歌山県1053人、奈良県450人、兵庫県295人、京都府171人、広島県21人、滋賀県12人、岡山県1人の8府県6121人に上り、44人が入院している。《共同通信》
【金融庁】発足
1998年6月に大蔵省から分離独立、金融機関の検査・監督業務を担当してきた金融監督庁が1日、金融制度の企画立案を受け持つ大蔵省の金融企画局と統合、「金融庁」として発足した。金融庁としての執務が実際に始まるのは3日から。《共同通信》
【政府】7月4日の特別国会召集を決定
政府は1日午後の臨時閣議で、首相指名選挙などを行う特別国会を4日に召集することを決めた。会期は6日までの3日間。4日の首相指名選挙では、自民、公明、保守の与党3党などの支持により、森喜朗首相が第86代首相に再選され、同日中に第二次森内閣が発足する予定だ。《共同通信》
【米・バーモント州】同性愛「夫婦」続々誕生
米東部バーモント州の各地で1日、米国で初めて法的に認められた同性愛の「夫婦」が続々と誕生した。
キャロライン・コンラッドさん(29)とキャスリン・ピーターソンさん(41)のレズビアンのカップルらに対し、午前0時が告げられると同時に「シビル・ユニオン(市民の結合)」と呼ばれる事実上の婚姻関係が認められた。
同性同士のカップルも医療保険や相続関係、年金、納税などで、普通の男女の夫婦と同様の権利を持つとされた州法が1日に施行されたためだ。
コンラッドさんにはCNNテレビで「私たちは精神的には既に結ばれていたが、法的にもそうなりたいと思っていた」と語った。
同性愛夫婦をめぐってはバーモント州最高裁が昨年12月、一般の夫婦の持っている300以上の州法上の権利を奪われており違憲としたことを受けて立法化が進行した。
反対派は阻止運動を展開したが、4月にディーン知事が署名、全米初の同性愛婚姻法が成立した。《共同通信》
【宇都宮徳馬さん】死去
元参院議員で、月刊誌「軍縮問題資料」を私費を投じて発行するなど一貫して軍縮を訴え続けてきた宇都宮徳馬氏が1日午前7時14分、神奈川県相模原市の病院で肺炎のため死去した。93歳。東京都出身。
自ら設立したミノファーゲン製薬の社長(現相談役)を務める傍ら、昭和27年に衆院初当選。保守合同後は自民党に属し連続10回当選したが、51年にロッキード事件や金大中氏(現韓国大統領)拉致事件の党対応に反発して離党。54年衆院選で落選したが、55年の参院選で国会に返り咲き、平成4年に政界を引退した。
保守派リベラリストとして異色の存在で、「宇都宮軍縮研究室」を主宰し、昭和55年から「軍縮問題資料」を20年近くにわたって発行。日中友好協会会長を務めた。《共同通信》
【民主党】政権戦略を見直しへ
民主党は1日、先の衆院選の結果を受けて、来夏の参院選を衆参同日選に持ち込み一気に政権交代を果たすという従来の政権戦略の見直しに着手した。衆院選で議席を127に増やす躍進を遂げたものの、自公保3党は依然、衆院で絶対安定多数を確保しており、同日選の可能性は極めて低くなったと判断。来夏の参院選で、与党の参院勢力を過半数割れに追い込むことに照準を合わせ、候補者擁立などを急ぐことになりそうだ。
「最低でも自公保を安定多数割れに追い込みたかった。政権の一翼を担う受け皿としての期待感をいただいたが、所期の目的を果たせなかった」−。鳩山由紀夫代表は、衆院選の結果をこう総括する。
民主党は同日選に追い込むための条件として、今回の衆院選では150議席を目標に据えていた。自公保3党が獲得した271議席からさらに20議席余を奪い取っていれば、与党は過半数に近い「危険水域」に陥っていたと言え、今回は「取り逃がした」(幹部)との思いが強い。
選対幹部は「絶対多数を確保した以上、与党は議席を減らす危険は冒さない。もう同日選は100パーセントなくなった」と分析。これを踏まえ、参院で自公保を過半数割れに追い込み、衆院解散を打たざるを得ない状況をつくり出すというシナリオに切り替えることにした。
具体的な候補者擁立に当たっては、来夏の参院選から遠くない時期に衆院選があるとの前提で作業を進める。ます今回の衆院選では労組依存型の選挙戦を展開した旧社会党系候補の多くが落選したことから、参院選での候補者擁立では労組色を極力、薄めることが課題となる。熊谷弘幹事長代理は「従来型の発想をする地方支部のメンバーチェンジから始めなければ、従来の枠を超えられない」と語っており、実際の候補者選定に当たる労組系の地方支部幹部の交代にまで手をつける可能性も出てきた。
さらに、党幹部の一人が「民主党への風が吹いたのは『関が原』まで」と語るように、当選者の少なかった中国、四国、九州などで地方組織の強化を進めることにしている。《共同通信》