平成4167日目
2000/06/05
この日のできごと(何の日)
【西鉄バスジャック事件】広島地検、少年を家裁送致
乗客6人が死傷した西鉄高速バス乗っ取り事件で、広島地検は5日、強盗殺人、同未遂の容疑で拘置していた佐賀市の無職少年(17)を「刑事処分が相当」の意見書を付け、2容疑と強盗傷害や人質強要処罰法違反などを併せた計5つの容疑事実で広島家裁に送致した。少年の簡易精神鑑定は重い精神障害の可能性を指摘しており、同地検は家裁送致段階では犯行動機を特定しなかった。
同家裁は同日、観護措置を決定し、少年の身柄を西西条署から広島少年鑑別所に移送。弁護団は家裁に本格的な精神鑑定の早期実施を求める。
同地検は送致に際し、少年の供述調書などすべての捜査資料を送付。送致書で動機について触れなかったことで、責任能力の有無を含めた判断を家裁にゆだねる形となった。
少年は、これまでの調べに「派手なことをして社会に自分をアピールしたかった」「入院させた両親に復しゅうしたかった」などと供述。同地検は3月の療養所入院で両親への怒りを募らせたのが犯行の直接の引き金とみている。
簡易鑑定は「責任能力は即断できない」と指摘。少年には不可解な言動も多いが、同地検は犯行経緯などの少年の供述が一貫していることから「少なくとも限定的な責任能力はあった」と判断した。
家裁は、最長4週間で非行事実や心身の状況を調査し処分を決めるが、この間1−3カ月程度かけて精神鑑定もできる。家裁が「刑事処分が相当」と判断すれば検察官へ逆送、少年は成人と同じ裁判を受ける。
調べでは、少年は5月3日、福岡県内を走行中のバス車内で運転手らに包丁を突き付けバスを強奪。女性客1人を殺害、2人に大けがをさせ、窓から逃げた2人にも重軽傷を負わせた。また逮捕された4日朝まで乗客らを人質にし、説得に当たった捜査員に短銃などを要求した。このほか、事件では救出時に乗客1人が軽傷を負っている。《共同通信》
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【新生銀行】スタート
経営破たんに伴う一時国有化後、欧米系の金融機関グループに譲渡され民間銀行に戻った日本長期信用銀行は5日、行名を「新生銀行」に変更、新たなスタートを切った。
東京都千代田区の本店では午前9時の営業開始前に、正面の看板などに掛かっていた白幕が外され「新生銀行」の新行名が現れた。また一階には来店客向けに臨時のコーヒー店がオープン。今後常設化も検討するという。
新生銀の八城政基会長兼社長は「(これからの経営は)スピード感が大事だ。5年先の金融界がどうなるかを見越し、顧客のニーズに応じた金融商品を開発したい。個人向け業務も重視する。小粒でも収益力のある銀行にしたい」と述べた。
新生銀は同日から、ビザ・ジャパンと提携したクレージットカード「新生カード」の発行や、投資信託の窓口販売を強化するなど、個人向け業務にも力点を置く新ビジネスを展開する。
一方、経営再建中の大手百貨店、そごうからの970億円に上る債権放棄要請について判断を迫られるなど、抱える問題も少なくない。
長銀は平成10年10月に一時国有化。その後、金融機関グループ「ニュー・LTCB・パートナーズ」に譲渡され、欧米の金融技術を駆使しての生き残りを目指している。《共同通信》
【森喜朗首相】国体発言「失言ではない」
森喜朗首相は5日午前、共産党の政権参加問題に関連して「どうやって日本の国体を守ることができるのか」と発言したことについて「失言だなんて言っていない。『国体』とは国のあり方、国家体制ということだ。昔の古い国体と結び付けては話していない」と釈明し、発言撤回の意思がないことを明らかにした。
青木幹雄官房長官は記者会見で「文脈は現在の『国の体制』のことを言ったもので、何ら他意はない。適切であったとは言えないが、そう問題にすべき言葉ではない。『神の国』とは、全然違うと理解を求めた。
その上で、青木長官は「国体は)誤解を招きやすい言葉であり、『国の体制』とか『政党の枠組み問題』という言い方をした方がいい」と述べ、首相独特の言い回しに苦言を呈した。
首相は「国体」発言に関し、4日の講演で「失言」を認めるよう立場を示したことについて「失言でも何でもない。取り消したとは言っていない。たくさんの発言の中で『失言もあったとしかられている』という客観的なことを言っただけだ。間違えないでほしい」と強調した。
「国体」発言をした講演では「共産党は綱領で日米安保条約、自衛隊、天皇制を否定している。そういう政党と組むのが良いのか、自由と民主を選択するのかを迫った」と真意を説明した。《共同通信》
◇
森喜朗首相は5日午後、自民党本部で開かれた全国幹事長会議であいさつし「私の発言で迷惑を掛け、おわび申し上げる」と述べ、「神の国」発言などによる選挙戦への悪影響を危ぐする声が党内に出ていることに陳謝した。
しかし首相は、共産党の政権参加問題に関連する「国体」発言については「失言でもなんでもない」と撤回を拒否しており、与党内では「悪い方、悪い方にいく」(自民党幹部)と、首相の不用意な言動に懸念が広がっている。
公明党幹部は5日「共産党が政種に参加すると、国家体制が混乱するという趣旨だろう」と述べ、首相の釈明を了承、擁護する姿勢を示す一方で「あらためて注意してもらいたい」と言動に注文を付けた。
公明党や保守党の一部には「演説では森首相には触れないようにする」「連立政権と首相を切り離して考えるよう支持者に訴える」との声も上がっており、選挙戦での与党連携にも微妙な影響を与えそうだ。《共同通信》
【ソロモン諸島】住民ほう起
オーストラリア外務省などによると、住民対立が続くソロモン諸島の首都ホニアラ(ガダルカナル島)で5日未明、マライダ島系の武装集団が武装ほう起、政府機関などを占拠してウルファアル首相を軟禁した。首相は同日、武装集団の要求に応じて辞意を表明した。
AAP通信などによると「マライタ・イーグル・フォース」と呼ばれる武装集団はホニアラの警察署、政府機関など拠点を急襲し、首都機能をほぼ管理下に置いた。島外からの電話は通じなくなり、同島への航空路線も閉鎖された。
ニュージーランド外務省当局者によると、6日にも次期首相が指名され、新内閣が発足する見通し。自宅で軟禁されたとされる首相は、警察本部に移されたとの情報もある。
ガダルカナル島では1998年以来、地元住民と東北隣のマライタ島からの移住者の対立が激化。抗争が続いたため昨年6月には非常事態が宣言されたことがある。抗争で過去1年半に少なくとも50人が死亡したとみられている。《共同通信》