平成4143日目
2000/05/12
この日のできごと(何の日)
【民主党】全国幹事長、選対責任者会議
民主党は12日、都内のホテルで全国幹事長会議と選対責任者会議を相次いで開き、6月総選挙では自公政権か民主党中心の政権かの選択を最大の争点と位置付けることを確認した。
これを受け、公明党との選挙協力は基本的に行わず、対決姿勢を明確にしていくことで一致。公認候補のいない小選挙区では、自由、社民両党の候補の推薦も検討することを決めた。
鳩山由紀夫代表は幹事長会議のあいさつで「自公が相手であり、共産党も戦う相手だ。民主党単独でも政権を担うという気構えで戦う」と述べ、政権交代を目指して選挙戦を展開する決意を強調した。
同時に「自公は『民共か自公か(の選択)』と中傷している」と、民主党と共産党との連立の可能性に言及している与党側を批判。さらに「自民党内の声を圧殺するような、恐怖政治がかっ歩している」と述べた。
会議では①小選挙区の候補者は現職、新人の区別なく比例代表に同一順位で重複立候補②名簿登載順位は最終的に党本部で決定−との方針を了承、総選挙に約70億円の資金を投入することを確認した。《共同通信》
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【大相撲夏場所6日目】
大相撲夏場所6日目(12日・両国国技館)横綱貴乃花が小結魁皇に押し出され初黒星を喫した。魁皇は5勝目。横綱曙は平幕の玉春日を力強く突き出し1敗を守った。大関ではかど番の貴ノ浪が旭鷲山を寄り切り5勝目を挙げた。出島も栃乃洋を寄り切ったが、千代大海は関脇栃東に引き落としで敗れた。出島、千代大海と栃東はいずれも4勝2敗。大関とりの関脇雅山は小結貴闘力を下して1敗をキープした。全勝だった平幕の闘牙、追風海にも土がついた。全勝がいなくなり、1敗のトップには両横綱、貴ノ浪、雅山、魁皇ら九人が並んだ。十両は高見盛と若の里が全勝。《共同通信》
【参院】馳浩氏らの辞職を許可
参院は12日午前の本会議で、次期衆院選石川1区にくら替え出馬するため、議員の辞職願を提出していた自民党石川県連会長の馳浩氏(39)の辞職を許可した。これにより、石川1区は民主党現職の奥田建氏(41)、共産党公認の新人佐藤正幸(31)、馳の3氏による争いがほぼ確定した。
参院は塩崎泰久(愛媛)、平田耕一(三重)両氏の辞職も許可し、3氏の辞職に伴う参院補選は6月8日に告示され、衆院選と同じ25日の投票となる見通しで、3県で衆院選との同日選が行われる。《北國新聞》
【政界談話室】
○・・・自民党の村上正邦参院議員会長は12日の党役員連絡会で、塩崎恭久氏ら参院議員3人の衆院選くら替え出馬のための議員辞職について「本来こういう傾向は好ましくないが、前例としないということで、緊急事態でもあり(参院自民党に)対応してもらった」と述べ、自民単独では大きく過半数を割り込んでいる参院側の苦渋の選択だったことを強調した。さらに「参院の犠牲に報いるような結果を出してほしい。今後は(普段から衆院選に向け)新人発掘に努めてほしい」と、衆院側にくぎを刺していた。《共同通信》
【中央防災会議】原子力災害時、15分以内の通報を義務付け
政府の中央防災会議(会長・森喜朗首相)は12日、関係省庁で構成する局員会議を開き、昨年9月の茨城県東海村臨界事故を教訓に見直しを進めてきた防災基本計画「原子力災害対策編」の修正案をまとめた。
一定レベル以上の原子力災害の発生を知った原子力発電所や核燃料再処理施設などの事業者は15分以内をめどに首相官邸や科学技術庁などへ文書通報することを義務付けた。《共同通信》
【森内閣】資産公開
森喜朗首相と18閣僚は12日、内閣が発足した4月5日時点での保有資産を公開した。土地や建物などの不動産(固定資産税の課税標準額)と、預貯金、株式などの有価証券(額面価格)を合わせた首相と全閣僚の平均資産は同一家計の家族分を含め、約2億2900万円だった。
森首相は約1億3000万円で第8位、最高は河野洋平外相の約15億3300万円。小渕前内閣の全閣僚を継承した森内閣だが、昨年11月公表の小渕再改造内閣発足時の資産と比較すると、土地の評価替えの時期が重なったこともあって、平均資産は約870万円減少した。
森首相の資産は平成5年に改築した東京都世田谷区の自宅、石川県根上町の土地・建物や田畑など計約8900万円と白山ゴルフ(3万株)、東洋水産(1100株)の株式など。
借入金が1億1900万円余りあるが、8年1月の村山内閣総辞職による建設相辞任時から、1900万円余りを返済。またゴルフ会員権は計5口を所有している。
辞任した小渕恵三前首相は、昨年11月の前回公表時と比べると、借入金を140万円返済しているが、資産総額は約1億4500万円で増減はなかった。《共同通信》
【JR根岸線】高2男子、ハンマーで殴打
12日午前5時ごろ、横浜市内を走行していたJR根岸線の電車内で、居眠りをしていた住所不定、無職の男性(48)に、少年が襲い掛かり、持っていた全長約23センチのハンマーで男性の頭や耳を殴打、約3週間のけがを負わせた。少年はこの男性に取り押さえられ、大船駅で駆け付けた大船署員に殺人未遂の現行犯で逮捕された。
逮捕されたのは、横浜市内に住む私立高校2年の男性生徒(17)。調べに対し、少年は「夢の中でだれかを殺せと指示があった」と供述しており、同署は少年の精神鑑定を行うことも検討している。
少年は学校の制服ではなく、ジャンパーなど私服を着用、通学の身支度はしていなかったという。車内は早朝だったためすいており、乗客は少年と男性だけだったとみられる。《共同通信》
【西鉄バスジャック事件】少年「親に見放された」
西日本鉄道の高速バスが乗っ取られた事件で、逮捕された少年(17)が、広島など4県警合同捜査本部の調べに対し「外泊許可の際、ドライブに連れて行ってもらえず、親に見放されたと思った」などと供述していることが12日、分かった。また、今月2日に愛知県豊川市で17歳の男子高校生が殺人容疑で逮捕されたことについて「先を越されたと思った」と供述しているという。
少年は自宅でナイフを持って暴れていたため、3月上旬に佐賀県内の精神科の病院に入院したが、その後、2回目の外泊許可が出て自宅に戻った際、親に「しまなみ海道(広島県尾道市−愛媛県今治市)にドライブに連れていってほしい」と頼んだが、都合がつかず行けなかった。少年は調べに対し「親に見放されたと思った」と供述しているという。
これまでの調べで、少年は平成10年4月に事実上高校を中退した後、家族の車で頻繁にドライブしていたことが分かっている。捜査本部は、中学時代いじめを受け、さらに高校を中退して孤立していた少年が、親からも見放されたと感じ、豊川市の事件に触発されて犯行を思い立った可能性もあるとみて追及している。
これまで少年は「派手なことをして社会にアピールしたかった」などと、動機について供述をしていた。《共同通信》
【この日の民主党】
「問題認識能力欠いた指導者身を引くべき」熊谷幹事長代理、宮澤蔵相を批判
熊谷弘幹事長代理は12日の定例会見で、宮澤蔵相が日経平均株価の続落を銘柄入れ替えの問題であるかのようにコメントしたことにふれ、「もはや問題認識能力を欠いた指導者というしかない。20世紀最悪の大蔵大臣だ」と批判した。
熊谷幹事長代理は、「政府は6月に『景気回復宣言』を発表するというが、消費動向や失業率などあらゆる数値を検討しても何一つ経済再生の方向は出ていない」と政府の無責任ぶりを指摘。また宮澤氏がバブル崩壊後に首相となって「金融問題は起きない」などと発言していたことを挙げ、「こうした人物がさらに状況を悪化させているのは我慢できない。いさぎよく政界から身を引くべきだ」と述べた。
羽田雄一郎参院議員、財投改革法で代表質問
民主党・新緑風会の羽田雄一郎参院議員は12日の本会議で、財政投融資を大きく変える政府提出2法について党を代表して質問した。
2法は(1)大蔵省の資金運用部を廃止して郵便貯金などの預託をやめ、この預託金を原資とする特殊法人など財政投融資(財投)機関が独自に公債を発行できるようにする「資金運用部資金法改正案」と、(2)郵政省が郵便貯金や生命保険積立金を自主運用できるようにする「郵便貯金法改正案」。
羽田議員は、(1)財投改革をうたいながら、財投に依存して巨額の赤字を生んでいる特殊法人の整理・統合に手がつけられていない(2)財投機関が公債を出すのを認めれば「第2の国債」となり、国の長期債務がさらにふくれ上がる(3)郵政省は郵貯について「確実、有利、公益」という運用原則を定めているが、金融市場ではこの3つは互いに矛盾し、具体的にどう運用するのか不明だ――とただした。
これに対し宮澤蔵相は、「特殊法人の事業が市場から必要ないと判断されれば、公債の引き受け手がなくなり、結果として特殊法人の見直しにつながる」などと政府の特殊法人改革の責任を棚上げし、さらに「財投機関の公債は租税で償還されないので国の長期債務には含まれない」と答弁した。
また八代郵政相は、「国民から預かった郵便貯金は長期的に安定な運用を心がける」としか答えなかった。
佐藤泰介参院議員が社会福祉事業法で代表質問
民主党・新緑風会の佐藤泰介参院議員は12日の参議院本会議で質問に立ち、社会福祉事業のサービス向上と範囲拡充などをうたった政府提出の「社会福祉事業法改正案」についてただした。
佐藤議員は、「法案は身体障害者や知的障害者へのサービス内容を行政が決定する制度から、『利用者が事業者と対等な関係に基づきサービスを選択する』という方向に変えると明記しているが、公的責任の後退につながらないか」と質問。また、(1)サービスの苦情処理機関として都道府県社会福祉協議会が運営適正化委員会を設置すると定めているが、同会自体がサービス提供者であり、そうした役割を果たせるかどうか疑問だ(2)事業者がサービス内容を自己評価することを「努力義務」としているが、義務規定とすべきだ――などを指摘した。
これに対し丹羽厚相は、「国や地方自治体にも利用者本位のサービスを確立する役割を与えている」と述べ、「(苦情処理は)運営適正化委員会の中立・公正性を確保する」、自己評価は「客観的基準をつくる第三者機関を設置する」と答えた。
政権交代を問う総選挙へ!最終意思統一=全国幹事長・選対責任者会議
民主党は12日、東京都内で全国幹事長・選対責任者会議を開き、6月下旬の総選挙に向け、全党を挙げて「自公保政権か、民主党を軸とする政権か。その戦いをすすめる」(鳩山代表)ことを誓い合った。また、(1)比例代表の名簿搭載順位について、重複立候補者については現職・非議員とも同一順位・惜敗率の採用を基本とする、(2)選挙スローガンを「奪(と)る。あなたが動けば日本が変わる」とすることなどが提案され、承認された。
鳩山代表はあいさつで、「みなさんのおかげで戦う準備が整ってきた。苦労の成果が発揮される日が近々訪れる。自公保政権か、民主党を軸とする政権か?その闘いをすすめよう」と決意を示した。
代表はそのうえで、1期目の現職議員から『世論調査などを見ると、小渕政権の時より厳しくなってきた』と電話がかかってきたことを紹介し、「森政権に対する国民の評価は必ず下がる。お見舞いの言葉に対し、白々しいという言葉が返ってくるような精神が支配する政権が、国民に評価されるだろうか!?自民党、政権のなかを、モノが言えないような恐怖政治が闊歩している状況を国民が見逃すはずがない。必ず良識ある方々から、自公保政権はおかしい、民主党しっかりがんばれという声が起こってくる。それを信じようではありませんか」と檄。
さらに、ここ3年半の自民党中心政権の業績を、数字を挙げて評価。「国民は甘い、誘いのような政策にウンザリしている。なぜ、苦い水を飲まねばならくなったのか。現政権が政策を誤ったからこそ、こういう状況になったということを訴え、正しい政策の主張を続けていこう」と訴えた。
羽田幹事長も「国会と政府を国民の手に取り戻し、国民の声が届く政治にすることが、来る総選挙の争点だ。民主党こそ、国民のパートナーであることを訴えよう」と述べ、長すぎる自民党中心政権を変える戦いを力強く呼びかけた。
なお仙谷企画局長は総選挙の意義と争点について、野党第1党の責任は政府の業績を厳しく問い、国民に政権交代を問うことにあるとして、当面、前回総選挙以降の自民党政権3年半の失政を国民に明らかにし、政権交代の実現に全力を挙げる方向を示した。具体的な選挙政策は近々発表される。《民主党ニュース》