平成4045日目
2000/02/04
この日のできごと(何の日)
【公安調査庁】オウムに立ち入り検査
オウム真理教(アレフに改名)に対する団体規制法の観察処分適用を受け、公安調査庁は4日、栃木県大田原市や埼玉県越谷市などの教団施設5カ所を地元の5県警と合同で初めて立ち入り調査した。公安庁の立ち入り調査は昭和27年の設置以来初めて。来週以降も順次、関係先数十カ所に立ち入る。
公安庁は上祐史浩幹部(37)がいる横浜支部や松本智津夫被告(44)=教祖名麻原彰晃=の長男連れ去り事件が起きた茨城県旭村の施設も早期立ち入りを求める地元住民に配慮し、検査する方針だったが、警察側が事件の家宅捜索を優先する意向を示すなどしたため、先送りされた。
検査を受けた大田原施設には、松本被告の子供が在住。越谷施設には、幹部A容疑者(33)=暴力行為法違反容疑で逮捕=が以前、滞在していた。他の3施設は茨城県三和町の印刷工場、岐阜県美濃加茂市の食品工場、ソフトウェア開発などをしているとされる滋賀県甲西町の施設。
立ち入り検査は午前7時40分ごろから同8時半ごろに開始。最短の大田原施設が約2時間半、最長の美濃加茂施設は約5時間で終わった。公安調査官計85人と警察官約100人が実施した。各施設は十数人から約30人。教団側とトラブルなどはなく、資料の任意提出も受けたとみられる。
法務省によると、立ち入り検査で公安調査官や警察官は帳簿や書類の閲覧、写真撮影、施設の見取り図作製などは可能。書庫を開けるように求めることもできるが、令状に基づく家宅捜索ではないため、信者の身体検査や業者を同行して引き出しのかきを開けることはできない。書類のコピーにも同意が必要という。
団体規制法によると、立ち入り検査を拒否したり、妨害したりすると、1年以下の懲役などに処せられるほか、観察処分よりも強い規制で、活動を一部禁止する「再発防止処分」の請求要件となる。《共同通信》
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【自民党・森喜朗幹事長】解散必要ない
自民党の森喜朗幹事長は4日午前の記者会見で、国会混乱を理由とした衆院解散・総選挙について「今、解散など全然考える必要はない」と強調した。
森氏は「解散は首相の大権だが、党の立場からアドバイスすれば、国会の混乱を国民に決着をつけてもらうことでは国会議員としての役割を果たしたことにならない。駄々っ子みたいなことに応じて解散することがあってはならない」と述べた。《共同通信》
【国会】両院議長が正常化要請
斎藤十朗参院議長は4日午後、与党3党の参院議員会長を呼び、「与党側から国会正常化を呼び掛けてほしい」と要請した。伊藤宗一郎衆院議長も小渕恵三首相や森喜朗自民党幹事長に正常化への努力を求めた。さらに与党3党も幹事長会談で「正常化にさらに努力する」ことを確認した。
一方、鳩山由紀夫民主党代表は同日夜の講演で、与党の謝罪にこだわらない考えを表明。このため、6日投開票の大阪府知事、京都市長選の結果も踏まえ、週明けから国会正常化に向けた与野党折衝が本格化する可能性が出てきた。
ただ鳩山氏は正常化の条件として話し合い解散を求める姿勢を崩しておらず、与党も「安易な妥協はしない」ことで一致しており、与野党とも正常化への手立てを探しあぐねている。
斉藤議長は与野党議員会長との会談で「自らの非力で混乱を招いていることをおわびする」と述べた上で正常化を促した。これを受けて、村上正邦自民党参院議員会長は民主党の北沢俊美国対委員長に、7日に議長を交えた与野党の議員会長レベルの会談を開くよう呼び掛けた。
一方、与党3党の幹事長会談では、来年度予算案、年金制度改正関連法案など国民生活にかかわる法案を、野党抜きでも粛々と審議することも併せて確認した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・社民党の渕上貞雄幹事長は4日の記者会見で、与党が野党不在のまま年金改革法案を参院で可決、成立を目指していることに対し「国民生活にかかわる重大な問題をやるとは考えられない。良識の府が吹っ飛んでしまう」とけん制した。もっとも衆院定数削減法の成立では委員会採決を省略する「中間報告」という“荒技”を使われただけに「(もしやるなら)ピストルで撃って刀で切るようなものだ」と最後は泣き言に。与党の横暴を訴えるだけで、打つ手はなさそう。《共同通信》
【与党】幹事長会談
自民、自由、公明の与党3党は4日午後の幹事長会談で、得票数が極端に少ない小選挙区落選者の比例代表での復活当選禁止など、衆院選挙制度の欠陥を是正するための法改正を今国会で実現する方針で一致した。
一方、公明党の冬柴鉄三幹事長が、政党への企業・団体献金を存続させるため、同献金の見直し措置を規定した政治資金規正法付則10条の削除について「削除しない方がいい」と提案、与党内で再協議することになった。この問題は、自民党の強い要望で昨年12月に「削除」を決めた経韓があり、与党内調整は難航が予想される。
冬柴氏は「復活当選」を認める基準について、昨年12月に民主党との間で合意した法定得票數(有効段票総数の6分の1)ではなく、供託金没収得票数(同10分の1)に条件を緩和すべきだと新たな考えを提示、与党内で検討することになった。
幹事長会談ではこのほか①衆院補欠選挙を年2回に集約する②個人献金に対する税制上の優遇措置③冠婚葬祭での花輪などの寄付行為の制限強化−などについても公選法などの法改正を目指すことでも一致した。《共同通信》
【オーストリア】極右参加政権が発足
オーストリアの極右、自由党と保守の国民党による連立政権が4日、大統領府で宣誓就任式を行い、正式に発足した。
シュッセル政権は両党から約半数ずつの閣僚を出し国民議会(下院・定数183)で計104議席を有する安定政権となる。しかし欧州連合(EU)加盟国が制裁を発動するなど厳しい国際環境の中、シュッセル首相率いる新政権は前途多難な出発となった。《共同通信》
◇
欧州連合(EU)14カ国は4日、EU加盟国のオーストリアで極右政党、自由党が参加する連立政権が発足したのを受け、同国に対する二国間の外交制裁措置を発動した。
EU各国による加盟国に対する外交制裁は極めて異例。東欧への拡大や機構改革など重要な節目にあるEUは、加盟国の足並みの乱れという新たな難題を抱え込んだ。
制裁は①オーストリアとの実務レベルを超えた二国間の政治的接触を拒否②国際機関に立候補するオーストリア人を不支持③各国駐在のオーストリア大使との接触を実務レベルに限定−などが主な内容。
14カ国は先月31日、ナチスを評価しEU拡大反対や移民排斥を主張する自由党が連立政権に参加した場合は制裁を発動すると警告していた。
しかし、制裁はEU条約に基づく措置ではないため、オーストリアの加盟国としての資格には変化はない。《共同通信》
【ロシア軍】チェチェン大統領官邸制圧
ロシア公共テレビ(ORT)によると、ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイの制圧作戦を進める連邦軍は4日、中心部のマスハドフ大統領の官邸を制圧、屋上にロシア国旗を掲げた。官邸は黒焦げで人影はなく、大統領は既に脱出していたとみられる。
また、連邦軍の軍事作戦を統括するカザンツェフ司令官は同日、数日中に首都中心部で記者会見し、作戦完了を公式に宣言すると語った。昨年末に始まったグロズヌイ制圧作戦は開始から40日余りを経て、最終局面を迎えたもようだ。
ORTの映像によると、市中心部の建物は戦闘で破壊し尽くされ、廃虚同然。司令官はこれら建物を破壊したのはいずれもイスラム武装勢力の爆破によるものだと主張した。
大統領官邸前からリポートしたORT記者は、連邦軍が既に中心部から武装勢力を掃討したと伝えたが、カザンツェフ司令官は、西部のザボッキー地区、南部のチェルノレチエ地区でまだ戦闘が続いていると語った。
武装勢力側は1月31日に「首都の防衛は不可能になった」として、グロズヌイからの撤退を発表、山岳部を拠点としたゲリラ戦に移ると宣言していた。
一方、連邦軍側は3日、グロズヌイからの脱出を図る武装勢力を西部の地雷原の回廊に誘導し、1500人以上を殺害したと発表している。《共同通信》
【民主党ニュース】
年金問題について真剣に議論~「もう一つの国民福祉・厚生委員会」
民主党は4日、国会近くのホテルで「もう一つの国民福祉・厚生委員会」を開き、年金問題について専門家や関係団体代表らと活発に議論をおこなった。委員会には約200人が参加し、金田誠一衆院議員(厚生委員会筆頭理事)の司会ですすめられた。
◆政府案はつじつま合わせ――山本副大臣が批判
所信表明に立った山本孝史雇用・社会保障副大臣は、「支給開始年齢の引き上げと給付水準の1割ダウンを内容とする与党案は、厚生省の官僚自ら『つじつま合わせ』と認めるひどい内容。最初から国民への責任を放棄している」と批判。さらに「民主党は基礎年金の国庫負担率を現行3分の1から2分の1に引き上げ、基礎年金を税方式に改めることなどを改革の柱としている」と、党の改革案を燒セした。
◆「支給開始年齢の引き上げが最大の問題」「給付水準の現行維持を」
続くゲスト発言では、一橋大学経済研究所の高山憲之教授が「最大の問題は支給開始年齢の引き上げ。60歳定年制の企業が大多数で再就職も困難な現在、サラリーマンの不安は大きい」と強調。「ただ、制度を維持するには経済的に余裕のある年金受給者が負担アップを受け入れるなどの譲り合いも必要。民主党も将来の財源を提示してほしい」と注文をつけた。
次に連合の桝本純生活福祉局長が、「給付水準の引き下げは認められない。このままでは夫婦で受け取る年金が生活保護の支給額以下になってしまい、若い世代が年金を払う意欲を失う。ぜひ現行水準の維持を」と主張した。
障害者インターナショナル日本会議の金政玉さんは、「長期国外滞在中に障害を受ければ無年金状態となり、さらに国籍条項によって無年金者が生まれている。就労機会から除外された障害者は生活保護を申請するしかないが、そのためには家族から世帯分離しなくてはならないなど現行制度には多くの欠陥がある」と指摘した。
東京・生活者ネットワークの新井美沙子さんは、「サラリーマンの妻など第3号被保険者に保険料の負担はないが、この分を第2号被保険者全体で負担しており不公平だ。男女共に働き、税を担う制度が必要。第3号被保険者は離婚すると老齢基礎年金しか受けられず、生活できない状態に追いやられる」と述べた。
◆「年金の負担と給付、将来的には原則として個人単位へ転換を」
―――――――担当大臣らが答えこれを受け、峰崎直樹予算・決算副大臣は、「財源は消費税でまかなうべきと考えている。現行消費税は問題が多いので改革するのが前提だが、将来的には年金とリンクさせるべきだ」と回答。朝日俊弘雇用・社会保障副大臣は、「年金の給付と負担については、将来的には原則として世帯単位から個人単位へ転換すべき。また、高齢者に年金の負担をお願いするのは避けられないのではないか」と述べ、石毛えい子消費者・産業担当副大臣は「第3号被保険者の問題は税方式でしか解決しないのではないか。ただ、年金では男性にも矛盾のしわ寄せがある。女性を特別枠化するのはどうか」と指摘した。
この後、電子メールで寄せられた「専業主婦は地域活動の担い手。税などの優遇措置を守ってほしい」との声が紹介され、会場からも「被用者の保険料が国民年金につぎ込まれているのはおかしい」、「学生だが、いつごろから世代単位が個人単位になるのか」などの質問がだされ、今井澄雇用・社会保障大臣が、「被用者の保険料については、将来の基礎年金の税方式化によって解決されると思う。また年金制度はすぐ転換できるものではないので、数十年のスタンスで考えてほしい」と説明した。
米国の未臨界核実験に抗議の談話/伊藤英成NC外交・安全保障大臣
民主党の伊藤英成NC外交・安全保障担当大臣は、米国が日本時間の4日午前(米国東部時間2月3日夕刻)、本年初の「未臨界核実験」を実施したことを受け、「断固として抗議し、今後の実験実施の停止を強く求める」とする談話を発表した。伊藤大臣は談話のなかで「民主党は、核開発・核実験に反対し、国際的な核軍縮・核不拡散を推進するため、再三にわたり米国に強く抗議し、核実験の停止を求めてきた」と経緯を説明。そのうえで、昨年10月、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准が米国上院で否決されたことをあげ、「国際的な核軍縮・核不拡散がさらに遅れることを強く懸念する」と指摘。さらに「核軍縮・核不拡散を最重要課題の一つとし、昨年CTBT発効促進会議で議長を務めた日本政府は、繰り返される米国の核実験に対して、どのような外交努力をしているのか、疑わざるをえない」と日本政府の姿勢を批判。民主党として「核実験・開発の全面的禁止等、核軍縮・核不拡散のための措置が着実に実現するよう強く主張していく」と表明している。 記事を印刷する
「議論の場の確保が一番大事」鳩山代表が外国特派員協会で講演
鳩山代表は4日夜、東京日比谷の外国人特派員協会で講演し、民主党の立場について理解を求めた。
鳩山代表は野党抜きのまま審議がすすむ国会の現状を「形式的民主主義と実質的民主主義の戦い」と位置づけ、「自自公の結論がすべてで、野党はいらない」という与党の姿勢を厳しく批判した。
さらに鳩山代表は、事態打開に向けて「民主党は審議拒否を好んでいるわけではない。長く続けることで政治不信が募ることを懸念している」と表明。審議に参加する条件は「責任のある与党からだすべき」と前置きしながら、「真の意味での議会制民主主義では委員会審議など議論の場が確保されることが一番大事だ」と指摘した。
共産党との野党共闘については「現時点では議会制民主主義の再生のために協力し合っているが、政権の枠組みで共に歩むつもりはない」と述べ、「共産党にハイジャックされた」との与党幹部の発言を「妄言だ」と批判した。