平成3890日目
1999/09/02
この日のできごと(何の日)
【所沢ダイオキシン報道訴訟】農家362人がテレビ朝日を提訴
埼玉県所沢市産野菜から高濃度のダイオキシンが検出されたとのテレビ朝日の報道で、ホウレンソウなどの価格が暴落、誤報で風評被害を受けたとして、JA所沢市組合員の野菜農家ら362人が2日、訂正放送と全国紙への謝罪広告掲載、経済的損害約1億9700万円の賠償を求めて浦和地裁に提訴した。
訴えられたのは、テレビ朝日と、調査データを提供した民間調査機関「環境総合研究所」(青山貞一所長)。
訴えによると、テレビ朝日は2月1日、青山所長も出演した「ニュースステーション」で、実際はせん茶から検出されたダイオキシンの最大値を、所沢市産の野菜から検出されたと報道。この虚偽の数値を前提に、所沢市産の野菜は直ちに人体に有害で危険であるかのように報道。この結果、所沢市産の野菜の価格が暴落したとしている。
埼玉県は、根拠となった同研究所のデータを受けて、最高濃度が検出されたのは野菜ではなく同市産のせん茶だったと公表。テレビ朝日は番組で「野菜としたのは適切でなく、農作物とすべきだった」と説明した。
原告らは数回、テレビ朝日に訂正放送を申し入れたが、同社は「番組でおわびしており、あらためて訂正放送すべき必要はない。誤報ではなく風評被害には当たらない」などとして応じていなかった。
原告らが請求した損害賠償は、報道後約2カ月間、価格が通常の約3分の1に暴落したことによる被害に加え、精神的な損害が一人当たり20万円とした。
原告側は「経済的な損害の補償を求めるのが目的ではなく、影響の大きいマスコミの報道の在り方に一石を投じたい」としている。《共同通信》
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【北陸電力・志賀原子力発電所2号機】着工
北陸電力は2日、石川県志賀町赤住で計画する志賀原子力発電所2号機(改良型沸騰水型軽水炉、135万8000キロワット)の建設工事に着手した。北電が県、同町、富来町などに増設を申し入れてから6年余の着工で、平成18年3月の営業運転開始を目指す。改良型沸騰水型軽水炉は国内4基目の新しい原子炉となる。
原発敷地内では最初に安全祈願祭が行われ、北電や工事関係者、地元赤住の住民、漁協関係者約40人が無事故と早期完成を祈った。続く工事開始式で北電志賀原発建設所の柳瀬勝義所長が訓示し、同原発建設災害防止協議会の工事関係者が安全宣言した。《北國新聞》
【小渕恵三首相】韓国・金鍾泌首相と会談
小渕恵三首相は2日午前、公賓として来日中の金鍾泌韓国首相と東京・元赤坂の迎賓館で会談した。両首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射問題について、日米間3カ国が緊密に連携し、北朝鮮から再発射停止などの前向きな対応を引き出すよう最大限努力することを確認した。
小渕首相は、会談後の共同記者会見で「北朝鮮が再発射を凍結すれば、日米韓が北朝鮮との関係を前向きに進めることが可能となり、北朝鮮にとっても利益になる」と述べ、米朝協議などで北朝鮮が建設的な態度を示すことに強い期待を表明した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の島村宜伸前農相は2日、都内のホテルで開かれた小渕恵三首相の党総裁再選を目指す集会で「経済再生を果たした小渕内閣は素晴らしい」と持ち上げた。昨年の総裁選で島村氏は、小渕氏に対抗し「経済界の要望が集中している」と梶山静六前官房長官を擁立したが、この日は「政治は結果が勝負」と強調。小渕氏が今年5月の訪米で大リーグの始球式に登板したことにも触れ「練習ではどうなるかと思ったが、ちゃんとホームベースに届いた。本番に強い人だ」。自らの変身も結果オーライということか。《共同通信》
【民主党代表選】全国19カ所で演説会
9月25日に投票が行われる民主党代表選挙の実施要領とスケジュールが2日発表された。
それによると、9月11日の立候補届出後締め切り後、候補者がそろって共同記者会見を行った後、選管主催により東京・渋谷駅前で第1回目の街頭での立会演説会を開く。その後は、13日の群馬県高崎市を皮切りに、全国11ブロックで19回の屋内・屋外での演説会を予定しているが、詳細は未定。《民主党ニュース》
【神奈川県警】集団警ら隊内で連続暴行
神奈川県警厚木署集団警ら隊の分隊長らが、静岡県警や千葉県警などへの派遣時、複数の隊員に暴行を繰り返して大けがを負わせるなどし、神奈川県警が7人を停職3カ月や減給などの処分にしていたことが2日、分かった。
暴行は3月上旬から4カ月の間に7回も行われており、殴る、けるのほか、隊員に手錠を掛けたり、短銃をみけんに突き付けて威嚇していた。同県警は8月5日に7人を処分したが、一切公表していなかった。警察内部での集団暴行事件が明るみに出るのは極めて異例で、事件を隠ぺいした同県警の対応を含め、大きな論議を呼びそうだ。
処分されたのは、暴行を加えた分隊長の巡査部長や巡査の計5人と、監督責任問われた警部補2人。いずれも厚木署員で、このうち6人は地域第一課集団警ら隊に所属。集団警ら隊は大規模災害の警備などで全国に派遣される組織。隊員らは関東管区警察局機動隊員として、同管区内の各県に派遣中に問題を起こした。
関係者によると、分隊長ら4人は群馬県警に派遣中だった3月6日午前2時ごろ、宿舎集会室で隊員の体毛にライターで火を付け燃やすなどの集団暴行を加えた。
この分隊長は静岡県警に派遣中だった5月29日午後8時ごろには、宿舎で隊員を後ろ手にして手錠を掛けて暴行。千葉県警に派遣されていた6月27日午後3時ごろには、身に着けていた短銃(ニューナンブ)の銃口を隊員のみけんに突き付けて脅した。この短銃には実弾5発が入っていた。
神奈川県警は、隊員の体毛を焼くなどした巡査部長2人を停職3カ月、巡査2人は給料月額の100分の10をそれぞれ3カ月と2カ月減らした。また、警部補2人は指導監督の徹底を欠いたと一して、それぞれ県警本部長訓戒と本部長注意の処分とし、残る巡査1人は厚木署長による注意処分とした。《共同通信》
【自民党、公明党】政策協議が決着
自民、公明両党は2日午後、国会内で連立政権発足に向けた政策協議を行い、基本となる5分野について合意し、協議は事実上決着した。3日午前に政策責任者間で正式合意した後、7日に両党の幹事長会談を開いて確認する見通しだ。
2日の協議では中小企業対策として、最高税率の引き下げを含めた相続税の見直しなどの承継税制の改革を進めることで一致。企業の創業支援のため、土地担保を偏重した現行融資制度の在り方を改めるとともに、貸し渋り対策で政府による信用保証制度の特例措置を延長することでち合意した。
今後の焦点は、自由党を含めた3党の政策協議に移る。8日に3党の政策責任者が会談するが、自由党は本格協議は自民党の総裁選終了後としており、なお駆け引きが続きそうだ。《共同通信》
【新潟県巻町】原発反対派に町有地売却
東北電力(仙台市)の巻原子力発電所建設問題で揺れる新潟県巻町の笹口孝明町長が2日、町役場で会見し、同原発の炉心予定地付近にある町有地の一部を原発反対派町民23人に売却したと発表した。
これにより同原発の建設は極めて難しくなり、平成8年8月の住民投票による原発建設の凍結に続き国や電力業界に大きな波紋を広げそうだ。
笹口町長は「住民投票の結果を反映させ原発問題に一定の決着を付けるのが私の最大の課題で、これで任期中にある程度の責任を果たせた。土地売却で原発の可能性は限りなくゼロに近くなったと思う」と述べた。
笹口町長によると、売却したのは同原発建設予定地にある町有地9090.74平方メートルのうち炉心付近に当たる743平方メートル。同町の反対派町民らでつくる「巻原発・住民投票を実行する会」の大越茂代表ら23人と8月30日に1500万円で不動産売買契約を結んだ。
契約書には、8年8月の住民投票で原発反対と示された町民の意思を町政に反映させることを土地売買の目的とすると明記。土地の譲渡、抵当権、賃借権など一切の処分をしてはならないとしている。《共同通信》