平成3861日目
1999/08/04
この日のできごと(何の日)
【プロ野球・阪神】ブロワーズ内野手を解雇
阪神の高田順弘球団社長は4日、遠征先の丸亀市内のホテルで会見し、打撃不振のマイケル・ブロワーズ内野手(34)の解雇を発表した。米大リーグ、アスレチックスなどで通算10年プレーし、1995年にはマリナーズで23本塁打を記録したブロワーズは昨年、野村阪神の主軸打者として入団。
しかし打率2割5分1厘で10本塁打と期待を裏切る成績で、三塁守備の不安定さもあり「打線の軸、4番となる選手という意味では結果が出なかった」(高田球団社長)の判断で解雇が決まった。《共同通信》
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中日2−0阪神◇4日◇高松
中日が連日の早めの継投で、対阪神6連勝。走者を出しながらも無失点だった門倉を五回であっさり交代。その後は四投手をつないで得点を許さなかった。打線は一回に福留の先頭打者本塁打で先制。八回には二死二塁から中村の左前打で貴重な追加点を挙げた。
阪神は舩木が七回途中まで6安打1失点と踏ん張ったが、打線がつながらない。2試合連続の零封負けで、今季初の8連敗。《共同通信》
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左手を壁について体重をあずける。姿勢を正すと、腕組みをして切り出した。ただでさえ低い声を一層低くして。「タイムリーが出ないな」。はさみで切り込みを入れた靴の甲から痛風で腫れた野村監督の右足がのぞく。連敗は今季最多の8となった。
この日、一つの断を下した。ブロワーズの解雇である。「打たないけど、ほかにだれがおるんや。代わりがおらんやろ」と起用し続けてきた主砲を切った。物足りない成績ではあった。だが四番に新庄やジョンソンを据えるよりもブロワーズの方が「打線が回る」とは認めていた。そしてあえてその無難な選択を拒否した。
頭の中は今季の星勘定から離れ、来季のチーム編成に傾いている。今は用兵に苦しんでも、来季のレギュラーが生まれれば、ということだろう。「気持ちは来年にいっているので、若い子を一人でも多く使いたいということはある」と漏らした。《共同通信》
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【民主党代表選】菅氏が出馬表明
民主党の菅直人代表4日午後、党本部で記者会見し、今秋の同党代表選への対応について「基本的には立候補できる準備はすべてしておきたい」と述べ、続投を目指して出馬する意向を表明した。同党代表選は9月上旬告示、同月末か11月上旬投票の日程が検討されている。菅氏としては、選挙日程が決まった段階で正式に出馬表明する考えだ。
菅氏は、出馬に向けた準備として、現内閣に代わる首相や閣僚候補をあらかじめ決めておく「影の内閣」に当たる「ネクストキャビネット」設置を柱とした党機構改革案を来週早々に提示するほか、政権交代に向けた運動の在り方、政権政策などを今月末までにとりまとめることを明らかにした。代表選での公約として順次、発表していく方針だ。
一方、菅氏は、党内に鳩山由紀夫幹事長代理擁立の動きがあることに関し、「鳩山氏が(党の)看板になる場合は、わたしが支える役に回るべきとの認識を持っている」としながらも、「(鳩山氏を含め)党内の理解が得られるならば、立候補して続けていく準備をしている。(お互いに)何らかの形で協力し合っていくのが好ましい」と述べ、鳩山氏との協力関係を維持していきたいとの考えを示した。《共同通信》
【米・クリントン大統領】小渕首相の景気策を評価
クリントン米大統領は4日、ホワイトハウスで日本経済に関する記者団の質問に答え「日本経済が成長を始めた兆候が見える」と、日本が景気回復に向かい始めたとの認識を初めて示した。
その上で大統領は「小渕恵三首相は首尾一貫とした強力で効果的な政権を築いており、それによって(小渕政権が)前進を続けていることを日本国民が支持してきていると思う」と述べ、小渕政権に対する日本国民の支持が上昇傾向にあることにも触れながら、政権基盤が安定してきていることを歓迎する姿勢を示した。
約2年間にわたって日本の経済政策を手厳しく批判し続けてきた米政府が「小渕政権支持」の姿勢を明確にしたことは、自民党総裁選を前にした日本の政局にも波紋を広げそうだ。《共同通信》
【定数削減法案】審議入りへ調整難航
衆院比例代表定数の50削減法案の実質審議入りをめぐる調整は4日、衆院政治倫理・公選法改正特別委員会の各党理事ら代表者による協議も平行線に終わり、5日の理事懇談会に結論を持ち越した。
同法案の衆院通過に向けて早急な実質審議入りを主張する自由党と、反発する公明党の溝は深く、特別委理事懇で折り合う可能性は小さい。このため、自自公3党の国対委員長会談、幹事長会談で打開を図ることも検討され、自民党内には与野党選挙制度協議会を衆院議長の下の正式な機関とする案で決着を模索する動きも出ている。
しかし自由党の小沢一郎党首は4日の記者会見で「やろうと思えばできるのにやらないのは一番いけない」と強硬姿勢を重ねて表明。自自公連立のハードルとなっている定数削減問題は大きなヤマ場を迎えた。
小沢氏は「決断しさえすれば長々の論議は必要としない。実行しようという約束に関して言えば、他党がどういう意見を持っているか関係ないことだ。当初の連立合意からすれば、ぐすぐずしている」と自民党に決断を迫った。さらに「(自自両党の)選挙協力は本質的には別の問題。定数削減は『隗より始めよ』という政治家の姿勢の問題で国民に対する約束だ」と強調した。
各党代表者協議では、自由党が実質審議入りを要求。公明党は「永住外国人への地方参政権付与の法案を先に審議すべきだ」と反論した。《共同通信》
【組織犯罪対策3法案】参院法務委員会で中央公聴会
盗聴法の問題点が次々に明らかにされている参議院の法務委員会では4日、中央公聴会が開かれ、野党が共同推薦した評論家の佐高信氏、弁護士の小口克巳氏、富山大学の小倉利丸教授など6人が午前と午後にわかれて意見を述べた。民主党・新緑風会から海野徹、小川敏夫両議員が質問を行った。
佐高氏は、警察が共産党幹部宅盗聴事件でもまったく反省の色を見せず、さらにオウム真理教幹部による「坂本事件」や「松本サリン事件」でも、ズサンな捜査を行いながら、濡れ衣を着せられた関係者に対しては警察関係者は一切謝っていない、と鋭く指摘。さらに「歯止めが利かない」と通信傍受に反対していた公明党が半年足らずで賛成に回った点も批判し「政治家の発言には賞味期限をつけてほしい」と当てこすった。
質問に立った海野徹議員は、盗聴という「卑劣な手段」が、子ども社会に対していわゆる「衰弱現象」を与える危惧を指摘。与党推薦の評論家・鈴木りえこ氏が通信傍受の理由としてあげた「中高生に広がる覚せい剤汚染」に関して、海野議員は、麻薬中毒者の救済活動を行っているグループの活動にふれ、「通信傍受にかかる費用の何割かをさいても政府は汚染の防止に努めるすべきだ」と強調した。
午後からは、共産党幹部宅盗聴事件の弁護活動を行った小口氏が、開口一番「警察の良識に待つことは期待できない」と指摘。当時の裁判について「現場検証を含め、あらゆる段階で当局は非協力的であり妨害がなされた。裁判にも現職警官は出頭に応じず、唯一出席した元警官も一切証言を拒絶。上層部の追及はついになされなかった」と憤慨気味に披瀝。また盗聴機の納入業者の証言などを紹介しつつ、昭和30年代から警察によって盗聴が行われていたことを明らかにし、最後に「このようにはっきりと司法に服さない態度の警察に通信傍受の権限を与えることに反対する」と締めくくった。
最後の公述人である小倉氏は、麻薬密輸の捜査を例にあげ、「犯罪者だけでなく一般の船会社の顧客のメールも盗聴され、疑いの有無に関わらず全てが対象になる」とした。また「報道機関は対象外」とした昨日の政府答弁について、小倉氏は「電子メールについてはスポットモニタリングできないので、結局すべて調べざるを得ない」と抜け穴だらけである点を強調した。また携帯電話への盗聴システムが構築される結果、日本の通信会社は国際競争力に悪影響が出ると指摘。
質問した小川敏夫議員が「仮に通信傍受一般を認めるにしても、傍受記録、傍受通知がなければ不服申立て自体ありえない」と事後チェックの必要性を訴えたのを受けて、小口氏は「立会人に権限がなければ実が挙がらない。今回の法案では歯止めの実効性が確保できない」と指摘。小倉氏も「警察をすべて信用していいなら裁判所がいらないという議論、逮捕者即犯人という議論、になってしまう。公正さの担保にはやはり立会人が必要」と強調した。《民主党ニュース》