平成3793日目
1999/05/28
この日のできごと(何の日)
【小渕恵三首相】介護保険「予定通り実施」
介護保険制度の施行時期をめぐって、28日の閣議後の会見などで閣僚や与党幹部の発言が相次いだ。予定通り実施を強調する意見がある一方で、実施主体となる市町村の準備の差異に対しバックアップを求める声が上がるなど制度の難しさを浮き彫りにしている。
小渕恵三首相は「政府としては(予定通りの)2000年4月1日の実施に向けて着実に進めるということだ」と現時点で導入時期を変更する考えがないことを明らかにした。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【北海道石炭じん肺訴訟】地裁、国の責任は認めず
北海道の炭鉱で働き、じん肺になった元従業員の患者や遺族計446人(原告患者185人)が国と炭鉱を経営していた企業2社に総額約61億円の損害賠償を求めた「北海道石炭じん肺訴訟」の判決で、札幌地裁の小林正裁判長(佐藤陽一裁判長代読)は28日、「国の石炭政策に裁量の逸脱はなく、違法性はない」として、国に対する請求を棄却した。
被告の三井石炭鉱業と三井鉱山に対しては「安全配慮義務を怠った」として、原告患者77人に対し、計約18億8800万円(元従業員1人あたり2200万円〜1200万円)の賠償支払いを命じた。両社は「到底容認できない」として同日午後、札幌高裁に控訴した。原告側も国の責任が認められなかったことを不服として控訴の方向で検討している。《共同通信》
【韓ロ首脳会談】
ロシアのエリツィン大統領は、28日、就任後初めて訪ロした韓国の金大中大統領と首脳会談を行い、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する韓国の柔軟政策「太陽政策」をロシアが支持することなどを盛り込んだ共同声明を発表した。
共同声明は、日本が中止を求めている北朝鮮のミサイル開発・輸出計画については国名を名指しすることは避けながらも「地域の安定と国際的な非拡散体制を損なってはならない」との表現で、自制を呼び掛けた。
さらに、声明は米朝核合意(1994年)の履行の重要性を指摘、北朝鮮に順守を促した。
また、南北朝鮮と米中四カ国による朝鮮半島和平に関する四者会談とは別に日本とロシアを加えた六者会談構想については、四者会談と並行的に実現は可能との基本的認識で一致したことを確認した。
金大統領は、北朝鮮への影響力回復を図るロシアから太陽政策支持を取り付け、対北朝鮮政策の基盤を強化したといえる。《共同通信》
【コソボ紛争】ユーゴ大統領、ロシア特使と会談
チェルノムイルジン・ユーゴスラビア問題担当ロシア大統領特使は28日ベオグラード入りし、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領領と会談した。同大統領が旧ユーゴ国際戦犯法廷に起訴されて以降、和平を仲介する外国要人と会談するのは初めてで、仲介に対する今後の対応が注目される。
特使はユーゴ紛争調停をめぐりモスクワで、アハティサーリ・フィンランド大統領、タルボット米国務副長官と三者で会談した結果を伝える。
特使はモスクワ出発前、民間テレビNTVに対し、三者会談について「多くの点で考えが近づいているが、何も結果が出ておらず、その一方でユーゴ空爆が強化されている。このままでは交渉自体が意味を失う」と述べ、空爆の停止時期や和平後にコソボに展開する国際部隊の構成などで米ロ間に見解の違いが残ったことを示唆した。
また、到着したベオグラード空港で「アハティサーリ大統領が同行するはずだったが、戦犯法廷の起訴で不可能となった」と述べた。
特使のセルゲーエフ顧問は、ロシア側が欧米側に新たな提案をしたと明らかにしており、今回の会談は、新提案に対する反応を探る目的もありそうだ。《共同通信》
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民主党の男女共同参画委員会は28日、党本部で女性支援基金の報告会をかねた「民主党全国女性地方議員会議」を開いた。各種の活動報告や、女性地方議員ネットの形成や「女性のための政治大学」などのアイデアについて意見を交換し、交流を深めた。会議の後には参議院副議長公邸で交流会も開かれ、菅代表や羽田幹事長らとなごやかに懇親した。
支援基金の運営委員長を務める鳩山由紀夫幹事長代理は、支援を受けた中から25人の新人女性地方議員が誕生したことにふれ、「民主党の思いや男女共同参画社会を実現する意味がなかなか伝わらないなか、130人の女性議員が誕生した。女性の視点から見た改革を地域ですすめてほしい」と激励した。
同席した熊谷弘選対事務総長も「英国のエコノミスト誌で、21世紀は女性が真の力を発揮する100年になるのではないかという特集を興味深く読んだ。地方選挙もそれを予感させる結果になった」と女性への期待を表明。さらに「党支持率はシリアスな状況。支持を取り戻すには、猛烈な自己改革をしなければならないが、改革を達成して自自公に負けないようがんばりましょう」と述べた。 会議では、基金からの支援を受けて当選した5人が選挙戦について報告。「半年前から徹底的に駅頭あいさつをした。5時台の始発から8時過ぎまで1人ひとりに訴えた」「一緒に活動してきたリサイクル運動の仲間が、手作りのチラシをつくってくれた」「32年ぶりの女性県議として、保守的な県議会を変えていきたい」など意欲的な発言ばかり。「これだけの仲間がいることがわかってうれしい」という声が多く、やる気と元気を分かち合う会議になった。《民主党ニュース》
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捜査当局に電話などの通信傍受(盗聴)を認める「通信傍受法案」など組織犯罪対策関連3法案は28日夜、民主党、共産党、社民党がルール破りの衆院法務委員会の強引な運営に抗議して欠席する中、自民・自由両党と公明党・改革クラブの賛成多数で修正の上可決された。民主党は「何でも数で押しきる大政翼賛会政治」(菅直人代表)への対決姿勢を強めている。
28日朝の同委員会理事会で、自民党側が同日の委員会での法案採決を提案したが、民主党など3党は「国民のプライバシーに関する重要法案を公聴会も開かずに一方的に採決することは認められない」「昨日は理事会で日程についての採決もしないまま委員会を開いた。まず昨日の委員会の無効を確認することが先決」「約束の審議時間が確保されていない」などと反発。自民党側が一方的に日程を決め、委員会入りした。そのため民主党、共産党、社民党は抗議のため委員会を欠席した。
夕方から民主党国民運動委員会は東京・JR新橋駅前で急きょ街頭演説を行い、法務委員会の現場で与党側の暴挙に抵抗した坂上富男筆頭理事、佐々木秀典理事、枝野幸男議員らが交替でマイクを握り、「憲法の保障する通信の秘密・令状主義に反する」「普通の市民の電話が盗聴される人権侵害の法案」など、法案の危険な内容と自自公による不当な国会運営を会社帰りの人々に訴えた。この数日の報道などで関心が急速に高まったせいか、多くの人々が足を止めて、真剣な眼差しで演説に聴き入っていた。
途中から菅直人代表も駆けつけ、「政策の良い悪いではなく、80兆円の予算をばらまく与党の一員となることが自己目的化している」と与党との連携を強める公明党を批判。「なんでもかんでも賛成、なんでもありのやり方では、日本の政治は本当におかしくなる。盗聴法や住民基本台帳法案のように人権や民主主義にとって見過ごすことのできない極めて危険な法律があれよあれよと言う間に押し通されようとしている。この現実を何としてもストップさせなければいけない」と訴えた。
さらに、菅代表は与党内での介護保険制度先送り論に対しても、「次の総選挙で不利だから何でも先送りするという無責任を認めれば、21世紀には(国債の)借用証書の山だけが残る」と批判した。
民主党と社民党は、きょうの採決に反発して杉浦正健法務委員長(自民)の解任決議案を衆議院議長に提出した。鹿野道彦国会対策委員長は同日昼の党代議士会で「院の構成に関わる決議案が出された以上、すべての委員会をストップさせる」と週明けからの全委員会の審議拒否へ協力を求めている。《民主党ニュース》