平成3600日目
1998/11/16
この日のできごと(何の日)
【小渕恵三首相】自由党との連立に意欲
小渕恵三首相は16日、首相官邸で野党各党の党首と個別に会談し、27日召集予定の臨時国会と来年の通常国会での協力を要請した。自由党の小沢一郎党首との会談では連立政権に向けて(1)税制、行政改革、安全保障などで協議の場を設置する(2)早い機会に再度党首会談を行う–ことで基本合意した。
再会談は首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会談から帰国する19日にも開く。
首相は首脳会議に向かう政府専用機中で「自由党とはある意味の雰囲気が醸成されている。小沢氏といま一度会談し、今後の協力関係について結論を得たい」と述べ、自由党との連立政権樹立に強い意欲を表明した。
自由党が自民党内に反対の強い消費税率引き下げで譲歩すれば、連立政権で合意する可能性も出てきた。
首相は政策協議を通じて環境整備を急ぎ「自自」体制で平成11年度予算編成を行い、来年の通常国会に臨みたい意向だ。
この日の会談は連立政権に向けて各政策分野の協議を進めていく方針を確認したもの。自由党が求める消費税率の一時的な引き下げについて、自民党は応じない方針を固めており、自由党の出方が焦点となっている。
自由党内には、連立の障害となっている消費税率引き下げについて、福祉目的税化などで妥協を模索する柔軟姿勢も一部にあり、次回党首会談に向けて大詰めの交渉が水面下で行われそうだ。《共同通信》
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【日産・リバティ】発売
日産自動車は16日、ミニバン「プレーリーリバティ」を発売した。車体を5ナンバーサイズに収め、小回りが利き運転しやすく、室内もゆとりのある空間を実現したという。2輪駆動車は無段変速機の採用で従来モデルより約20%燃費を改善。窒素酸化物などの有害物質も大幅に低減した。2輪駆動「L−Aパック」が190万7000円。《共同通信》
【大相撲九州場所】9日目
大相撲九州場所9日目(16日・福岡国際センター)平幕の琴錦が9連勝と白星を重ね、単独トップを守った。横綱若乃花が玉春日に寄り倒されて2敗目を喫し、1敗で追うのはこの日勝ち越した平幕土佐ノ海だけになった。玉春日の金星は3個目。横綱貴乃花は小結出島を寄り切り、大関貴ノ浪とともに7勝目。若乃花を加えた三人が2敗で続く。大関武蔵丸は関脇千代大海にはたき込まれ3連敗、優勝争いから大きく後退した。十両は金開山ら三人が7勝2敗で並んだ。
【政府】24兆円の緊急経済対策を決定
政府は16日午前、経済対策閣僚会議を開き、貸し渋り、雇用対策など合わせて17兆9000億円の事業規模の緊急経済対策を決定した。年末までに詰める所得・法人減税6兆円超や政策減税を加えると総事業規模は実質的に24兆円以上に膨らむ。
これは今年4月の総合経済対策(16兆6500億円)を大幅に上回る過去最大の規模。政府は対策に関連した歳出8兆1000億円を盛り込んだ、1998年度第3次補正予算案を27日にも召集の臨時国会に提出する。《共同通信》
◇
民主党景気・雇用対策本部長の羽田孜幹事長は、政府が「緊急経済対策」を発表した16日、「所得税、法人税等の恒久減税について、来年1月から実施することを望む国民の声を無視して先送りしたことは言語道断」など批判する談話を発表した。
談話では、「景気状況の判断を誤り、なし崩し・小手先の対策による政策不況を招いた」「的確な対策も講じないまま先の臨時国会を閉じてしまった」と、政府の姿勢を批判。今回の「緊急経済対策」については恒久減税の先送りの他、「事業規模で23兆円超」と見せかけの規模を膨らませていること(民主党案は「国費で20兆円」)、構造改革につながる対策が欠落している点などを挙げ、「21世紀型社会資本整備」については評価しながら、「看板倒れで旧来型事業が大半となることを危惧するとともに、地方財政危機の拡大につながる懸念がある」と警戒している。財政構造改革法凍結については「遅きに失するとともに、無節操な政策転換」と責任追及している。
民主党は今月12日、(1)中堅サラリーマンに手厚い所得税減税、法人税率引き下げ(2)年金保険料率引き下げ(3)「子ども手当」創設――などを柱とする「構造改革につながる景気・雇用対策」を発表しており、これらの実現に全力を注ぐ。《民主党ニュース》
【稲嶺恵一氏】沖縄の新空港「米軍の使用期限15年」
普天間飛行場返還に伴う沖縄本島北部への軍民共用空港建設案をめぐり、沖縄県知事選で初当選した稲嶺恵一氏(65)が16日、米軍の使用期限を15年間と持論を展開した。これに対し、具体案の検討に入った政府は米側への配慮から難色を示し、早くも認識のずれが出始めている。
稲舗氏は週内にも上京し、選挙公約実現に向け政府、自民党との実質的な折衝を始めたい考えだが、「15年問題」が障害になる可能性もある。
稲嶺氏の当選を受け、地域住民の理解を求める政府は海上ヘリ基地建設を断念。移設候補地として東村やキャンプ・シュワブ(名護市)、宜野座村などが浮上している。
稲嶺氏は16日の記者会見で、新空港の性格に関して「『民』のウエートが高い。最大限の15年という枠は、はっきり付けたい。これは県民の一つの許容範囲だ」と言明。移設候補地の選定に当たっては、地域振興を重視することと併せ①本島北部の自治体首長と相談する②地域住民と十二分に話をしたいーとの手順を示した。
北部に空港を誘致するメリットについては、リゾートや熱帯果樹などの農業地域が多いことを指摘。「『臨空型』の産業誘致が可能ではないか」と述べ、あくまでも15年間で民間専用空港に移行することが前提との立場を強調した。
一方、野中広務官房長官は「稲嶺新知事の考えを十一分拝聴し、問題解決に真摯に取り組みたい」とした上で「米国当局とも交渉しなければならない」と述べ、軍民共用空港実現に向け米側と調整する意向を示した。だが、米軍の使用期限を区切ることに対しては「将来の国際情勢などに関連するので、あらかじめ設定することは困難」と、極めて否定的だ。《共同通信》
【この日の民主党】
民主党と政府自民党との党首会談が16日昼、首相官邸で行われ、民主党からは菅直人代表、羽田孜幹事長、鳩山由紀夫幹事長代理、石井一国対委員長、岡田克也政調会長代理が出席した。
会談で小渕総理はロシア訪問の報告をし、菅代表は「友好関係が維持されたことは率直に言って良かった」と評価しながら「橋本前総理が提案した北方4党を含む日本とロシアの国境線画定について、前向きの返事があったという感じがしない」と指摘。さらに総理が「外交案件なので公にできない」としたため、菅代表は「4月の提案から半年以上たっている。しかも政権が変わった上でエリツィン政権からの対応である。日ロ交渉がどういう流れで動いているのか、国会で説明すべき」と主張した。
緊急経済対策については、政府側の対策の説明に対し、民主党の「構造改革につながる景気雇用対策」を提示。菅代表が「先の参院選で橋本前総理は最終的に恒久減税を公約した。小渕政権も恒久減税を柱にしてきた。それなのに次の国会に向けて税制改革が一切触れられていないのは公約違反ではないか」と指摘した。小渕総理は次の臨時国会で減税を実現しなくとも「平成11年から年度改正としてやれば、約束違反ではない」との見解を示した。
羽田幹事長は「(各党と)個別に協議しているようだが、国会を開いて議論すべきことではないか」と指摘。総理が「外交日程などで国会開会に制約が多い」と答えたため、羽田幹事長は「国会開会中の外交日程は当然ありうるが、外交日程を理由に国会を開きにくいというのは、個々の党との密室協議を正当化しようとするもの。本末転倒だ」と批判した。《民主党ニュース》