平成3540日目
1998/09/17
この日のできごと(何の日)
【オウム真理教・松本智津夫被告】第90回公判
オウム真理教松本智津夫被告(43)=教祖名麻原彰晃=の第90回公判が17日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、これまで審理してきた地下鉄、松本両サリン、坂本堤弁護士一家殺害の3事件について国選弁護団が「検察側冒頭陳述と元幹部らの証言が食い違うなど、立証に矛盾がある」と意見陳述した。
この日は国選弁護団が、意見陳述に続いて元顧問弁護士青山吉伸被告(38)に反対尋問、松本サリン事件のきっかけとされる民事訴訟の経過をただした。
弁護団は意見陳述で、松本被告による地下鉄事件の指示について検察側冒頭陳述と元幹部井上嘉浩被告(28)の証言が矛盾すると指摘。冒頭陳述は、指示が事件2日前の平成7年3月18日、乗用車の中であったとしたが、同乗していた井上被告が「松本被告は車を降りる際『めい想して決める』と話していた」と証言していたことを挙げた。
さらに、7年1月に松本被告が強制捜査を恐れてサリン処分を命じたのに、3月にはサリン生成を指示したとする検察側主張も「矛盾がある」とした。
坂本弁護士事件については「準備などは松本被告の指示でなく、現場主導で行われたことが、元幹部早川紀代秀被告(49)らの証言で明らか」と指摘。
松本サリン事件も、冒頭陳述で「民事訴訟などをめぐる、裁判官に対する強い反感」が動機としたのとは反する証言として、青山被告の「敗訴しても松本被告は問題にしていなかった」との指摘を挙げた。《共同通信》
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【大相撲秋場所】5日目
大相撲秋場所5日目(17日・両国国技館)ただ一人全勝だった横綱若乃花に土がつき、三横綱、大関武蔵丸ら七人が4勝1敗で並んだ。若乃花は左上手を引いた琴乃若の寄りに屈した。琴乃若は4個目の金星を挙げた。横綱貴乃花は危なげない寄りで湊富士を下し、横綱曙は小結武双山の投げをこらえて寄り切り、ともに1敗を堅持。大関武蔵丸は持久戦で魁皇を寄り切って4勝目を挙げた。大関貴ノ浪は小結出島を外掛けで倒し3勝2敗と白星先行。関脇千代大海は栃東に寄り切られ2敗目。平幕では若の里、栃乃洋、巌雄が4勝1敗。《共同通信》
【政界談話室】
高村正彦外相は17日の参院外交・防衛委員会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射に関連し、「今の日朝関係は戦争の瀬戸際にある」との朝鮮中央通信の放送について感想を求められ「殺然とした態度をとった日本が悪いと言われるが、困った国が近くにあるものだ」とムッとした表情。さらに北朝鮮への制裁措置が他国に比べ「突出している」との指摘には「日本の考え方は普通だ。北朝鮮が普通の国でないというのは国際常識だ」と強く反論した。日ごろ冷静に答弁する外相にしては、珍しく感情むき出し。《共同通信》
【金融再生法案】修正協議が最終局面に
今国会最大の焦点である金融再生関連法案をめぐる与野党修正協議は17日、大詰めの局面を迎えた。最終関門となった財政、金融分離の調整で、小渕恵三首相と宮澤喜一蔵相が会談。自民党は野党の主張を大幅に取り入れた修正提案を示し、与野党党首会談での決着に向けて折衝を続けた。
政府、自民党は、22日にも予定される日米首脳会談を前に「首相の指導力」を演出、与野党合意を「目に見える成果」として示したい意向。だが、妥協と迷走を繰り返した末にたどりついた最終提案の効果を疑問視する声が早くも出ている。《共同通信》
【小渕恵三首相】中国経済相と会談
小渕恵三首相は17日、首相官邸で、日中間の投資促進を協議するため来日中の石広生・中国対外貿易経済協力相らと会談した。
石協力相は、日本の対中投資の拡大を促すとともに、「日中の発展は、アジア経済の危機克服、再生と発展に重要だ」と強調。「中国は人民元のレート堅持に努力してきたし、内需拡大、財政出動で8%の経済成長に向けて努力している」とも述べた。
これに対し首相は「日中の貿易、投資は日本の景気が悪いので伸びていないが、景気が回復すれば必ずや、中国に進出しようとする企業は多いはず」と述べた。《共同通信》
【橋本龍太郎前首相】ロシア・エリツィン大統領と会談
小渕恵三首相の「外交最高顧問」としてロシア訪問中の橋本龍太郎前首相は17日、エリツィン大統領とクレムリンで会談した。両氏は、2000年までの北方領土問題解決と平和条約締結を目指すとした昨年11月のクラスノヤルスク合意の実現に向け、努力を続けていくことで一致した。
橋本氏は深刻な経済危機にあるロシアの現状に対して「大統領の下での改革を日本は引き続き支援していく」と強調。小渕首相の対ロ姿勢に関しても「自分と同じだ」と述べ、橋本ーエリツィン関係と同様の親密な関係構築に期待を表明した。
大統領はロシア経済について「財政的に厳しい状況にあるが、いずれ危機的状況を切り抜けていける」との見通しを示した。《共同通信》
【米・バーシェフスキ通商代表】高村外相、中川農相と会談
バーシェフスキ米通商代表は17日午後、高村正彦外相、中川昭一農相と相次いで会談した。高村外相に対し同代表は、対日貿易赤字の急増について「今年は史上最大の赤字が見込まれ、二国間関係に悪い影響を与えている」と懸念を表明した。
外相は「景気の状況やドル高円安の下で必然的に不均衡が生じたのではないか。日本は経済再生に全力を挙げている」と、景気対策を通じた不均衡是正努力に理解を求めた。
日米保険協議に関連して同代表は「日本側から前提条件を出されており、協議が開かれないことに失望している」と指摘。外相は「日本は保険の第三分野の激変緩和の条件を満たしており、再交渉には応じられない」と拒否した。
米国が今月末までに日本に伝える予定の規制緩和要望リストについて外相は「十分検討したいが、米国も日本が提出するリストを検討してほしい」と、双方向で取り組むよう求めた。
一方、中川農相との会談で通商代表は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)で日本が林産物、水産物の関税引き下げなどの自由化交渉に応じないことに懸念を表明、「6月(の貿易相会合)に続いて、11月(の閣僚会議)でも日本は孤立するのか」と、異例の強い表現で積極的な交渉参加を要請。中川農相は「APECは本来経済協力の対話の場で、関税、自由化を決める場ではない」と、同代表の要請に反論した。
同代表はまた、遺伝子組み換え食品の表示問題について「拙速にガイドラインを作らないでほしい」と述べ、農水省が表示を義務付けないよう要請。さらに、米国産トマトの輸入解禁を求めた。《共同通信》