平成3412日目
1998/05/12
この日のできごと(何の日)
【埼玉医大】性転換手術を承認
生まれながらの肉体的な性に強い違和感を持ち、別の性になることを望む「性同一性障害」の患者の診断、治療に取り組んでいる埼玉医大(埼黒毛呂山町、東博彦学長)で12日、倫理委員会(委員長・山内俊雄教授)が開かれ、東北地方に住む女性(30)の性転換手術について審議し、承認した。
ただ、倫理委は「手術後の精神面のサポートをさらに充実させるべきだ」として、具体的な支援策を本人や大学に示したうえで、実施するよう条件を付けた。
正当な医療としては日本で初めてで、今夏にも手術が開始される。女性から男性への転換手術は卵巣などの摘出、男性器の形成と、最低2回の手術が必要。完了には半年程度かかる見込み。手術は原科幸雄・同医大総合医療センター教授らが担当する。
倫理委終了後に記者会見した山内委員長は、この女性が性同一性障害であるとして手術の必要性を認め、「海外では、手術後に社会に適応できずに、自殺などをするケースもある」と指摘。精神面でのフォローアトップを強く求めた。
性転換手術をしても戸籍上の性別は変えられないことについて「厄介な問題とは思うが、それらの条件がすべてクリアされるのを待っても仕方ない。むしろ戸籍の意味、性の在り方を議論するのに一石を投じたという気持ち」と話した。《共同通信》
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【大相撲夏場所】3日目
大相撲夏場所3日目(12日・両国国技館)横綱曙が攻め込みながら栃乃洋の突き落としに敗れ、早くも2敗目を喫した。栃乃洋は2個目の金星。綱とりを狙う大関若乃花は、新小結の千代大海を送り出し3連勝と快調。横綱貴乃花は激しい相撲の末、上手投げで琴錦を下し、大関貴ノ浪も蒼樹山を決め出して無敗をキープ。大関武蔵丸は小結安芸乃島に上手投げで勝ち2勝1敗とした。両関脇は、武双山が土佐ノ海、魁皇が湊富士に負けともに2勝1敗となった。3戦全勝は貴乃花、若乃花、貴ノ浪のほか貴闘力、旭戦山、新入幕、海鵬の平幕3人。《共同通信》
【新党さきがけ】会期末まで与党残留
新党さきがけは12日午前の総務会で、与党からの離脱問題について「党利党略と絡めて行動するのは良くない。会期末まで与党としての責任を果たすべきだ」との意見が相次ぎ、社民党が離脱した場合でも今国会会期末までは与党に残る方針を確認した。また武村正義元蔵相の代表復帰を正式に決めた。
武村氏は共同通信社とのインタビューで、参院選前に離脱する考えを示しながらも、野党の内閣不信任案には同調せず、財政構造改革法案など重要法案には賛成する意向を表明していた。
さきがけとしては政治腐敗防止法制定など政治倫理問題で与党協議を続行したい方針であり、そのためには、今国会中は与党内にとどまった方が得策と判断したものとみられる。
園田博之幹事長は総務会後記者団に、与党体制の現状について「三党合意に盛られたさきがけとしての重要事項がほぼ終了しているのではないか」と述べた。《共同通信》
【社民党】連立離脱の意向を表明
自民、社民、さきがけ3党は12日夕の幹事長会談で、社さ両党の与党離脱問題について協議した。焦点の政治腐敗防止法制定問題に関し、自民党の加藤紘一幹事長は「党内で最大限努力した結果だ」と述べ、政治資金規正法などに従った献金などを「あっせん利得」の対象としない自民党案から譲歩しない方針を示した。
これに対し社民党の伊藤茂幹事長は日米防衛協力の新指針(ガイドライン)関連法案を与党合意がないまま閣議決定したことと併せ「政策の合意と政党間の信頼が崩れれば連立政権は終わる。政策合意と信頼関係で大きな障害にぶつかっていることは否めない」と述べ、近く離脱を正式に決める考えを伝えた。《共同通信》
【民主党】インド核実験に強く抗議
インドが核実験を実施した翌12日、民主党の羽田孜幹事長は「核軍縮を願う日本と国際社会の声を無視し、冷戦後の国際社会に不安定をもたらすものであり、極めて遺憾」とする談話を発表した。
談話では「インドが今後核開発を速やかに停止し、核拡散防止条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)に参加することを強く求める」とするとともに、同国パジパイ連立政権の与党であるインド人民党が核兵器導入を選択肢として検討するとしていることについて「断固容認することはできない」と抗議。同時に現核保有国に対しても臨界前核実験の停止を強く求めている。
また、13日には仙谷由人、佐藤敬夫、藤田幸久、松本惟子、田中甲各衆院議員がインド大使館を訪ね、菅代表の抗議文を手渡した。抗議文では「核実験を停止し、核兵器の開発を行わないことを明らかにするべき」など3点を要求している。
参議院では13日朝の議院運営委員会理事会で民主、公明、自由の野党3会派が抗議の本会議決議を行うよう提案。午後の本会議で採択される見通しだ。《民主党ニュース》
◇
民主党幹事長 羽田 孜
1. インドは、昨日24年ぶり2度目の地下核実験を実施した。この核実験は、核軍縮を願う日本と国際社会の声を無視し、冷戦後の国際社会に不安定をもたらすものであり、極めて遺憾である。インドが今後核開発を速やかに停止し、核拡散防止条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)に参加することを強く求める。
2. 同国パジパイ連立政権の与党であるインド人民党は、政策綱領で核兵器の導入を選択肢として検討するとしている。このような考え方は地域と国際社会に核軍拡競争をもたらす危険をはらんでおり、断固容認することはできない。
3. 同時に、日本政府は、周辺諸国を含めた南アジアの安全保障環境の改善のために努力していくべきである。また、現核保有国に対しても、臨界前核実験の停止を含め、更なる実質的な核軍縮に向けた取組みを求めるべきである。《民主党ニュース》
【橋本龍太郎首相】サミットでインド核実験への制裁表明へ
政府は12日、インドの地下核実験に対する強い抗議の意思を示すため、対インド経済協力の一時凍結を含む制裁措置を実施する方針を固めた。橋本龍太郎首相は15日から英国で開かれる主要国首脳会議(バーミンガム・サミット)で「唯一の被爆国」の立場からこうした対応を説明し、サミット参加国に多国間援助見直しを検討課題として提起するほか、核拡散防止問題に共同して取り組むよう呼び掛ける。
首相は日本のインド制裁措置について12日午前、記者団に「原則に沿ってやっていく」と述べ、政府開発援助(ODA)大綱の4原則に基づき円借款凍結など経済協力を見直す考えを示唆。小渕恵三外相もインドのシン駐日大使を呼び、実験に強く抗議するとともに「経済協力で何らかの措置を検討せざるを得ない」と伝えた。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】参院選勝利へ三本締め
橋本龍太郎首相はこのところ自民党幹部らとの夜の宴席に頻繁に出席、12日も党役員連絡会メンバーと都内の料理屋で懇談した。
経済対策が思うような効果を発揮せず、党内の求心力も低下している現状に危機感を募らせ、これまでの「宴席嫌い」(周辺)から変身。「終盤国会を乗り切り、その勢いで参院選に突入する雰囲気づくり」(額賀福志郎官房副長官)という狙いがあるようだ。
この日の役員連絡会との懇談で、首相は「これまでいろいろお世話になった。これからもよろしくお願いします」とあいさつ。ワイシャツを腕まくりして約40人の出席者にお酌して回る気配りを見せた。最後は参院選勝利に向け、森喜朗総務会長の音頭による三本締めで締めくくった。
夜の会合の皮切りは6日の全閣僚との懇談会。翌7日には国会対策委員会の若手議員ら約50人の会合に出席、「死に物狂いで参院選を勝ち抜く」と決意表明。さらに今週中には政務次官や、当選一回生議員らとも懇談の予定だ。
党内には「首相の顔が見えない」「何もしないでこのまま国会を乗り切れると思っていたら大きな間違い」と、党運営や国会の切り盛りを執行部に任せ切りの首相に不満の声が出ている。
いずれの会合についても、出席者は「和気あいあいだった」「盛り上がった」と口をそろえるが、首相の本当の求心力が確かめられるのはもう少し先の話のようだ。《共同通信》
【サッカーくじ法】成立
スポーツ振興資金を確保するため、Jリーグの試合を対象に一口100円のくじを売り出すスポーツ振興投票実施(サッカーくじ)法が12日午後、衆院本会議で自民党などの賛成多数で可決、成立した。
これを受けて文部省は近く保健体育審議会に、くじの収益の使途や販売方法などについての基本的な考え方を諮問。審議会の答申を受けた後、販売業務を委託する企業グループを選定し、平成12年春のJリーグ開幕に合わせてくじを発売したい考え。
4年に日本体育協会などが国に要望して以来、足かけ7年にしてくじの導入が決まったが、「射幸心をあおり、青少年に悪影響を与える」などの反対論は依然根強く、今後、19歳未満の購入禁止や収益配分の透明性などをどう担保できるかが大きな焦点となる。
本会議の採決では、投票総数160票のうち賛成票が346、反対票は114。賛成の党議拘束をかけた自民党は田中真紀子氏が棄権。党議拘束をしていない民主、平和・改革、自由、社民・市民連合などは賛否が分かれた。共産は反対、さきがけは賛成した。
サッカーくじはJリーグの十数試合を対象に勝ち、負け、延長戦突入のいずれになるかを予想。全試合当たれば、最高1億円程度の払戻金が受け取れる仕組み。法案を提出したスポーツ議員連盟は年間1800億円の売り上げを見込んでいる。19歳未満やJリーグ関係者は購入禁止。《共同通信》