平成1973日目

平成6年6月3日(金)

1994/06/03

【天皇、皇后両陛下】訪米前に会見

天皇、皇后両陛下は3日、米国公式訪問を前に皇居の宮殿で記者会見し、10日から26日までの訪米への抱負や皇后さまが昨年10月に言葉を失ってからの苦労などについて話された。

両陛下にとって米国公式訪問は皇太子時代を含めて3回目。天皇陛下は「温かいもてなしを受け、数々の思い出があります。心に残っているのは米国人の善意に触れたこと」と回想し、今回は「両国の先人が築いてきた理解と友好の関係をさらに増進するよう努めたい」と抱負を語られた。

倒れてから初めての会見となった皇后さまは、はっきりした口調で「(体調に)全く不安を感じていないと申し上げることほできませんが、体に気を付けて、お供します」と述べられた。

日米開戦の地、ハワイの訪問が予定されていることについて陛下は「戦争によって命を失い、傷付き、苦しみを受けた人々のことは、年月を経ても心から離れるものではありません」と、戦争による犠牲者の慰霊を頭に置く考えを示された。外国特派員から「真珠湾攻撃に正当性はあったとお考えでしょうか」と質問が出たが、陛下は「私の立場からこのような問題に触れることは差し控えたい」と言及を避けられた。

皇后さまは体調がほぼ回復するまでになった経過に触れ「不安と悲しみが日に日に大きくなり、発声や発音の練習に励む一方、回復への希望を失いかけた時期もありました」と振り返られた。皇后さまの体調を気遣い陛下は「日常会話に不自由は見られないが、以前と比べて声もまだ小さく、話すことにかなりの疲労を伴うようです」と話された。

「陛下や紀宮が、話すことのできない私と、全く変わりなく日常の生活を続けてくれ、この上ない慰めでした」

3日の天皇、皇后両陛下の記者会見。皇居・宮殿の「石橋の間」に姿を見せた皇后さまは、昨年10月に言葉を失ってからの苦しい胸中を初めて明らかにされた。 不安のために「回復への希望を失いかけた時期もありました」と皇后さま。その時に受けた多くの励ましで「自分を省み、苦しみの持つ意味に思いを巡らすゆとりを得ることができました」と振り返られた。

「優しくなりたいと願いながら、疲れや悲しみの中で、固くもろくなってていた自分の心を恥ずかしく思いました」と自省の言葉も。やや硬い表情で「心配を掛けたことをおわびし、励ましてくださった大勢の方々に厚くお礼を申し上げます」と頭を下げ、感謝の気持ちを表された。《共同通信》



【政府】北朝鮮核問題、まず安保理で非難決議

政府は3日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題について話し合う米韓両国との緊急協議に向けて(1)一義的には国連安全保障理事会での北朝鮮に対する非難決議を求める(2)米国が経済制裁決議を提案した場合はこれに同意する、との方針を固めた。斎藤外務次官が同日、与野党幹部らにこうした考えを伝えた。《共同通信》

【政界談話室】

○…羽田首相は3日、茨城県のメロン消費拡大のキャンペーンガールに囲まれ「ネットが細かいね」「市場価格はいくらですか。味の方は」などと、出荷の最盛期を迎えたメロンを手に笑顔で農政通ぶりを披露。懇談後は開口一番「いいねえ。ほっとしたよ」と上機嫌だったが、記者団からは「国会の方はメロメロなのでは」と容赦のない意地悪質問。「メロメロってわけじゃないよ」と反論したものの、一気に厳しい現実に引き戻されてむっとした様子だった。

○…自民党の政策集団「グループ・新世紀」代表の加藤紘一元官房長官はこの日、党本部での総会であいさつ。持論の世代交代の必要性を訴えながらも「この会は一般にいわれる派閥ではない」と、党内の「反執行部の派中派」との批判に反論。もっとも「党総裁公選規程については新しい発想でやらないといけない」「党内論争をあまりやると党が割れるという意見もあるが、国際貢献や国連の在り方については自由に意見を言えるようにしていきたい」と強調。党内論争を恐れる河野総裁ら執行部に揺さぶりをかける姿勢をにじませていた。《共同通信》



6月3日のできごと