平成3350日目

1998/03/11

この日のできごと(何の日)

【青森県・木村守男知事】核廃棄物輸送船の接岸拒否

高レベル放射性廃棄物輸送船の青森県六ケ所村入港をめぐり国と同県が対立している問題で、日本原電は11日午前、同村の現地本部で記者会見し、むつ小川原港への同日中の陸揚げ作業を断念すると発表した。

国の原子力政策へ不信感を持つ木村守男知事が「橋本龍太郎首相との直接会談が実現しない」として10日に打ち出した接岸拒否の方針を変えないため。同社は「貯蔵施設への搬入作業には少なくとも7時間以上必要で、作業が日没後になると安全面などに問題を残すから」としている。

フランスから返還されたガラス固化体60本を積み、むつ小川原港の南東約5キロ沖で停泊中の輸送船パシフィック・スワンは再び、領海外に出て待機、事態打開まで長期化する様相も見せてきた。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【大相撲春場所】4日目

大相撲春場所4日目(11日・大阪府立体育会館)横綱貴乃花が早くも3敗目を喫し、5日目からの休場が濃厚となった。貴乃花は左四つで出る敷島の寄りにあっけなく土俵を割った。敷島は横綱初挑戦で初金星。横綱曙は好調の千代大海を落ち着いて突き出し、星を五分にした。大関陣は、若乃花が巌雄を寄り切って4連勝。横綱昇進を狙う武蔵丸は安芸乃島を下手出し投げで下し3勝1敗とした。貴ノ浪は栃乃洋の寄りに屈し2勝2敗。両関脇は武双山、栃東ともに2勝2敗。幕内の4戦全勝は若乃花と湊富士の2人だけとなった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は11日、代表質問時間の議員全員への均等配分を参議院が検討していることを記者団から聞かれ「報道で知っているが、国会が独自でやっていることだから政府の最高責任者としてコメントすべきでない」。選挙を控えた参院に対しあまりにそっけないと思ったのか、慌てて「国会の議論の質を高めようと検討を進めていること自体は素晴らしいことだと思う」と言い直した。この種の話題ではうんちくを傾けることが好きな首相だが、大蔵省に続いて「金融界の法王庁」とも呼ばれる日銀の汚染までが明らかになり、心ここに在らずといったところ。

○・・・民主党の岩田順介国対委員長はこの日の記者会見で、景気対策に関連し「与党も昨今の経済状況は国難と言っている。与野党協議をしたらどうかとボールを投げたが、全くボールが返ってこない」と、与党側の対応に不満を述べた。「こんな時なんだからざっくばらんに協議するのが大事。野党がいくつもあってバラバラと言うがそれをちゃんと聞くのが与党の受忍義務だ」と主張。もっとも「まあ野党がなめられているんだけど…」とも述懐、野党のふがいなさは岩田氏自身がよくご存じの様子。《共同通信》

【東京地検】日銀証券課長を逮捕

日本銀行をめぐる接待疑惑で東京地検特捜部は11日、日本興業銀行や三和銀行から総額約430万円相当の接待を受けた見返りに、公定歩合の決定にもかかわる機密情報を漏らすなどの便宜を図ったとして収賄の疑いで、日銀営業局証券課長、Y容疑者(42)=同日付で更迭、人事局参事補=を逮捕。日銀本店や大阪支店など8カ所を家宅捜索した。日銀が強制捜査を受けるのは1882(明治15)年の設立以来、初めて。

松下康夫総裁はこの日の記者会見で、月内に引責辞任する意向を表明した。一連の金融汚職は、大蔵OBの理事が逮捕された日本道路公団、キャリアを含む4人が逮捕され蔵相と事務次官が辞任した大蔵省に続いて中央銀行に波及。日銀の金融政策までもわいろでゆがめられていた実態が暴かれた。贈賄側の役員らは任意で取り調べを進める。《共同通信》

【インドネシア・スハルト大統領】就任演説

インドネシアの大統領選で七選を決めたスハルト大統領は11日午前、国権の最高機関である国民協議会(MPR)で宣誓。その後、就任演説を行い、経済危機を克服するため全力を傾ける決意を表明、国民に協力を強く求めた。宣誓式は午前9時(日本時間同11時)すぎから始まり、スハルト大統領は「職務を善良かつ公正に遂行、憲法を守り、国家と国民に奉仕する」と、まずイスラム教のアラーの神に宣誓し、次いで国民協議会に同じ内容を誓約した。

その後、就任演説でスハルト大統領は「われわれが過去25年以上にわたり享受した経済成長を、二度と味わうことはないだろう」と、経済危機の深刻さをあらためて強調した。大統領は経済危機打開に向け、全責任を持って当たると言明、国民に支持と協力を重ねて求めた。《共同通信》

【インドネシア】副大統領にハビビ氏

インドネシアの国権の最高機関である国民協議会は最終日の11日夜、副大統領にハビビ前国務相(61)=研究・技術担当=を無投票で選出した。10日にはスハルト大統領(76)が七選を決めており「スハルトーハビビ」のコンビで、混乱を極めるインドネシア経済危機の打開に当たる。

しかし、ジャワ島中部のジョクジャカルタにあるガジャマダ大学でスハルト大統領七選に抗議する1万人規模の集会が開かれるなど、各地で学生デモや集会があった。東ジャワ州のスラバヤ工科大学では学生が集会後、校外に出ようとして機動隊とぶつかり、十数人が負傷したとの情報もあり、学生らを中心とする反政府活動は収束の兆しを見せていない。ハビビ氏選出は、各会派がスハルト大統領の強い意向を受けた結果だ。

しかし、ハビビ氏に対する国民の信頼は薄く、国際通貨基金(IMF)や米国なども、経済構造改革への同氏の消極的姿勢から、改革実行に遅れが出ることを警戒している。《共同通信》

【天皇、皇后両陛下】パラリンピックご観戦

メダルラッシュに両陛下もウエーブ。11日、長野県入りした天皇、皇后両陛下は同日午後、エムウエーブ(長野市)で長野パラリンピックのアイススレッジスピードレース男女1000メートルを観戦された。

両陛下は各選手の力走に盛んに拍手。日本人選手が4クラスのうち3個の金メダルを獲得する好成績に、興奮した満員の観客がウエーブを始めると、両陛下も人の波が回ってくるたびに両手を上げてパフォーマンスに参加。日本チームがロイヤルボックスの前に集まると、席から立ち上がり、笑顔で手を振って、エールを送った。両陛下は、予定を変更して表彰式まで見た後、約45分遅れで会場を後にした。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】貸し渋り「憂慮すべき事態」

橋本龍太郎首相は11日タ、岸暁・全国銀行協会連合会会長(東京三菱銀行頭取)ら民間金融機関や小粥正巳・日本開発銀行総裁ら政府系金融機関のトップを相次いで首相官邸に呼び、年度末で資金需要が高まる中、銀行による貸し渋り解消と産業界への円滑な資金供給を要請した。

民間金融機関に対し首相は「健全な取引先に必要な資金供給が行われていないことは憂慮すべき事態」と批判。「金融の円滑という本来の使命に留意すべき」と、貸し渋り解消を強く求めた。

金融機関側が「健全な債務者には貸し渋りはないと思う」と答えたのに対し、首相は「経済四団体から意見を聞いたところ資金回収の動きすらある。こうした会合を再び開かなくて済むようにしてほしい」と強い口調で要請した。

金融汚職に関連して首相は「日銀からも逮捕者が出た。金融に対する信頼を取り戻すことは容易でない」と信頼回復に全力を挙げるよう要望した。

続く政府系金融機関との会合では「政府系機関が十分な対応をしていないとの声を耳にする」と指摘。「利用者に十分に対応してもらえなかったとの印象を与えないよう、誠意を持って対応をしてほしい」と述べた。《共同通信》



3月11日 その日のできごと(何の日)