平成3343日目
1998/03/04
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】河野義行さん「被害者救済を」
松本サリン事件の殺人罪などに問われたオウム真理教幹部新実智光被告(33)の公判が4日、東京地裁(岩瀬徹裁判長)で開かれ、同事件で重症となった上、当初犯人扱いされた会社員河野義行さん(48)が教団関連公判に初めて証人として出廷した。
河野さんは事件や被告に対する気持ちを明かす一方「国による被害者救済制度をつくるべきだ」と訴えた。
河野さんは検察側証人。主尋問で裁判に望むことを尋ねられると「松本サリン事件が何だったのか、明らかにしてほしい」と答えた。さらに「新実被告ら犯人をどう思うか」と問われると「被告の人が犯人かどうかは私には分かりませんが」とし「関与しているなら、事実をありのままに言ってほしい」と証言。処罰については「裁判官が決めることで特に希望はない」と述べた。
平成6年6月の事件当時の状況について、自宅居間で妻澄子さん(50)が倒れ、間もなく自分も激しい吐き気に襲われるなどして死を覚悟し「駄目かもしれない。後は頼むぞ」と長男に話したことなども明らかにした。
河野さんは裁判長を見詰め、一語一語区切るようにはっきり証言。その間新実被告は被告席のいすの上で足を組んで座り、ほぼ最後まで口を結び、目を閉じたままだった。
河野さんに続き、やはり松本事件で重症になった信州大学生Yさん(23)ら2人は「被告には死刑を望む」などと証言した。
河野さんは証言後記者会見し、新実被告について「弱々しい印象。彼は(まだ公判中で)犯人と決まっていないのに世間から冷たい扱いを受け、家族も大変だろうなと思う」と感想を述べた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【東京地検】山一證券元会長ら3人逮捕
破たんした山一證券の粉飾決算問題事件で東京地検特捜部は4日、2600億円余の簿外債務を隠して虚偽の有価証券報告書を大蔵省に提出したとして証券取引法違反の疑いで、前会長A(66)、前社長B(62)、元副社長C(62)の3容疑者を逮捕した。粉飾額としては過去最高で、A容疑者らは容疑を認めているという。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】山一證券強制捜査「問題把握できず悔い」
橋本龍太郎首相は4日午前の衆院予算委員会で、粉飾決算を重ねた疑いによる山一證券への本格捜査に関連して、「当時、なぜ関係者(旧経営陣)が正直に話してくれなかったのか。簿外取引だからかもしれないが、(当時の蔵相として)帳簿の検査で問題を把握できなかったことは非常に悔いが残る」と述べた。
衆院大蔵委の要求で提出した大蔵省検査汚職の贈賄側4銀行の検査資料をめぐって野党側が「実名を伏せた」と反発しているが、松永光蔵相は「銀行の取引先の経済活動に不測の損害を及ぼす恐れのある事項は公表を控えたいとの見地から、一部に墨を塗って国政調査権の調和を図った」と説明、理解を求めた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は4日の衆院予算委員会で、自民党の亀井静香氏による「退陣要求」発言について、民友連の岡田克也氏から「そんな発言はいちいち気にせず、国民に語り掛けることが大切だ」と同情された。さらに自由党の中村鋭一氏も「『辞めろ』とまで言っている亀井氏を看過するのか」と首相の側につく発言。野党2議員の「激励」も、うかつに応じては自民党内の対立をあおりかねないだけに、首相は「わが党は個々の議員の議論を封じていない」「総裁批判を認めないというルールはない」と慎重答弁。
○・・・鯨岡兵輔前衆院副議長はこの日、憲政記念館の庭木に小鳥の巣箱を掛ける催しに参加した。鳥類保護議員連盟会長として、招待した小学生に「おじさんたちは鳥が好きでこんなことをやってるんじゃない。皆に弱いものをかわいがる優しい人になってほしいからだ」とあいさつ。さらに「家が見つからない小鳥に『ここに入れ』と巣箱を掛けてあげよう」と呼び掛けた。家が見つからないと言えば、鯨岡氏の後任で、この日参加を予定しながら欠席した渡部恒三氏。新進党推薦で副議長に就いたものの、同党解体で「家なき子」状態。先輩の好意にどこかでくしゃみ?《共同通信》
【カンボジア】前第1首相に禁固5年
カンボジアのラナリット前第1首相に対する武器密輸罪での裁判が4日、プノンペンの軍事裁判所で開かれ、本人欠席のまま、禁固5年の判決を言い渡した。ラナリット氏の命令を受け密輸を指揮したとして、ニャク・ブンチャイ前副参謀総長に禁固4年、ラナリット氏護衛隊長のタック・スオン氏にも、同2年(執行猶予2年)の判決を言い渡した。
ラナリット氏側は公判で反証する機会はなかったが、3日、裁判は不公正で受け入れられないと反発する声明を出している。しかしラナリット氏に対しては、今月17、18日に開かれる反政府ゲリラ組織ボル・ポト派と協力したとされる罪についての裁判が終了後、シアヌーク国王が思救を与えるとみられ、収監される可能性は低い。
判決によると、前第1首相は、昨年7月のフン・セン第2首相派部隊との武力衝突前の5月26日、自派部隊の軍備増強を目的としてニャク・ブンチャイ前副参謀総長らに命じ、ロシアなどから約3トンの銃や爆発物などを購入、無許可で南部の港湾都市シアヌークビル経由で国内に持ち込んだ。
国防省の講堂に設けられた特別法廷には、軍人ら約500人が詰め掛けた。検察側証人として10人が出廷、ラナリット氏の有罪を裏付ける証言を行った。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、メッツの吉井理人投手とドジャースの野茂英雄投手が4日、フロリダ州ポートセントルーシーで行われたオープン戦で先発として投げ合い、吉井は3回を2安打1失点、野茂は2回を5安打3失点の内容だった。
今季からメッツに加わり、オープン戦初登板だった吉井は一回いきなり安打されたが盗塁を許さず、二回は打者3人で片付けた。三回にカストロに一発を浴びた以外は安定した投球だった。野茂も初登板で、失策が絡んだとはいえ、被安打5と苦しんだ。
オープン戦とはいえ、大リーグで日本人投手が先発で対戦したのは初めて。吉井と野茂は1990年から94年にかけて近鉄でチームメイトとしてプレーした。試合はドジャースが7−6で勝った。《共同通信》