平成3341日目

1998/03/02

この日のできごと(何の日)

【地下鉄サリン事件】林郁夫被告に無期求刑

地下鉄サリン事件の殺人、殺人未遂罪などに問われたオウム真理教元幹部で元医師林郁夫被告会(51)の論告求刑公判が2日、東京地裁(山室恵裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑した。

論告で検察側は「地下鉄事件の実行犯であり、責任は重大。極刑を相当とする意見もある」としながらも「最初に自白したのは『自首』に当たり、捜査が急展開した。犯行を認め、改しゅんの情が顕著」と無期慈役を選択した理由を述べた。

死者12人、重軽症者約3700人を出した地下鉄事件の実行グループとされる被告の求刑は初めて。松本智津夫被告(43)=教祖名麻原彰晃=の指示で殺人事件などを実行した他の主要被告の量刑にも大きな影響を与えそうだ。

この日の論告で、検察側は「無差別大量殺人の地下鉄事件は国民全体を震かんさせ、記憶から決して消えない犯罪史上例を見ない凶悪事件」と強調。松本被告の犯行指示、教団と教祖の保身のためには手段を選ばない極めて身勝手な動機などを詳述した。

その上で、林報告はだれよりも生命の尊さを知る医師だったのに、独善的な教義を優先させ、サリンの散布方法を提案するなど積極的に関与。犯行を実行した貴任は「言語道断」と指摘した。

林被告は地下鉄事件に加え、公証役場事務長逮捕監禁致死、元信者監禁など計6事件で起訴され、公判では起訴事実を全面的に認めたため、主要被告の中では最も早く審理が進んだ。

事件の被害者には何度も涙ながらに謝罪。松本被告を厳しく批判し、松本被告との共謀の経緯などを詳細に供述した。共犯とされる21被告の公判でも証言し、事件の解明に協力してきた。弁護側は反省の姿勢を強調。地下鉄事件を最初に自白したことは「自首」に当たると主張したほか、地下鉄事件は首謀者にしか死刑が適用されない「内乱」と指摘するなどして情状酌量を求めた。

論告によると、平成7年3月20日の地下鉄事件で林被告がサリンを発散させた千代田線では営団地下鉄職員2人が死亡、約230人が重軽症となった。

死亡した営団職員2人の妻は林被告の反省と事件解明への協力姿勢などを評価。うち1人は公判で、極刑を求めない意向を証言していた。《共同通信》

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【民主党】新党結成に慎重論

民主党は2日、党本部で三役会議を開き、民友連の路線問題を協議した。新党結成も視野に入れ対応すべきだとする意見に対し、鳩山由紀夫幹事長や横路孝弘副代表らから慎重論が相次ぎ、意見集約を見送った。3、4の両日、参院議員、衆院の当選1、2回議員、3回以上の議員と意見聴取することを決めた。

新党構想をめぐっては、民政党、新党友愛の両党は積極姿勢でまとまっており、民主党内の調整がカギとなっている。しかし、民主党内は、所属議員の意見も二つに割れていることに加え、参院選前の新党結成に前向きの姿勢を示した菅直人代表に幹部が異論を唱えたことから、さらに混迷しそうだ。

三役会議では、鳩山氏が「民主党ができたばかりなのに新たな組織をつくることに地方支部から強い抵抗がある」と地方組織の根強い反対を挙げて慎重論を展開し、横路氏らも同調した。これに対し、菅氏は「相手(他党)の気持ちも考えねばならない。どこまで譲れるかという議論をすべての党員や議員の意見を踏まえて進めるべきだ」と述べ距離を置いたという。《共同通信》

【小泉純一郎厚相】“介護保険”低所得者にも配慮

小泉純一郎厚相は2日の衆院予算委員会で、介護保険の低所得者負担について「(受給者負担の)上限をどうするかで低所得者にも配慮できる」と述べ、低所得者の受給者負担軽減を図るために上限を設ける考えを明らかにした。

低所得者への上限については「医療保険には上限があり、低所得者は(一般の)半分の負担だ」と例示したが、具体的には「今後検討する」と述べるにとどまった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は2日、自民党の山崎拓政調会長が追加景気対策の意向を表明したことに「報道で見たよ」と人ごとのふう。平成10年度の大型補正予算編成との関係を記者団から聞かれても「今は予算委で(本予算を)審議中だからおれに聞かれても困るよ。報道してるのは君たちだから」とかわし続けた。しかし山崎発言を好感してか株価が1万7000円台を回復したこともあり、機嫌は上々。畳み掛ける質問にも「君たちに答えるのは義務なのかな。答えたくない時もあるんだよ」と渋ってみせたものの、不快感が顔に出るいつもと違い、表情は終始緩み気味。

○・・・共産党の志位和夫書記局長はこの日の記者会見で、橋本内閣の財政政策について「財政改革路線は既に破たんし、なし崩しに政策転換をしている」と批判。野中広務自民党幹事長代理が「アナウンスなき政策転換だ」と指摘したことにも触れ「野中さんの言っているとおりだ」と同調して見せ、記者団を驚かせた。だがすぐに「大銀行やゼネコンを支援し、財政流出政策を行う方向で、より悪い方向に転換しようしている」「橋本内閣は悪い方向に悪あがきしている。いつ自壊してもおかしくない」と、ばっさり切り捨て、いつもの政府与党批判の直球に。《共同通信》



3月2日 その日のできごと(何の日)