平成3289日目

1998/01/09

この日のできごと(何の日)

【奈良・黒塚古墳】「卑弥呼の鏡」32枚出土

初期大和政権の墓域とされる大和古墳群の1つ、奈良県天理市柳本町の前方後円墳「黒塚古墳」の竪穴式石室から、卑弥呼の鏡とも呼ばれる「三角縁神獣鏡」32枚と「画文帯神獣鏡」1枚が見つかり、同古墳群の学術調査会が9日、発表した。

1カ所からの三角縁鏡の出土としては、1953年の京都府・椿井大塚山古墳と並び最多で、政権中心地での出土は初めて。一帯の古墳にも同様に埋葬されたとみられ、三角縁鏡は同政権を中心に分布、「大和政権の鏡」だったことが確実になるとともに、「邪馬台国畿内説」が極めて有利になった。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【TBS系連続ドラマ・聖者の行進】放送開始

【東京】大雪から一夜、混乱続く

2年ぶりの大雪から一夜明けた9日、関東甲信地方の雪は朝までにやみ、大雪注意報もすべて解除された。8日の降り始めからの積雪は長野と前橋で31センチ、東京・大手町で15センチを記録し、交通機関は除雪作業などで朝からダイヤが混乱、ターミナル駅は混雑が続いた。

雪ですべって転倒したり、車のスリップ事故などでけがをした人は、共同通信の集計で1都8県で8日から計500人を超え、千葉県成田市では交通事故で男性1人が死亡した。

関東地方は日中も気温があまり上がらない見込みで、路面が凍結しやすい状態。最低気温は東京・大手町で0.4度、横浜で0.2度と、ともにこの冬一番の冷え込みを記録した。

JR在来線は9日朝までに山手線や埼京線など全線区で運転を再開したが、検査や除雪で運転本数を減らした線が多く、始発からダイヤが混乱。中央線や水戸線ではポイント故障などで一時止まった。

東海道新幹線は残った雪の影響で始発から東京−三島間で徐行運転、各列車に30分前後の遅れが出た。東北、上越、長野(北陸)新幹線も一部に数分の遅れが出た。

羽田空港では午前中、日本航空の9便、全日空の35便、日本エアシステムの14便の計58便が欠航、約8000人に影響するなど、ダイヤの乱れが続いた。

高速道路は午前10時現在、東名高速道路の下り線が東京ー沼津間、上り線が清水−東京間で通行止め。《共同通信》

【自民党・森喜朗総務会長】特別減税の恒久化を

自民党の森喜朗総務会長は9日、福井市内での講演で、2兆円の特別減税を今回限りの措置とせず恒久減税とすることも検討すべきだとの考えを表明した。この発言に対し、加藤紘一幹事長や村岡兼造官房長官ら政府、自民党首脳は即座に否定的な見解を表明したが、経済団体や民友連など各方面からの減税要求が高まっている時期での党三役の発言だけに今後も論議を呼びそうだ。

講演で森氏は「私見で申し上げていいのか分からないが…」と断った上で、「特別減税は景気の動向によっては、単年度でなく継続させることも頭に入れなければならない」と述べた。

これに対し加藤氏は記者団に「今の経済不振は金融システム不安からくるものが多い。金融不況対策を打つことが先決だと思う」と指摘。山崎拓政調会長も記者団に「森氏の私見であり(恒久化できないとの党の)方針は変わっていない。国会審議が始まる時に提案以上のことを論議しても仕方がない」と述べた。村岡氏も記者会見で「現況では政府として(恒久化は)考えていない」と強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は首都圏を見舞った大雪から一夜明けた9日朝、首相官邸に入り記者団の顔を見るやいなや開口一番「大雪で君らが来られないと期待していたのに残念だな」と、普段から質問攻めにされることへの嫌みを一言。午前中に官邸で開かれた「地球温暖化対策推進本部」の初会合を終えた首相に、今度は記者団が「(出席予定の閣僚には)雪で遅れた人はいなかったようですね」と皮肉を返すと、急に真顔になって「おかげさまで。昨日の夜は少し心配したけど」と、記者団の遅刻を期待したことなど忘れた様子。

○・・・自由党の野田毅幹事長はこの日国会内で記者会見し「党首が積極的にアピールしないと自由党の政策は国民に伝わらない」と、小沢一郎党首の週一度の定例会見を実現する方向で調整していることを説明。会見に先立つ党常任幹事会で小沢氏に要請したところ、前向きな姿勢だった強調した。ただ「小沢氏と記者会見」と言えば古くからのテーマ。新進党党首当時の昨年3月に、月に一度の定例会見を開始したが、細川護煕元首相の離党などで揺れた6月以降は「会見は国会開会中だけ」と一方的に拒否した前歴があるだけに、党が変わってもいつまで続くか。《共同通信》

【福井謙一さん】死去

日本人初のノーベル化学賞に輝いた京都大名誉教授で元京都工芸繊維大学長の福井謙一博士が9日午前7時20分、がん性腹膜炎のため京大病院で死去した。79歳。奈良県出身。昭和56年日本人6人目のノーベル賞受賞者になった。

大正7年、奈良県大和郡山市に生まれ、昭和16年、京大工学部工業化学科を卒業。26年4月同教授に。46年から2年間工学部長を務め、57年定年退官、京大名誉教授。同年6月、京都工芸繊維大学長に就任、63年退官した。

その間、37年に日本学士院賞を受賞、56年4月には米国立アカデミーの外国人客員に選ばれ、同年10月にはノーベル化学賞、文化勲章を受け、文化功労者となった。

ノーベル賞の対象となった業績は、有機化学反応が特定の軌道に属する電子の動きにかかわることを証明し、化学反応における重要な法則「フロンティア電子理論」を打ち立てたこと。

同理論は基礎研究に新しい局面を開いただけでなく、新薬開発、太陽エネルギー変換などその後の化学工業界で応用されている。

派手な社会活動はせず研究一筋の人生を通し「コンピューターは計算を助けてくれてもアイデアはくれない」とあくまで紙と鉛筆で勝負。京都工繊大学長を退任後も、民間の研究所の所長を務め、学術審議会会長や日本学術振興会会長として研究者の育成や交流にも力を尽くした。《共同通信》



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