平成3239日目

平成9年11月20日(木)

1997/11/20

【オウム真理教・松本智津夫被告】第57回公判

オウム真理教松本智津夫被告(42)=教祖名麻原彰晃=の第57回公判が20日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、地下鉄サリン事件の被害者の血液を鑑定した警察庁科学警察研究所の瀬戸康雄・化学第四研究室長に国選弁護団が反対尋問した。

弁護団は被害者の体内にサリンが入り込んだと断定した鑑定結果について詳細に尋問し「サリンではない可能性があるのではないか」とただしたが、瀬戸室長は「サリン以外にない」と突っぱねた。

この日の松本被告は耳が全部見えるくらいに髪を短くして出廷。夏休み明けよりもバッサリ切った姿に傍聴席の信者とみられる男女は驚いた表情を見せた。証人がかつての弟子らではないためか、独り言は少なかった。

瀬戸室長への反対尋問は2回目。証言によると、鑑定した被害者11人からサリンは検出されなかったが、うち2人からサリンが分解してできるメチルホスホン酸モノイソプロピルが検出された。

この分解物質はサリン特有で、ほかの神経ガスでは検出されないという。松本サリン事件では被害者のほぼ全員から検出されていたが「含まれていた不純物が異なっていたのではないか」と証言した。

弁護団はサリンで神経伝達酵素がダメージを受けたとする鑑定結果について「統計と数値からは断定できないのではないか」と追及。瀬戸室長は一部矛盾があることを認め、経験を加味して判断したことを明らかにした。

オウム真理教元幹部遠藤誠一被告(37)の公判が20日、東京地裁であり、証人の元幹部林郁夫被告(50)は、松本智津夫被告(42)の指示を拒否したことが2度あったとし「その結果、地下鉄サリン事件の実行犯に指名されたと思っている」と証言した。遠藤被告の弁護人による反対尋問に答えた。

「納得いかない指示があったのか」という質問に対し「あったが、麻原(松本被告)は自分の意見を押し通した」と述べた上で、どうしても納得できずに拒否した例として、まず、平成7年1月の阪神大震災後に、四国の信徒を拉致するよう指示されたケースを挙げ「交通事情が悪い」と断ったという。

また松本被告らとアフリカ旅行に行った際「アフリカに常駐しろ」と言われたが「都内の教団付属医院の患者に必ず帰るから、と言ってきたので無理だ」と拒否、帰国後しばらくの間、無視されたという。《共同通信》



【大相撲九州場所】12日目

大相撲九州場所12日目(20日・福岡国際センター)1敗の横綱貴乃花と、武蔵丸、貴ノ浪の両大関がいずれも勝って11勝目。貴乃花は肥後ノ海を上手投げで退け、武蔵丸は関脇栃東に食い下がりを許さず、寄り倒しで下した。貴ノ浪は琴稲妻を力でつり出した。大関若乃花は武双山を破り勝ち越しを決めた。武双山は4敗目。新小結の栃乃洋は魁皇に勝って6勝6敗の五分の成績。十両は旭天鵬ら四人が8勝4敗で並んだ。《共同通信》

【自民党】不良債権処理に公的資金

自民党は20日、北海道拓殖銀行の経営破たんなどで揺らいでいる金融システムへの信頼を回復するため、金融機関が抱える不良債権処理に公的資金を投入する方針を固めた。税金などの財政資金の活用も視野に入れ、12月中旬に具体案を策定、党としての景気対策第3弾に盛り込む方針だ。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】フォーリー駐日米大使と会談

橋本龍太郎首相は20日午前、首相官邸でフォーリー駐日米大使と会談し、日米関係強化のため、協力していくことで一致。首相は大使の着任を「長い間の日本の友人として、大使を迎え喜んでいる。力を合わせて日米関係をもっと良いものにするため努力したい」と歓迎の意向を表明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は20日、首相官邸で宮沢喜一元首相と破たんした金融機関の対応などについて話し合った。宮沢元首相が「不良債権の公的支援の問題で首相が直接指示を、と申し上げた」と会談内容を披露したが、首相は「誤解しないように書いてくれ」と言いながらメモを確認。しかし、出てきた言葉は「破たん金融機関の処理方策のことで話があった」だけ。先に首相が公的資金導入の可能性を示唆したとの報道で株価が変動したことを気にしてか「処理方策のこと」の繰り返し。記者団が食い下がっても「誤って解釈されると困る。言わないといったら言わない」とひたすらだんまり作戦。

○・・・省庁再編問題が大詰めを迎えたこの日、午前と午後にわたって開かれた自民党行革推進本部の総会でも論議が白熱。橋本首相と折衝する武藤嘉文本部長や加藤紘一幹事長ら党役員相手に中堅・若手議員から「われわれの考えと違うものを政府から示され『ああそうですか』と引き下がってもらっては困る」「どこまでわれわれの気持ちが伝わるのか担保がない」と厳しい注文が相次いだ。発言の機会をなかなか与えられない議員が「てめーばっかり発言してずるいじゃないか」と殺気立つ場面もあったが、さすがにこれには「品よくいけ」「マスコミのえじきになるから冷静に冷静に」。《共同通信》

【東京湾アクアライン】開通前に公開

川崎市と千葉県木更津市を結ぶ自動車専用道、東京湾横断道路(アクアライン)がほぼ完成、来月18日の開通を前に20日、報道陣に公開された。トンネルと橋を組み合わせ海を渡る構造は日本で初めて。

アクアラインは全長15.1キロ。川崎側は船舶が目由に航行できるよう長さ9.5キロの世界最長の海底トンネル自動車道となっている。途中に換気用の川崎人工島を設置、トンネル内は路面の下に避難路や共同溝を設けた。

木更津側の4.4キロは海上橋で、橋の下を船がくぐって通過できる。東京湾の一夜景を楽しめる展望所やレストランを備えた人工島「海ほたる」がトンネルと橋を結ぶ。

横断道開通で川崎、木更報津間は東京経由より約80キロ短縮され、東京湾を約15分で横断できる。通行料は普通自動車で片道4000円(開通5年後から4900円を予定)だが、同料金で海ほたるへのUターン利用も可能だ。

アクアラインは平成元年に日本道路公団と関東の関係都県や企業出資の第三セクター「東京湾横断道路会社」が本格着工した。総事業費は約1兆4400億円。財政投融資や民間からの借入金が1兆円を超えている。《共同通信》

【イラク】査察を受け入れへ

国営イラク通信によると、イラクの最高決定機関、革命指導評議会(RCC)と政権党バース党の合同委員会は20日、米国人要員を含む国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の査察団の受け入れを一決定した。

これは、イラクがロシアと合意した仲介案に基づく決定。米軍などによる軍事力行使の懸念は当面回避されるもようで、3週間以上にわたって緊張が高まっていたイラク情勢は、打開へ向け動き出した。

しかし、仲介案では、イラクの査察団受け入れは、対イラク国連経済制裁の早期解除に向けたロシアの「積極的な努力」とリンクされており、対立の火種は、残ったままだ。今回の危機が収束するかどうかは予断を許さない。

合同委員会の決定に先立ち、イラク議会も20日朝、緊急招集され、仲介案を承認した。同案は、アジズ・イラク副首相が18日に急きょモスクワを訪問、協議した。ロシアの制裁解除に向けた「努力」の内容は明確ではないが、ロシアは今後、国連安全保障理事会に対してイラクが求めてきた全面制裁解除の日程を協議することなどを働き掛ける可能性がある。

また、国連の査察活動がイラクの主権を尊重し効果的に行われるべきだと指摘。今後査察団の人数や構成などをめぐって査察活動再開後に、仲介案が行き詰まる恐れもある。《共同通信》

【英・エリザベス女王夫妻】金婚式

英国のエリザベス女王(71)とフィリップ殿下(76)の結婚50周年を祝う金婚式が20日、ロンドンのウエストミンスター寺院で約2000人の列席者を迎えて催された。英国王(女王)が在位中に金婚式を迎えるのは1812年のジョージ三世に次いで史上2人目。

金婚式に列席する欧州、中東からの王族は200人以上に及び、国王(女王)や皇太子の高位列席者の数では1953年の女王の戴冠式以降、英国で最大規模の行事となる。

英王室は、8月末に起きたダイアナ元皇太子妃の事故死への対応をめぐり、国民から「思いやりがない」と批判を受けており、女王夫妻は王室人気の低落の中で金婚式の日を迎えた。

女王夫妻は、半世紀前の同じ日に結婚式を挙げた同寺院での式典後、ブレア首相主催の昼食会に出席。夕方は、女王夫妻がロンドン西方のウィンザー城に外国の王族を招待し、舞踏会を開催する予定。《共同通信》

【魏京生氏】退院、ニューヨーク入り

病気治療名目で仮釈放された後、16日に米国入りし、デトロイトの病院で検査と治療を受けていた中国の民主化運動指導者、魏京生氏は20日(日本時間21日午前)、退院し、ニューヨーク入りした。

デトロイトから妹の魏珊珊さんや支援の在米中国人らも同行した。魏氏は当分の間、ニューヨークに滞在するとみられ、21日には仮釈放後初めての記者会見を行い、釈放後の心境や獄中での体験などを話す予定。

デトロイトの病院の担当医師によると、この間に超音波検査やカテーテル検査などを実施したが、魏氏は、高血圧をはじめ冠動脈、胃腸、気管支などの慢性症状を抱えており、低脂肪の食事療法や禁煙、運動が必要で、はり治療も勧めたという。《共同通信》



11月20日のできごと