平成3240日目

1997/11/21

この日のできごと(何の日)

【プロ野球ドラフト会議】

プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は21日、東京都港区の新高輪プリンスホテルで開催され、指名79選手の交渉権が確定。逆指名で入団が決定していた上位選手では、早くも契約を結ぶ選手が誕生。広島の1位、遠藤竜志投手(NTT関東)が指名直後にサインしたほか、中日の1位の川上憲伸投手(明大)、ダイエーが2位指名した篠原貴行投手(三菱重工長崎)も同様に仮契約を結んだ。

最も注目された京都・平安高の川口知哉投手は4球団が1位指名し、抽選の末、本人の熱望していたオリックスが交渉権を獲得した。川口外した横浜は石川県町野高の谷口邦幸投手を1位で指名した。

谷口のほか、石川、富山県関係では金沢高出身で青学大の高須洋介内野手が逆指名した近鉄から2位、NTT北陸の正津英志投手(大野高−龍谷大出身)が中日から3位、星稜高の辻武史外野手がダイエーから5位、北陸銀行の永田能隆投手(武豊高−名城大出身)がオリックスから6位指名を受けた。

横浜のほか川口を外した近鉄は真木将樹投手(法大)、ヤクルトは三上真司投手(福井・敦賀気比高)をそれぞれ1位で指名した。会議後、巨人の長嶋監督は1位指名した高橋由伸外野手(慶大)と初めて対面。近鉄の佐々木監督も真木と高須に会い、あいさつを済ませた。《北國新聞》

熱望したオリックス1位指名を自らの力で引寄たように感じさせる。平安高の川口は「オリックスしか考えていなかった」。自分の強運を信じていた。オリックスの帽子をかぶり、野球部の仲間に胴上げで祝福され、晴れやかな表情。「プレッシャーがあったよ」という。仰木監督からの電話に「引いてくれて、ありがとうございました」と感謝の言葉。途べた。だが、はしゃぐ様子はない。当然の結果とでも言いたげに、騒ぐ周囲のだれよりも堂々としていた。

午後にはドラフト会場から駆け付けた谷村スカウトの訪問を受けた。「川口君おめでとう」と仰木監督のメッセージが記された当たりくじを渡される。「うれしいとしか言いようがない」と笑みがこばれた。

両親、野球部の原田監督、三条場部長らとともに、井箟球団代表、三輪田編成部長らと京都内でお祝いの夕食会を開いた。

井箟代表は「双方の思いに、運も味方した。大事に大きく育てたい。球界の宝になる」と喜びを抑えきれなかった。本格的な交渉は始まっていないが、背番号は「16」に内定したという。《共同通信》

巨人にドラフト1位指名された高橋がドラフト会場隣のホテルで長嶋監督と初めて顔を合わせた。新聞社の取材での顔合わせで、約30分と短い時間だったが、高橋は「緊張して何も僕から話せなかった。握手をしたけど、手もすごく大きかった」と笑顔で振り返った。

長嶋監督からは「期待している。頑張れ」と言われたそうだが「僕はほとんど聞いているだけ。あっという間に終わった」。一方、長嶋監督は高橋の印象を「スポーツマンらしく、非常に好青年でした」と話した。《共同通信》

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【大相撲九州場所】13日目

大相撲九州場所13日目(21日・福岡国際センター)優勝を争う横綱貴乃花、大関武蔵丸、貴ノ浪はそろって1敗を堅持し12勝目。貴乃花は巌雄を寄り切り、武蔵丸は大関若乃花を押し出した。若乃花は8勝5敗。貴ノ浪は肥後ノ海を寄りで圧倒した。関脇栃東は千代大海を押し出して7勝目。小結同士の一番は安芸乃島が栃乃洋を下して7勝6敗、栃乃洋は7敗目を喫した。武双山は9勝目。今場所限りでの引退が明らかになった元大関の小錦は、琴の若にあっさり敗れて5勝8敗と負け越した。十両は大至と新十両の若の里が9勝4敗でトップに並んだ。幕下の北桜(広島県出身、北の湖部屋)、序ノ口の北勝勇(北海道出身、八角部屋)の二人がそれぞれ7戦全勝で優勝を決めた。《共同通信》

小錦が力尽きた。腰、ひざ、足首の故障に、蜂窩織炎、痛風が加わり、とうとう痛み止めを飲み過ぎて胃かいようになるまでに体調が悪化。もはや気力だけでは275キロの巨体を支えることはできなかった。

花道を入場すると、その並外れた巨体に観客からどよめきが起こった。晩年の小錦は勝ち、負けを超越した特別な存在だった。ファンは、小錦が元気に土俵に上がっているのを確認しただけで満足しているようだった。

もちろん、全盛期の小錦は強かった。若いころはプッシュ、プッシュ、大関時代は安定した四つ相撲で優勝も3回。その一方で、奔放な言動は時として反感を買い、外国出身力士に横綱になられては国技の名が泣く、という感情論もあって憎まれ役だった。

年寄名跡と日本国籍を取得したこと、同じように大関から転落後も頑張った霧島がいたことも、小錦が悠々自適で相撲を取れた理由だ。だが、晩年の小錦を一番支えたのは「世界的にみても、これほど大変なスポーツはない」と自ら口にする相撲を取り続けることの、純粋な満足感だったかもしれない。《共同通信》

【1府12省庁】決定

政府と自民、社民、さきがけ3党は21日夜、省庁再編で焦点の郵政3事業改革について、5年後に3事業一体で新型の「郵政公社」に移行させ、民営化への見直しは行わないことで合意した。

同時に①郵政省の情報通信関連3局は「総務省」の内局②防衛庁の「省」昇格は見送る③建設、運輸両省などを統合する新省の名称は「国土交通省」④海上保安庁は国家公安委員会の下に置かず、国土交通省の外局とする−でも一致した。

しかし、その後の自民党総務会で防衛省への格上げを要求する声が噴出、昇格見送りの方針は了承されなかった。

これを受け、橋本龍太郎首相は22日未明、首相官邸で行政改革会議を開き、現在の22府省庁(国家公安委員会を含む)体制を1府12省庁(同)に再編することを正式決定した。

与党3党は今月末に財政と金融の分離問題と防衛省問題を決着させる方針で、行革会議は省庁再編の最終報告を12月3日に公表。政府は来年の通常国会に「省庁再編基本法案」(仮称)を提出、新省庁設置の整備を順次進め、平成13年1月からの新体制移行を目指す。

政府与党の合意は、首相と3党幹部らの協議によるもので①国家公安委員会には専任閣僚を置かず、総務相が兼務②麻薬取り締まりは労働福祉省が所管③男女共同参画担当の特命相を内閣府に設置④北海道開発庁の機能は国土交通省に移管−することも決まった。

北海道開発庁は北海道開発局として総務省の外局の方向だったが、国土交通省の一部局となった。

郵政公社は独立採算制で、企業会計制を導入し、職員身分は国家公務員。公社に移行するまでの間は「郵政事業庁」として総務省の外局とする。大蔵省資金運用部への預託廃止や、郵便事業への民間参入の条件を検討することも決めた。林野は国営を維持、造幣と印刷は今後経営形態を検討する。

首相は協議で防衛庁に関し「新たな業務を追加するわけではないので『省』とはしない」と説明。閣僚数は現在の20人以内から、15−17人に削減する考えを示した。

新省庁体制は各省庁の総合調整のため「内閣府」を創設。厚生、労働両省による「労働福祉省」、環境行政を一元化する「環境省」、文部省と科学技術庁を統合する「文部・科学技術省」などを設置する。行政組織スリム化と効率化を目指し、「立行政法人」(日本型エージェンシー)を導入する。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】新たな沖縄振興策を表明

政府主催の沖縄復帰25周年記念式典が21日午後、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。橋本龍太郎首相は式辞の中で、沖縄の経済自立化に向け(1)自由貿易地域内の法人税軽減(2)ベンチャー企業や観光、情報通信業で地域限定型の投資減税(3)査証手続きの簡素・合理化–など新たな沖縄振興策に取り組む考えを明らかにした。その上で来春をめどに重点施策を盛り込んだ「沖縄経済振興21世紀プラン」(仮称)を取りまとめる意向を示した。

首相は、普天間飛行場返還に伴う代替ヘリポート建設について、12月21日の名護市の住民投票を念頭に「返還を一日も早く実現したいとの思いと日米安保体制の必要性を考慮し、ぎりぎりの現実的な選択肢だった」と重ねて理解を求めた。同時に、名護市を中心とした北部地域振興策にも取り組む姿勢を強調した。

また基地が集中する沖縄の現状を指摘し、「影響の重みについて認識が十分と言えず、国民全体として反省しなければならない」と表明。

昨年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の迅速な実施をはじめ米軍基地の整理・縮小にも引き続き全力で取り組んでいく姿勢を強調した。《共同通信》

【社民党・土井たか子党首】当面、閣外協力を継続

社民党の土井たか子党首は21日、東京都内の憲政記念館で開かれた「土井氏を支える会」で講演し、今後の党の路線問題について「早く野党になれば、最初から野党が正しかったとか言う人がいるが、どんな立場でも最善を尽くして責任を持たないと、与党であっても野党であっても信頼してもらえない。都合や理念でどうこうするとかではなく、今やるべきことを毎日重ねる以外にはない」と述べ、当面は橋本内閣への閣外協力を継続し、与党としての責任を果たしていく考えを示した。

また土井氏は「野党としての提言も大事だが、与党は自ら政治を動かすので提言にとどまらず、政治に生かす努力をしないといけない」と述べた。

土井氏はこれまでも「早く野党に戻った方がいいという人がいるが、今は閣外協力でいきたい」などと発言、「与党内野党」としてチェックする必要性を強調している。同党は22日、来年1月の党大会に向け全国幹事長会議を開くが、地方組織には与党離脱論が強い。今後、企業・団体献金の廃止の前倒しや、食料品の非課税化など消費税の見直しなどで、離脱論に傾く可能性もある。《共同通信》



11月21日 その日のできごと(何の日)