平成3233日目

平成9年11月14日(金)

1997/11/14

【与党訪朝団】帰国

11日から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問していた自民、社民、さきがけ3党訪朝団は14日、羽田空港着の全日空チャーター便で帰国し、橋本龍太郎首相に朝鮮労働党の金容淳書記らとの会談内容を報告した。首相は「政府側も十分な対応を考えなければならない」と述べ、日朝関係改善に積極的に取り組む意向を示した。

この後、国会内で記者会見した責任団長の森喜朗自民党総務会長は「北朝鮮がオープンな国際社会に加わることを期待しているが、北朝鮮もそのことを考えているようだった」と北朝鮮の変化を指摘した。日本海で行方不明となり、北朝鮮で生活する寺越武志さん(48)=石川県志賀町出身=に関しては、北朝鮮側が一時帰国を確約したことを重ねて表明した。《共同通信》

日本人拉致疑惑問題で北朝鮮側が「一般の行方不明者として調査する」と言明したことに関連して、この問題で折衝した野中広務自民党幹事長代理は、朝日友好親善協会の宋浩京会長が「調査することは命懸けの決意だ」と述べたことを明らかにした。同時に、宋会長は「調査することを表に出すのはどうか」と懸念を表明したが、14日の訪朝団と金書記との最終会談で「行方不明者調査」を発表することになった。

政府は、7件10人とされる拉致疑惑について、8月の外務省審議官級協議で「安否調査」を求めた。しかし、北朝鮮側は応じず、9月の日朝赤十字協議でも進展がなかった。

伊藤茂社民党幹事長は「北朝鮮側の日朝国交正常化を前向きに早くやりたいという気持ちを痛感した」と訪朝の意義を強調した。堂本暁子さきがけ議員団座長は「北朝鮮側が半年で変わり、積極的態度を示すようになった」と述べた。

橋本外務報道官は14日夕の記者会見で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致疑惑で朝鮮労働党が「行方不明者としての調査」を約束したことについて「具体的な内容、意味合いについて十分に話を聞く必要がある」と述べ、訪朝団から北朝鮮側の真意をまず確認したいとの慎重な姿勢を示した。

国交正常化交渉の再開についても「(労働党との間で)いかなる話し合いが行われたかを聞くことが必要だ」と述べるにとどまった。《共同通信》



【大相撲九州場所】6日目

大相撲九州場所6日目(14日・福岡国際センター)全勝でトップに並ぶ大関貴ノ浪と武蔵丸はともに勝って6連勝。貴ノ浪は魁皇を右小手投げで下し、武蔵丸は小城錦を危なげなく押し出した。前日敗れた横綱貴乃花は浜ノ島を寄り切り、1敗を堅持。しかし大関若乃花は土佐ノ海により倒され、4連勝の後、2連敗となった。新関脇の出島は小結安芸乃島を押し出して5勝1敗とした。関脇栃東は、琴錦に引き落とされ、4日目の負傷後は黒星が続いた。新小結栃乃洋は五分の星とした。元大関の小錦は敗れて3勝3敗。全勝の両大関を貴乃花、出島、平幕の琴竜が1敗で追う。十両は新十両の若の里が6戦全勝で単独首位。《共同通信》

【東京株式市場】一時15000円割れ

東京株式市場は14日、景気の先行き懸念や金融システム不安の高まりから金融株を中心に急落、平均株価(225種)は一時、前日比461円余り下げて、平成7年7月以来約2年4カ月ぶりに1万5000円台を割り込んだ。終値は344円75銭安の1万5082円52銭と、3日連続して今年の安値を更新した。出来高は6億2300万株。

前日のニューヨーク株式やこの日の香港株式など海外市場は比較的安定した動きだったにもかかわらず、東京市場が大幅安になったことで、市場関係者からは「『日本売り』が鮮明になった」との見方も出ている。

この日は、朝方から景気先行き感念を強める外国人投資家の売りで国際優良株の一部が下げたことから続落して始まり、政府が発表した月例経済報告で景気判断を後退させたことも売り圧力の要因となった。

午後には山一証券の株価100円割れをきっかけに、銀行、証券の金融株や業績の悪い建設株など信用不安を抱える銘柄が売り込まれ、下げ幅を広げた。自民党の「景気対策第2弾も出されたが、市場では「期待感はなかったから失望もない」としている。《共同通信》

【月例経済報告】景気「足踏み」

尾身幸次経済企画庁長官は14日午前の月例経済報告関係閣僚会議に「回復の基調は失われていないが、企業の景況感に厳しさがみられ、景気はこのところ足踏み状態」との判断を示した11月の月例経済報告を提出した。景気の現状を「足踏み」とするのは、超円高による輸出産業への打撃とデフレの懸念が高まった平成7年7月から12月にかけて以来約2年ぶりで、景気回復の動きが岐路に差し掛かったことを認める内容となった。

景気判断を後退させたのは9月以降3カ月連続。今回の判断を踏まえ、自民党は14日、景気対策第2弾を、政府も18日に経済対策をまとめるが、経企庁は先行きについて「下振れのリスクは否定できない」(調査局)と指摘。今後の個人消費や株式市場の動向次第では、所得税減税を中心とした大規模な財政出動を含む追加策を迫られることになりそうだ。《共同通信》

【福井女子中学生殺害事件】最高裁、被告の上告を棄却

昭和61年に福井市で女子中学生が殺害された事件で殺人罪に問われ、一審無罪(求刑懲役13年)二審で懲役7年を言い渡された無職、A被告(33)の上告審で、最高裁第二小法廷は14日までに二審判決を支持しA被告の上告を棄却する決定をした。3日間の異議申し立て期間を経て有罪が確定する。

弁護側は二審判決の重大な事実誤認などを主張したが、大西勝也裁判長は決定理由で「単なる事実誤認の主張であり、上告理由に当たらない」として退けた。A被告は62年3月の逮捕以来、一貫して犯行を否認し、無実を主張している。

この事件は犯行を直接裏付ける物証や自白がなく、公判では「現場付近で衣服に血を付けた被告を目撃した」「被告から犯行を打ち明けられた」などとする計6人の証言の信用性が争点となった。《共同通信》

【行政改革会議】郵政3事業を「公社」に

行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)は14日、郵政3事業改革については中間報告で打ち出した一部民営化案を撤回、3事業一体で国営の「新型公社」とする方針を固めて自民党などと最終の調整に入った。名称は「郵政公社」案が最有力だ。

新型公社は、全額政府出資の事業体で(1)営利追及が基本(2)余剰金を積み立て年度繰り越しを認める(3)原則的に商法を適用する–が特徴。職員身分は新型の国家公務員とする。林野、造幣、印刷の各現業も同様に新型公社化を想定している。

橋本龍太郎首相は同日夕、小里貞利総務庁長官、水野清行行革会議事務局長と官邸で協議し、新型公社化を軸に郵政事業問題を決着させる方針を大筋で了承した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は14日、首相官邸で開かれた当選2回の自民党衆院議員17人との昼食会に出席、「みんな総理が大好き。会う機会がなく寂しかった」(野田聖子氏)などと持ち上げられた。すっかり上機嫌になった首相は、首脳会談で訪れたロシアで釣りを楽しんだ話を披露したが、うっかり「よそで釣れた魚を潜水夫が流してたんじゃないか」と失言。あわてた首相は「外交問題になるから(額賀福志郎)官房副長官が言ったことに」と、責任転嫁。正念場に入った景気対策や中央省庁再編問題でも最後は「逃げたい」?

○・・・参院自民党の村上正邦幹事長はこの日、与党行政改革協議会で、現、前、元の総務庁長官をやり玉に。小里貞利総務庁長官には「加藤紘一幹事長から、8キロやせたと聞いた。かわいそうだから文句を言うのはやめた」とねぎらってみせたが、続けて「この人はなりたくてなったんじゃない。前の人は、おれがおれがという人だった」と、犬猿の仲の佐藤孝行前長官をチクリ。社民党の及川一夫政審会長が、総務庁長官から自民党行革本部長に転身した武藤嘉文氏に「あんたは見事に変わったな」と皮肉ると、村上氏は「武藤が武闘(派)になった」。《共同通信》

【中国・李鵬首相】トヨタ自動車を訪問

来日中の中国の李鵬首相は14日、愛知県豊田市のトヨタ自動車本社を訪問、市内の元町工場を視察し電気自動車などに試乗した。本社では豊田章一郎会長、奥田碩社長ら同社首脳が出迎え、奥田社長が「首相の来訪を心から歓迎します」とあいさつ。同社が中国で進めているエンジンや部品の合弁事業などを説明した。

元町工場に移動した首相は豊田会長らの案内で、高級乗用車「クラウン」の製造ラインを視察。首相は内装やエンジンが組み付けられる様子などを、興味深げに見入っていた。

また李鵬首相は工場内の通路で、12月に市販予定の電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッド乗用車「プリウス」と、電気自動車の「RAV4L EV」に試乗した。往復で約200メートルと短い距離だったが、初めにハイブリッド車、次いで電気自動車のそれぞれ後部座席に乗り込んだ。

電力技術者の経験もある首相は「電気自動車の重量に対する電池の重さの割合はどのくらいか」など、同乗したトヨタの技術者に専門的な質問を浴び」せていた。《共同通信》

【米・クリントン大統領】イラクへ軍事圧力継続

クリントン米大統領は14日、ホワイトハウスで緊急記者会見し、国連査察チームの米国人要員拒否に端を発したイラクとの緊張について「われわれは、ペルシャ湾岸地域で強固な軍事プレゼンスを維持する」と言明、国連安全保障理事会の決議を受け入れるようフセイン・イラク政権に対して軍事圧力をかけ続ける決意を明確に打ち出した。

大統領は同日、空母ジョージ・ワシントンなど5隻の米艦船を急きょ、地中海から海岸へ派遣した。スエズ運河から紅海を経て、来週中に到着する予定。米軍は既に空母ニミッツを主体とする機動部隊17隻が湾岸に展開しており、計22隻の大部隊がイラクに向けてにらみを利かすことにる。

大統領は、イラクが安保理の制裁決議や議長声明にもかかわらず「大量破壊兵器廃棄特別委員会の査察要員を国外追放した」と非難。イラク国内での査察が不可能になった以上、「上空からの監視継続は、より大きな意味を持つ」として、U2偵察機の飛行継続は不可欠だと強調した。《共同通信》

【日本赤軍・西川純容疑者】ボリビアで逮捕、国外追放

ボリビア内務省は14日、1977年に日航機をハイジャックしたダッカ事件などで日本の警察庁から国際手配されている日本赤軍の西川純容疑者(47)を逮捕したと発表した。在ラパス日本大使館などによると、西川容疑者は同国中部サンタクルスで12日深夜逮捕され、14日に国外退去処分が決まった。ボリビア側は身柄を日本に引き渡すとしている。日本大使館は、大使館員を急きょ現地に派遣した。

西川容疑者はサンタクルスでは「トニー」の愛称で呼ばれ、拘束された際に自宅からは偽造したフィリピンとスペインの旅券が見つかったという。現地からの報道によると、今回の拘束は、国際刑事警察機構の情報などを基に、日本赤軍メンバーを追跡するボリビアと隣国ペルーの情報機関による連携作戦が功を奏したという。

西川容疑者は東京都出身。京都産業大中退後、日本赤軍に「志願」して参加。オランダ・ハーグの仏大使館を武装占拠した事件(74年9月)に関与した。75年3月、ストックホルムでレバノン大使館が入ったビルを偵察していた時に逮捕、日本に強制送還されたが、同年8月のクアラルンプール事件の「超法規的措置」で釈放された。

警視庁は77年12月、日航機をハイジャックした「ダッカ事件」(77年9月)のハイジャック防止法違反などの疑いで逮捕状を取り、国際手配していた。

南米では昨年5月に日本赤軍の吉村和江容疑者がペルーの首都リマで逮捕され、その後日本に送還された。《共同通信》



11月14日のできごと