平成3097日目

平成9年7月1日(火)

1997/07/01

【香港】中国返還

香港は1日午前0時をもって一世紀半ぶりに中国に返還された。19世紀のアヘン戦争で英領となり経済的繁栄を誇ってきた「東洋の真珠」香港は植民地としての歴史に幕を閉じ、中国の特別行政区として新たな出発をした。

香港返還で国辱をすすぎ威信を高めた江沢民政権は、残る課題である台湾統一に向けて攻勢を強める構えで、富国強兵を目指す中国の動向は、今後のアジアの国際秩序に大きな影響を与えそうだ。《共同通信》

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香港の主権が1日午前0時を期して中国に返還されたのを受け、香港特別行政区の成立式典が午前1時半から香港島・湾仔の会議展覧センターで開かれ、江沢民・国家主席が特別行政区の成立を宣言した。

続いて董建華・行政長官や臨時立法議会議員らが就任を宣誓し、香港の新体制が正式にスタートした。新生香港と中国は、社会主義と資本主義が共存する壮大な実験「一国二制度」の道に踏み出したが、江主席はこの制度による台湾統一に向けて強い意欲を表明した。《読売新聞》

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中国の江沢民・国家主席(党総書記)は1日夜、北京・労働者体育場で開かれた「香港復帰祝賀大会」で演説し、「台湾当局は民族の大義を重んじ、一つの中国の立場に立って両岸(中台)関係を発展させ、祖国の完全統一を実現するために着実な一歩を踏み出してほしい」と台湾当局に対し、統一に向けた具体的行動を呼び掛けた。

江主席は「香港復帰は民族の慶事であり、(ポルトガル領)マカオも99年の復帰に向けて準備が進んでいる」とした上で、「平和的統一、『一国二制度』の基本方針で台湾問題を解決し、祖国を完全統一することは中華民族の願いである」と強調し、従来の統一政策に変化はないことを示した。《読売新聞》

江沢民・中国国家主席が1日午前、香港特別行政区成立祝賀会の演説で、「一国二制度」による台湾問題の解決に言及したことについて、台湾では当局、マスコミが激しく反発、改めて中国の対台湾圧力増大への警戒心を強めている。

行政院大陸委員会の張京育・主任委員(閣僚)は1日午前、記者会見し「台湾海峡両岸(中台)は2つの対等の政治実体だ。一国二制度の香港モデルによって、両岸関係と将来の統一問題を処理しようというやり方は、断じて受け入れられない」と反撃した。

また、李大維・新聞局長も同日午前、「台湾は民主国家で、すべては民意に依拠する。(一国二制度で台湾を統一するとは)冗談だろう。我々の反対には何ら妥協や協議の余地がない」と述べ、江沢民演説を一蹴した。《読売新聞》

1989年の天安門事件の犠牲者追悼集会を開いてきた香港の民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)のメンバー約3000人が1日午後、中国の民主化や一党独裁終結などを求めて市内をデモ行進した。

中国に返還された香港は、言論の自由を保障された「特別行政区」とはいえ既に中国の一部。今後は間接的にせよ「地方」が「中央」を批判する構図となる。

秋の党大会に向け「国内安定」を最優先する江沢民執行部にとって香港の反体制デモはこれまで以上に敏感な問題となり、初代行政長官、董建華氏は、集会・デモの規制強化を狙って人権関連法を改廃した。民主化運動がいつまで大動員をかけられるか、極めて不透明だ。《共同通信》



【プロ野球・ヤクルト】3度目の7連勝

ヤクルト3−2巨人◇1日◇東京ドーム

1−1の同点で迎えた六回、ヤクルトは二死二塁から稲葉の左前打で勝ち越し。七回には小早川の二塁打を足場に二死三塁とし、池山の右前打で加点した。八回途中まで力投の吉井は7勝目。伊藤智は最後の石井だけ投げて13セーブ目。ヤクルトは3度目の7連勝。

巨人は2回、清原の12号ソロで先制。8回には清水、清原の連続長短打で1点を返し、なおも一死二塁としたが、攻め切れなかった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は1日、NTTの公衆電話が携帯電話普及のため大幅赤字に転じたとの話題を皮切りに、しばし記者団と電話談議。阪神大震災の例を引き合いに「赤字のため台数を減らすかもしれないが、非常時こそ公衆電話は能力を発揮する。基本的になくしてはならない」と力を込めた。その一方、携帯電話の便利さも否定し難く「今は使ってないが(首相を辞めて、ただの)衆院議員に戻ったら使うよ」。ただし秋の自民党総裁選では再選が確実な情勢だけに、携帯電話を自由に使うの政界談話室は当分先になりそう。

○・・・新進党の林寛子議員会長はこの日の党五役会で、参院50周年記念行事の「子ども国会」「女性国会」の話題をひとくさり。そこに小沢一郎党首が「女、子供だけでやるのか」と横やりを入れると、林氏は「そういう言い方はいろんな風に受け取られますよ」とピシャリ。一瞬、気まずい雰囲気に野田毅政審会長らが「近ごろは女性の方がしっかりしてるから」「いや女性が強いのは昔から」と口々に取りなしたが、林氏は気にする風もなく「男性がだらしなくなったのよ」。「剛腕」の小沢氏も、この日ばかりは圧倒され通し。《共同通信》

【自民党行革本部】動燃改革案を首相に報告

自民党の行政改革推進本部(佐藤孝行本部長)は1日、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の改革案をまとめ、橋本首相に報告した。

改革案は、動燃を高速増殖炉と、高レベル廃棄物処分の研究開発などの研究に特化した組織に改編、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を新法人に引き継ぐ一方、海外のウラン炭鉱からの撤退、新型転換炉ふげん(同市)と、ウラン濃縮工場(岡山県上齋原村)の一定期間後の廃止を盛り込んでいる。《読売新聞》

【梶山静六官房長官】少年法見直しに言及

梶山静六官房長官は1日の記者会見で、神戸の小6男児殺害事件に関連し、「法律全体を見直すよりも若干の例外規定を(設けてはどうか)。大変凶悪な犯罪が、刑事罰の対象外で抑止力になるのか」「個人的考えだが、少年法の改正、見直しも必要ではないか」と述べ、少年法の見直しに言及した。

ただ一方で梶山氏は「世論がどういう反応を示すかが大きな要素。時間をかけながら考えたい」と述べ、捜査の進展や世論の動向を見る姿勢を表明した。

これに関連して松浦功法相は同日、記者団に対し「もっと慎重に考えるべきだ。少年の保護という本質的な問題でもあり、時間をかけてやるべきだ」と述べ、慎重な取り組みを示した。

少年法を所管する法務省刑事局は「この事件についてはまだ捜査中で、事実関係も明らかになっていない。この段階で感情的に議論するのは非常に危険だ」(幹部)と指摘した。また法相は「法律上は、少年院には原則として少年を20歳まで置けるが、運用上、これまで最長でも880日程度しかない」と述べ、事務次官を通じて少年院を所管する矯正局長に少年処週の実態把握、退院後の状態などの調査を命じたことを明らかにした。

少年法改正論議は、1970(昭和45)年代に法制審議会答申までいったが、日弁連の反対などで中断。最近の綾瀬母子強盗殺人、山形マット死事件などの事件が続き再燃。昨年11月からは、同省と最高裁、日弁連の三者間で「少年審判手続きの現状と問題点」について意見交換会が開かれている。《共同通信》

【酒鬼薔薇聖斗事件】フォーカス、少年の顔写真を掲載

2日発売の新潮社の写真週刊誌「フォーカス」が、殺人などの容疑で逮捕された中学3年生の少年(14)の顔写真を掲載していることや、3日発売の週刊誌「週刊新潮」も少年の顔の一部を隠した顔写真を掲載することが1日、分かった。

少年法61条は、家庭裁判所の審判に付されるなどした少年が推定できるような記事や写真の掲載禁止などを定めており、同法に触れる疑いも出ている。JR東日本、西日本管内のキヨスクや地元の阪神、近鉄などの私鉄売店、「ローソン」「ファミリーマート」など大手コンビニエンスストアなどは同日夜、少年の人権を配慮しフォーカスの販売中止を決めた。

少年の弁護士は「少年や家族の人権を踏みにじる行為で許すことができない」と強く反発。神戸弁護士会は新潮社に発売中止を申し入れた。フォーカス編集部の山本伊吾・副部長会は「編集部でかなり議論したが、この事件は極めて凶悪で、少年法が想定した範囲を超えている。さまざまな批判があると思うが、成人の事件と同じく報道することに決めた」などと説明している。《共同通信》

【ロバート・ミッチャムさん】死去

戦争映画や西部劇などでアメリカの個性的なタフガイを演じたハリウッドの代表的俳優ロバート・ミッチャム氏が1日、米カリフォルニア州サンタバーバラの自宅で死去した。79歳だった。

死因は明らかではないが、ミッチャム氏は数年前から肺気腫を患い、今年春には肺がんと診断されて闘病生活を続けていた。《読売新聞》



7月1日のできごと