平成3098日目

平成9年7月2日(水)

1997/07/02

【酒鬼薔薇聖斗事件】

通り魔の前にも女児襲撃

神戸市須磨区友が丘のA君(11)=市立多井畑小6年=殺害事件で、殺人、死体遺棄容疑で逮捕された市立友が丘中3年の少年(14)が、兵庫県警須磨署捜査本部の調べに対し、連続通り魔事件の前の今年2月、現場近くで女児2人が棒のようなもので頭を殴られ軽傷を負った事件についても、犯行を認める供述をしていることが2日、分かった。

少年が認めた事件は、女児2人が死傷した3月の連続通り魔を含め計3件となった。捜査本部は、動物虐待などを繰り返していた少年が2月の女児襲撃をきっかけに対象を人間に移し、犯行をエスカレートさせたとみている。A君殺害の捜査を終え次第、一連の女児襲撃について本格的に取り調べ、事件の全容解明を進める方針。

調べなどによると、女児襲撃は2月10日午後4時半ごろ、A君の頭部が発見された市立友が丘中の北約500メートルの路上で発生。当時、小学校6年生だった女児2人が買い物に行く途中、しゃがんで猫をなでていると、突然背後から棒のようなもので殴られた。2人とも頭部打撲の軽傷だったが、1人は弾みで車止めの鉄柱に頭をぶつけ気分が悪くなり約10日間入院した。殴ったのは若い男で現場から小走りに逃走した。

連続通り魔事件は3月16日正午すぎ、この現場の西約1キロの路上で発生。女児2人が相次いで襲われ、鈍器で頭を殴られた市立竜が台小4年Bちゃん=当時(10)=が1週間後に死亡した。

捜査本部は、背後から棒状の凶器で襲う手口や対象が女児であることから2月の事件に注目。「犯人は黒一っぽいブレザーの制服姿で学生かばんを持っていた」などの目撃証言から、A君事件との関連を調べていた。《共同通信》

三角印は「涙の意味」

神戸市須磨区のA君(11)=市立多井畑小6=殺害事件で、殺人、死体遺楽容疑で逮捕された市立友が丘中3年の少年(14)が、兵庫県警須磨署捜査本部の選べに対し、犯行声明文は、頭部を中学校正門前に置いた5月27日に「夜を徹して書き上げた」と供述していることが2日、分かった。

声明文や遺体の頭部に添えた挑戦状の風車形のマークは「ナチスのかぎ十字を組み合わせた」とし、マークの下の三角印は「涙の意味」と話しているという。

調べによると、少年は6月4日に神戸新聞社に届いた声明文について、ホラービデオのせりふや米国の未解決の連続殺人事件「ゾディアック事件」に関する本を参考にしながら「遺体発見の日に徹夜で書き上げた」と供述。少年の自室からはゾディーアック事件に関する本やホラービデオが押収されている。声明文の整然と並んだ一直線的文字は当初、定規など何らかの器具を使ったのではないかとみられていたが、少年は「使わなかった」としている。

「酒鬼薔薇聖斗」や「学校殺死」の文句のそばに書き込まれた風車形のマークは「ナチスのかぎ十字を表し」、その下の黒く塗りつぶした三角印は「涙の意味」で、このマークは「(A君殺害の)挑戦状で初めて使った」と話しているという。風車形マークは、少年と友人のグループが以前からシンボルにしていたが、学校関係者は「グループのシンボルマークは風車の羽の部分がもっと太く、丸かった」と証言しており、捜査本部は今回の犯行のために新たにマークを作ったとみている。

写真週刊誌「フォーカス」が、神戸市の小6男児殺害事件で逮捕された中学3年の少年(14)の顔写真を載せた問題は2日、全国の書店などで販売中止の動きが拡大、東京法務局が人権侵害の疑いで同誌編集部から事情聴取し、日弁連も「絶対に許されない」との会長声明を出すなど、大きな波紋を広げた。

一方、インターネットのホームページには同誌から転載されたとみられる少年の顔写真が表示。目の部分だけを隠した少年の写真を掲載した3日発売の週刊新潮についても販売中止の動きが出始め、発行元の新潮社は記者会見や問い合わせの電話への対応に追われた。

フォーカスの販売は、事件現場近くの神戸市須磨区をはじめ、全国のJRの売店、コンビニエンスストア、書店などで中止が相次いだ。大手書籍取次の「日本出版販売」(日販)は、全国の支店などを通じ、書店にフォーカスの返品に応じることを連絡した。《共同通信》

中学三年の少年(14)の顔」写真を写真週刊誌「フォーカス」が掲載し全国で販売中止の動きが広がる中、インターネットのホームページに、フォーカスから転用されたとみられる顔写真が2日午前、表示された。顔写真には「新たなゲームの始まりです。ボクはこんなことをするフォーカスが許せない」など、挑戦状をまねて書き込まれている。

問題のホームページは、米国のインターネット接続会社に設けられている。少年の逮捕後、実名を挙げていた複数のホームページの一つに接続先が表示されていた。ホームページの主宰者とみられる人物は関連画面で「『マスコミに騒がれてよろこんでんじゃない?』と一言われ、(略)憶病者の僕はスネテまちた」(原文のまま)と、自意識過剰なコメントを加えている。

写真週刊誌「フォーカス」が、神戸の小6男児殺害事件で逮捕された少年(14)の顔写真を載せた問題で、書店などが同誌の販売を中止する動きが広まる中、首都圏のJRなどの駅売店では2日朝、同誌を探し求める通勤客がいた。新潮社では問い合わせの電話が寄せられ、対応に追われた。

通常通り販売したJR横浜駅の売店は、朝5時半に開店してから30分で、ふだん仕入れる15冊が完売した。売店の女性は「特に売ってはいけないという指示はなかった。『フォーカスはないの』と20人ぐらいから尋ねられた」と話した。《共同通信》

神戸の小6男児殺害事件で、写真週刊誌「フォーカス」(新潮社)が、逮捕された中学3年生の少年(14)の顔写真を掲載した問題で、東京法務局人権擁護部は2日、人権侵害の疑いがあるとみて同誌編集部から発行の経緯など事実関係について事情聴取を開始した。抗議の声明なども相次いだが、同社は役員クラスで協議し「編集部の姿勢を尊重し、発行済みの同誌の回収はしない」との方針を決定した。

3日発売の週刊新潮(同)も顔の一部を隠した顔写真を掲載することが分かり、コンビニエンスストアなどが販売中止を決めるなど、少年の人権をめぐり慌ただしい動きが続いた。

フォーカスに対し抗議の声明や談話を発表したのは、日弁連や神戸弁護士会、兵庫人權擁護委員連合会、社民党など。法務省人権擁護局も「人権擁護上、看過できない」などとして今週中にも同社対し、勧告処分を行う見通し。

週刊新潮は7月10日号で、「弱者抹殺に走った冷酷『中学生』の衝撃」のタイトルの10ページ特集記事で目を隠した少年の顔写真を使用。このため大手コンビニエンスストアや駅売店などは同日、フォーカスに続き「人道上」「少年法を尊重」などの理由から同誌の販売中止を決めた。《共同通信》



【Jリーグ第1ステージ】第9、13節

Jリーグ第1ステージ第9、13節(2日・平塚競技場ほか=2試合)ワールドカップ予選などを挟み、1カ月ぶりに再開した。第13節のベルマーレ平塚−名古屋グランパスと、雷雨で異例の中止となった第9節の残り試合、浦和レッズ−横浜フリューゲルスが行われ、2位の横浜Fが3−1で快勝。勝ち点を24に伸ばし、首位の鹿島アントラーズに1差と迫った。横浜Fは前半、3点を挙げて一気に勝負を決め、後半の反撃を1点に抑えた。平塚はロペスのPKで先行。後半、5連勝中の名古屋の攻めをかわし逃げ切った。平塚は勝ち点23で3位に浮上。第13節の残り7試合は5日に行われる。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】青少年対策を指示

古川貞二郎官房副長官は2日午前の記者会見で、神戸の小6男児殺害事件に関連して、橋本龍太郎首相から今後の青少年対策を総合的に検討するよう指示を受けたことを明らかにした。

古川副長官は「既に関係各省庁で検討している。(副長官の下に)連絡会をつくり、どういうことができるのか対応を考えたい。」と述べ、法務、文部、総務、警察の4省庁の局長レベルの連絡検討会議を開き対応を検討する意向を表明した。《共同通信》

【東京湾】タンカーが座礁、原油流出

2日午前10時5分ごろ、東京湾を航行中のパナマ船籍のタンカー「ダイヤモンドグレース」(147,012トン)が横浜・本牧ふ頭から南東へ約6キロの中ノ瀬付近で座礁、船底にかけて長さ約3メートル、幅最大20センチの亀裂が入り積荷の原油が流出した。流出原油は1万4000〜1万5000キロリットルで、1月に日本海で起きたロシアタンカー「ナホトカ」事故の流出量6200キロリットルを上回る、国内では過去最大規模の事故となった。政府は同日午後、非常災害対策本部(本部長・古賀誠運輸相)を設置した。《共同通信》

東京湾の大型タンカー「ダイヤモンドグレース」原油流出事故で、第三管区海上保安本部(横浜)は3日、東京湾沿岸の自治体などとの連絡会議を開き、4日中に回収作業を終了させる方針を決めた。同本部は、これまで国内過去最大の1万5000キロリットルとしていた原油流出量を10分の1の約1550キロリットルと訂正発表した。《共同通信》

【香港・董建華行政長官】一国二制度に自信

香港特別行政区の董建華行政長官は2日、就任後初めて内外記者会見を行い、一連の返還式典を含めた中国への主権移行が「非常に順調に行われた」と評価、中国政府との関係について「短期的に問題は生じ得る」としたが「長期的な利益は一致している」と述べ、一国二制度に基づく香港の将来に自信を示した。

長官は、中国の江沢民国家主席が「中央、地方当局を問わず(中国政府が)香港に干渉しないことを保証した」と語り、香港の高度の自治実現に中国政府も絶対の協力姿勢を示したと強調、中国政府と問題が生じた場合は「話し合いで解決する」と述べた。また「香港は祖国のことを十分に知らない」と語り、相互理解の重要性も指摘した。

ダークスーツ姿の新行政長官は「過去36時間ろくに眠る間もなかった」とやや疲れた表情だったが、時折笑顔も交えて広東語、中国標準語、英語で記者の質問に答えた。しかし、廃止された民主派主導の立法評議会が返還直前に多数の法律を駆け込み成立させたことには怒りをあらわに非難した。

長官は、今後の香港の民主化について「(憲法に当たる)基本法に従い徐々に進めていく」と述べ、デモや集会については「社会の大きな利益のために個人の利益を犠牲にすることもある」との表現で、規制強化の可能性を示唆した。《共同通信》

【池田行彦外相】香港・董行政長官と会談

池田外相は2日、香港の旧総統府で、香港特別行政区の董健華・初代行政長官と会談した。池田外相は新生・香港の「一国二制度」のもとでの繁栄と、日本・香港間の友好継続への期待を表明するとともに、董長官の早期来日を招請した。董氏は「全体の仕事を落ち着けて、できるだけ早く、訪問が実現するよう調整したい」と答えた。《読売新聞》

【ペルー・フジモリ大統領】来日

ペルーのフジモリ大統領は2日午後、成田着のバリグ・ブラジル航空機で来日した。大統領は7日まで滞在し、3日に橋本首相と首脳会談を行うほか天皇陛下との会見が予定されている。

4日午後には筑波研究学園都市内の農業研究施設を視察。週末の5、6日の両日は、北海道で北大や食料品加工工場を訪問、6日午後からは橋本首相とともに静岡県熱海の初島に滞在し、懇談する予定だ。大統領には事件の解決まで人質だったトゥデラ外相も同行した。《読売新聞》

【米政府】臨界前核実験

米政府は米太平洋夏時間2日午前10時(日本時間3日午前2時)、米国が現在保有する核兵器の性能を維持するためとして、臨界前実験と呼ばれる核物質実験をネバダ州の地下核実験場で初めて実施した。

米政府は「核物質は使うが物理実験であり核爆発は伴わない。包括的核実験禁止条約(CTBT)の規制の対象外」と強調している。しかし、広島、長崎両市長ら米内外の反核団体関係者らは「地下核実験と区別できずCTBTの精神を大きく傷付ける」と反発。インドやパキスタンも米国を厳しく批判するなど今後、米国に対し厳しい国際世論が高まるのは必至だ。

「リバウンド」と名付けられた第一回実験は、ネバダ核実験場の地下約300メートルの地下坑道に作られた小部屋内の3つの実験装置に古くなった核兵器中の約1.5キロのプルトニウムを装てん。これに約75キロの高性能火薬を爆発させて、核分裂性のプルトニウムが連鎖反応を起こす直前までを再現、正常な反応を示すかどうか調べた。実験は火薬の爆発から、わずか1000分の2秒で終了した。《共同通信》

【ジェームズ・ステュアートさん】死去

ハリウッドを代表する往年の大スター、ジェームズ・ステュアート氏が2日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のビバリーヒルズの自宅で死去した。89歳だった。

39年の「スミス都へ行く」などアメリカンドリームを体現した数々の映画に出演し、庶民に親近感を与える好演で人気スターとなり、40年には「フィラデルフィア物語」でアカデミー主演男優賞を受賞。古き良き時代の米国を代表する名俳優だった。《共同通信》



7月2日のできごと