平成3077日目

1997/06/11

この日のできごと(何の日)

【改正男女雇用機会均等法】成立

募集・採用などをめぐる企業の女性差別を禁止した男女雇用均等法の改正や、女性の残業、深夜勤務を大幅に制限している労働基準法の女子保護規定撤廃などを柱とする労働関係法改正が11日、参院本会議で可決、成立した。一部を除き平成11年4月から施行となる。

参院労働委員会では「時間外労働の抑制について、労使の意見を尊重しつつ、中央労働基準審議会で検討されるよう努めること」などとする付帯決議も採択されたが、時間外労働の男女共通の法的規制は経営側の反対も根強く、施行までに実現する見通しは立っていない。

改正均等法は、これまで企業の努力義務だった、昇進、退職などでの男女差別の禁止を明記。違反企業が是正勧告に従わない場合の企業名の公表規定や、職場でのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)についての企業の防止義務などを盛り込むなど、現行法を大幅に強化した内容となっている。

現行の労基法は、女性の時間外労働は原則として年間150時間以内とし、夜10時から翌朝5時までの深夜業も看護婦などの特定業務を除き禁止。女性の職域拡大につながるとして、経済界などは女子保護規定の撤廃を歓迎していた。

しかし、撤廃されれば、時間外労働の目安は男性同様、罰則もない年間360時間となるため、弁護士や労働組合からは「女性に男性並みの野放しの長時間労働を強いることになり、現実に家事を担っている女性に大きな負担になる」として、同時に時間外労働の男女共通の法的規制を求める声が上がっていた。《共同通信》

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【DA PUMP】シングル「Feelin’ Good 〜It’s PARADISE〜」発売

【将棋・谷川浩司竜王】「永世名人」に

羽生善治名人(26)に谷川浩司竜王(35)が挑戦する将棋の第55期名人戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第6局が10日から群馬県伊香保町で行われ、11日午後10時10分、124手までで谷川が勝ち、4勝2敗で7年ぶりに名人を奪回した。

谷川の名人位は通算5期目となり、1976年の中原誠名人(現・永世十段)以来、実力制になって4人目の永世名人の資格を得た。引退後十七世名人を名乗る。《読売新聞》

【国家公安委員会】警視総監を戒告処分

警視庁城東署の交番勤務の警察官3人が覚せい剤押収をでっち上げ、無実の市民を罪の陥れようとした事件で、国家公安委員会は11日、前田健治警視総監を国家公務員法違反に基づく戒告処分とした。3人が同日、特別公務員職権乱用罪などで起訴されたのを受けて正式決定した。

警視総監の懲戒処分は1978年に起きた警察官による女子大生殺害事件以来で、総監を含む計8人が処分対象となった。また城東署長も同日付で引責辞職。警視庁は人事刷新のため、警察署員の指導、評価などにあたる新設ポスト「警務官」を置くなど77人の大規模異動を行った。《読売新聞》

【改正日銀法】成立

日銀の独立性と透明性を高めることを目的とした改正日銀法が11日午前、参院本会議で可決、成立した。来年4月に施行される。蔵相による日銀業務全般に対する命令権を廃止して金融政策の独立性を強めるほか、最高意思決定機関である政策委員会の議事内容の公開を義務付け、これまでより重い説明責任を課した。

1942年に制定された統制色の強い旧法を約半世紀ぶりに全面改正することで、日銀は欧米型の「強い中央銀行」に近づく。来年7月には大蔵省から分離する金融監督庁も誕生、日本版ビッグバン(金融制度改革)の進展に合わせて金融当局も新時代を迎える。《共同通信》

【自民党総裁選】党三役、橋本首相再選で一致

加藤紘一幹事長ら自民党三役は11日、9月の自民党総裁選で橋本龍太郎総裁(首相)の再選を支持する方針で一致した。加藤氏、森喜朗総務会長、山崎拓政調会長、村岡兼造国対委員長、小泉純一郎厚相が同日夜会談し「行財政改革など六大改革の実現に向け首相の下で結束して当たる」ことを確認した。

総裁選は前倒しせずに「総裁公選規定通り粛々と実施する」ことでも一致。自民党内の自民、社民、さきがけ3党体制維持派、新進党との連携を模索する保保連合志向派の双方とも橋本総裁の再選についてはおおむね異論がないことから、9月に再選されるのは確実な状況となった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は11日、先日購入した米国航空業界の内幕小説の感想を記者団から求められ「まだ早い。サミット(主要国首脳会議)まで一週間ある」と一言。日米航空交渉が米側の完全自由化要求で中断していることを念頭に、クリントン米大統領をやりこめる「秘密兵器」として購入した本だが、秘書官からサミット勉強会が12日から始まると聞いた首相は「テーマも多いし、ロシアも(今回から正式メンバーに)入る。スタンスの整理もしなければ…」と、みるみる暗い表情に。サミットに向け過密スケジュールが続くだけに、ジェット機並みのスピードでなければ読破は難しい?

○・・・新進党の鹿野道彦元農相(山形1区)はこの日、梅の産地を選挙区に持つ同党国会議員36人でつくる「梅振興議員連盟」の会長に選ばれた。鹿野氏はあいさつで「この議員連盟は(太陽党を結成した)羽田孜、畑英次郎両元農相が新進党にいたときからの懸案だった。農相経験者が少なくなって…」と、発足早々から嘆き節。最後には気を取り直し「梅の効用は絶大。梅干しを入れた弁当は腐りにくいし、梅酒を飲めばよく眠れる」とPRしたが、低迷状態から脱しきれない党勢にも梅の効用があるのかどうか。《共同通信》

【JAS】赤字30路線で運休、減便

日本エアシステム(JAS)の船曵寛真社長は11日の記者会見で、本年度中に約30の赤字航空路線を対象に運休、減便、航空機小型化などの合理化策を実施すると表明した。これまでも利用者が少ない冬場を中心に減便などを実施した例はあったが、全路線の3分の1近い大幅な路線合理化は初めて。

日本エアは5期連続の営業赤字となるなど経営が厳しく、3年ぶりに来春の新規採用も見送る。幅運賃の導入や航空事業の参入規制撤廃など航空分野の自由化が進むと、離島などの生活路線も含む不採算路線の切り捨てが行われると指摘されていたが、日本エアの方針は、そうした動きの本格化とみられる。船曵社長は「赤字路線が3分の2あり、これまで残りの黒字路線で埋め合わせてきた。今後は黒字路線へ他社の参入が進むため、赤字路線の維持が難しくなる」と説明した。

合理化対象となる具体的な路線名は、地元の反発が予想されるとして「6月末の株主総会で新しい役員が正式に決まった後で、地元と調整を済ませてから発表したい」と明らかにしなかった。《共同通信》



6月11日 その日のできごと