平成3076日目
1997/06/10
この日のできごと(何の日)
【酒鬼薔薇聖斗事件】遺体発見から2週間
神戸の小6男児殺害事件で、市立多井畑小6年、A君(11)の遺体が発見されてから10日で2週間。兵庫県警須磨署捜査本部は、遺体発見現場の周辺などで目撃されている30代の男性や黒っぽい乗用車を中心に、これまでの聞き込みで浮上した不審な人物や車両の特定を急いでいる。
神戸新聞に送り付けられた犯行声明が「子供しか殺せない幼稚な犯罪者と思ったら大間違いい」などと無差別連続殺人を予告していることから、兵庫県警は特別警戒班を増強、厳戒態勢を敷いている。
これまでの調べで、A君の頭部が置かれた市立友が丘中の周辺では、発見当日の5月27日早朝、膨らんだ黒いポリ袋を持った男性や、白っぽい服を着た30代のがっちり型の男性を複数の人が目撃している。胴体発見現場の通称「タンク山」の有線テレビ施設の錠が交換されていたが、4月下旬から5月上旬にかけて須磨区や隣接する垂水区の金物店で、同型の錠を求める作業服姿の30代男性がいたことも分かっている。
不審車両はいずれも黒っぽい乗用車。4月から5月にかけて中学校前の高台、A君が行方不明になった24日午後に自宅近くで、それぞれ目撃されていたほか、27日早朝に中学正門前に横付けしていたとの証言もある。これらの人物や車両が同一かどうかは不明だが、捜査本部は事件と何らかの関係があるとみて、特定を進めている。
また犯行声明の封筒に張られた赤い粘着テープや交換された錠などの遺留品捜査、声明文の分析も並行して進めている。《共同通信》
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神戸の小6男児殺害事件で、神戸新聞社に送り付けられた犯行声明文は、文中に18カ所登場する平仮名の「は」の字が、1カ所を除いてすべて右側中央に「、」を付けるなど際立った特色があることや、集計用紙2枚の右上に数字の「9」が手書きで書かれていたことなどが10日、分かった。兵庫県警須磨署捜査本部は犯人特定につながる独特の癖とみて、詳しく分析している。
神戸新聞社によると、声明文はA4判の集計用紙2枚に書かれ、段落の文頭の一字空きをしない書き方で、罫線をはみ出ることなく、1行に最大43字が並んでいた。「は、」は後半に出てくる「命をかけろとまでは言わないが」の個所以外、すべてに登場。濁点にも特徴があり「だ」を除く「ど」「び」「ぎ」「ば」など、いずれも濁点を通常の位置より下の方に付けていたという。
漢字、平仮名ともに「ハネ」がない独特の書き方。また、漢字については「嘘」を「噓」と正字を使うなどしている。難しい字や普段使わない字を使っていることから、犯人はこれらを変換できる機種のワープロを使って下書きした可能性が指摘されている。「放」「表」などはワープロの文字を忠実に写した可能性があるという。
これまでに「読」はつくりの下を「心」に、「正」は一画が欠け、「一」の下一に「上」の字を組み合わせ」た誤字と判明しているが、今回、「犯」の「犭(けものへん)」が「扌(てへん)」に、「謎」のつくりが「継」のつくりにそれぞれ間違い、「違」のつくりの横棒が一画足りないなど、新たに3文字の誤字も明らかになった。《共同通信》
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「子供の敵、市民の敵、酒鬼薔薇聖斗に死の制裁を!」というプラカードを掲げ、月光仮面の白装束に身を包んだ男性が10日午後1時ごろ、小6男児殺害事件の現場近く、神戸市須磨区の市営地下鉄妙法寺駅前の広場に現れた。
須磨署などによると、男性は月光仮面のテーマソングをカセットテープで流し「鬼畜にも劣る犯行である。潔く自首し、法の裁きを受け罪を償え!」などと、ワープロ打ちしたビラを通行人に配り、1000円札300枚をばらまいたという。
男性は警察官の職務質問を拒否、地下鉄に乗って立ち去った。1000円札のうち、249枚は警察官が回収した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【東京地検】第一勧銀元頭取ら4人逮捕
第一勧業銀行から総会屋への117億円余のう回融資による利益供与事件で、東京地検特捜部は10日、うち約88億円のう回融資について株主総会絡みの資金提供と知りながら決裁するなどしたとして商法違反(利益供与)容疑で、第一勧銀の元副頭取U容疑者(60)をはじめ歴代融資・審査担当役員ら4人を逮捕した。
第一勧銀側の逮捕者はこれで計8人。融資をチェックする立場の融資・審査担当役員までがかかわった「銀行ぐるみ」の構図が決定的となり、特捜部はさらに首脳陣関与の有無をめぐり慎重に調べを進めている模様だ。《共同通信》
【小泉純一郎厚相】カタカナ語追放を指示
小泉厚相は10日の閣議後の会見で、厚生省関連の”役所言葉”に、意味の分からないカタカナ語が多いとして、今後、できるだけ日本語に置き換えていく方針を明らかにした。
会見で小泉厚相は、国会に提出されている介護保険法案を例に挙げ「高齢者が対象なのだから、英語が分からないひとの立場も考えないと。デイサービスを日帰り介護、ショートステイを短期滞在の介護と言えば、お年寄りは理解できる」などと、カタカナ語のはんらんを批判し、わかりやすい言葉を使うよう省内に指示したことを明らかにした。《読売新聞》
【橋本龍太郎首相】ロシア・ネムツォフ第一首相と会談
ロシアのネムツォフ第一首相は10日午前、首相官邸に橋本龍太郎首相を訪ねて会談、首相の年内ロシア訪問を招請するエリツィン大統領の親書を手渡した。橋本首相は「光栄であり、他の外交案件と調整して(20日からの)主要国首脳会議(デンバー・サミット)の際、同大統領との会談で回答できるようにしたい」と述べ、訪ロに前向きの姿勢を示した。《共同通信》
【改正廃棄物処理法】成立
廃棄物の適正処理を目指す改正廃棄物処理法が10日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。各地で紛争が生じている産業廃棄物の処分場問題について、知事が設置に関し責務を負うことを明記、不法投棄対策についても罰金を最高1億円(現行100万円)に引き上げるなど強化したのが特徴。平成3年以来6年ぶりの大改正で、公布の日から半年以内に施行される予定。
改正法は産業廃棄物処分場を設置する手続きとして、設置者に周辺の生活環境への影響に関する事前調査を義務付けることを規定。知事は調査結果を公表し、市町村長や関係住民からの意見などを踏まえて「生活環境への配慮が適正かを科学的に判断する」と、その責務を強調している。
不法投棄対策では罰金を引き上げるほか、不法投棄された土地の原状回復のため、投棄者だけでなく、処理を委託した排出事業者にまで自治体が撤去を命令できる仕組みに改める。また、不法投棄された廃棄物を自治体が撤去した場合は投棄者に費用負担を求める一方、産業界が基金を創設し、投棄者が分からない場合はここから撤去費用を拠出する。
操業開始後に設置者が施設の維持管理状況の記録を公開することや、最終処分場の廃止に際して都道府県が一定の基準に適合しているかを確認することも求めている。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】アルゼンチンで晩さん会出席
アルゼンチンを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は10日午後(日本時間11日午前)、首都ブエノスアイレスで日系人らの歓迎行事に出席後、滞在先の市内のホテルでメネム大統領主催の晩さん会に出席された。
両陛下は、アルゼンチン上下両院の代表、最高裁判所判事らとあいさつし、大統領と記念撮影。晩さん会では大統領のスピーチに続いて天皇陛下がお言葉。陸下は「第二次大戦後、ペロン大統領夫人は救援物資をわが国に送られた。このような関係はわが国の人々の貴国への親しみを深めていると思う」と述べた。食後には別室でのタンゴショーの鑑賞が組み込まれた。
これに先立ち両陛下は、市内の日本庭園で開かれた。日系人らの歓迎行事に出席。アルゼンチンに3万人以上いるとされる日系人の代表に声を掛けた。《共同通信》