平成3028日目

平成9年4月23日(水)

1997/04/23

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

橋本首相「見事な作戦」

橋本龍太郎首相は23日午前、ペルー大使公邸人質事件での強行突入を受け、首相官邸で2回にわたって緊急記者会見し「チャンスをとらえ見事な救出作戦を行ったフジモリ大統領をはじめ、ペルー政府関係者に心から謝意を申し上げたい」と述べ、邦人人質全員の無事救出に感謝の意を表明した。

ただ、ペルー政府からの事前通報に関しては「残念ながらわが国に連絡はなかった。遺憾と思うと言わざるを得ない」と述べた。

また、今後の処理に当たるため、池田行彦外相を同日中にペルーに派遣することを表明。首相自身もいずれペルーを訪れたい意向を示したが、「どこかの(訪問の)ついでに(ペルーに)寄るという性格のものではない」と述べ、24日からの訪米日程には変更がないことを強調した。

首相は、強行突入という結果になったことについて「人質を救い出してもらう中で、通報のあるなしや、武力行使をしたことで、だれがフジモリ大統領を非難することができるだろうか」と、ペルー政府の判断はやむを得なかったとの認識を示した。《共同通信》

政府は23日、ペルーの大使公邸人質事件の決着を受け、事後処理の取り組みを本格化させた。池田行彦外相は同夜、ペルー側へ感謝の意を伝えるため、特別機でペルーに出発。橋本龍太郎首相も事件の処理が一段落した段階で自ら同国を訪問したいとの意向を明らかにし、今後ペルー側と日程調整することになった。

外務省は関係各国の事件への協力に謝意を示す一方、在外公館の警備面の改善策など事件の再発防止策を検討する調査委員会(委員長・林貞行外務事務次官)を同省に設置、作業を開始した。

外相は日本時間の24日午後、ペルーに到着する。人質となっていた邦人の家族や企業関係者らのほか、警察庁の捜査専門官、人質のストレス診療などの医療専門家も同特別機で向かった。

現地ではフジモリ大統領のほか、シプリアニ大司教ら保証人委員会メンバーら一と会談、直接、日本政府の謝意を伝達。救出作戦で死亡した特殊部隊隊員やペルー人人質の遺族を訪ね哀悼の意を伝えたい考えだ。

また青木盛久駐ペルー大使ら人質となっていた邦人と会い、長期にわたった人質生活の労をねぎらうほか、大使館業務の正常化の指揮を執り、28日に帰国する予定。解放された邦人が希望すれば共に帰国することも検討している。

首相は23日午後、首相官邸を訪れたペルーのアリトミ駐日大使に感謝の気持ちを伝えるとともに「フジモリ大統領の都合の良い時にペルーを訪問したい」との意向を表明。大使は救出作戦について「死者は出たが、解決できた。大変心配を掛けた」と述べた。

外務省は緊急対策本部について「事件が終わったばかりでいろいろやることがある」(橋本宏報道官)として、現地との連絡や関係者との調整に当たるため当面存続させる方針。《共同通信》

フジモリ大統領「ペルー政府だけが責任を負う」

ペルーのフジモリ大統領は23日、大統領府で記者会見し、日本大使公邸への武力突入作戦について詳細に説明、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループが、人質の健康診断回数を制限すると一方的に通告してきたことが武力行使を決断した直接のきっかけとなったことを明らかにした。大統領は「投降する兆しがなく(健診制限で)人質の健康状態が危険にさらされると判断した」と述べた。

MRTA側が健診制限を通告したのは20日。大統領は、通告があった夜、4本のトンネルを使った作戦の最終進備を開始したことを明らかにし「翌二21日午前6時にはいつでも決行できる状態だった」と語った。

武装グループ全員を殺害するよう命じたのかとの記者の質問には「72人の人質全員を無事救出することを(突入した)部隊に命じた」と語り、MRTAメンバーの逮捕は重要視していなかったことを示唆した。日本政府に事前に作戦を連絡しなかったのは「ペルー政府だけが責任を負う」ためだったと語った。

2000年の大統領選挙で三選を目指して世論の支持を得るため作戦に踏み切ったのではないかとの質問には「支持率では行動しない。私は国民に不人気な措置もとっている」と全面的に否定した。

一方、ペルー政府が赤十字国際委員会ペルー事務所のシェレル副代表を国外退去させた問題については「副代表は中立の立場を失っていた。われわれの忠告にもかかわらず、MRTAメンバーと長時間、話をしていた」と、政府当局者として初めて公式に理由を語った。《共同通信》

一階でサッカーに興じているさなかの突然の爆発に驚き、あわてて武器を手に二階に向かった瞬間に射殺−。ペルー日本大使公邸人質事件を起こしたトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループのリーダーのネストル・セルパ容疑者の最期の様子が23日、明らかになった。

地元テレビは同日、軍が撮影した邸内の様子を放映、セルパ容疑者はカーキ色の衣服を身に着け、階段途中にあお向けに倒れていた。

同日、記者会見したフジモリ大統領などによると、22日午後に軍の特殊部隊が突入した際、一階には8−10人のMRTAメンバーがいた。セルパ容疑者はナンバー2のロハス容疑者らとともにホールでサッカーをしていた。突入と同時に仕掛けてあった爆薬が爆発、メンバ−の一部が即死したが、セルパ容疑者ら5、6は武器を手にし、人質のいる二階へ向けて階段を駆け上がった。その瞬間、特殊部隊が銃撃を浴びせ、射殺したという。《共同通信》

リマの日本大使公邸人質事件の武力行使による解決について、シプリアニ大司教ら保証人3人と日本政府現地対策本部の寺田輝介顧問は23日午前(日本時間24日未明)「(事件は)われわれの予期しない形で、ペルー政府の責任と権限の下で終結した」との声明を発表。強行突入が同委員会に連絡のないまま実行されたことを指摘し、17人の死者を出した作戦への批判をにじませた。

声明を読み上げた大司教は途中で言葉に詰まり、左手で顔を覆った。震える肩とほおが無念さを物語っていた。両わきのビンセント大使と寺田顧問が大司教の背中に手を置き、言葉をかけていた。

リマ市内のホテルで声明を発表した大司教らは「保証人委は日本大使公邸人質事件の平和的解決のためにつくられた。われわれは可能な限りの努力を尽くした。家族を失った人たちの痛みを共有している」と述べた。大司教は声明を読み上げた後「ここ数日、私は極めて深刻な胃の痛みに悩まされて、仕事を続けることが難しくなった」とコメント。「すべての人質は私の家族だった」と言いかけると目頭を押さえ、言葉を失った。

しばらく間をおいて「(人質だった)ジュスティ最高裁判事、特殊部隊の兵士、人間としてのMRTAのいずれの死も私にとっては大きな苦しみだ」と語った。《共同通信》

在ペルー日本大使公邸への武力突入から丸一日がたった23日午後、公邸では国家警察の爆発物処理隊が危険物を撤去するとともに、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループのメンバー14人全員の遺体が収容され、本格的な現場検証が始まった。正午すぎには、フジモリ大統領が前日に続いて、公邸を訪れ、軍幹部の案内で建物内や特殊部隊が突入に使ったトンネルの出口を視察した。

検証に先立って公邸内に入った爆発物処理隊数十人は、MRTAの小銃、手りゅう弾などの武器や、防毒マスク、拡声器などを次々と押収。玄関前の植え込みなどの陰に設置されていた地雷も撤去した。

武装グループメンバーの一遺体は黒いビニールシートに包まれ小型トラック3台に積まれて搬出された。軍病院などで検視されるもようだ。《共同通信》

全長100メートルのトンネルには換気装置が付けられ、兵士が何日でも潜伏できる−。フジモリ大統領は23日の記者会見で、日本大使公邸の模型を使いながら、人質救出作戦成功のカギとなった「突入トンネル」の詳細を初めて明らかにした。

大統領によると、1本の幹線トンネルが公邸裏の民家の下から公邸の壁伝いに正面玄関近くまで達し、枝分かれした3本が①公邸ホール床下②ダイニングキッチン③公邸裏の庭−にそれぞれ伸びている。また別の3本が公邸にほぼ隣接するイタリア病院側などから敷地内に達している。

トンネルは換気装置付きで、深いところでは地下約7メートルを通っていた。出入り口は各トンネルに複数あったという。

最初のトンネルを掘り始めたのは事件発生直後の昨年12月末。今年3月にトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループに掘削を察知され、存在を暴露された。

22日の突入時にはトンネルの1本を使いホール下に爆弾を仕掛けて急襲。複数の出入り口から一気に特殊部隊を送り込んで、武装グループを制圧した。

突入作戦の暗号名を、ペルーの古代遺跡の名前を取って「チャビンデワンタル作戦」と名付けたことについて大統領は「その遺跡の下にも多数のトンネルが見つかったからだ」と明らかにした。

ペルーの日本大使公邸への武力突入の際、72人の人質の中でただ1人死亡したペルー最高裁判事カルロス・ジュスティさん(53)の告別式が23日、リマ市内の教会で行われ、4カ月あまりの人質生活をともにした仲間や、ホイワイ国会議長ら政府高官が次々に別れの言葉を告げに訪れた。日本側は、青木盛久大使の直子夫人、外務省の田中克之・現地対策本部長が参列した。

友人の一人が「人に愛され、尊敬される人だった」と語った通り、ジュスティさんは人質の間でも信頼が一厚く、参列者の多くは涙を浮かべながら、棺に花をささげていた。

互いに励まし合いながら監禁生活を耐えてきた同僚のウゴ・シビナ判事は、ジュスティさんが目の前で銃弾に倒れたショックで昨夜は一睡もできず、参列できなかった。妻のリサさんは「自分が助かったという喜びと親友を失った悲しみで夫は混乱しています」と涙声で話した。《共同通信》



【トヨタ・マークⅡクオリス】「マークⅡワゴン」がフルモデルチェンジ

1997 平成9年4月23日【トヨタ・マークⅡクオリス】発売
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【スピッツ】シングル「夢じゃない」発売

【Jリーグ第1ステージ】第4節

Jリーグ第1ステージ第4節(23日・カシマスタジアムほか=8試合)鹿島アントラーズが後半19分、名良橋の決勝点で横浜フリューゲルスとの全勝対決を制して3連勝、ただ1チーム無敗を守った。開幕3連勝のガンバ大阪は注目のエムボマが不発に終わり、0-2でサンフレッチェ広島に完敗した。横浜マリノスは城の2ゴールなどで京都サンガを下し、ジュビロ磐田も3勝目を挙げた。アビスパ福岡は浦和レッズに敗れ、開幕4連敗。3連敗中の名古屋グランバスは試合がなかった。《共同通信》

【伊良部秀輝投手】ヤンキース入りが確実に

ロッテの伊良部秀輝投手(27)の米大リーグ、ヤンキース入りが確実になった。米コミッショナー事務局がパドレスとヤンキースの間で伊良部の交渉権を含む交換トレードが成立したことを発表したのを受けて、ロッテの重光昭夫オーナー代行は23日記者会見し、パドレスから合意の連絡があり、ヤンキースに伊良部との交渉を認めることを明らかにした。

ロッテは、1月にパドレスとの業務提携の一環として伊良部の独占交渉権譲渡を発表した。しかし、伊良部がヤンキースに固執し、独占交渉権に異議を唱えたことから、選手会や最高経営会議など大リーグを巻き込んだ騒ぎに発展した。

交渉が不調に終わったことで今季の大リーグ入り断念を宣言した伊良部は、この日の発表を聞いて、前向きな姿勢を示しており、身分照会の手続きが終わり次第、ヤンキースとの交渉に入るものとみられる。入団すれば、エンゼルスの長谷川滋利投手に続く日本選手5人目の大リーガーとなるのは確実だ。《共同通信》

【茨城県警】動燃本社などを捜索

動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所の火災・爆発事故で動燃が監督官庁の科学技術庁に虚偽の報告をしていた事件で、茨城県警生活保安課とひたちなか西署は23日、原子炉等規制法違反(虚偽報告)の疑いで、東京都港区の動燃本社、茨城県東海村の東海事業所など計30カ所を家宅捜索した。

原子力関連施設の事故での強制捜査は初めて。県警は今後、押収資料を分析し、動燃上層部への虚偽報告書作成への関与や組織ぐるみの隠ぺい工作の全容解明を急ぐ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の加藤紘一幹事長は23日、党本部で開かれた研修会であいさつし、ペルーの日本大使公邸人質事件に触れて「ゲリラはサッカーをしていた。日中、油断していたところを突かれた」と紹介した。その後、話題を国内事情に転じ「照る日もあれば、曇る日もあるが、『やっぱり頼りになるのは自民党』という気持ちでやっていきたい」と第一党であることを誇示していたが、わざわざ「“保保”だ“連立”だと言われたが、世間がみているほど毎日けんかしているわけではない」と釈明しなければならないのが、加藤氏のつらいところ。

○・・・民主党の鳩山邦夫副代表はこの日、国会内で与謝野馨官房副長官とバッタリ。梶山静六官房長官の腹心といわれる与謝野氏に「これは“保保”のキャップじゃないですか」と呼びかけた。与謝野氏も、梶山氏との会談が憶測を呼んだ経緯がある鳩山氏に「“保保”はあなたの方ではないか」と切り返したが、鳩山氏は「そんなことはない。“保保”をやる時は事前に連絡を下さい。その間に入り込む形で行きますから」。隣の選挙区で当選7回同士の気安さからか、鳩山氏は勝手に「押し掛け女房」宣言。《共同通信》

【新進党】党大会

新進党は23日午後、都内のホテルで第3回定期大会を開いた。小沢一郎党首はあいさつで、米軍用地特別措置法改正をめくる橋本龍太郎首相との合意を「各党の理念、政策と政治行動がこの3年間で初めて一致した」と評価。行財政改革、安全保障などの今後の課題についても「党派を超え、理念、政策を同じくするものが力を合わせ、勇気を持って進んで行くべきだ」と述べ、政策別の部分連合を模索する考えを表明した。

大会は「橋本内閣の打倒」と「改革勢力の大結集を進め、新しい新進党政権の樹立を実現する」ことなどを盛り込んだ運動方針や「日本再建のための基本政策構想」を採択、閉幕した。

討論で、山形県の代議員が「政策的に協力することはあっても、保保連合は脱線ではないか」と保保路線への懸念を示したが、小沢氏は「政局論の前に理念、政策があるべきだ。われわれの主張に共鳴する人がいるなら協力して、改革を実現するのは当然だ」として、政策を軸とする自民党との連携は問題ないとの認識を強調した。

来賓の笹森清連合副会長は「自民党以外の結集軸の中核になってほしい」と述べ、結党の精神である「非自民勢力結集」の姿勢を貫くよう求めた。これに対し、藤井富雄公明代表は保保路線について「どういう形であれ、国民が平和で豊かになることは大賛成だ」と容認、対照的な姿勢を見せた。

大会には国会議員や地方代議員ら約500人が出席。執行部が「時間的制約」を理由に国会議員の発言を禁止し、代議員の質問を事前通告制にしたことなどから、混乱もなく約3時間で終わった。《共同通信》

【日立製作所、松下電器】DVD-RAM駆動装置開発

日立製作所と松下電器産業は23日、世代のコンピューター用記憶媒体のDVD-RAM(書き換え可能なデジタル、ビデオ、ディスク)の駆動装置を世界で初めて開発したと発表した。日立は「GF−1000」シリーズを6月20日からパソコンメーカーなどにサンプル出荷する。価格は1台10万−12万円、松下も年内にはサンプル出荷する予定。

また、日立マクセルはDVD-RAMのディスクを6月20日からサンブル出荷すると発表した。サンプル価格は1万円だが、量産段階では5000円以下になる見通し。松下も年内にディスクの出荷を始める。

DVD-RAMは、記憶容量が片面で2.6ギガバイトとフロッビーディスクの約1800倍。関係メーカー各社は今月企画の骨格で合意し、7月ごろまでに最終的な規格をまとめる。日立と松下は最終規格がまとまり、一定の需要が確認でき次第、本格出荷を開始する。《共同通信》



4月23日のできごと