平成2998日目

平成9年3月24日(月)

1997/03/24

【オウム裁判】上祐被告に懲役3年

オウム真理教の熊本県波野村進出に伴う国土利用計画法違反事件をめぐり、偽証と私文書偽造、同行使の罪に問われた幹部上祐史浩被告(34)に対し、東京地裁は24日、懲役3年(求刑5年)の判決を言い渡した。

竹崎博允裁判長(異動のため金山薫裁判長が代読)は「あらゆる手段を尽くして真実を隠し、捜査と公判の妨害を図った悪質な犯行。計画と実行で中心的役割を果たし、法廷でも松本智津夫被告(教祖名麻原彰晃)への信(帰依)を繰り返すなど現実から逃避した態度を取り続けたが、松本被告の指示に無批判に従った面もある」と判決理由を述べた。

教団最高幹部とされる「正大師」は上祐被告と松本被告の妻知子被告(38)、A子被告(36)の計3人が起訴され、初の判決となった。

判決によると、上祐被告は元幹部早川紀代秀被告(47)や元教団顧問弁護士青山吉伸被告(37)らが国土法違反(無届けの土地売買)」などの罪で起訴されたため、青山被告らと共謀し、波野村での土地取得が売買ではなく、売り主から融資の見返りに贈与されたことにしようと計画。

売り主の融資金受領書や覚書などを偽造した上、熊本地裁で平成4年6月と8月に開かれた早川被告らの公判に証拠として提出し、弁護側証人のS元教団公認会計士(49)=懲役2年6月、執行猶予4年の判決確定=に受領書作成の経緯について偽証させた。

松本被告は上祐被告らに、教団の虚偽の主張を維持するように指示。上祐被告は文書偽造を提案し、教団側の関係者全員に虚偽のストーリーを周知させたほか、売り主に圧力をかけるなど、一連の犯行を主導した。上祐被告は捜査段階で関与を自白したが、公判では起訴事実について黙秘を通し「麻原尊師への帰依は深まっている」と陳述。弁護側は「麻原被告の指示に従っただけ」と情状酌量を求めていた。《共同通信》

かつての「教団の顔」は、別人のようにやつれていた。顔も青白い。24日、懲役3年の判決を言い渡された上祐史浩被告。言い渡しの間、裁判官から視線をそらし、ほとんど反応を示さなかった。

東京地裁で一番大きい104号法廷の傍聴席はほぼ満員。上祐被告は水色のジャンパー姿で足早に入廷し、落ち着かない様子で伸びたもみ上げをしきりに触った。目は落ちくぼんでいる。裁判官の前に立ち、名前を尋ねられると、ほとんど聞き取れない声で答え、天井を見上げて大きく深呼吸した。

「懲役3年」。主文言い渡しの声にも手をぶらりと下げたまま。「刑事司法をゆがめる極めて悪質な犯行」と厳しく指摘する判決理由朗読の間、前のいすの背に置いた右手の指を動かし続けた。

現役最高幹部だけに、傍聴席には教団信者の姿が目立った。逮捕前から上祐被告の「追っ掛け」を続ける若い女性数人も傍聴。「どこの刑務所に入るのだろう」と話していた。《共同通信》



【イングリッシュ・ペイシェント】米アカデミー賞9冠

米国ロサンゼルスで行われていた第69回アカデミー賞の発表・授賞式は24日夜、第二次世界大戦を背景にした恋愛悲劇「イングリッシュ・ペイシェント」を作品賞に選んだ。「イングリッシュ・ペイシェント」は作品賞のほか、監督賞(アンソニー・ミンゲラ)、助演女優賞(ジュリエット・ビノシュ)、撮影賞、作曲賞など史上3位タイの9部門を制覇した。

主演女優賞は「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンド、主演男優賞は「社員」のジェフリー・ラッシュがそれぞれ受賞した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】米・ゴア副大統領と会談

橋本龍太郎首相は24日午後、都内の迎賓館で米国のゴア副大統領と日米安保体制を中心に会談し、沖縄の米軍用地強制使用で支障が生じないよう最大限努力する方針を伝えた。

さらに会談後の共同記者会見で、首相は「使用権原のない状態で5月15日を迎えることはできない」と述べ、不法占拠状態を回避するため米軍用地特別措置法の改正案を国会に提出する方針を明確にした。

首相は会談で「現在の微妙な北東アジア情勢の下で、在日米軍の削減を求める考えはない」と表明。副大統領も会見でアジア太平洋地域に展開している米兵力10万人体制を今後も維持するとの米国の立場をあらためて表明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は24日、迎賓館でゴア米副大統領との昼食を取りながら会談。冒頭、ゴア氏の娘が婚約したことに祝意を述べ「私も二人の娘を嫁に出したが、寂しかった。二日間酒を飲んだ」と交親としての経験談。「つらいのは(結婚した)翌日の夜だ。今まで一緒にいた人が夕食の時いなくなっているのは寂しい」とも。これにはゴア氏も「まさに私が恐れていたことを確認することだ」といたく感心した様子。経済問題などでは日米間にすれ違いがあるものの、父親の思いはいずこも同じ?

○・・・新進党の林寛子参院議員会長はこの日の党五役会で、会議を撮影する報道陣に向かって「重要な決定がなければこのフィルムは使われないのよね」とぼやいた。小沢一郎党首が「権威がないね」と相づちを打つと、林氏は「また強権で(五役の決定を)ひっくり返せばいいじゃありませんか。リーダーシップを発揮すれば」と強烈なパンチ。中野寛成国対委員長の「われわれはご厄介(五役会)者ですから」との駄じゃれも飛び出し、さすがの小沢氏も両氏の毒舌にひたすら苦笑するのみ。《共同通信》

【東京高裁】藤波元長官に逆転有罪判決

リクルート事件政界ルートで、未公開株など約4270万円分のわいろを受け取ったとして受託収賄罪に問われた元官房長官の衆院議員藤波孝生被告(64)=自民、三重5区=の控訴審判決公判で東京高裁は24日、一審無罪判決を破棄、懲役3年、執行猶予4年、追徴金4270万円(求刑は懲役3年6月、追徴金同額)を言い渡した。

岡田良雄裁判長は判決理由で「藤波被告が官庁の青田書い防止について請託を受けたのは明らか。わいろ性の認識もあった」と述べた。

1989(平成元)年5月の起訴から約7年10カ月ぶり。一審の無罪判決で窮地に陥った検察側の再捜査が実った形で、今後の政界捜査にも弾みがつきそうだ。オレンジ共済組合問題などで揺れる国会にも波紋を広げると予想される。《共同通信》

【長野五輪】運営費は1030億円

長野冬季五輪組織委員会は24日の組織委会議で、大会運営予算をこれまでの945億円から1030億円に増額することを正式に決めた。昨年3月に決めた予算案の85億円増。収入、支出ともにまだ不安要素はあるが、小林実組織委事務総長は「1030億円で、自信を持ってやる」と述べ、赤字の懸念を否定した。

大会運営予算は、大会招致段階の見積もりでは760億円だった。昨年3月に正式予算として945億円を組んだが、各方面で支出予算が膨らみ、再度、見直しを進めていた。

その結果、収入面で①円安による為替差益から、テレビ放映権料で54億円、マーケティング収入で12億円の計66億円②その他のスポンサー収入や、自治体からの人件費補助増額―などで、計85億円の増加となった。

支出面では、テレビの国際映像制作費などの広報報道費が27億円増、情報通信費が24億円増など、各事業で予算増となった。「収入に見合った予算作成」を前提としていた組織委では、大幅な為替差益が見込めるために予算の上方修正が可能になったと説明している。《共同通信》



3月24日のできごと