平成2946日目

1997/01/31

この日のできごと(何の日)

【オウム真理教】破防法不適用

オウム真理教に対する破防法適用を審査していた公安審査委員会(堀田勝二委員長、6人)は31日委員会を開き、公安調査庁から出されていた教団の解散指定請求の棄却を午後全員一致で決定した。同日中に決定書謄本を教団側、公安庁双方に送付、公安庁に届いた時点で効力が発生する。公安庁に不服申し立ての権利はなく、棄却が確定した。

昭和27年の同法施行以来初の団体規制審査は、公安庁が敗北する形で決着。解体を含む公安庁の縮小議論に拍車がかかるとともに、平成7年12月、破防法適用手続きを決断した当時の村山内閣など、政府の判断も問われることになろう。《共同通信》

オウム真理教に対する破防法の団体規制請求を棄却した公安審査委員会(堀田勝二委員長、6人)は31日夕、「松本サリン事件は暴力主義的破壊活動に当たるが、提出証拠では教団に将来の明白な危険性は認められない」とする棄却決定書の謄本を公安調査庁、教団側双方に送付、決定の効力が発生した。これを受けて、堀田委員長が東京・霞が関の中央合同庁舎内で記者会見。危険性否定の一方で、教団動向の警戒や信者の社会復帰促進の必要性などを盛り込んだ決定書を公表した。

決定書は、教団の将来の危険性について、まず「判断には刑事裁判に準じるような高度な心証が要求される」と慎重な審査態度を表明。

その上で「地下鉄サリン事件までは、将来も破壊活動を行う恐れが十分にあった。しかし、その後の刑事手続きや破産手続きの進行、宗教法人の解散などにより、人的、物的、資金的能力は格段に低下している」との判断を示し、「松本被告からの指示も想定できない上、教団は関係機関や住民らの常時注視状況にもある。公安庁提出証拠では、現時点での明らかな危険性を認定する十分な理由は認められない」と結論付けた。

一方、松本サリン事件については「松本智津夫被告(41)を独裁者とする専制国家体制樹立を目的とした武装化推進で、サリンの効果を試すため実行した。破防法規定の暴力主義的破壊活動を行ったことは明らか」と認定した。

また、「委員会の見解」として「今後新たな事態が発生した場合には、公安庁が再規制請求できるのは当然。危険性が消失していない以上、警察、公安庁が教団の動向把握や捜査、調査を継続するものと認識しているし、信者の社会復帰促進も望まれる」と言及。「破防法の手続きが、教団の姿勢軟化に相当の意義があった」とも述べた。

証拠についての評価で、公安審は公安庁提出の新聞記事を証拠から排除。記事と起訴状しか証拠がなかった地下鉄新宿駅青酸ガス事件と東京都庁小包爆弾事件は、危険性を示す事実として認定せず、信者らの匿名供述調査書の証明力も低く判断している。

記者会見で堀田委員長は「特別手配者の相次ぐ逮捕に当然、審査で注目した。逮捕がなければ(結論が)どうなっていたかは言及できない」と述べた。

橋本龍太郎首相は31日夜、公安審査委員会がオウム真理教に対する破防法適用請求を棄却したことについて「法に基づききちんと審査された結果だ」と述べ、棄却決定を尊重する考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

松浦功法相は31日、オウム真理教への破壊活動防止法の処分請求が棄却されたことについて記者会見で「極めて穏当、常識的な結論だった」と表明した。しかし、杉原弘泰公安調査庁長官は「大臣とはちょっと(違う)。やや遺憾ということ」と述べ、受け止め方に微妙な食い違いを見せた。《共同通信》

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【オウム真理教・松本智津夫被告】第24回公判

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=は31日、東京地裁で開かれた第24回公判で、地下鉄サリン事件の証人尋問に冒頭から割り込み「共謀共同正犯を否認します」「弁護人を入れ替えて下さい」「被告人は証拠をチェックするアンパイア」などの発言を繰り返した。阿部文洋裁判長は「静かにしなさい」と注意したが、さらに独り言を続けた。

松本被告は前日の公判でも「井上嘉浩(被告)が主犯」などと発言。28日から再開した国選弁護団との接見で「事件のことを説明し、立場を明らかにしたい」と起訴事実の認否を求めており、法廷での発言は意見陳述の機会が与えられないことへのいらだちを示したものとみられる。《共同通信》

【サッカー・前園真聖選手】ヴェルディと契約

フリューゲルスからヴェルディへの移籍が決まった日本代表MF前園真聖(23)が31日、よみうりランドホテルで記者会見、「強いというイメージがあるヴェルディをさらに強くし、優勝できるように頑張りたい」などと、抱負を語り、同席した加藤監督も「相手に脅威を与えられる選手」と大きな期待を寄せた。前園は同日、ヴェルディとの統一契約書にサイン、1年契約で年俸は推定8000万円。

前園は2月19日からヴェルディの練習に合流する。3月のワールドカップ(W杯)予選でも代表に選ばれると、3月8日開幕のナビスコ杯予選リーグに出られないため、ヴェルディでの公式戦デビューは4月5日のゼロックススーパーカップになる見通しだ。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は31日、4月からの消費税率引き上げに伴い、たばこの値段が上がるとの報道について記者団に聞かれ「そうだねえ」とポツリ。「たばこの本数は減りそうか」との質問には、ヘビースモーカーの首相らしく「奥さんに小遣いを上げてもらう交渉をしなくてはならないねえ」と冗談交じりに答えた。消費税率引き上げを、首相自身が先頭に立って訴えてきたこともあって「(引き上げの痛みは)分かち合わなくてはならないだろう。僕を含めて喫煙家にはつらいけどね」との優等生答弁も。財政再建のためには自らも血を流す覚悟?

○・・・自民党の加藤紘一幹事長はこの日の党役員連絡会終了後、村上正邦参院幹事長から一昨日のYKKに森喜朗総務会長、亀井静香建設相を加えた五人組会合を指し「党内が静かな時だから、MKYKKとかグループ新世紀の集まりについては、なるべくそういうことがない方がいいのでは」と突っ込まれた。「よく考えてみます」と受け流した加藤氏だが、会合には来週の予算委質問準備の名目で欠席。2月上旬のグループ新世紀の集まりも「新年会」と称し、波風が立たぬよう努力しているだけに、冷たい視線にピリピリ。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】カナダへ出発

橋本龍太郎首相は31日夜、大使公邸人質事件についてフジモリ・ペルー大統領と会談するため、カナダのトロントに向け政府専用機で羽田空港を出発した。フジモリ大統領もペルーを出発。

2月1日午前には両首脳が相次いでトロント入りし、直ちに非公式会談を行う。昨年12月の事件発生以来、両首脳が直接顔を合わせるのは初めてとなる。《共同通信》

橋本龍太郎首相とペルーのフジモリ大統領は31日午後(日本時間1日朝)、カナダのトロントにそれぞれ到着、同日夜(同日午前)トロント市内のホテルで非公式に会談し、リマの大使公邸人質事件の対応をめぐって意見交換した。

会談に先立ち首相は、政府専用機内で記者団と懇談し「保証委員会の枠組みができたのだから、できるだけ早く対話の席に着いてもらいたいと率直に要請する」と強調、フジモリ大統領に対し、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)との直接交渉の場である保証委員会を早期に開始するよう求める意向を示した。

一方、フジモリ大統領は31日付のイタリア紙とのインタビューで人質に危害が加えられた場合、日本政府の同意を得て強行突入する可能性を明らかにした。これに関連して首相は記者団との懇談で「人質に危害が加えられるような事態が起こり、そういうオプション(選択)に進まないことを願っている」とあくまで平和的解決を求める考えを表明した。このため会談では早期交渉開始のプロセスや、武力行使の可能性について調整が図られる見通しだ。《共同通信》



1月31日 その日のできごと(何の日)