平成2926日目

1997/01/11

この日のできごと(何の日)

【ナホトカ号重油流出事故】敦賀にも接近

島根県沖の日本海で沈没したロシアタンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故で、11日タ、金沢市金石海岸と石川県根上町加賀舞子海岸にそれぞれ直径1-7センチ程度の油粒が漂着しているのが確認された。九管本部によると、加賀市から猿山岬にかけての県沖で多数の油塊が認められ、順次、沿岸に漂着する恐れがある。

八管保安本部は、福井県三国町沖で座礁した船首部のほか、船首の四倍の重油を搭載したまま海底に沈んだ船尾部からも重油が流出した可能性が出てきたことから被害拡大を警戒する一方、原発が集まる敦賀半島付近にも漂着の恐れがあるとみている。

金沢市の金石海岸では11日午後3時ごろ、警戒中の市職員が500円玉大の油粒が波打ち際の長さ約100メートルにわたり、2、3メートル間隔で点在しているのを発見、金沢海上保安部職員が漂流油の漂着と確認した。

根上町の加賀舞子海岸でも、11日午後4時16分ごろ、警戒中の消防署員が波打ち際に幅約40メートルの帯状になってこぶし大の油粒が打ち上げられているのを確認、その後、同町の海岸線全域の5.8キロにわたり多数漂着しているのが見つかった。同町は12日朝から住民の協力を得て回収に乗り出す。

関係機関の船舶や航空機にから金沢海上保安部に入った連絡によると、11日午後6時現在、県沖26カ所で重油帯が見つかった。このうち羽咋市滝港沖から門前町猿山岬沖にかけて油膜が点在する帯は長さ41キロ、幅170メートルに及んだ。船首座礁地点に近い福井県三国町梶港付近から伸びた油帯は長さ22キロあり、小松市安宅海岸沖約2キロに達した。

一方、加賀市塩屋から加佐ノ岬にかけての海岸では、地元住民、県、市職員のほか、新たに派遣要請を受けた航空自衛隊員やボラニンティアも加わり、総勢840人が懸命の重油回収作業を続けた。《共同通信》

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【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

テレビ朝日系記者を釈放

極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)が74人の人質を取って立てこもっているペルーの日本大使公邸に、警察当局の許可なく入り取材した後、国家警察テロ対策本部に拘束されていたテレビ朝日系列広島ホームテレビの人見剛史記者(26)とペルー人通訳は11日午後7時半(日本時間12日午前9時半)ごろ、4日ぶりに釈放された。

人見記者は12日未明(同12日午後)、リマのホルヘ・チャベス国際空港からペルーを出国、自宅があるニューヨークに同日朝(同夜)戻った。

テレビ朝日は11日夜、リマ市内で記者会見し、会見に出席しなかった人見記者に代わって天野昌紀取締役(広報担当)らが「人質、家族、関係者に深くおわびしたい」と謝罪。「混乱を避けるため出国してほしいとの当局側の要請を受け入れ出国させた。国外追放ではない」と語った。また、検閲されたものの、返還されたビデオテープなどの取り扱いについては「おそらく放送することになる」と述べた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】ベトナム首脳と会談

橋本龍太郎首相は11日午後(日本時間同)、四番目の訪問国ベトナムのハノイに到着。ボー・バン・キエト首相、最高指導者のド・ムオイ共産党書記長とそれぞれ会談した。

橋本首相はキエト首相との会談で、ベトナムの開放型経済を目指す「ドイモイ(刷新)」路線を支持し、支援していく、と表明し、対ベトナム支援国会合を今年東京で開催する用意があると伝えた。

また両首相は安保対話強化で一致。橋本首相はベトナムの国防次官の訪日を招請した。日本からは村田直昭防衛事務次官が今月下旬にベトナムを訪問する予定だ。

会談に先立ち、日本からベトナムに対し火力発電所建設など9事業に総額810億円の円借款供与と、使途を指定しない無償資金協力30億円供与の書簡交換をした。

キエト首相は会談で、民間企業からの積極的な投資を要請した。橋本首相は投資環境整備のための法整備などの支援、アジア太平洋経済協力会議(APEC)へのベトナム加盟を引き続き支持すると表明した。

ペルーの大使公邸人質事件について、橋本首相は「テロに屈せず、平和的な解決を目指す」と強調。キエト首相も「ペルーと日本の立場を支持する」と述べた。

橋本首相は日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会談など、対話を深めることを提案。特に安保問題で「アジア太平洋地域での平和と安定には米国のプレゼンスと、建設的なパートナーとしての中国の国際社会への参画が不可欠」との認識を表明。キエト首相は中国との関係に一ついて、南沙諸島問題を念頭に「解決しなければならない問題もある。平和的交渉によって解決されるべきだ」と説明した。《共同通信》

【女性のためのアジア平和国民基金】韓国の元慰安婦に償い金

元従軍慰安婦へ償い金の支給を進めている財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(原文兵衛理事長)は11日、韓国の元慰安婦7人に対して、一人当たり一時金200万円と医療・福祉事業として300万円分の計500万円相当を支給するとの目録をソウル市内で手渡すなど支給手続きに入った。

これまで一時金などを受け取ったのは、フィリピンの9人だけで韓国では初めて。韓国では国家賠償を求める元慰安婦が多く、同基金の事業には批判が強かった。この日の受け渡し式は、事前に一切公表されずに行われた。同国民基金側は「非公開を望む元慰安婦の立場を尊重した」と話しているが、韓国政府側が反対する中で実行されたことから、歴史問題をめぐる日本との関係などに大きな影響を与えそうだ。

同国民基金によると、ソウル市内で行われた受け渡し式には5人が出席し、このうち3人がチマチョゴリの正装で臨んだ。元慰安婦は「生きているうちに日本の皆さんの気持ちを受け止めることができてうれしい」「一人一人の話を聞いて真相を究明してほしい」などと話したという。目録のほか「おわびと反省の気持ちを申し上げる」との橋本龍太郎首相のおわびの手紙と日本国民からの償いのメッセージも手渡された。《共同通信》



1月11日 その日のできごと(何の日)