平成2910日目
1996/12/26
この日のできごと(何の日)
【太陽党】旗揚げ
羽田孜元首相と支持グループの奥田敬和元運輸相ら衆参国会議員13人は26日午後、改革勢力の結集を目指した新党「太陽党」を結成。党首に羽田氏、幹事長に畑英次郎氏が就任する。これに先立ち同日午前、国会内で羽田氏ら4人が代表して全員の離党届をまとめ、新進党の西岡武夫幹事長に提出、受理された。
羽田氏は西岡氏に対し「互いに、たゆまざる改革推進などの目標は同じだ。連携をとっていきたい」と述べ、定期的な太陽、新進両党幹事長会談の開催などを呼び掛けた。これにより新進党は結党から2年で分裂した。
太陽党は「真の政界再編を実現する中核となる」ことを基本理念に据えており、今後は新進、民主両党のぼか、自民党の一部との連携も視野に入れた「改革大連合」の結集、政界再々編の成否が焦点となる。
「太陽党」に参加したのは衆院が奥田、熊谷弘氏ら10人、参院が北沢俊美、釘宮磐氏ら3人でぼとんどが旧新生党出身議員。奥田氏は最高顧問に就く見通し。西岡新進党幹事長は羽田氏に対し、熊谷氏の除名問題を党倫理委員会の審査対象から取り下げる考えを明らかにした。
羽田氏は国会内で記者団に対し「発展的に別れていく。日本の政治を機能させるきっかけをつくりたい」と述べた。羽田氏らは26日午後、都内のホテルで結成式を開いた。《北國新聞》
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新党「太陽党」を結成した羽田孜元首相、奥田敬和代議士ら衆参議員13人は26日午後、都内のホテルで記者会見し、羽田氏は「光り輝く野党の中核になりたい。政権奪回を目指し(各党間の)橋渡し役となり新進、民主、(衆院会派の)21世紀とも話し合ってい」と述べた。奥田氏も「改革に向け、野党連合の核になる」と語り、それぞれ政権獲得に向けて太陽党を核にした幅広い改革勢力を結集する考えを強調した。
もっとも羽田氏は、自民党との関係についても「改革しようとする人はいる。呼び掛けることは当然あり得る」と述べ、自民党内の改革勢力と連携する可能性も否定しなかった。一方で羽田氏は次期通常国会で内閣不信任案が出た場合の対応について「政権を奪回する意味でも同調することはあり得る」と述べた。
羽田氏らは新党の基本理念や政策、結党宣言も発表、党首に羽田氏、最高顧問に奥田氏、幹事長に畑英次郎氏を内定した。
基本理念は「すべての政治勢力との対話」が柱。基本政策として①権限、財源の移譲な地方分権の推進②情報公開の徹底による透明政治・行政の実現③農業を含む経済構造の徹底した改革―などを示した。「対立と政争の政治に決別し、対話と実行の政治を目指す」との結党宣言も明らかにした。《北國新聞》
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【在ペルー日本大使公邸占拠事件】
橋本首相、ウルグアイに不快感
橋本龍太郎首相は26日午前、ペルーの日本大使公邸人質事件でウルグアイ司法当局が逮捕していたトゥパク・アマル革命運動(MRTA)メンバーを24日釈放、これに呼応するように人質のウルグアイ大使が解放されたことについて「事態の解決を非常に難しくしたことは事実と判断せざるを得ないし、交渉を難しくした」と述べ、ウルグアイ側の対応に強い不快感を表明した。首相官邸で記者団に語った。
首相は「ウルグアイ政府はなんら連携があったわけでないと(日本に)説明した。説明の真偽は分からない」とした上で、「どういう事情があったにせよ、ウルグアイでMRTAの犯人2人が釈放され、わずかな時間差をもってウルグアイの大使が解放された事実は揣摩憶測を呼ぶものであるし、事態をより難しい状況に追い込んだ事実は否定できない」と、人質解放交渉へ影響を与えるのではないかとの懸念を示した。《共同通信》
グアテマラ大使を解放
ペルーの日本大使公邸人質事件で、公邸の占拠を続けるトゥパク・アマル(MRTA)は26日、グアテマラのホセマリア・アルゲタ大使を解放した。残る人質は103人で、このうち大使は5人になった。《共同通信》
【マラソン・有森裕子選手】プロ宣言
陸上女子マラソンで五輪2大会連続のメダルを獲得した有森裕子選手(リクルート)は26日、来年1月1日付で同社の契約社員になり、カール・ルイス(米国)ら欧米のスター選手では一般的となっている自由な立場での講演やCM出演などをしていきたいとの方針を表明した。
アトランタ五輪で銅メダルに輝き、国民的なヒロインとなった有森選手の実質的なプロ宣言。日本オリンピック委員会(JOC)が加盟各競技団体の所属選手の肖像権を一括管理して、強化費ねん出を図ってきた「がんばれ!ニッポン!」キャンペーンにも大きな影響を与えそうだ。
同キャンペーンのテレビCMには有森選手も出演しているが、JOCに協賛金4000万円を支払って権利を得たスポンサーがCMを作る際、同選手には陸連を通じて300万円が入るだけ。有森選手サイドは自分の責任で自由にCM出演したいとしている。
有森選手は「わたしの意識は常にプロだったが、形としてプロになっていなかった。夢の持てる環境をつくってもらった」とプロ宣言への経過を説明。今後2年間は英語の語学研修に重点を置くため、競技の第一線のマラソンからは離れるが、選手としてロードレースに出場するほか、ボランティア活動など幅広い活動をする意向を示した。《共同通信》
【豊島産廃訴訟】住民側全面勝訴
約50万トンの産業廃棄物が不法投棄された香川県・豊島で、住民237人が産廃処理業者「豊島総合観光開発」と実質的経営者に廃棄物の島外撤去と総額1185万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が26日、高松地裁で言い渡された。山脇正道裁判長は住民側の請求を全面的に認め、業者側に産廃の島外除去と請求と同額の慰謝料の支払いを命じた。
豊島の産廃問題で賠償や撤去責任などをめぐる司法判断は初めて。国の公害等調整委員会で進む調停や全国各地の産廃をめぐるトラブルに与える影響は大きい。
山脇裁判長は判決で、処理業者は昭和55年ごろから許可外の産業廃棄物を搬入、野焼きするなどして、ダンプカーによる騒音・振動のほか、ばい煙や刺激臭を発生させ、有害物質で土壌、地下水などを汚染させた、と認定。業者が産廃処理を始めるに当たり、公害を懸念する住民側と結んだ裁判上の和解条項に明らかに違反しているとした。
業者側の「自動車破砕くずは金属回収の原料で、産廃ではない」などの反論に対し同裁判長は「脱法のロ実」と言い切り「業者には廃棄物を撤去する意思も能力もなく、異例なほど悪質な違反行為だ」と指摘した。
住民側は昭和52年、産廃処理場建設差し止めを求めて同地裁に提訴。翌年①汚泥、木くずなどの事業に限るとの許可条件を守る②住民の生活に損害を与えた場合は賠償する③公害発生時には操業停止か産廃除去の措置を講じる−などの内容で和解した。
ところが、業者は平成2年に兵庫県警に摘発されるまで自動車の破砕くずなどを搬入し続けたため、住民が今年2月に「生活上の被害を受け、豊島のイメージも低下、一次産品の売り上げが落ちた」などと、和解条項違反を理由に、今回の訴訟を起こした。《共同通信》