平成2911日目

平成8年12月27日(金)

1996/12/27

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

橋本首相、年末年始も外務省へ

橋本龍太郎首相は27日夜、公邸での仕事を終えて都内のホテルへと移った。久美子夫人ら家族と1月3日まで過ごすが、ペルーの大使公邸人質事件の情報把握と指揮に当たるため、外務省のオペレーションルームに原則として1日1回は訪れる予定。首相にとって年末年始も気の休まることはなさそうだ。

首相は人質事件に配慮して、「状況の変化があってもすぐに対応できるように外出を控える」(首相周辺)ことにしており、私的な日程はほぼキャンセルした。

元旦の皇居での「新年祝賀の儀」に出席するが、首相公邸での新年祝賀行事は中止。外出するのは母校慶大剣道部のけいこ始めと4日の伊勢神宮参拝程度。伊勢にはヘリコプターを待機させ、いつでも帰れる態勢を取る。《共同通信》

ペルー国会、政権支持

ペルー国会は27日、今年最後の本会議を開き、リマの日本大使公邸人質事件へのフジモリ政権の対応を全面的に支持するとの決議を、圧倒的多数で採択した。 本会議後、ビクトル・ホイ・ワイ国会議長は報道陣に対し、内外のメディアが事件について憶測を交えた報道をしていると不快感を表明。事件解決に悪い影響を与えないため「各議員がマスコミへの発言を自粛することを申し合わせた」と述べ、今後、秘密主義を徹底させる方針を明らかにした。

またペルー政府は同日付の官報で、人質事件発生翌日の18日、リマ首都圏に非常事態令を発令した、と発表した。施行期間は60日間。警察が令状なしに容疑者を逮捕できるなど反政府活動の取り締まりが強化される。

一方、政府消息筋によると、フジモリ大統領は27日、司法相や国防相らを大統領府に呼び、事件への対応を協議した。極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)メンバーの疲労状態など、公邸内の状況に関する情報について分析したもようだ。

駐ペルーのフランス大使館は27日(日本時間28日未明)、先進7カ国(G7)とロシアがまとめた議長声明の内容を8カ国を代表してフジモリ・ペルー大統領に伝えるともに、平和的手段での解決をあらためて求めた。《共同通信》



【太陽党】新体制が発足

太陽党は27日、結党後初の議員総会を開き、党運営のかなめである幹事長に畑英次郎、政務調査会長に栗屋敏信、総務会長に前田武志、最高顧問に奥田敬和の各氏を充てるなどの役員人事を決定した。党首にはすでに羽田孜氏が就任しており、これで同党の執行部体制が固まった。

羽田党首らはこの後、首相官邸に橋本龍太郎首相(自民党総裁)を訪ね、新党結成のあいさつをした。羽田氏は「内閣のなすことに対しては友人といえども正面から申し上げる」と述べ、野党の立場から直言する考えを表明。

ペルーの日本大使公邸人質事件について、首相が「気を抜くことなく対処するので、協力を願いたい」と述べたのに対し、羽田氏は「解決に向けて努力したい」と全面協力を約束した。

太陽党の羽田孜党首は27日午後、JR新宿駅西口で結党後初の街頭演説に立ち、「自民党という大きな極に対するもう一つの健全な極をつくる。改革を進める政権のための大連合をつくる核になりたい」と改革勢力結集を目指す同党に支持を訴えた。

またペルーの日本大使公邸人質事件については「与野党の違いなく結束して一日も早い解決をしなければならない。日本の現状はそれほど難しい」と述べ、政府に協力する考えを明らかにした。さらに同党の政策について「地方分権が進めば、行財政改革も進む」と説明、地方分権推進を重視する考えを強調した。

これに先立ち、羽田氏は共産党や連合などに新党結成のあいさつ回り、友愛会に支援を要請した。連合の芦田甚之助会長は「自民党は巨大であり、一強六弱になるのは困る。連合としては政権交代可能な政治勢力が必要だ。頑張ってほしい」と激励した。《共同通信》

【民主党・鳩山由紀夫代表】羽田構想に消極姿勢

民主党の鳩山由紀夫代表は27日午後、北海道苫小牧市内のホテルで講演し、羽田孜太陽党党首の目指す改革大連合構想について「接着剤となって民主党と新進党をくっつけ、大野党連合をつくろうという短兵急な主張は納得できない。最初からそのような目的を持って行動すべきでない」と述べ、消極的な姿勢を示した。

その理由として鳩山氏は「新進党にはオレンジ共済疑惑があり、執行部中枢を打撃する事態となる」と指摘し「このような時期に民主党として野党大共闘を組むのにどれだけの正当性があるのか」と述べた。

鳩山氏はかねてから羽田氏と政策勉強会などで関係を深めてきたことを明らかにしたが、離党時期については「総選挙前で、共に行動できていたら民主党の姿がどうだったか、やや残念な思いがする」と、時期を失したとの認識を示した。《共同通信》

【新進党】18兆減税重ねて主張

新進党の小沢一郎党首は27日午後、国会内で記者会見し①総額18兆円規模の大幅減税②多国籍軍などの国連平和維持・回復活動参加を認める「安全保障基本法」制定―を柱とする「日本再建のための基本政策構想案」を発表した。

来年1月9日の所属国会議員による討議を経て、政権奪還に向けた「小沢ビジョン」として正式に決定し、通常国会に「日本再建基本法案」(仮称)を提出する。

小沢氏は衆院選での敗北、羽田孜元首相らの太陽党結成などで厳しい党運営を迫られており、政策面の独自色を打ち出し、党内の結束強化、求心力の回復を図る狙いがあるとみられる。しかし多国籍軍への参加容認には党内に慎重論も多く、最終取りまとめまで曲折がありそうだ。

政策構想は、来年4月からの消費税率引き上げを「阻止」し、2000(平成12)年度まで現行の3%に据え置くとともに、所得税、住民税を半減、法人関係税を現行50%から40%に軽減するなどして18兆円減税が可能としている。先の総選挙で公約として掲げた大幅減税案をあらためて打ち出したものだ。

安保基本法案には、集団的自衛権の行使は認めないことを明記。国連の平和維持・回復活動への参加は憲法が認めているとの解釈に立っており、事前の国会決議などを「歯止め」として設けている。《共同通信》

【山口敏夫元労相】1年ぶり保釈

東京協和、安全旧2信用組合(現整理回収銀行)の乱脈融資事件で背任、詐欺などの罪に問われ、公判中の元労相で前衆院議員山口敏夫被告(56)が27日、昨年12月の逮捕以来約1年ぶりに保釈された。

東京・小菅の東京拘置所を出所した直後、山口被告は報道関係者に「疑惑があるなら逮捕してみろと、望んで逮捕された。1年という短い時間だったけれどもいい勉強になった。(政治活動は)人間修行をしてから」と述べた。

拘置期間は388日に及び、国会議員の時に逮捕、起訴された被告としてはゼネコン汚職事件の元建設相で衆院議員中村喜四郎被告(47)の139日を超え、過去最長だった。

東京地裁は山口被告側の申請を受け、26日に保釈を決定。保釈保証金1億円は27日午前に納付された。

山口被告は東京地検特捜部の在宅起訴前の取り調べを拒否。衆院の逮捕許諾議決を経て、昨年12月6日、逮捕された。逮捕の際には自ら東京地検に出頭した。

同月27日に両信組から実姉の会社に約27億円を不正融資させた背任、米国での大学設立をめぐる約1億7000万円の詐欺のほか、関連財団の資産の担保流用(業務上横領)、衆院予算委員会での偽証(議院証言法違反)の計4罪で起訴された。公判では起訴事実を否認して争っている。《共同通信》



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