平成2892日目
1996/12/08
この日のできごと(何の日)
【蒲原沢土石流災害】亀井建設相、土石流発生の原因究明へ
長野県小谷村の土石流災害で、発生直後から現地入りしていた亀井静香建設相は8日帰京、建設省で記者会見し「通常余地予測できないような条件下で起きた」として、今後、農水省と協力して原因調査委員会を設置して原因究明に当たることを明らかにした。
建設相は災害当時の気象条件について「降雨量も4、5ミリで、雪もそうたいして降っていない。建設省の(土石流警戒)基準の4分の1か、5分の1の条件で発生している」と説明。「現時点では予測し得ない災害だったと判断している」と述べた。
土石流警戒など安全対策の見直しについては「災害にはショックを受けており、地盤などその地域、地域の条件なども加味して慎重に考えていかなければならない」と語った。
また業者が土石流を警戒するセンサーを設置していなかったことには「業者にどこまでやらせるのか。建設コストにもはね返るし…」と述べるにとどまった。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【福岡国際女子柔道】最終日
柔道の福岡国際女子選手権最終日は8日、福岡市の福岡国際センターで4階級を行い、注目されたアトランタ五輪の銀メダリスト、田村亮子(帝京大)は48キロ級で大会7連覇を達成した。日本勢はまた、52キロ級の永井和恵(ダイコロ)、56キロ級の杉村英子(ミキハウス)がともに初優勝。この結果、日本は今大会、実施された8階級中3階級を制した。《共同通信》
アトランタ五輪後初の公式戦だった田村は準決勝で李愛月(中国)に苦しみながらも、判定で優勢勝ち。決勝は五輪3位のアマリ・サボン(キューバ)に背負い投げで効果を奪うなどして勝った。
永井は決勝で五輪銅メダリストの菅原教子(ダイコロ)に判定で優勢勝ち。杉村は決勝で朴美姫(韓国)と対戦し、払い巻き込みで効果を奪って退けた。無差別級は五輪の72キロ超級で優勝した孫福明(中国)が制した。《共同通信》
【全日本実業団対抗女子駅伝】沖電気宮崎が初優勝
陸上の全日本実業団対抗女子駅伝は8日、岐阜県長良川陸上競技場を発着とする6区間42.195キロのコースに31チームが参加して行われ、沖電気宮崎が2時間15分14秒で初優勝した。2位はリクルートで27秒差、3位は旭化成だった。
沖電気宮崎は1区で岡本幸子がトップに立ったが、2区で6位に後退する展開。徐々に追い上げて、5区でアトランタ五輪1万メートル7位の川上優子が区間新の快走でリクルートから首位を奪い、逃げ切った。
リクルートは1区で同五輪5000メートル4位の志水見千子が7位と出遅れたのが響いた。旭化成は同五輪1万メートル5位の千葉真子が力走したが、及ばなかった。《共同通信》
【自民党・加藤紘一幹事長】福祉予算見直し強調
自民党の加藤紘一幹事長は8日、仙台市で開かれた同党宮城県連主催の政経セミナーで講演し、厚生省汚職事件に関連し「特別養護老人ホームの施設、建設費を丸投げして2億円もうかる単価でやっていいのか。福祉行政の経費は聖域とみられていたが、踏み込んで議論しないと国民に税負担をお願いできない。徹底した議論と経費見直しをやらないと福祉は進まない」と述べ、福祉予算の在り方を見直す考えを強調した。
また老人介護に関連して「自宅で介護している家庭は所得控除しか受けられないが、税額控除ぐらいに税金をまけてもよいのではないか」と述べ、在宅介護者への税制優遇策を強化すべきだとの見解を示した。《共同通信》
【自民党・野中広務幹事長代理】団体献金を透明化
自民党の野中広務幹事長代理は8日のNHKの討論番組で、厚生省汚職事件で浮き彫りになった公益法人などからの政治献金について「補助金や役所の権限とかかわる団体やその政治連盟の献金については、党としてメスを入れ透明化していく」と述べ、団体献金の透明化に前向きな姿勢を示した。
新進党の西岡武夫幹事長も「おのずから自己規制が必要だ」と同調した。社民党の伊藤茂幹事長は、今回の事件を契機に公務員だけでなく政治家も対象に一定額以上の金品を受け取った場合に届け出を義務付ける「公務員倫理法」を制定すべきだとの考えを重ねて表明。野中氏は「やぶさかでない」と応じ、新進、民主、共産各党の出席者も賛意を示した。
一方、新進党などから提出されている消費税率据え置き法案の扱いについて野中氏は「(今国会で)採決してきちっとすべきだ」と述べた。《共同通信》
【蒲原沢土石流災害】新たに1遺体
14人が死亡、行方不明となった長野県小谷村の土石流災害で、長野、新潟両県警、陸上自衛隊などは8日も約1600人態勢で捜索を続行し、新たに女性の遺体を発見した。長野県警は8人目の死亡者とみて、身元の確認を急いでいる。残る不明者は6人となった。
切り立ったV字谷がうねるがけ下の河原に、遺体は土砂や建設資材と一緒に2キロ以上も流されていた。捜索活動が再開された現場では、二次災害を避けるため、約11時間止められていたパワーショベルのエンジン音が深い谷に響く。無残な姿で発見される新たな遺体。捜索を続ける消防団員らの顔にも疲れが見えた。
正午前、救急車がサイレンを鳴らし、災害現場から約2キロの姫川下流に急行した。河原に散っていた約60人の警察官らが幅約50メートルの河原の中央に集められた。やがて女性の上半身とみられる遺体が青いビニールシートで覆われた。そのまま救急車の後部に運び込まれた。午後にもひざから下の足なども見つかった。《共同通信》
【B737-700】お披露目
米航空機メーカー、ボーイングは8日、米レントンの工場で、B737新型機3タイプのうちの第1号機B737-700を公開した。
シリーズ第1号機の737-100がデビューしてほぼ30年、737機の売却は3600機近くにも上り、このうち、新シリーズの600タイプ、700タイプ、800タイプに対する注文も計501機に達した。
新型機は従来の同機より広い翼を持ち、燃料消費が少ない。速度も速く、従来型のB737より約1600キロ長い、約5500キロの航行が可能。《共同通信》
【大相撲・鏡山親方】死去
大相撲で大鵬(現大鵬親方)とともに「柏鵬時代」を築いた47人目横綱柏戸の鏡山親方が8日午後9時55分、肝不全のため入院先の東京都文京区の病院で死去した。58歳だった。山形県出身。
鏡山親方は山形・鶴岡南高を中退して昭和29年秋場所で初土俵を踏んだ。早くから有望力士として期待され、33年秋場所、19歳で新入幕。35年名古屋場所後に大関に昇進、翌36年秋場所後に大鵬とともに横綱にアベック昇進した。
横綱在位中は糖尿病やけがなどに悩まされ、記録面では大鵬に差をつけられた。しかし“柔”の大鵬に対し、男らしい風ぼうと、土俵上を一直線に走る豪快な取り口の“剛”のイメージで、多くのファンを引きつけた。
優勝は5回で、44年名古屋場所中に引退、年寄「鏡山」を襲名して鏡山部屋を興し、元関脇多賀竜(現勝ノ浦親方)らを育てた。相撲協会でも57年から理事6期12年務め、審判部長の要職に就いた。
腎臓病の持病から平成6年に理事を降り、以降は監察委員として土俵に目を光らせていたが、体調を崩して入退院を繰り返していた。《共同通信》