平成2813日目

1996/09/20

この日のできごと(何の日)

【オウム真理教・松本智津夫被告】第9回公判

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第9回公判が20日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、元幹部井上嘉浩被告(26)が地下鉄サリン事件の事前謀議について「松本智津夫氏の面前で、村井秀夫(元幹部)さんが『地下鉄にサリンをまけばいいんじゃないか』と提案した。松本氏は村井さんに『お前が総指揮でやれ』と指示した」と、松本被告が犯行を命じた経緯を証言した。

その際、井上被告は「硫酸をまけばいい」と発言したが、松本被告は「サリンじゃないと駄目だ」と話し、サリンを散布する実行者5人もその場で決まったという。事前謀議の内容は検察側がこれまで明らかにせず、共犯被告の供述調書の開示も制限してきたため、井上被告の証言で初めて詳述された。

この日の公判で、井上被告は松本被告を見ないまま証言台に立ち、手を震わせながら宣誓書を読み上げた。証言はこれまでの自分の公判とは異なり、ほとんど聞き取れないほどの小声で、松本被告を「松本智津夫氏」と呼んだ。

松本被告は一度だけ苦笑したが、ほとんど無表情で証言を聞いた。証言が小声のため、松本被告の弁護団は『もっと大きな声で』と二度にわたって申し立てた。

井上被告の証言によると、事前謀議は事件2日前の昨年3月18日未明で、会食からの帰途の大型乗用車の中だった。車には松本、井上両被告、村井元幹部のほか、元幹部遠藤誠一被告(36)、元教団顧問弁護士青山吉伸被告(36)、起訴されていない元幹部の6人が乗っていた。

松本被告は青山被告から警視庁の強制捜査が迫っていると報告を受け、捜査をかく乱するとして犯行を指示。地下鉄で散布するサリンの製造は遠藤被告に打診。遠藤被告は「条件が整えば作れるのではないか」と答えたという。

実行者5人の人選では、村井元幹部が自分の部下の4人を提案。松本被告が元幹部林郁夫被告(49)を加えるように指示したと証言した。

謀議の証言に先立ち、井上被告は救済を説いた松本被告の教義「ヴァジラヤーナ」について説明。「グル(松本被告)は絶対的導師だった」と述べた。その後、教団が武装化していく経緯を松本被告の説法を引用しながら詳述。松本被告が2年前、幹部らに「これからはテロしかない。お前たちには死んでもらう」と述べていたことも明らかにした。

検察側は19日の林被告に続く「師弟対決」で、事件の共謀から実行までを立証する方針。林被告は村井元幹部から松本被告の犯行指示を伝えられ、地下鉄千代田線にサリンを散布した経緯を証言している。《共同通信》

オウム真理教の松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第9回公判は20日午後も東京地裁(阿部文洋裁判長)で続き、地下鉄サリン事件の共謀状況について元幹部井上嘉浩被告(26)が「松本被告は事件直前、サリンの袋が入った段ボール箱に触れて『この中に入っているんだろ』と話し、エネルギーを込める儀式をした」と証言した。松本被告が散布されたサリンを確認していたとの指摘は初めて

また、松本被告はサリンを散布する実行者に加え、送迎する運転手も指名していたと証言。「車中謀議」後も事件を主導していたことを詳述した井上被告の証言は、松本被告側に大きな打撃を与えそうだ。

国選弁護団によると、松本被告は井上被告の証言について「めちゃめちゃだ。事実と違う」と話したという。

証言によると、松本被告は事件前日の3月19日午後、村井秀夫元幹部=死亡当時(36)=から「運転手はどうしましょう」と尋ねられ、元幹部新実智光被告(32)ら5人を指名した。《共同通信》

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【坂本弁護士一家殺害事件】松本被告に賠償命令

坂本弁護士一家殺害事件で、坂本さちよさん(64)ら遺族4人がオウム真理教教団と松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=ら教団幹部6人に、総額約4億9000万円の損害賠償を求めていた裁判で、答弁書を提出しなかった松本被告の判決が20日、横浜地裁で言い渡された。

高野芳久裁判長は、「松本被告は出廷せず答弁書も提出しないので、請求事実を争わないと認められる。自白したとみなす」として原告側の請求通り松本被告に約4億9000万円の支払いを命じた。 原告は坂本堤弁護士=当時(33)=と妻都子さん=当時(29)=のそれぞれの両親。

坂本弁護士一家殺害事件で、オウム真理教の松本智津夫被告に横浜地裁で損害賠償を命じる判決が言い渡された20日、原告側の遺族が記者会見し、母親の坂本さちよさん(64)は「麻原は自分が犯した罪の意味を理解してほしい」などと話した。

判決について、さちよさんは「本音を言えば、お金や麻原の謝罪の言葉よりも、3人の命が欲しい」と涙を浮かべて語り、教団に対する怒りと悲しみを新たにしていた。さらに松本被告が欠席、答弁書も提出しなかったことについては「人間らしい気持ちを持ってもらうことを望みたい」と話した。《共同通信》

【江陵浸透事件】男2人を発見

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の潜水艦による武装スパイ潜入事件で、韓国の軍・警察当局は20日朝、江原道江陵市の山中でランニニングシャツ姿の武装スパイとみられる男2人を発見、追跡した。2人はそれまでの銃撃戦で銃弾が尽きたとみられる。同市江東面では軍・警察と武装スパイの間で19日夜から20日未明まで散発的な銃撃戦があった。軍・警察当局は数千人を動員し、大規模な捜索をこの日も展開した。

また、18日に遺体で発見された武装スパイ11人は、自動小銃で撃たれたとみられるが、現場からは自動小銃が発見されておらず、「自殺」ではない可能性も高い。捜査関係者は、偵察要員など戦闘要員が、逃走能力の劣る潜水艦の乗組員を射殺して逃走した可能性もあるとしている。《共同通信》

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の潜水艦による武装スパイ潜入事件で、韓国の軍・警察当局は20日、韓国に潜入し現在逃亡している武装スパイは7人と判断、江原道江陵市を中心に約4万人で大規模な捜索活動を続けている。

聯合通信によると、逮捕された武装スパイの李グァンス容疑者(31)は、今回の潜入の目的は民間防衛訓練や軍事基地である江陵飛行場、軍事用アンテナの偵察であると明らかにした。

李容疑者は、潜水艦で潜入したのは指導員2人、偵察要員3人、案内要員2人、潜水艦搭乗員19人の計26人と供述。これまで射殺されたり、死体で発見された18人の写真などと照合した結果、偵察要員3人、案内要員2人、搭乗員2人の7人が逃亡中とみられる。

供述によると、偵察要員3人はそれぞれ韓国軍の迷彩色戦闘服を着て、韓国軍のM16自動小銃1丁、実弾90発、短銃1丁、手りゅう弾2個、カメラ1台ずつを携帯、案内要員2人も迷彩色戦闘服に短銃とM16を持っている。李容疑者本人は搭乗員の戦闘要員だという。

潜水艦は14日午前5時に北朝鮮咸鏡南道の退潮湾を出発、15日午後7時に江陵市沖に到着し、同9時に偵察要員3人と案内要員2人の計5人が上陸した。17日午後8時半に5人を乗せたが潜水艦が座礁。このため18日午前1時半に偵察要員3人が再上陸し、李容疑者と案内要員2人がその後上陸したという。《共同通信》

【大相撲秋場所13日目】

大相撲秋場所13日目(20日・両国国技館)2敗力士がなくなり、横綱貴乃花が初日から13連勝で4場所連続、15度目の優勝を決め一た。ただ一人2敗で追っていた大関武蔵丸が、関脇貴闘力に押し出されて3敗。貴乃花は関脇魁皇に終始右上手を与えずに送り出した。13日目の優勝決定は、平成3年名古屋場所の琴富士以来、五年ぶり。優勝15回は、輪島を抜いて単独史上4位。4連覇は、自身初で、昭和63年夏場所から九州場所にかけて千代の富士が記録して以来、8年ぶり。二子山部屋勢の優勝は9場所連続となった。

横綱−大関戦は、若乃花が曙をはたき込んで10勝目。曙は9勝4敗。大関貴ノ浪は旭豊に外掛けで勝って9勝目を挙げた。武蔵丸を下した貴闘力も9勝目。貴乃花に完敗した魁皇は7勝6敗となった。小結武双山は琴稲妻に元気なく敗れて6勝7敗。新入幕のモンゴル出身、旭鷲山が勝ち越しを決めた。十両は単独トップの栃東が連敗を2で止め11勝目、10勝3敗で新十両の出島が追っている。《共同通信》

【鹿児島県知覧町】自殺した中3男子の両親が遺書公開

鹿児島県知覧町の町立知覧中学校3年生の男子生徒(14)が18日、いじめを苦に自殺した問題で、両親が20日、生徒が残した遺書を公開した。遺書はいじめていた生徒8人の実名を挙げ「死んで、きさまらをのろってやる。おれが死ねばいじめはかいけつする」(原文のまま)などと書かれていた。

遺書は3枚あったが、公開したのは家族あての2枚を除く1枚。B5判のノートに書かれた遺書には「生きていきたくない。なぐられたり、けられたり、いろんなことをしてくれた。いままでにパシリにされた人やうたれた人は何十人もいる。こいつらに合計五万ぐらいはつぎこんだ」(同)など、いじめが他の生徒にもあったことや、現金をとられていたことが示された。

生徒の父親は「息子の死を無駄にしないため、またいじめた生徒らに反省してもらうために公開した」という。《共同通信》

【政府】臨時国会27日召集を閣議決定

政府は20日午前の閣議で、第137臨時国会を27日に召集することを決めた。橋本龍太郎首相は冒頭解散を断行する考えで、10月8日公示と同20日の投票に向け、各党は臨戦態勢に入った

。これに対し、村山富市社民党党首と井出正一 新党さきがけ代表は都内で会談し、所信表明演説と代表質問を引き続き首相に要求することで一致。村山党首は記者会見で「必要があれば党首会談を行うべきだ」と述べた。

梶山静六官房長官は閣議後の記者会見で「首相は3党党首会談で一任を取り付けた」としており、与党内の不協和音が強まりそうだ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は20日、首脳会談のため官邸を訪れたハワード・オーストラリア首相から「総選挙の日取りは決まりましたか」と出迎えた玄関でいきなり質問を受けた。橋本首相は「いろいろありがとう」とはぐらかしたが、会談後の共同記者会見でもハワード首相が「(この後の昼食会で)選挙の話もでるでしょう」と再び口にすると、「心臓に悪いコメントが出たところで」とさっと会見を切り上げてしまった。「良い関係が築けた」と胸を張った橋本首相だが、率直な質問が出るのも仲の良くなった証拠?

○・・・新進党の海部俊樹元首相はこの日、埼玉県川口市で開かれた労組の大会であいさつ。自民党が14省庁に再編する行革案をまとめたことについて「本当に(国会に法案を)出す気が自か相あるなら出してもらい、あい交わるところはやれば、やれる」と自民党の行革の姿勢を疑問視。「明日の内閣の姿や枠組みをモデルにして提示できるはずだ。国民の前で議論しなければならない」と勇んだ。新進党は既に15省庁に再編する案をまとめており、総選挙を前に行革の本家本元、だと強調することしきり。《共同通信》

【民主党】スローガンを発表

「民主党」設立委員会代表の菅直人厚相と鳩山由紀夫氏は20日午後、都内のホテルで記者会見し、民主党のシンボルマークやスローガンなどを発表した。シンボルマークは、赤色の円内に民主主義の英語「DEMOCRACY」の頭文字「D」をあしらったデザイン。スローガンは「市民が主役の民主党」とした。

また結党大会を28日か29日に開催することとし、菅氏はそれまでにさきがけを離党する意向を表明。ただ厚相ポストについては「(衆院選後の)特別国会まで職務を全うしたい」と述べた。一方、鳩山氏は党首など人事の在り方を含めた規約づくりを進め、結党大会までに人事を決定する考えを示した。

会見に先立ち開かれた幹事会と総選挙対策本部の合同会議では、衆院選の候補者選考基準として①現職と新人は対等②行政改革についての過去の実績③女性重視―など8項目を決定した。《共同通信》



9月20日 その日のできごと(何の日)