平成2811日目

1996/09/18

この日のできごと(何の日)

【江陵浸透事件】

韓国北東部の江原道・江陵市の海岸で18日未明、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のスパイ船とみられる潜水艇が座礁しているのが発見され、韓国軍と警察当局は北朝鮮のスパイがこの潜水艇で韓国に潜入したとみて非常警戒態勢を敷き、捜索活動を展開した。

韓国国防省スポークスマンは「北朝鮮軍の潜水艇が潜入したことは明確な挑発行為であり、重大な休戦協定違反である」と北朝鮮を非難した。韓国当局は、潜水艇の大きさなどから逃走している人数は5、6人から10人前後とみている。《共同通信》

韓国北東部の江原道江陵市付近で18日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の潜水艦が座礁して発見された事件で、韓国の軍・警察当局は同日午後5時ごろ、座礁した地点から南西約5キロの同市江東面の山中で北朝鮮の武装スパイとみられる11人の遺体を発見した。逃亡できず集団で短銃を使い死を選んだとみられる。

また、別の地点で武装スパイ1人を逮捕した。聯合通信によると、逮捕されたのは北朝鮮の人民武力(国防)省所属、李グァンス容疑者(31)で、調べに対し「座礁した潜水艦には20人が乗っており、全員が人民武力省偵察局所属」と供述、死亡した11人は潜水艦の乗組員で、残り8人は逃亡しているという。韓国軍は、逃亡した8人の捜索を続けている。

同通信によると、江陵市で同日午後10時前、逃走中の武装スパイとみられる2人と韓国軍・警察が約15分間、銃撃戦を行い、2人は逃走。同市ではこのほか、不審な人物を目撃したという住民の通報が相次ぎ、夜遅くまで緊張に包まれた。韓国国防省は、明確な挑発行為と北朝鮮を非難、対話が中断したままの南北関係はさらに冷却化しそうだ。

遺体で発見された11人は全員軍服ではなく、私服を着ており、運動靴姿だった。

李容疑者の供述によると、潜水艦は16日に北朝鮮東海岸の元山を出発したが、17日午後4時ごろ機関が故障し漂流、江陵沖で座礁した。

韓国国防省によると、座礁した潜水艦は長さ30メートル。当初の見方より10メートル近く長く、国防省は潜水艇ではなく潜水艦と断定した。

KBSテレビによると、艦内の捜索で、乗組員8人と氏名不詳の韓国潜入予定者2人のリストが発見された。2人は朝鮮労働党作戦部元山連絡部の所属という。

聯合通信によると、艦内からはまた、金正日・人民軍最高司令官(書記)の命令に従い任務を遂行する、とA4サイズの紙に書かれた決議文が見つかった。

韓国軍は同日未明から全軍に非常警戒令を発令、潜水艦の座礁地点から半径50キロ以内に三重の包囲網を敷き、戦艦、ヘリコプターなどを投入、軍・警察計約2万人を動員して捜索を続け、国道などでは検問を強化していた。《共同通信》

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【大相撲秋場所】11日目

大相撲秋場所11日目(18日・両国国技館)横綱貴乃花は落ち着いた相撲で旭豊を送り出し11戦全勝。横綱曙は右四つから安芸乃島を寄り倒し2敗を堅持した。大関同士の一戦は武蔵丸が突き、押しで若乃花を圧倒し2敗に踏みとどまった。若乃花は3敗。大関貴ノ浪は小結琴錦に押し出され4敗目。琴錦は勝ち越しを決めた。関脇貴闘力は小結武双山を突き出し7勝目を挙げた。この日の結果、幕内は全勝の貴乃花を2敗で曙、武蔵丸のハワイ勢が追う展開。十両の栃東は敗れ、連勝は10で止まったが、依然単独トップ。《共同通信》

【明石海峡大橋】橋げたが完成

神戸市と淡路島(兵庫県)を結ぶ世界最長のつり橋、明石海峡大橋(3910メートル)で18日、橋げたの完成を祝う「閉合式」が開かれ、橋中央部で最終ボルト締めや初渡りが行われた。

式には本州四国連絡橋公団の藤原良一総裁や見原俊民兵庫県知事、円藤寿穂徳島県知事ら地元自治体、エ事関係者ら約250人が出席。

同大橋は昭和63年5月に着工。阪神大震災で2本の主塔の間が約80センチ広がるなどして工事が約1力月間中断したが、今月7日には、路面の基礎になる鉄板の敷設を終え、当初の予定通りに橋げたが完成した。

今後はケープルの防食加工や塗装、海面上の主塔の基礎部分に緩衝材を取り付ける作業などを経て、来年には路面の舗装に入り、10年春の開通を目指す。《共同通信》

【鹿児島県知覧町】中3男子生徒がいじめを苦に自殺

鹿児島県知覧町の町立知覧中学校の3年生の男子生徒(14)が18日に首つり自殺をしていたことが19日分かった。遺族によると、遺書には同級生ら6、7人の実名を挙げ、殴られたり現金を要求されたりした、などと書かれていた。

中学側が19日に実施した3年生への聞き取り調査でも、無言電話や集団暴行、ジュース代の支払いを強要されたなどの証言があり、度重なるいじめを苦に自殺したとみられる。《共同通信》

【社民党】事実上の分裂

社民党は18日未明の常任幹事会で、「民主党」への参加問題と次期総選挙への対応について①次の総選挙は社民党として戦う②衆院選の予定候補者が民主党に参加することは拒まない−を柱とした見解をまとめた。鳩山由紀夫氏らの「公認候補選別の論理」に反発、12日の同幹事会で決定した分党方式による「丸ごと参加」の方針を撤回し、社民党のまま総選挙を戦うことを鮮明にしたものだ。

17日の民主党設立委員会には、社民党から衆参両院議員15人が出席、入党する意向を示しており、社民党は事実上、民主党参加組と残留組の分裂状態となった。「第三極」は社民、さきがけ、民主の3党に分かれ、選挙戦に臨むことになる。社民党からの民主党参加者は20−30人に上るとの見方が出ている。この見解は、今月23日に開かれる全国幹事長会議に報告される。見解では、参院議員や地方議員の処遇に触れていないが、執行部は、離党した場合「(除名など)処分の対象になる」としている。

民主党参加問題では、村山富市党首が17日午前の常任幹事会で「排除をせず、大同団結しようということは大きく崩れていると見ざるを得ない。方針を白紙に戻して社民党で総選挙を戦うということで臨みたい」と述べ、民主党合流方針の撤回を提案した。

これに対し、佐藤観樹幹事長らが抵抗、幹事会はこう着状態になったため、佐藤氏らが17日夜、菅直人、鳩山由紀夫両氏ら民主党設立委員会の幹事会メンバーと会い、候補者選別問題などをただした。しかし「選別の懸念は解消されなかった」(常任幹事の一人)。

このため常任幹事会は17日深夜から18日午前4時まで協議した結果、「新しい政治勢力形成の努力を実らせることができなかった」として村山氏の提案が了承された。23日は当初、党大会に次ぐ議決機関である全国代表者会議を開く予定だったが、「責任問題が出かねない」(幹部)ことから、執行部の責任追及を回避するため幹事長会議に切り替えた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の深谷隆司東京都連会長は18日、記者団に「民主党は大したことないよ」と強気の弁。同党結成に動いている地元のライバル、鳩山邦夫氏が念頭を離れないのか「偉くなったものだ。まるで自民党の総裁選候補を呼びつけて面接した小沢一郎」と、社民党参加議員らの「選別」を主張する邦夫氏にきつい皮肉。社民党議員の対応についても「みんな(鳩山氏らに)お世辞をいうのかなあ」。もっとも、都連は、現職が小選挙区で落選しても比例で「救済」される重複立候補を決めているだけに、“口撃”も迫力不足。

○・・・志位和夫共産党書記局長はこの日の記者会見で、「民主党」の鳩山由紀夫氏が消費税率引き上げに慎重姿勢を見せ始めたことについて「与党として二人三脚で増税を進めた反省なしに、選挙目当てでスローガンを打ち上げるのはいかがなものか」とちくり。「共産党以外の政党は(税率を引き上げての)直間比率の抜本見直しの政策で一致している。将来は二けたの&税率になるのは間違いない」と指摘した。解散間近で消費税引き上げ凍結論が各党に広がる中、こっちこそが消費税廃止の「老舗」と、アピールすることしきりだった。《共同通信》

【菅直人氏】総辞職まで厚相

菅直人厚相は18日夕、注目されている閣僚としての去就について、橋本龍太郎首相から慰留を受けた事実を明らかにし、「私自身は(総選挙後の)特別国会で全体として総辞職するまで、閣僚の仕事をきちんと成し遂げたい」と述べ、民主党への参加後も当面、閣僚ポストにとどまる考えを強調した。厚生省内で記者団の質問に答えた。

菅厚相によると、民主党参加を決めたことで閣僚として進退伺が必要か非公式に話をしたところ、首相から「そういうものを出しても受け取らない。最後まできちんとやってくれ」と言われたという。《共同通信》

【自民党・加藤紘一幹事長】民主党はパートナー

自民党の加藤紘一幹事長は18日午後の日本記者クラブでの講演と質疑で、「民主党」との関係について「ごく最近まで一緒に仕事をしてきたパートナーであり、一緒に仕事をやれる仲間だ。国のために何をするか、というお互いの政策の共通項はある」と述べ、次期衆院選後の連携に期待感を表明した。

現在、連立政権を組む社民、さきがけ両党に関しては「当然、パートナーとして第一に考えたい。信頼関係は十分ある」と強調。同時に「自民党を中心とした長期安定した政治勢力を構築していくのが幹事長としての使命だ」と述べ、衆院選後も引き続き政権を担う決意を示した。

獲得議席目標に関しては「過半数は可能だ」としながらも「(当落の)ボーダーライン候補が40−50いる。これからの運動の仕方や民主党の動きなど変動要因があり、甘い見通しをもったら一気にやられる」と、一層の引き締めを図る考えを示した。《共同通信》

【香港】対日抗議加熱

尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権に絡む対日抗議が続いている香港で18日、日本人学校へデモ隊が押し掛けたほか、日本製品のボイコットなどの抗議活動が大きな高まりを見せた。

満州事変のぼっ発記念日に当たるこの日午前、香港島にある日本人中学校には社会福祉団体の約20人が押し掛け、校門前の歩道に赤ペンキで「打倒帝国主義」と書いた後、学校に「歴史の真実を教えろ」と訴える手紙を手渡した。別のデモ隊は日本人小学校で「65年前に日本軍国主義が中国を侵略した」などとするビラを学校が生徒に配るよう要求。日系の百貨店やスーパーの前ではデモ隊が日本製品のボイコットを呼び掛けた。

九竜半島の日系スーパー前では、約60人が日本政府を批判する垂れ幕を持って行進。香港の日本総領事館前には10以上の団体が抗議に訪れ、総領事館員に日本を批判する76万人の署名を手渡した。

一方、台湾でも同日午前、日本の窓口機関である交流協会前で約100人がデモ、日の丸を踏みつけるなどして抗議した。《共同通信》

【池田行彦外相】米・クリストファー国務長官と会談

米国を訪れている池田行彦外相は18日午後(日本時間19日未明)、国務省でクリストファー国務長官と会談し、米軍の対イラク攻撃に関連し「米国の今後の行動については国際社会の支持が得られるよう説得力のある説明をしてほしい」と述べ、新たな攻撃は慎重に対応するよう求めた。日本政府がイラク情勢で米国の行動に注文を付けたのは初めて。

これに対しクリストファー長官は「イラクのフセイン大統領は無謀であり、抑制するには飛行禁止空域の拡大が必要」と指摘し、米国の行動の正当性を強調した。長官はまた「クリントン大統領の真意はフセインが近隣諸国を攻撃し(中東が)不安定化しないようにすることだ」と説明した。

外相は二次にわたる米軍の攻撃については「(クルド人保護の)国連決議履行に必要だと理解、支持した」とあらためて支持を表明、米側も評価した。しかし今後の対応については「緊密な連絡を願う」と述べ、米国と他の西側諸国やアラブ諸国との足並みが乱れないよう求めた。

普天間飛行場返還問題で外相は「代替地について米国が精力的に努力し、19日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)に向け良い準備状況ができた」と、浮体工法による海上ヘリポート構想を念頭に代替地問題が解決に向かっているとの認識を示唆。日米防衛協力指針(ガイドライン)見直しを含め「日米安保体制強化のために話し合いたい」と述べた。《共同通信》



9月18日 その日のできごと(何の日)