平成2771日目

平成8年8月9日(金)

1996/08/09

【山梨県上九一色村】オウム施設3棟解体

山梨県上九一色村にあるオウム真理教の教団施設3棟に対する解体、撤去作業が9日行われた。破産管財人(阿部三郎弁護士)が実施したもので、教団施設の解体、撤去は全国で初めて。

作業は同日夕に終了し、今後数日かけてがれきの処理などを行い、教団所有地との境界に有刺鉄線を張る予定。

教団は現在信者が居住している同村の「第6サティアン」などについても9月25日までに退去すると表明しており、最大拠点だった「上九」は大きく変ぼうすることになりそうだ。

撤去するのは、住民らとの土地境界線確定訴訟で教団が敗訴し、元住民らの所有地にはみ出して建っていることが確定した通称「ビクトリー棟」「三角屋根」などの居住用3棟。第6サティアンのある「第二上九地区」入り口付近にある。

3棟では信者二十数人が生活していたが、管財人の勧告で7月末に全員が退去した。解体作業には約4日間かかるという。

午前9時半すぎ、地元住民ら数人が見守る中、作業員5、6人が重機2台を使ってビクトリー棟の解体を開始。盾を持った機動隊員30人が遠巻きに作業場所を警備した。

訴訟の原告の一人、地元農協の組合長(62)は「組合員に対して責任を果たせた」と語り、教団対策委員会の委員長(60)は「感無量だ」と、にこやかに作業を見守った。

教団の荒木浩広報部副部長は「あっけないものですね。いよいよ追い詰められて、もう行き場所がないのだな、と感じる」と話した。

教団が同村に進出を始めたのは平成元年7月。昨年3月の強制捜査までに同村だけで約4万8000平方メートルの土地を、教団や関連会社名義で取得した。サッカー練習場跡地だった「第6」周辺の土地も91年から次々と取得、道場や工場の建設が進められた。撤去される3棟はサッカー場の合宿施設を土地ごと買い取って使用していた。《共同通信》



【第78回全国高校野球選手権大会】第2日

第78回全国高校野球選手権大会第2日は9日、甲子園球場で1回戦が行われ、春夏連覇を目指す鹿児島実(鹿児島)が富山商を6−4の逆転で下し、今春の選抜準優勝の智弁和歌山(和歌山)は春夏通じて初出場の水戸短大付(茨城)に敗れる波乱があった。このほか、高陽東(広島)市船橋(千葉)が2回戦に進んだ。

佐々木の本塁打で追いついた水戸短大付は、三回に満塁の走者を一掃する谷仲の二塁打などで5点を加え、エース平野の力投もあって7−4で智弁和歌山に勝った。市船橋は今大会初の延長戦になった十一回、松尾の中犠飛で佐伯鶴城(大分)に3−2でサヨナラ勝ち。鹿児島実は底力を見せて6−4で富山商(富山)に逆転勝ちした。第3日の10日は1回戦4試合が行われる。《共同通信》

【長崎】51回目の原爆の日

原爆投下から51年。長崎は9日、「原爆の日」を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では市主催の「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれ被爆者、遺族代表、橋本龍太郎首相ら約2万5000人が参列、10万人を超える犠牲者のめい福を祈った。

平和宣言で長崎市の伊藤一長市長は「核兵器開発につながるあらゆる実験の禁止を求める」と強調。インドが公式に採択反対を表明し、混迷の度を深めた包括的核実験禁止条約(CTBT交渉)の推移をにらみながら核廃絶に向けた決意をあらたにした。

橋本首相は「CTBT交渉の早期締結に向け、被爆国として各国に強く働き掛ける」とあいさつをした。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「解散念頭にない」

橋本龍太郎首相は9日昼、長崎市内のホテルで記者会見し、衆院解散・総選挙の時期について「当面、解散は念頭に置く状況ではない」との認識を重ねて表明し、次期衆院選後の政権の枠組みについても「考えていない」と明言を避けた。

国連平和維持活動(PKO)協力法見直し問題に関連、焦点となっている派遣隊員の武器使用条件の緩和について「これまで隊員の心理的負担が大きかった。重要な課題の一つだ」と述べ、物資協力の際の停戦合意原則の緩和問題とともに検討する考えを表明した。検討に当たっては、国会論議などを通じ、憲法の枠内で作業を進める考えを強調した。

鳩山由紀夫さきがけ代表幹事らの新党構想に対しては「若い政治家が志を同じくする者と行動することは一概に否定されるべきではない」と述べるにとどまった。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】原爆ホームを訪問

原爆の日を迎えた長崎市は9日、市主催の平和祈念式典が終わった後も終日、平和への祈りに包まれた。式典に参列した橋本龍太郎首相は午後から「恵の丘長崎原爆養護ホーム(同市三ツ山町)を訪問。入所者に「大事にしてください」と見舞いの言葉をかけると、坂本ソミさん(95)は差し出された首相の左手を両手でつかみ、しばらく握りしめていた。

ホーム訪問に先立ち、「非核三原則を法制化してほしい」との被爆者団体からの陳情に、首相は「法律として限定してしまうのはいかがなものか。むしろ国是として世界中に明らかにするほうがいい」と否定的な見解を示した。

菅直人厚相と土井たか子衆院議長も日赤長崎原爆病院(長崎市茂里町)を訪問、入院患者を見舞った。《共同通信》

【韓国】梶山発言を批判

韓国外務省は9日声明を発表し、梶山静六官房長官が8日の講演で、朝鮮半島での有事の際、日本国内で南北の組織間で市街戦が行われる可能性に言及したとされることについて「日本の閣僚が韓国統一に関してこうした非友好的な考えに言及したことに驚きを禁じ得ない」などと批判した。

声明は「日本の法を守り、日本社会に建設的な寄与をしている在日韓国人に対して警戒心を助長する内容の発言を極めて遺憾に考える」と非難した。

韓国与野党、マスコミも一斉に梶山発言を批判しており、与党、新韓国党の金哲スポークスマンも同日声明で「日本の内閣のスポークスマン格である官房長官であるなら、隣接国の問題に対する発言に当局者として良識と礼儀を持たねばならず、結果に対しても責任ある謝罪をしなければならない」として、謝罪を求めた。

野党、新政治国民会議(金大中総裁)の朴洪燁副スポークスマンも「日本政府は未来志向的な両国関係のために発言を即時取り消し、謝罪しなければならない」と、声明で批判。KBS放送も8日のニュースで、官房長官の発言は「有事を想定したものとはいえ、韓(朝鮮)半島の統一が日本に害になるという解釈を含んでおり、統一韓国を仮想敵国と見ている点で今後、物議を醸すとみられる」と報じた。

梶山静六官房長官は9日午前、日経連トップセミナーでの講演で朝鮮半島有事の際に偽装難民が日本国内で紛争状態を起こすなどと発言したことに関して、金太智駐日韓国大使に電話をかけ「ご迷惑をおかけした。官房長官の発言として不穏当だった」と陳謝した。《共同通信》

発言要旨

朝鮮半島で何かあったときが一番大変だ。ドンパチがあったとき、日本に影響がないなんてことはない。例えば大量の難民が来たときは偽装難民もある。そのときに武器が供与されたらどうするのか。彼らには国内に組織がある。南と北の。それが内紛状態になったときに日本の自衛隊はどう戦えるのか。全くその能力はない。市街戦の訓練は一回もやったことはない。可能性としてあるのは市街戦、局地的なゲリラだ。

東西ドイツが一緒になって西はものすごく疲弊した。もしもお隣で(南北朝鮮が)一緒になったら南は疲弊する。疲弊した補給をどこに持ってくるか。かつて植民地支配をした日本よ、賠償をくれてもいいのではないかともう一度言わない保証はない。やっぱり米軍のプレゼンスは何よりも大切だ。《共同通信》

【O-157】8人目の死者

病原性大腸菌O-157に感染し7月22日から千葉市緑区の「千葉県こども病院」に入院していた同市内の1歳9カ月の女児が9日午前7時20分すぎ、呼吸不全などで死亡した。感染経路は不明という。

記者会見したこども病院の院長と小児科医長によると、集中治療を受けていた女児は7月29日に黄疸が出たため調べたところ、先天性胆道拡張症を発見。8月三3日には胆汁性腹膜炎を発症、胆道などの切除手術などをしたが回復しなかったという。

院長は「溶血性尿毒症症候群(HUS)または胆道拡張症だけなら十分回復見込みがあったので残念だ」と述べ、女児に二重の負荷がかかっていたたことを明らかにした。

厚生省によると、今年の大流行に伴うO-157が原因の死者は、7月23日に大阪府堺市で10歳の男児が初めて死亡したのに続き、岡山県や名古屋市などを含め8人目でこの女児が全国で最年少の機牲者となった。《共同通信》

かいわれ協会、賠償請求も検討

病原性大腸菌O-157の感染源と疑われてカイワレ大根の販売がほぼ不可能となっていることについて、日本かいわれ協会(加盟57社)の高橋克己会長らは9日、農水省で記者会見し、「あまりに被害が大きくなれば国などの賠償責任を問うことも考える」と強く反発するとともに、状況証拠のみの軽率な発言が発端として厚相の陳謝を求めた。

同協会によると、業界全体で98%が出荷不能となっており、1日の被害額は1億円弱。カイワレは1週間で栽培できるが、見通しが立たないため、従業員を無期限の自宅待機にした業者もある。需要回復には半年から1年かかるとみており、死活問題としている。《共同通信》

【沖縄県】米軍4施設の返還確定

政府と沖縄県が米軍基地縮小問題を協議する「普天間飛行場返還作業委員会」(委員長・古川貞二郎官房副長官)の第2回会合と、「沖縄米軍基地問題協議会」の幹事会が9日午後、首相官邸で開かれた。

この中で諸富増夫防衛施設庁長官は、4月の「日米特別行動委員会」(SACO)中間報告で返還対象とされた11施設のうち、楚辺通信所と読谷補助飛行場、安波訓練場、ギンバル訓練場の4施設の返還について「日米間で調整が整った」と報告。4施設とも県内移設などの条件付きで返還が確定した。返還面積は約780ヘクタール。

また嘉手納飛行場の嘉手納町側に遮音壁を設置することも報告した。中間報告では沖縄米軍基地面積の約20%に当たる約4700ヘクタールの返還で合意しており、残りの調整については引き続き日米間で協議する。

委員会で古川副長官は「返還作業を円滑に進めるためには、政府と県が一体となって取り組むことが必要だ」と、あらためて県側の協力を要請した。《共同通信》

【新進党】「明日の内閣」改造

新進党は9日、役員人事後、初の役員会を国会内で開くとともに「明日の内閣」の一部改造を決定、次期総選挙に向けた新体制が本格的にスタートした。「明日の内閣」首相の小沢一郎党首は、自ら行政改革相にも就任。役員会後の記者会見で、行革が総選挙の最大争点となることを踏まえ「本気でやれば大変な抵抗があるが、矢面に立ってでも(行革を)やり抜く」と強調した。

役員会で小沢氏は「秋の国会を含めた政局と、それに対応した党運営、総選挙が2つの大きな仕事だ。それなりに緊張した場面となる」と指摘。「こちらが乱れて、すきを見せるようでは力負けする。団結して頑張れば、必ず突破口が開ける」と述べ、秋の政局に挙党態勢で臨むよう訴えた。

小沢氏は記者会見で今回の人事について「挙党態勢をさらに充実させ、人材を活用し選挙に必勝を期そうということだ」と説明。「来月の秋風の吹くころには、いつ来てもいいという態勢をつくりたい」と述べ、臨時国会冒頭の解散も念頭に置いていることを重ねて強調した。

また、細川護熙元首相の改革提言を評価した上で「党内の議論の集約を待って、分かりやすい骨太の約束を国民に発表したい」と述べた。《共同通信》

【ロシア・エリツィン大統領】2期目就任

エリツィン・ロシア大統領は9日、クレムリン宮殿で行われた就任式で宣誓し、2期目の大統領に正式に就任した。

7月4日の大統領選挙決選投票で、ジュガーノフ共産党委員長を破って再選を果たした大統領だが、チェチェン共和国では9日、独立派武装勢力の攻撃により首都グロズヌイが事実上陥落したと伝えられた上、自らの健康不安も払しょくし切れず、多難な船出となった。

大統領は決選投票前の6月26日にクレムリンでの行事に出席して以降、選挙戦での疲労を理由に別荘で静養。この日の就任式は、約1カ月半ぶりの大規模な公式行事への出席となった。

大統領は、短い就任の宣誓などを無事に済ませたが、ショーヒン下院第一副一議長が事前に明らかにしていた国民向けの短い演説は行わず、今後の健康状態に不透明感が残った。

憲法により、大統領就任に伴い現内閣は総辞職、大統領はチェルノムイルジン首相をあらためて首相候補として下院に提案、承認を求めた。下院は10日に臨時本会議を開き、首相候補を審議する。

就任式では、リャボフ中央選管議長が「自由で民主的な有権者の責任ある選択」で大統領に選出されたと、エリツィン大統領に当選証書を手渡した。続いて、大統領が憲法の上に右手を乗せ「国民に忠実に奉仕することを誓う」などと、憲法に記された宣誓の言葉を述べた。《共同通信》

【チェチェン共和国】独立派、政府庁舎を占拠

独立派武装勢力とロシア軍の攻防が続くロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイで9日、首都の大部分を制圧した独立派武装勢力が親ロシア政権の政府庁舎を占拠、政権幹部を拘束した。独立派当局者はインタファクス通信に「グロズヌイを制圧した」と宣言。ロシア軍司令部も同通信に「ロシア軍はコントロールを完全に失った」と述べ、事実上陥落を認めた。

独立派によるグロズヌイ奪還は、昨年1月にロシア軍が制圧して以来、約1年半ぶりで、エリツィン大統領の2期目の就任式の当日に、チェチェン情勢は重要な局面を迎えた。

グロズヌイ各所では約7000人のロシア軍が武装勢力に包囲されているという。ロシア軍基地がある郊外のセーベルヌイ、ハンカラの両空港への攻撃も強まっており、両空港からは負傷者や女性の脱出が始まった。武装勢力が続々と増強されているのに対し、ロシア軍の戦車・装甲車部隊は市内に入れずにいるとみられる。

独立派によると、武装勢力は政府庁舎の地下室に潜んでいた親ロシア派ザフガエフ政権のアスマエフ上院議長、ツァカエフ安全保障会議議長らを拘束した。独立派は政府庁舎と内務省ビルを占拠、機関銃などで保安局ビルに猛攻を加えている。タス通信は、保安局ビル内に立てこもっていた約90人のうち、生存者は30人程度と伝えた。

6日に武装勢力が市内に突入して以来、市中心部のホテルに閉じ込められているロシア・テレビの記者は、電話リポートで「ロシア軍の戦車・装甲車部隊は破壊された」と伝え、放送の中で救助を求めた。タス通信によると、戦闘で市民数百人が負傷したもよう。ロシア軍は、同軍の死者は約120人、負傷者は約400人に達したとしている。《共同通信》



8月9日のできごと