平成2766日目

平成8年8月4日(日)

1996/08/04

【渥美清さん】死去

「寅さん」シリーズで、国民的な人気を集めた俳優の渥美清さんが4日午後5時10分、転移性肺がんのため東京都文京区の順天堂大順天堂医院で死去したことが7日、分かった。68歳。東京都出身。故人の遺志により葬儀は妻、長男、長女の3人だけで営み、公表も控えていた。松竹では13日正午から神奈川県鎌倉市の松竹大船撮影所でファンと共に「お別れの会」を開く。

松竹によると渥美さんは一昨年12月に肺がんが見つかり、手術を受けた。今年7月になって再発し、同病院に入院、31日に再手術を受けていた。

東京・上野に生まれ、巣鴨中学校を卒業後、軽演劇の世界に入った。昭和26年東京・浅草六区の百万ドル劇場の専属コメディアンとなり、28年「フランス座」に所属。戦後、浅草軽演劇黄金時代の中でアドリブの才能を磨いた。テレビにも進出。

37年フジテレビの連続ドラマ「大番」の主役で大当たりし、TBS系「泣いてたまるか」、フジテレビ系「おもろい夫婦」などのシリーズで茶の間の人気を集めた。

映画では38年、松竹「拝啓天皇陛下様」の主人公山田一等兵で、愛すべき庶民の姿を生き生きと演じて映画俳優としての地位を築いた。43年、山田洋次脚本によるフジテレビ系連続ドラマ「男はつらいよ」に主演。翌年山田監督のメガホンで映画化され、主人公の「フーテンの寅さん」が空前の人気を呼んで、シリーズ48作を数える松竹のドル箱として今日までヒットを続けた。「寅さん」は世界最長の映画シリーズとして、ギネスブックに載った。

キネマ旬報賞、毎日映画コンクール主演男優賞、ブルーリボン賞、毎日芸術賞、浅草芸能大賞、紫綬褒章など数々の賞に輝いている。最後の出演は今年の正月映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」。《共同通信》



【アトランタ五輪】閉幕

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平和のメッセージをアトランタからシドニーへ。近代五輪の誕生100周年を記念した第26回夏季オリンピック・アトランタ大会は4日、惜別の感傷と米国らしい明るさの入りまじった中、17日間にわたった祭典の幕を閉じた。2年後には長野で冬季大会が開かれる。

国際オリンピック委員会(IOC)の承認する197のすべての国・地域が参加した“完全五輪”。選手数も史上初めて1万人の大台に乗るなど、国際情勢の激動期から抜け出した新しい時代にふさわしい大会だった。

別れは新しい希望への出発点だ。閉会式は日が暮れ、蒸し暑さの少し残る午後9時(日本時間5日午前10時)、五輪スタジアムで始まった。各国・地域選手団はまず旗手だけが入場した。金3個、銀6個、銅5個のメダルを獲得した日本は女子マラソン3位の有林裕子(リクルート)が日の丸を手に、こぼれる笑みを振りまきながら行進した。

平和への熱いアピールが続く。サマランチIOC会長はあいさつで「われわれはすべてのテロが根絶されるような、より平和な世界の実現に向けて決意を新たにする」と強調。観客らとともに爆弾テロ事件の犠牲者に黙とうした。

故ジョン・レノンが平和への思いを伝えた名曲「イマジン」を歌手スティービー・ワンダーさんが情感だっぷりに歌う。「世界中の人々が平和に暮らす日を想像してみよう…」。歌声は世界にまだ残っている紛争地へと響く。

五輪旗はキャンベル・アトランタ市長から今世紀最後の2000年大会開催地、シドニーのサートー市長の手に。やがて、熱戦の名残を惜しむかのように聖火が静かに夜空に消えた。《共同通信》

【新潟・巻町】住民投票で原発反対6割超え

東北電力の原発建設の賛否をめぐり、全国で初めて実施された新潟県巻町(笹口孝明町長)の住民投票が4日行われ、即日開票の結果、原発建設に反対票が6割を超えた。

最終結果は反対1万2478票、賛成7904票、無効118票、持ち帰り3票。

投票の結果は法的拘束力を持たないが、同夜記者会見した笹口町長は「建設予定地内に残る町有地は約束通り売らない。売却しない以上、原発建設は不可能になる。住民が町の進路を選択した」と言い切った。《共同通信》

【菅直人厚相】香川・豊島を視察「(不法投棄)ひどい」

約50万トンの産業廃棄物が不法投棄されたまま放置されている瀬戸内海の香川県・豊島を菅直人厚相が4日、視察した。

現場に足を踏み入れた菅厚相はまず「予想以上にひどい。ぞっとする」と感想を述べ「廃棄物問題は非常に行き詰まっている。問題を解決する上で(豊島が)突破口の形になれば」と解決への意欲を示した。視察後、豊島交流センターに集まった約500人の住民から直接事情を聞いた。

当時の土庄町保健衛生課長だった高島政清さん(66)が業者の強引なやり方や県などへの不信感を話すと「無念な気持ちは分かる気がする」と話し、「県としてどう考えているのか意見を聞きたい。逆に厚生省の中でこの問題がどう取り扱われてきたのかも考えてみたい」と締めくくった。《共同通信》

【山口県知事選】二井関成氏が初当選

任期満了に伴う山口県知事選は4日投票、即日開票の結果、無所属新人で自民県連が推した前県出納長の二井関成氏(53)が約35万票を獲得、元自治相の吹田愰氏(69)=新進、公明推薦=に約10万票差をつけるなど無所属新人4人を圧倒、初当選した。

自民は佐賀、岐阜の参院補選に続き山口知事選でも新進との対決に勝利を収め自信を深めており、10月末の岡山県知事選や次期衆院選にも影響が出そうだ。二井氏は、引退する平井竜知事以来、20年ぶりの新知事となる。

次期衆院選の前哨戦としても注目された選挙戦は、県西部(衆院新山口3、4区)出身の二井氏と、県東部(同1、2区)を地盤に代議士活動を続けてきた吹田氏との、事実上の一騎打ちとなった。

“保保対決”を制した二井氏は出身地の同3区などで順調にリード。知名度の低かった県東部でも、岩国市や、県職労などの支持者が多い山口市で健闘した。《共同通信》



8月4日のできごと