平成2767日目

平成8年8月5日(月)

1996/08/05

【橋本龍太郎首相】沖縄県・大田知事に縦覧代行を命令

橋本龍太郎首相は5日午後、沖縄の嘉手納飛行場など11施設用地の強制使用問題で、大田昌秀・沖縄県知事に対し、15日までに裁決申請書の公告・縦覧を代行するよう文書で「命令」した。知事が首相の「勧告」を拒否し、代行手続きを行わないための措置で、政府は文書を郵送した。

しかし、大田知事は首相の「命令」に応じない構えで、その場合首相は16日以降、知事を相手に職務執行命令訴訟を起こす方針。楚辺通信所用地問題に続き、公告・縦覧の代行をめぐって国と県が争う2度目の裁判に発展するのは確実だ。

今回の公告・縦覧の対象となるのは、11施設内の約3000人の土地。県側は1日、首相の代行「勧告」に対し①代理署名訴訟で最高裁に上告している②沖縄の米軍基地縮小で県民の納得できる案が示されていない−などを理由に拒否した。

政府は「日米安保条約上の米国への基地提供義務を履行する」(防衛庁)との立場から、特別立法も視野に入れながら来年5月までに強制使用手続きを完了するための措置を検討している。《共同通信》



【ソウル地裁】全斗煥元大統領に死刑求刑

韓国で起きた1979年の粛軍クーデターや80年の光州事件で、反乱・内乱罪などに問われた全斗煥元大統領、盧泰愚前大統領ら16被告に対する論告求刑公判が5日、ソウル地裁で開かれた。

検察側は全元大統領に死刑、盧前大統領には無期懲役を求刑、昨年12月の盧前大統領の秘密政治資金事件審理から始まった一連の裁判はすべて結審した。

検察側は論告で「被告は権力を不法に利用した反国家的犯罪者」などと指摘。全元大統領に対して「反乱(粛軍クーデター)と内乱(光州事件)の全過程で主導的役割を果たし、不法に政権を掌握した」、盧前大統領にも「粛軍クーデターで全被告に次ぐ役割を努めた」と断罪した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は5日、ふだんより遅い午後1時すぎに出邸。直前までアトランタ五輪のテレビ中継を見ていたのか「長い間見るとくたびれるな」とポツリ。記者団から「今回の五輪で印象に残ったのは」と聞かれると「それはゴールした時の有森だよ」と女子マラソンで銅メダルに輝いた有森裕子選手の名前を挙げた。五輪期間中は「眠い、眠い」が毎日の口癖だった首相だが、懸案だった日米半導体協議も日本の主張がかなり通った形で先日決着し、五輪閉幕でようやく首相の眠りを妨げるものはなくなった?

○・・・新党さきがけの渡海紀三朗政調会長はこの日、札幌市内で開かれた公的介護保険制度に関する与党公聴会に出席。「さきがけには菅直人厚相がいるが、介護保険法案の提出をちょっと待って良かった」と述べ、同法案の前国会提出を見送った与党政策調整会議の決断を自賛した。その理由として「町村の広さなど地域特有の問題があり、都市と農村など奥深い問題を感じた」と強調。さらに渡海氏は「どのように運営したらいいのか精力的に調整したい」と今後の与党内調整に意欲満々だったが、人気で先行する菅氏へのひそかな競争心もうかがわせた。《共同通信》

【米大統領選】ドール候補、経済政策を発表

米共和党のドール大統領候補は5日、選挙公約の経済政策として、今後6年間で約5500億ドル規模の大型減税を実施する計画をシカゴで発表した。個人所得税の一律15%削減を中核に、資産譲渡益(キャピタルゲイン)課税の引き下げなどを盛り込み、大統領選挙の行方を左右する「中間層の支持拡大」(ドール氏)を目指す。

ドール氏は米国の実質経済成長率を3.5%程度に引き上げる高成長路線への転換を強調。レーガン政権以来、共和党の経済政策の主流となっている減税を通じた経済活性化政策を採用する意向を表明した。

この結果、米国民は秋の大統領選挙で、福祉・教育を重視しながら安定成長の維持を基本とするクリントン大統領と、幅広い層への減税と高成長を志向するドール氏との間で選択を迫られることになる。《共同通信》



8月5日のできごと