平成2755日目
1996/07/24
この日のできごと(何の日)
【橋本龍太郎首相】O-157で談話発表
政府は24日夕、病原性大腸菌「O-157」による集団食中毒被害に総合的に対処するため、橋本龍太郎首相を中心に緊急の関係閣僚会議懇談会を開き①効果的な治療法の確立②感染経路の徹底究明③感染源の特定④学校給食の衛生管理の再点検−などに全力で取り組む方針を確認。この後首相は「国民に正しい知識を持ってもらうことが大切だ」とする談話を発表した。26日の閣議で、対策関係閣僚会議の設置を決める。
倉田寛之自治相は記者会見で、対策経費に特別交付税を配分する方針を表明。菅直人厚相は治療マニュアルを全国に配布、患者周辺の検便指導の徹底など新たな対策を実施する方針だ。
O-157を法定伝染病に指定すべきかどうかについては、専門家の意見も踏まえた結果、患者を隔離するための医療施設に限界があることを理由に見送ることで一致。菅厚相は懇談会後「O-157は隔離しなくても二次感染を防げる」と述べた。
同懇談会の冒頭、首相は「単なる中毒の段階を超え、被害者は8000人を超えた。7人の貴重な命を失い深刻な事態となっている」と指摘、政府与党が一体となってみぞうの食中毒対策に取り組む決意を表明した。
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厚生省に入った連絡によると、24日午後6時現在で病原性大腸菌「O-157」による被害は、全国40都府県で発生し、患者数は累計で8495人に上った。うち、死者は7人。現在入院中の患者は523人。《共同通信》
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【アトランタ五輪】
第26回夏季オリンピック大会は24日、第6日の競技が行われ、柔道男子71キロ級の中村兼三(旭化成)が金メダル、これで日本のメダルは金2、銀2、銅1の計5個となった。
中村は決勝で、昨年の世界選手権準優勝の郭大成(韓国)にポイントでリードされながら、終盤果敢に攻めて残り3秒で追いつき判定勝ち。中村3兄弟の末弟で、世界選手権、五輪の大舞台は今回が初めての出場だった。
柔道男子は今大会初の金メダルで、71キロ級の優勝はバルセロナ五輪の古賀稔彦に続いて2大会連続2度目。全競技を通じては柔道の恵本裕子(住友海上火災)に続いて2度目の金となった。《読売新聞》
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第26回夏季オリンピック大会第6日の24日、自転車で男子1000メートルタイムトライアルに出場した競輪選手の十文字貴信(日本プロ選手協会)が1分3秒261で3位に入り、今大会4つ目のメダルを日本にもたらした。《読売新聞》
【不二越訴訟】原告の賃金請求を棄却
太平洋戦争中、朝鮮半島から連行され富山市の工作機械メーカー「不二越」で強制労働させられたとして、韓国人の元女子挺身隊員ら3人が同社に未払い賃金や賠償金総額2000万円の支払いと謝罪広告の新聞掲載を求めた訴訟の判決で、富山地裁の渡辺修明裁判長は24日、「不二越は原告らに賃金支払の義務があったが時効で消滅した」などとして原告らの請求を棄却した。《共同通信》
【東京都狛江市・矢野裕市長】所信表明
全国唯一の共産党員市長が誕生した東京都狛江市の臨時市議会が24日開かれ、矢野裕市長(49)が初の所信表明をした。
矢野市長は、多額の負債を理由に辞職した石井三雄前市長(65)について言及し「衝撃的な辞任と不祥事の後で市政を付託された重みを受け止めている」とあいさつ。今秋に調査委員会を設置し、前市長の(在職中のとばくなど)疑惑解明を進める決意を示し、「清潔・公正・ガラス張りの政治で狛江の再生を目指したい」と述べた。
この日の議会には、一般傍聴席の倍近い約80人が訪れるなど、市民の関心は高く、新市長の演説が終わると一斉に拍手が沸き起こった。
共産党市議だった矢野氏は前市長の辞職、失跡という異常事態の中で実施された7日の市長選で初当選。一方、前市長は20日、失跡から約40日ぶりに公の場に姿を見せ都内で記者会見し、「市民にご迷惑を掛けた」などと謝罪した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】全国銀行大会であいさつ
橋本龍太郎首相は24日、都内で開かれた全国銀行大会(全国銀行協会連合会主催)であいさつし、今後の住宅金融専門会社(住専)問題の処理について「26日に住宅金融債権管理機構(住管機構)を発足させ、徹底した債権回収に取り組み、(関係者の)厳格な責任追及をしたい」との姿勢をあらためて強調した。
また住専をはじめとする金融機関の不良債権問題などの一因として「近年の行政の在り方も、過去の手法を脱しきれなかった点がある」として、金融行政に問題があったことを指摘。今後は「市場規律を基軸とした透明性の高い手法の確立に努める」との方針を示した。
久保巨蔵相も住管機構による債権回収と責任追及の徹底に努める意向を示した上で、先に金融界に拠出を要請した住専処理のための新基金について「住専関連の予算・法律を国民の理解を得て執行するために必要不可欠なもの」と位置付けた。《共同通信》