平成2750日目
1996/07/19
この日のできごと(何の日)
【大阪府堺市】「O-157」女児2人が危篤状態
大阪府堺市の病原性大腸菌「O-157」による小学校集団食中毒で、市対策本部は19日午後5時、重体の女児3人の症状が悪化し、うち一年生(7つ)と六年生(12)の2人は危篤状態になった、と発表した。三年生(9つ)も意識障害がひどく、3人とも人工呼吸器を付けている。
危篤の患者はO-157特有の溶血性尿毒症症候群(HUS)による急性腎不全を起こしているとみられる。
今回の食中毒では市の実態把握の遅れ、重症者対策や被害見通しの甘さが医療関係者らから指摘されており、対策本部長の幡谷豪男市長は「大変な事態になり、強く責任を感じている。深くおわび申し上げる」と語った。
19日午後4時現在の患者児童は5828人、重症者は53人(うち重体13人)。入院は延べ575人。児童以外の二次感染患者らを含めた患者総数は5939人。
対策本部によると、危篤状態の小六女児(市立三原台小)は12日に発熱、13日から下痢、嘔吐などの症状が出て点滴を受けた。18日、いったん帰宅したが症状が悪化、民間病院から大阪大病院(吹田市)に転送され、19日、容体が急変した。
小一女児(市立新桧尾台小)は民間病院で16日、HUSと診断され、府立母子保健総合医療センター-(和泉市)に転送、血しょう交換を繰り返していた。
重体児童は、全員が継続して人工透析を受け、うち7人に意識障害が出ている。対策本部は、重体患者増加に備え、府内41の高度医療機関に、60床の緊急搬送先を確保。通常は医療機関が休診となる土、日曜日も市内の23病院に患者を受け入れるよう依頼した。《共同通信》
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【大相撲名古屋場所】13日目
大相撲名古屋場所13日目(19日・愛知県体育館)横綱曙が12勝1敗で単独トップに立った。14日目に曙が勝って2敗の横綱貴乃花、大関貴ノ浪がともに敗れると、曜の8場所ぶり9度目の優勝が決まる。曙は1敗同士の直接対決で貴ノ浪を一方的に押し出した。貴乃花は関脇魁皇の寄り倒しに屈し、手痛い2敗目を喫した。魁皇は勝ち越し。大関若乃花は関脇武双山を寄り切って9勝目。武双山は6勝7敗と苦しくなった。大関武蔵丸も琴錦を押し出して9勝4敗。新入幕の力桜と琴竜がそろって勝ち越した。十両は若翔洋が10勝3敗で単独首位を守った。《共同通信》
【佐世保女性襲撃事件】米兵引き渡しに合意
長崎県佐世保市で女性がのどを切られて重傷を負った事件で、日米両国は19日夜、日米地位協定に基づく合同委員会を外務省で開き、長崎県が強盗未遂容疑で逮捕状を取った米兵(20)の身柄を在日米軍から日本側へ移すことを決めた。身柄は早ければ20日午前にも引き渡される見通しで、長崎県警が逮捕状を執行して本格的に取り調べる方針。
日米地位協定は沖縄の米兵による女子小学生暴行事件に対する世論の批判で昨年10月、運用が見直され、起訴前の身柄引き渡しへの道が開かれた。今回が初の適用ケースとなる。《共同通信》
【新進党】「羽田グループ」解散へ
新進党の羽田元首相は19日、自らが代表世話人を務める羽田グループ(興志会)を解散する意向を固めた。もう一人の代表世話人の細川元首相は、既に解散を容認する考えを示しており、来週中にもグループの総会を開き、正式に解散する。同党内では小沢党首支持グループを中心とした「責任ある政治の会」が既に解散しており、衆院選を前に、実力者間の確執を棚上げしたまま、とりあえず“挙党体制”の体裁を整えることになる。《読売新聞》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は19日、日本抜刀道連盟の中村泰三郎最高顧問から、この日が命日に当たる幕末の剣豪、山岡鉄舟の刀を模した真剣をプレゼントされた。錬士五段の首相は、ご満悦の様子で、おもむろに刀をさやから抜き「だれか一人切りましょうか」と、いつも質問攻めの記者団に軽口。「『人を生かす剣』をモットーとした鉄舟の生き方を学びたい」と、人前で剣を抜かなかったとされる鉄舟への思い入れも吐露したが、その言葉とは裏腹に、解散権という「伝家の宝刀」を抜くタイミングは頭から離れない?
○・・・自民党の加藤紘一幹事長はこの日、党本部で開かれた新潟県の党支部研修会であいさつ。18日未明にようやく決着した群馬県の小選挙区の公認調整に触れ「比例に転出した中曽根康弘元首相は何の恨みも抱かず、パッと決まった。私や橋本龍太郎首相のように二世議員と違い、創業者の人間ドラマを見る思いだ」と称賛。同時に「政権がたびたび交代する二大政党制を国民が望んでいるのか」と小選挙区制に疑問も。「決まった以上、1、2回は新たな制度で選挙すべきだ」とは言いながらも、一任を受けた公認調整の難航で中選挙区制への郷愁が強まったか。《共同通信》
【アトランタ五輪】開幕
第26回夏季オリンピック・アトランタ大会は19日、米ジョージア州アトランタ市で開幕した。国際オリンピック委員会(IOC)が承認する197のすべての国と地域が参加。約1万5000人の選手、役員の数も史上最多となった。
1896年の第1回アテネ大会から100年を経た近代五輪。激動の国際情勢に揺れ続けたオリンピックの「五つの輪」は、100周年記念大会を迎え初めて完全な形となった。
開会式は午後8時45分(同午前9時45分)、五輪スタジアムで始まった。開幕直前に米トランスワールド航空機(TWA)爆発事故の影響も加わり、市内は厳戒態勢が敷かれた。だが約8万人で埋まったスタンドからは、陽気に「ウェルカム」の連呼が起こった。サザン・ホスピターリティー(南部のもてなし)精神にあふれたウェーブとリズムと光で史上最大の大会を祝福した。
入場行進は、五輪100年の変ぼうをつぶさに見てきた五輪発祥の地ギリシャを先頭に始まった。2度の世界大戦、戦後の東西対立。国威発揚の舞台でもあったスポーツの祭典は、冷戦構造崩壊から5年を経て、ようやく「世界中の選手を一堂に集める」との大会理念をほぼ達成した。
これまでで最多の499人の選手団を編成した日本は柔道の田村亮子(帝京大)を旗手に92番目に入場した。女子選手の参加数が飛躍的に伸び「女性の五輪」が強調される大会で日本も選手310人のうち150人が女子だ。《共同通信》