平成2742日目

平成8年7月11日(木)

1996/07/11

【オウム・松本智津夫被告】第6回公判

オウム真理教代表松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第6回公判が11日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、殺人や逮捕監禁致死などの罪に問われた3件のVX襲撃、目黒公証役場事務長Kさん監禁致死、滝本太郎弁護士襲撃など計6事件が審理された。罪状認否で、松本被告は「意見はあるが、いま何も話しすることはありません」と述べ、初公判、第3回、第4回の計11事件と同様、認否を留保した。今回の公判で松本被告が起訴された17事件はすべて審理入りした。

検察側は冒頭陳述で、松本被告が敵対者を排除するなどの目的で、滝本弁護士襲撃などの犯行を指示していた経緯を詳述した。午前の公判はVX事件の冒頭陳述の途中で休廷となった。午後は冒頭陳述などの終了後、裁判所、検察側、弁護側の意見が対立している9月以降の公判日程問題があらためて協議される見通し。

この日の公判で審理入りしたのはVX、滝本弁護士襲撃、Kさん監禁致死のほか、殺人と死体損壊の罪に問われた信者Tさん殺害事件。

Kさん事件から朗読された起訴状の内容について、松本被告は認否を留保した際「一つ目の内容について…以外は意見はある」と前置きした。「意見」の内容について、国選弁護団は休廷後「いまは留保だが、すべての事件について意見はあるということだ」と説明した。

冒頭陳述と起訴状などによると、大阪市の会社員Hさんが殺害され、2人に重症を負わせたVX3事件で、松本被告は「Hは公安のスパイに間違いない。ポアしろ」などと犯行を指示した。

Kさん事件では、高額の布施を要求され脱会を決意したKさんの実妹の居場所を聞き出すため、拉致を命じた。その後、Kさんは監禁されて大量の麻酔剤を投与され、死亡した。

滝本弁護士襲撃は「信徒を無理やり下向(脱会)させている滝本という弁護士がいる。魔法(サリンを示す暗号)でポアする」と殺害を指示。実行犯には「ちょっと危ないから君にできるかな。これは救済だ」と述べていた。

教団施設内で生活用水を運ぶタンクローリーの運転手をしていたTさん殺害では、井戸水にびらん性毒ガス「イペリット」を入れた公安のスパイとのぬれぎぬを着せ、拷問と殺害を命令していたとされる。《共同通信》

オウム真理教代表松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第6回公判は11日午後も東京地裁で続けられ、阿部文洋裁判長は裁判所、検察側、弁護側三者の意見が対立している9月以降の公判日程について新たに「9月から11月までは月4回、12月は3回開廷したい」との意向を示した。これに対し検察側は「もっと回数を多くしてほしい」、弁護側は「多すぎる」とそれぞれ反発し、期日指定は見送られた。16−18日に法廷外で協議することになり、18日に予定された公判は取り消された。

弁護側は閉廷後「9月3回、10−11月4回、12月3回なら譲歩する」との意向を示し、三者協議で期日が決定される公算が強まった。

午後の公判で、阿部裁判長は9月以降の期日について、前回までの月6回の提示を改め、月3−4回とし、具体的に9月から12月の計15期日を提案した。

松本被告が起訴された17事件をクループ分けして、並行審理するこれまでの月6回案には、弁護側が「月3回が限度。各事件は密接に関係し、共通の証拠も多く、グループ分けできない」と強く反発したことから、阿部裁判長は前回公判で「柔軟に対応したい」との意向を示していた。

期日の提示に先立ち、検察側は午後の冒頭陳述で、3件のVX襲撃とKさん監禁致死事件が松本被告の指示で実行された経緯を詳述。これで17事件すべてについて犯行の指示が指摘された。《共同通信》



【公安調査庁】オウム真理教の解散を請求

公安調査庁などの法務当局は11日、オウム真理教について「教団の危険な性格は変わっておらず、将来、破壊活動を行う人的、物的能力がある」として、公安審査委員会(堀田勝二委員長)に対し、破壊活動防止法の解散指定を行うよう請求した。また、同時に、解散が指定された場合の運用の指針として、禁止行為の大枠を示した「解釈基準」も公表した。

これで破防法手続きは最終段階の公安審での審査に舞台を移す。団体規制の審査が行われるのは1952年に公安審が発足して以来初めて。公安審の決定は秋以降になると予想される。

公安審の処分請求書は同日午後1時45分、公安審査委員会に受理され、午後3時から長尾立子法相と杉原弘泰公安庁長官が共同で記者会見した。

長尾法相は「基本的人権にも十分配慮しつつ慎重に検討したが、教団にはなお破壊活動に及ぶ危険性があり、公共の安全を確保するためには処分請求もやむを得ない」と述べた。

杉原長官は処分を請求した理由として、①教団では現在も麻原彰晃こと松本智津夫被告(41)の独裁体制が続いており、教義などの基本的構造に変化がない②多数の信者が教義に従って修行を続け、お布施やアルバイトによる資金調達をしている–ことを挙げ、教団には将来、破壊活動を行う能力があるとの認識を示した。さらに「宗教法人法の解散命令や破産宣告の効力の及ばないところで教団は新たな活動を行っている」と述べ、破防法の適用が必要との考えを強調した。《読売新聞》

【共産党・宮本顕治議長】路線に自信

共産党の第5回中央委員会総会が11日午前、党本部で開かれた。宮本顕治議長は「冒頭発言」で、東京・狛江市の共産党市長誕生など最近の各種選挙での善戦について「偶然ではない。営々として共産党が尽くしてきた、法則にかなった闘争が実を結びつつある」と党の政治路線に自信を示し、「今度の選挙は非常に重要な闘争だ。比例代表を軸にして前進を勝ち取らねばならない」と秋にも予想される選挙での躍進を訴えた。同義長が公開の場に姿を見せたのは9カ月ぶり。

続いて不破哲三委員長が「幹部会報告」で、安保・沖縄、消費税など当面の重要課題について方針を示し、総選挙の態勢づくりに関連して「(一連の選挙結果は)70年代の躍進に匹敵する。より根深く強固な基盤がある」と強調。「鳩山新党」の動きにも触れ、「どんな形で新党がつくられても反動政治に対する代案となり得ない」と述べた。《共同通信》

【新党さきがけ・鳩山由紀夫代表幹事】“新党”与党との連携も示唆

新党さきがけの鳩山代表幹事は11日午前、都内で開かれている「ローカル・ネットワーク・オブ・ジャパン(Jネット)」の自治体議員ネットワーク結成集会で講演し、新党構想に関して、「自民党政治と180度違う政治を政策で求めて今日まで行動してきたわけではない。政策面すべてに反抗するのではなく、自民党の体質、運営、手法も含め、より民主的なものを求めたい」と述べ、新党を結成した場合でも、自民党など現連立与党との連携を視野に行動する考えを示唆した。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・自民党の加藤紘一幹事長は11日、鹿児島市で開かれた知事選候補者の出陣式に県連会長の山中貞則氏とともに出席した。山中氏は反自民党執行部を掲げる「檄に呼応する会」の会長だが、加藤氏に「鹿児島で自民党の考えを伝えて」と依頼。加藤氏も関係修復の好機と急きょ鹿児島へ。この日朝には山中氏から「よく来てくれた」と錫製の器を贈られる場面もあった。ところが、記者団の「関係修復か」との問いに山中氏は「自民党は社民党と手を切るべきだ」と相変わらず。連立政権のかなめの加藤氏とは「同床異夢」と言わんばかりで、修復はまだ遠い?

○・・・市民リーグの海江田万里代表はこの日、都内で講演し、前日関東地方を襲った台風に触れ「台風が通り過ぎ、東京は実質的な梅雨明けになるだろう」と早々と宣言。その上で、さきがけの鳩山由紀夫代表幹事らとの新党構想について「これから秋風が立つまでの、ソフトクリームのおいしい間に新党をつくらなければならない」とぶち上げた。もっとも新党実現まで「限られた時間で猶予はない」と切羽詰まった状況も強調して、参加者の支援を求める一幕も。難航する新党に「梅雨が明けたら秋風が吹くのは早い」との声も。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】5日目

大相撲名古屋場所5日目(11日・愛知県体育館)大関若乃花が平幕大至に押し倒され、3敗となった。横綱、他の大関は安泰。横綱曙は苦手の貴闘力を豪快に押し倒し、大関貴ノ浪、武蔵丸とともに全勝を守った。平幕、肥後ノ海も5連勝。横綱貴乃花は寺尾を寄り切って1敗を保った。大関を目指す関脇武双山は琴錦の寄りに屈し初黒星。魁皇は大翔鳳を送り出し4勝1敗。十両は全勝がなくなり、大飛翔ら5人が1敗で並んだ。《共同通信》

【秋篠宮ご夫妻】富山入り

秋篠宮ご夫妻は「彩りとやま緑化祭’96」開会式に出席するため11日午前10時50分すぎ、全日空機で富山空港に着き、出迎えた富山県民にさわやかな笑顔でこたえられた。

秋篠宮殿下はグレー系のスーツ、紀子さまはオフホワイトのツーピースという。すがすがしい服装で、富山空港で中沖豊富山県知事、向井英二富山県議会議長、正橋正一富山市長らの出迎えを受けられた。

ご夫妻は富山市内のホテルで休憩したあと、午後から婦中町の県中央植物園、大門町の特別養護老人ホーム「こぶし園」を視察される。12日は、高岡市民会館で開かれる緑化祭開会式に出席し、秋篠宮殿下が言葉述べられる。緑化祭のメーン会場となる高岡古城公園や高岡おとぎの森公園にも足を運び、記念植樹される。《北國新聞》



7月11日のできごと