平成2733日目

平成8年7月2日(火)

1996/07/02

【千葉一家4人殺害事件】犯行時19歳の少年、二審も死刑

千葉県市川市で92年3月、会社員一家4人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた犯行当時19歳だった被告(23)の控訴審判決が2日、東京高裁で言い渡された。神田忠治裁判長は「犯行は卑劣、残虐で、冷酷さと非情さが認められる。少年時の犯行であることを考慮しても、被告を死刑にすることは誠にやむを得ない」と述べ、一審・千葉地裁の死刑判決を支持して被告の控訴を棄却した。被告・弁護側は上告した。

判決によると、被告は92年3月5日夕、市川市の会社役員(当時42歳)のマンションに侵入。留守番をしていた役員の母(同83歳)を絞殺したのを始め、帰宅した妻(同36歳)と役員、二女(同4歳)の3人を包丁で次々と刺殺して現金34万円と預金通帳9冊(額面合計約424万円)を奪い、15歳だった長女にも切りつけて大けがを負わせた。

弁護側は、一審で、被告の殺意を否認するとともに、「被告の母親は、被告を懐妊中に流産予防のための黄体ホルモンを多量に摂取し、そのため被告は攻撃性が強い性格になった」とする精神鑑定書を提出。「犯行時には自分を抑えられない心神耗弱の状態だった」と主張した。控訴審でも、これにアメリカの心理学者の論文を添えて補強し、刑事責任能力を肯定した一審判決を「事実誤認」と主張していた。

さらに、被告が犯行時に19歳1か月だったことから、「無計画な犯行は未成熟さを示しており、少年の矯正を目的とする少年法の精神が生かされるべきだ」として、死刑を減刑し懲役刑にするよう求めていた。

これに対し、この日の判決は、黄体ホルモンの影響による「心神耗弱」の主張について、「黄体ホルモンの学者の研究は、あくまで性格的な傾向を見るにとどまり、攻撃性の異様な増加を示してはいない。被告は強盗殺人の犯行時も、状況に対応した冷静な行動をとっており、行動制御能力の減退はなかった」として退けた。

さらに、被告が犯行時少年だったことには、「今後の矯正教育により改善の可能性があることは否定出来ない」としながらも、「死刑が究極の刑罰であることに思いをいたしても、犯した罪の重大性にかんがみると、死刑はやむを得ない」との判断を示した。

少年法では、18歳未満の少年に対しては死刑を適用しないと規定している。このため、18歳以上の少年に対する死刑適用が従来から論議されてきた。最高裁によると、犯行時少年だった被告で死刑判決が確定したケースは、過去30年間で計8件あるという。《読売新聞》



【三菱・チャレンジャー】発売

7月2日のできごと(何の日)
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三菱自動車工業は、若者層を主な対象にしたスポーティーRV(レジャー用多目的車)「チャレンジャー」を新規開発し、2日発売した。人気の本格オフロード「パジェロ」の“都会版”で、運転席・助手席エアバッグや急ブレーキ時の横滑り防止装置を全車に標準装備した。231万8000〜314万8000円。《読売新聞》

【ウィンブルドンテニス】伊達公子選手、ベスト4進出

テニスのウィンブルドン選手権第8日は2日、オールイングランド・クラブで行われ、女子シングルス準々決勝で第12シードの伊達公子(フリー)は、第13シードのマリー・ピエルス(フランス)に3−6、6-3、6-1で逆転勝ちし、日本女子で史上初めてベスト4入りした。日本選手が同選手権のシングルスで四強入りを果たしたのは、1933年の男子の佐藤次郎以来63年ぶりの快挙となった。

伊達は4日の準決勝で、2年連続7度目の優勝を目指す第1シードのシュテフィ・グラフ(ドイツ)と対戦する。

2年連続でベスト8入りした伊達は、180センチの長身から打ち下ろすピエルスの強烈なサーブに苦しみ、第1セットは、サーブを2度ブレークされて落とした。しかし、第2、第3セットは得意のリターンとバックハンドからのショットがさえて連取した。《共同通信》

【社民党・村山富市党首】沖縄「特別立法」に反対

社民党の村山党首は2日、首相官邸で行われた橋本首相(自民党総裁)、武村新党さきがけ代表との党首会談で、沖縄米軍基地用地の強制使用問題について、特別立法に反対する考えを伝えた。

村山氏は、政府の地方分権推進委員会が機関委任事務廃止を打ち出していることを指摘したうえで、「廃止を打ち出せば、(米軍用地の土地収用事務などは)将来は国の事務になるのだろうが、今この時期にこれを理由に(特別立法で)国の事務にするのは政治的判断として好ましくない」と述べた。

また、この後、梶山官房長官は首相官邸で、社民党の佐藤幹事長と会い、「代理署名訴訟の最高裁判決と、その後の県の動きを見て対応を決めたい。(特別立法について)判断すべき時期にきていない」と述べた。

社民党に対し、政府・与党で最終的な対応を決める前から特別立法に反対する姿勢を鮮明にしないよう求めたもので、佐藤氏は特に異論を唱えなかった。《読売新聞》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は2日昼、首相官邸で阪神大震災の復興財源に充てるための宝くじキャンペーン嬢の訪問を受け「こういうのは(発売までに)、時間がかかるね」と、震災発生から約一年半後の発売に多少、拍子抜けした様子をみせながら、40枚をその場で購入した。「宝くじはよく買うのか」という記者団の問いに「買わないね。こういう形式のものは買うけど…」。「ばくちは嫌いとか」と記者団が突っ込むと「選挙というのはばくちだから。先を越されないうちに言うけど」ときっぱり。質問しないうちに先回りするほど、頭の中は選挙でいっぱい?

○…自民党の亀井静香組織広報本部長はこの日、党本部で開かれた全国建設業協会との懇談会で、有力な集票マシーンである建設業界に選挙支援を要請した。さらに「われわれは大企業中心の新進党のような弱肉強食を許すつもりはない」と新進党を批判。返す刀で「残念ながら建設業界の一部には新進党を支援する無節操なこともある。新進党を応援する人はどうぞ応援してください。そのことで地獄を見るのはあなた方だ」とバッサリ。脅かしともとれる強烈な毒舌に会場は苦笑いの渦。《共同通信》

【埼玉医大】性転換を治療と容認

性転換手術は、医療として容認されるか―を検討していた埼玉医大(埼玉県毛呂山町)の倫理委員会(委員長・山内俊雄教授)は2日、性転換手術を正当な医療手段と認める答申をまとめ、石田正統学長に提出した。性をめぐる研究が欧米より大きく遅れている日本で、性転換手術が大学の倫理委員会で正面から認知されたのは初めて。

しかし答申は「日本には直ちに手術を行う環境が整っていない」として①学会などでの診断基準の明確化と治療指針の作成②対象者を適切に選び手術後のケアーをする専門家チームの設置③社会的な理解を深める努カ−などの環境整備が必要と条件を付けた。

山内委員長は「これらの環境が整った後で、個別の症例ごとにあらためて倫理委員会で判断する」としており、現実に性転換手術が実施されるまでにはかなり時間がかかりそうだ。

倫理委員会は昨年5月、同医大総合医療センターの原科孝雄教授(形成外科)が、男への性転換手術を希望する20代後半と30代前半の2人の女性の手術の承認を求めて申請したのを受け、約1年にわたり検討を重ねていた。

答申は、肉体的な性をどうしても受け入れられない「性同一性障害」に苦しむ人々が存在する以上、それを「医学が手助けするのは正当」と述べた上で、性転換手術を、精神療法、ホルモン療法などと並ぶ治療の手段と位置づけた。しかし日本では性同一性障害への理解が足りないことや、医学的にもデータや経験が乏しいことなどを理由に多くの条件を付けた。

性転換手術をめぐっては、安易に男から女への性転換手術をしたとされる産婦人科医が昭和44年、優生保護法違反で有罪判決を受けており、以来タブー視されていた経緯がある。だが、山内委員長は「当時の判決は基準をきちんと作るべきことを示した点で私たちの答申と共通している。答申をたたき台に多方面で議論が進むことを期待している」と話した。《共同通信》



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