1996 平成8年5月30日(木)

平成2700日目

平成8年5月30日(木)

1996/05/30

【新進党・小沢一郎党首】首相経験者と会談

新進党の小沢一郎党首は30日夜、都内のホテルで首相経験者でつくる「最高諮問会議」メンバーの羽田孜、細川護熙、海部俊樹各氏と会談した。小沢氏は衆院金融問題特別委員会の「出口」に関し「国会の終わり方はどうやっても難しいので知恵を貸してほしい」と協力を要請した。

細川氏らが「国会の局面、局面で話をしてほしい」と述べたのに対し、米沢隆幹事長は「加藤紘一自民党幹事長の国会招致問題で、与党の回答次第では国会は緊張した状態になる」と説明した。

また元首相らが、党内の風通しをよくする狙いから、最高諮問会議に他の役員を加えた会合の定例化を提案、月1回程度開くことを確認した。

このほか羽田氏は、同日朝の会合で自民党の竹下登元首相と同席した際に「竹下氏が秋の国際会議の延期の可能性に触れていた」とし、秋の解散の可能性もあるのではないかとの受け止め方を示した。《共同通信》



【橋本龍太郎首相】住専で厳しい姿勢

橋本龍太郎首相は30日午前の衆院金融問題特別委員会で、住宅金融専門会社(住専)処理に絡む母体銀行の追加負担問題について「衆参の議論を通じて母体行の責任が重過ぎるという意見は一つもなかった。それがすべての党派の共通した意見で母体行に対しどれだけ世間の目が厳しいか分かってほしい」と述べ、追加負担を厳しく母体行に求めていく姿勢を示した。

住専問題に関連しての土地の流動化策について、首相は「(提案中の)金融関連の法制度ができても、本当に大事なのは土地が動き一すことだ。私なりに工夫して相談申し上げたい」と述べ、住専の追加負担問題で浮上している担保不動産の買い取り基金構想など土地流動化策を前向きに検討していく意向を示した。《共同通信》

【政府、与党】「住専法案」共同修正を断念

政府与党は30日、住宅金融専門会社(住専)処理法案の新進党との共同修正を断念、原案通り会期内成立を目指す方針を固めた。

農林系を含む金融機関への新たな追加負担措置で6850億円の財政支出を軽減することを国会決議するか政府声明を発表した上で、来週後半の衆院通過を図る構えだ。加藤紘一自民党幹事長の参考人招致は衆院での法案採択後に応じる方針。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は30日午前に国会内でナウド・サウジアラビア外相と会談後、記者団に「(石油の話は)全然出ていない。塚原(通産相)さんに任せているから。僕は前から石油以外の関係をつくりたいと思っているんだ」と“非油外交”構築の必要性を力説した。とはいえ、外相一行を見送った際は、会談場所の大臣室からわざわざ廊下近くまで足を運ぶほどの丁重さ。アラビア石油が保有するサウジ油田石油利権の期限(平成12年)切れ問題で日本側が期限延長を求めている時だけに、やはり油の威力は強いようだ。

○・・・自民党の三塚博前幹事長はこの日昼の旧三塚派総会で、自民党東京都連などが首都移転に猛反発していることに関連し「国会移転と首都移転はイコールだ。国会が進んで移転すべき。場所は日本の中から選べばよい。まず隗より始めろだ」と反対派を強くけん制。これにその場でかみついたのが東京旧11区選出の伊藤公介氏。「三塚会長の指示は99.9%従うが、首都移転はわれわれの生死にかかわり賛成できない。会長は仙台(周辺)への移転を主張しているが、私は仙台には行きませんよ」ときっぱり。足元からの強烈な反論に三塚氏もたじたじ。《共同通信》

【北朝鮮】科学者らが亡命

聯合通信など韓国マスコミによると、韓国政府高官は30日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の科学者と放送作家の2人が今月7日、北京の日本大使館に亡命を申請したと語った。

報道によると、亡命を求めたのは音響機器研究所の所長で科学者のチョン・カプリョル氏(44)と、朝鮮文学芸術総同盟所属の50歳代の放送作家、キム・ヨンファン氏。2人は香港経由で韓国入りする見通しで、現在、関係当局の保護下で香港に滞在中という。

2人は北京の日本大使館に亡命を申請したが、日本側が韓国行きを説得して、韓国側に身柄を引き渡したという。

KBS放送は、科学者は北京の日本大使館に、放送作家は北京の韓国大使館に直接亡命を申請したとしている。MBCテレビによると、チョン・カプリョル氏は1951年に日本で生まれ、59年に日本から北朝鮮に渡り、金日成総合大学を卒業した。

韓国政府高官は「北の科学者と放送作家の2人の亡命は前例がないため、これまで徹底的に情報を管理してきた。こうした知識人階層の亡命は北の体制の危機状態を示すものだ」と語った。

同高官は「関係当局が2人の身辺の安全措置を取った後に、できるだけ早い時期に韓国に連れて来る見通しだ」と述べた。日本政府関係筋によると亡命を求めた科学者は、スイスのジュネーブで開かれた国際発明展に出席しての帰途、北京に立ち寄ったという。《共同通信》

橋本龍太郎首相は30日午前、北京の日本大使館を通じての朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)科学者による亡命について「それはあったかもしれないし、なかったかもしれない。そういうことは調べても分からないのではないか。(亡命者の)安全の面で」と述べた。

同時に「(情報が)混線している。調べてもらったが、日本に亡命を求めたことはない。どこかで国名が(韓国と)入れ違ったのではないか」と述べた。国会内で記者団の質問に答えた。《共同通信》



5月30日のできごと