平成2685日目
1996/05/15
この日のできごと(何の日)
【オウム真理教・麻原彰晃被告】「将来の危険」を否定
オウム真理教に対する破壊活動防止法の適用申請手続きを進める公安調査庁の第3回弁明手続きが15日、東京・小菅の東京拘置所で開かれ、初めて出席した教団代表者で教祖の麻原彰晃被告(41)=本名松本智津夫=は「教団が法の規制を破り破壊活動をすることは決してない」と陳述し、同法の要件とされる「将来の危険」のないことを強調した。
さらに、逃走中の特別手配信者には出頭を呼び掛けるとともに「ハルマゲドン(最終戦争)は終了した」と述べ、公安調査庁が「将来の危険」の証拠としたハルマゲドンの予言も否定した。
公安庁は陳述に先立ち「将来の危険」を示す新たな証拠21点を提示。4月現在、出家信者530人以上、在家信者7000人以上がおり、今年も6700万円以上の布施を集めていると指摘した。
この日の弁明手続きには、公安庁側から受命職員の堀江信之総務課長ら3人、教団側は麻原被告のほか、村岡達子代表代行、代理人の内藤隆弁護士ら3人が出席し、教団側が選任した評論家の佐高信氏ら立会人5人が傍聴した。
麻原被告は代理人の問い掛けに答える形で陳述。教団の破壊活動を否定した上「指示するつもりもない。もし分かったら即座に止めたい」と述べた。手配信者に出頭を求め「進んで財産を提出してほしい」として、破産管財人への協力も呼び掛けた。
公安庁側の証拠についてはハルマゲドンの予言を否定したほか、松本サリン事件の計画を主導したとされた麻原被告の説法も「根拠がない。こうした証拠は説法の一部を抜き取った作文」と批判した。
また、新証拠で麻原被告の奪還計画が指摘されたことにも触れ「拘置され、めい想の絶好の機会を得ている。邪魔しないでほしい」と、信者に呼び掛けた。《共同通信》
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オウム真理教に対する破壊活動防止法の第3回弁明手続きは15日午後も東京拘置所で続けられ、教団代表者の教祖麻原彰晃被告(41)=本名・松本智津夫=は意見陳述で、「ポア」という言葉が殺人の指示を意味したとされることについて「私の説法全体を読めば、過ちだと分かる」と否定した。
公安調査庁が指摘した教義そのものの危険性や、「祭政一致の独裁国家建設を目指した」とされる「政治目的」もないと主張。「自分は権力を持ってない」と述べた。一連の事件での「首謀者」との指摘にも全面的に反論した形だ。意見陳述は、28日の第4回弁明手続きで続行される。
麻原被告の意見陳述は午後も教団側代理人の質問に答える形で進められ、午前と合わせて約4時間に及んだ。
「将来の危険」とともに破防法の要件とされる「政治目的」について、麻原被告は「全くないし、説法や本を読んでも出てこない」と否定。国をまねた省庁制なども「名前だけで遊び心でやった。(人事も)大臣らがほしい人間を抜いて決めた」と述べた。
さらに教義については「ポア」の意味を否定した上、公安庁の「殺人行為をも正当化していた」との指摘に対し「全く危険性がない」と主張。教義は仏教の教え通りであり、独自に付け加えたものもないとした。
終了直前、陳述を次回期日で終えるように通告する受命職員に、麻原被告は「公安庁は力ずく。なぜ私の権利を奪うのか」と声を荒らげた。
公安庁は次回期日を指定するとともに、教団側に弁明を6月中に終えるように繰り返し指示。教団側は「適正な弁明手続きが保証されるべきだ。弁明の制限に強く抗議する」と訴えた。《共同通信》
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【大相撲夏場所】4日目
大相撲夏場所4日目(15日・両国国技館)大関若乃花が熱戦の末に関脇魁皇の寄りに屈し、初黒星を喫した。魁皇は4戦全勝。ほかの横綱、大関は安泰。曙は関脇琴錦を豪快に突き倒して3日ぶりの白星で2勝2敗とした。横綱貴乃花は土佐ノ海を落ち着いて押し出し、貴ノ浪、武蔵丸の両大関とともに全勝を守った。大関を目指す武双山は同じ関脇の貴闘力を押し出し3勝1敗。全勝は貴乃花、貴ノ浪、武蔵丸、魁皇と平幕の栃乃和歌の5人となった。十両は久島海がただ一人4連勝。《共同通信》
【Jリーグ】第14節
Jリーグ第14節(15日・国立競技場ほか=8試合)横浜フリューゲルス、ジュビロ磐田の上位が相次いで敗れた。横浜Fはジェフ市原に前半だけで3点を許し、2−4で敗れたが首位キープ。磐田もベルマーレ平塚のベッチーニョのハットトリックなどで3−4で競り負けた。鹿島アントラーズは長谷川のVゴールでセレッソ大阪に1−0で勝ち、浦和レッズも京都サンガを延長で退けた。磐田、鹿島、浦和が勝ち点3で並び、鹿島が磐田に代わって2位に浮上した。《共同通信》
【梶山静六官房長官】「解散は1月ごろ」
梶山静六官房長官は15日朝、自民党のベテラン議員でつくる「日本の進路を考える会」であいさつした。出席者によると梶山氏は衆院の解散・総選挙の時期について、現政権で1997年度予算案を編成した後の来年1月ぐらいがめどになるとの見方を示した。
ただ、梶山氏は「解散は首相の専権事項であり、橋本龍太郎首相の考えは聞いていない」と強調した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は15日昼、首相官邸中庭で自民党の政策ポスター用の写真を撮影した。普段は閣僚や官僚に指示を出す立場の首相もこの時ばかりはカメラマンから出される注文に従うばかり。「やれやれ、自分が撮ったほうがいいよ」とはカメラが趣味の首相らしいぼやきも。「ポーズをつけるのが嫌なんだ。自分で写真を撮る時もそういうのは好きじゃないんだ」と撮影には少々不満の様子だったが、「橋本人気」で自民党支持を高めるためには我慢も仕方がない。
○・・・社民党の佐藤観樹幹事長は15日午後の記者会見で、自民党の加藤紘一幹事長の証人喚問問題について「加藤氏や自民党が対応すべきだ」と従来の考えを強調。記者団が「金融問題特別委員会で検討することになっているが」と質問すると「新進党は(与野党合意に)賛成していたかな。西岡武夫国対委員長の署名はあるけど、予算案には反対している」ととぼけた。喚問問題をめぐり新進党が同特別委の審議入りに反対しているだけに、加藤氏喚問協議の約束もなかったことにしたい?《共同通信》
【新進党】安保論議開始
新進党は15日、小沢一郎党首が打ち出した集団的自衛権行使の合憲論を焦点とした安全保障政策をめぐる全党的論議を開始した。今月中にも初会合を開く予定の党憲法問題調査会(会長・愛知和男政審会長)の論議と並行し、結論を早期にまとめる考えだ。
しかし、集団的自衛権の憲法解釈変更については「解釈を広げ、超法規的なことをやると、厄介になる」「(羽田孜元首相)「一年とか期間を決めて論議すべきだ」(石田幸四郎氏)などの慎重論が羽田氏支持、旧公明党両グループを中心に、根強い。この日の「明日の内閣」外交・安保政策拡大会議でも集団的自衛権をめぐる意見の相違が早くも浮き彫りになっており、意見集約は難航しそうだ。
拡大会議では解釈変更積極派の東祥三・安全保障基本法プロジェクトチーム座長と、慎重派の岡田克也衆院議員の論点整理を中心に質疑した。
東氏は国連憲章との整合性を図るため従来の憲法解釈を変更し、個別的、集団的各自衛権と国連平和維持活動、国連決議に基づく多国籍軍の活動への参加を合憲とし、安全保障基本法で厳しく制約する私案を説明。岡田氏は解釈改憲は無理とした上で「国連決議を経た場合には現実にはかな」りの広い範囲で後方支援ができ、解釈変更の実益はない」と反論した。
出席者からは「集団的自衛権を全く使えないというのは無理がある」「憲法改正を視野に入れるのか」などの質問が出た。《共同通信》