平成2686日目
1996/05/16
この日のできごと(何の日)
【薬害エイズ問題】芦沢正見氏、郡司氏の対応批判
薬害エイズ問題を審議する参院厚生委員会の小委員会が16日開かれ、厚生省エイズ研究班員だった芦沢正見・元国立公衆衛生院理論疫学室長(73)と元同省生物製剤課長の郡司篤晃・東大医学部教授(58)が参考人として出席した。
陳述の中で芦沢氏は、米国の製薬会社トラベノール(現バクスター)が1983(昭和58)年6月、エイズウイルス(HIV)混入の恐れがあるとして非加熱製剤を自主回収した際、郡司氏がその事実を研究班に報告しなかった問題について「(報告があれば非加熱製剤を継続使用とした)研究班の結論は変わっていた」と郡司氏の対応を批判。報告がなかったことが薬害エイズの被害拡大を招いた一因との認識を示した。芦沢氏の国会参考人招致は初めて。
トラベノールは当時、当該製品を日米両国で自主回収するとともに厚生省に事実を報告したが、エイズの実態把握を目的に発足したエイズ研究班には報告されなかった。
自主回収問題について、この日、芦沢氏に先立って委員会に出席した郡司氏は「(当時)エイズの感染力、潜伏期間も分からず、回収情報は何の意味もなかった」と答弁。これに対し、芦沢氏は「まったく不自然。(報告があれば)非加熱製剤が感染の原因とはっきりしていた」と強調した。
また芦沢氏は、郡司氏がエイズ研究班の会議の中で「安全な加熱血液製剤の超法規的な緊急輸入を提案したとされることについて「郡司氏と遠くない席に座っていたが、『緊急輸入という、方法もあるんじゃないでしょうか』とはっきりおっしやった」と陳述。郡司氏が発言を否定していることを「心外だ」とした。
さらに芦沢氏は昭和58年7月の第2回研究班会議で「(血友病対策は)緊急輸入とクリオ(国産血液製剤)しかないのではないかということになったが、安部英・元班長が血友病に関することはわれわれ専門家にお任せくださいと言って、班長一任ということになった」と研究班の運営に安部氏の意向が強く働いていたことを示唆した。郡司氏の陳述内容はほぼ前回と同様だった。清水嘉与子氏(自民)らの質問に答えた。《共同通信》
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【橋本龍太郎首相】国民負担問題は深刻
橋本龍太郎首相は16日午前、官邸で開かれた財政制度審議会など首相、蔵相の4諮問機関による初の合同審議会で「国民負担の問題が深刻だ。税体系、社会保障などが別々に議論されていては(財政再建に向けた)突破口が見つからない」と述べ、財政が危機的な状況に陥っている中で、国民負担の在り方を見直す必要があるとの認識をあらためて示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は16日、官邸に表敬で訪れたウォルフェンソン世界銀行総裁と懇談し、フェンシングの話で盛り上がった。懇談後、記者団に「(総裁は)全豪チャンピオンだったんだよ」と話し始め、「フェンシングは恐ろしい。あれと戦って勝つ自信がない。間違っても勝つ自信がない」と剣道五段の首相らしからぬ弱気なコメント。資料の書類を丸めてサーベルに見立てて、「こうだよ、こう」と記者団に向かってフェンシングのポーズをとり、おどけてみせた。国会終盤は住専処理法案をめぐり、不透明だが、首相のサーベルさばきは?
○・・・池田行彦外相はこの日朝、都内のホテルで開かれた民間主催のセミナーで講演。司会者から「池田さんは大物政治家の外相ではない。これからの精進に期待したい」と紹介され、「小物」の池田です。中身の薄い人は早く片付けておけということで、(一番に)ご指名をいただいた」と皮肉交じりのあいさつをした。米国のロード国務次官補らも出席していただけに気分を害した風だ。最後に「まとまりのない話で、未完成交響楽の調子外れだったということでお許しいただきたい」とへりくだったが、シューベルトの未完成交響曲を意識しているようにも聞こえ、内心では自負も。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】スリランカ・クマラトゥンガ大統領と会見
来日中のスリランカのクマラトゥンガ大統領は16日、皇居・宮殿で天皇、皇后両陛下と会見した。
同席した宮内庁の渡辺允式部官長によると、両陛下は皇太子時代の昭和56年、スリランカを訪問した際に、仏教遺跡を訪ねた思い出などを披露。音楽も話題になり、大統領は「ピアノを弾いていると任事でのつらいことも忘れます」などと話した。
会見後、宮殿内の小食堂「連翠」で、皇太子ご夫妻も加わった昼食会が開かれた。
また、同大統領は、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見会し、「(政府軍と戦闘を続ける)反政府ゲリラ、タミル・イーラーム解放のトラ(LTTE)はタミル人社会でも支持が失われており、民族紛争の解決は間近だ」と述べた。《共同通信》
【インド】人民党代表が首相就任
インド総選挙で第一党となったインド人民党のバジパイ代表は16日、デリー首都圏の大統領官邸でシャルマ大統領らの立ち会いの下で首相就任宣誓式に臨み、第11代インド首相に就任した。
首相のほか担務未定のまま11人の新閣僚が宣誓したが、少数派の同党が今後15日以内に国会の信任を得るのは、現状では極めて難しいとみられている。同党が信任獲得に失敗した場合、大統領は国民会議派の閣外協力を得た中道・左派連合に政権担当を要請する運びとなる。
ヒンズー至上主義を掲げる人民党主導の政権ができるのは1980年の党設立以来、初めて。同党とその提携政党は、今回の選挙で開票済みの534議席(定数545)のうち194議席しか獲得していない。
大統領は15日、同党に組閣を要請した際、今月末までに新国会で「多数派の支持を証明する」ことを条件とした。バジパイ新首相は同日夜、信任獲得に自信を示した。同党が今後どのような多数派工作を展開するのか注目されている。《共同通信》
【大相撲夏場所】5日目
大相撲夏場所5日目(16日・両国国技館)大関武蔵丸が小結琴の若の右内無双に初黒星を喫した。両横綱は順当勝ち。貴乃花は玉春日の押しに危ない場面もあったが、寄りで退け5連勝、曙は小結旭豊を押し出して3勝2敗と白星を先行させた。大関貴ノ浪は大翔鳳を豪快に決め出し5戦全勝、若乃花は朝乃翔を押し出し1敗を守った。大関を目指す関脇武双山は同じ関脇魁皇を豪快な上手投げで破り、ともに4勝1敗。幕内の全勝は貴乃花、貴ノ浪と平幕の栃乃和歌の3人。十両は久島海が勝ちっ放し。《共同通信》
【西武・鹿取義隆投手】通算211セーブポイント
西武3−2日本ハム◇16日◇東京ドーム
九回一死三塁から佐々木の適時打で追いついた西武が延長十回、高木大の右前打で決勝点を挙げ、日本ハムに競り勝った。二番手の鹿取は日本ハムの追加点を阻んで反撃を呼び、4勝目。通算211セーブポイントのプロ野球新記録をマークした。
◇
西武の鹿取義隆投手(39)は16日、救援登板した日本ハム8回戦(東京ドーム)で勝利投手となり、プロ野球新記録の通算211セーブポイントをマークした。
内訳は救援勝利81、セーブ130で初セーブポイントは巨人時代の1979年4月13日の大洋戦でのセーブ。鹿取は9日のロッテ戦で江夏(西武)がつくったプロ野球記録の通算210セーブポイントに並んでいた。
○・・・無死一塁と同点の走者を残してマウンドを降りたことに悔いが残るのか、プロ18年目のベテランは「交代完了ではないから…。橋本、潮崎、それに援護してくれた打線に感謝です」と喜びを控えめな声で表した。
1点リードされた七回二死一、二塁から登板した。「あと何試合に出られるか分からない。投げたときは全力で自分の仕事をこなしたい」との言葉通り、粘り強く投げて追加点を与えなかった。そして、味方打線が九回に追いつき、延長十回に17歳も年下のルーキー高木大が決勝点をたたき出した。
小さな体でコツコツと積み重ねてきた快記録を、鹿取は「みんなに感謝したい」ともう一度繰り返した。《共同通信》