平成2681日目

1996/05/11

この日のできごと(何の日)

【沖縄県収用委員会】楚辺通信所緊急使用「不許可」

使用期限が切れた米軍楚辺通信所(沖縄県読谷村)内の反戦地主、知花昌一さん(48)の所有地について、国が求めた半年間の緊急使用の可否を審査している沖縄県収用委員会(兼城賢二会長、7人)は11日午前、4回目の会議を開き、全員一致で緊急使用を不許可とする決定を出した。

決定理由で収用委は、現実に米軍が土地使用を継続していることなどを挙げ「使用の緊急性、必要性を国が主張すること自体、失当」とし、土地が使用できないための支障についても「国は証明できていない」と述べ、「国の申し立ては許可要件に該当しない」と結論付けた。

不許可決定に対し国の不服申し立ての手段はないとされる。今後、国が対象土地の使用権原を得るには、緊急使用と同時に収用委に申請した土地の強制使用裁決を待たなければならない。しかし、裁決まで早くても数カ月かかりそうで、国の4月1日以降続いている不法占拠状態は、長期化が確実となった。《共同通信》

橋本龍太郎首相は11日午後、沖縄・米軍楚辺通信所の一部用地の緊急使用が不許可となったことについて「日米特別行動委員会の中間報告で、米政府を含め沖縄県民の負担を最大限、軽減するように努力してきた。政府はできる限りの説明をしたつもりだが非常に残念だ」と強い遺憾の意を表明した。《共同通信》

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【難波康子さん】行方不明に

ネパール観光省当局者は11日、日本人女性で2人目のエベレスト(中国名チョモランマ、8848メートル)登頂者となった会社員難波康子さん(47)=東京都大田区=らが行方不明になった、と語った。

安否については確認されていないが、難波さんの自宅に同日夜、ニュージーランドの山岳関係者から「下山中に天候が激変した。康子さんの倒れた姿が見えた」などとの連絡が入っており、無事かどうか気遣われている。

当局者によると、行方不明になったのは難波さんとニュージーランド人登山家のアンドルー・マイケル・ハリスさん(32)。2人が参加した多国籍登山隊とは別の遠征隊に加わった3人も連絡が取れないという。ネパール人シェルパが同日朝、救援のため現地に向かった。

難波さんらは10日、ニュージーランド人リーダーのロバート・ホールさん(35)ら4人とともに世界最高峰のエベレスト登頂に成功。同日中に8000メートル地点のキャンプに戻ったが、悪天候に見舞われ、下山途中に連絡が途絶えた。うち、ホールさんについては10日夜、無線連絡で無事が確認された。当局者によると、難波さんとハリスさん以外の2人は無事のもよう。

難波さんはプロガイドの主催する公募隊に参加、総勢12人の多国籍登山隊の一員だった。10日、南東ルートからエベレスト登頂に成功、日本人女性としては昭和50年の田部井淳子さんに次ぐ快挙を成し遂げた。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】元慰安婦へおわびの手紙

橋本首相は、「女性のためのアジア平和国民基金」が元従軍慰安婦への一時金を支給する際、国としてのおわびの気持ちを伝える首相の手紙を添えることを決め、11日までに内閣外政審議室に文案の取りまとめを指示した。

同基金は、韓国や台湾、フィリピンに在留する元慰安婦約300人に一人300万円の一時金支給を、今年7月中旬以降に開始する方針を決定しており、その際、橋本首相名の「おわびの手紙」を手渡すことになる。

文言は「国家補償には応じられない」とする政府の基本姿勢を踏まえた上で、宮沢内閣が平成5年8月に発表した「従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒し難い傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げる」との官房長官談話に沿った内容になる見通し。政府が再支給に応じると誤解されないよう、文脈には留意するという。《共同通信》



5月11日 その日のできごと(何の日)